起立性調節障害とは?11の症状・4つのタイプと診断までの流れ

起立性調節障害とは?11の症状・4つのタイプと診断までの流れ
「立ちくらみがひどい」「朝は頭痛や倦怠感で起き上がれないのに、午後は元気になる」。そんな症状の正体は、自律神経の調節がうまくいかないために起こる「起立性調節障害(OD)」かもしれません。この記事では、日本小児心身医学会の情報をもとに、11の身体症状・4つのタイプ・診断の流れを整理しました。「うちの子はいくつ当てはまるだろう」と照らし合わせながら読んでみてください。あわせて、実際にNIJINアカデミーに在籍する子どもたちの様子や、体調の波があってもNIJINなら学びを続けられる理由もご紹介します。
この記事でわかること
  • 起立性調節障害の正確な定義とメカニズム
  • 診断基準となる11の身体症状
  • 新起立試験で判定される4つのタイプ
  • 診断までの流れと、似た症状との違い
  • 体調の波があっても学びを続けられる環境の選び方

起立性調節障害とは

医療機関のベッドで、看護師が中学生の腕に血圧計のカフを巻いて測定している
診断は新起立試験という客観的な検査にもとづいて行われます。

起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation:OD)は、立ち上がった時に頭痛、めまい、倦怠感などの症状が出る病気で、血圧や心拍数など循環器系の自律神経の調節に不調をきたすことが原因になります。本来、人が立ち上がると重力で血液が下半身に集まり血圧が下がりそうになりますが、自律神経が血管を収縮させて血圧を維持しています。ODはこの代償機構がうまく働かないために、脳への血流が一時的に不足し、さまざまな症状が起こります。

思春期に発症しやすく、午前中に症状が強く、午後にかけて回復していくのが大きな特徴です。この波があるために、周囲から「やる気の問題」「学校が嫌いなだけ」と誤解されやすい病気でもあります。実際には、本人が一番つらい思いをしていることが多く、「なぜ自分だけ朝が苦手なんだろう」と自分を責めてしまう子も少なくありません。まずは、これが本人の性格や意思の問題ではなく、自律神経という身体の機能に起因する医学的な状態であると理解することが、家族にとっても本人にとっても大切な出発点になります。

また、症状の重さは一人ひとり異なります。軽い立ちくらみ程度で日常生活にほとんど支障がないケースもあれば、朝起き上がることすら難しく、学校生活に大きな影響が出るケースもあります。同じ「起立性調節障害」という診断名でも、現れ方や必要なサポートの度合いは大きく異なるということを、周囲が理解しておくことも重要です。

診断の目安となる11の身体症状

学校の廊下で立ちどまり、めまいをこらえるように壁に手をついている中学生
立ちくらみや朝の不調は、11項目の中心になりやすい症状です。

日本小児心身医学会のガイドラインでは、次の11項目のうち3つ以上(症状が強い場合は2つ以上でも)当てはまるとき、起立性調節障害を疑うとされています。

OD身体症状11項目
  • 立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい
  • 立っていると気分が悪くなる、ひどくなると失神する
  • 入浴時や嫌なことがあると気分不良になりやすい
  • 少し動くと動悸や息切れがする
  • 朝なかなか起きられず、午前中に調子が悪い
  • 顔色が青白い
  • 食欲不振がある
  • 強い腹痛がある
  • 頭痛がある
  • 倦怠感が強い、疲れやすい
  • 乗り物に酔いやすい

これらに加えて、夜に目が冴えて寝つけず、起床時刻が遅くなる、悪化すると昼夜逆転生活になるといった睡眠面の変化もよく見られます。雨の前など気圧の変化に影響を受けやすいことも特徴のひとつです。こうした症状は、本人にとっては毎日繰り返される現実であり、「今日はどのくらい動けるだろう」と朝ごとに手探りで過ごしている子も多くいます。周囲が「昨日は元気だったのに今日はどうして」と戸惑う場面もありますが、これはOD特有の波であり、本人が意図的にコントロールしているものではありません。

症状の数だけでなく、その症状によって日常生活や学校生活にどれくらい支障が出ているかも、重症度を考えるうえで大切な視点です。例えば、立ちくらみが週に1回程度であれば軽症の範囲かもしれませんが、毎朝起き上がれず遅刻や欠席が続くようであれば、早めに医療機関へ相談することが望ましいでしょう。

NIJINアカデミーのイベントに集まった全国の子どもたちとスタッフの集合写真オルタナティブスクールという選択肢

学校に合わないからこそ、輝く個性がある。

NIJINアカデミーは、日本初、公教育を持ち運び可能にした
オルタナティブスクール(小中高一貫校)です。

  • 累計入学 900名超
  • 出席認定率 97%(希望者)
  • 全国52か所のリアル教室

※出席扱いの最終判断は在籍校です。数字はNIJINアカデミー公式サイトの掲載値。

友だち追加は無料・相談だけでもOKです|デジタルパンフレットを見る

新起立試験で分かる4つのタイプ

症状の該当項目を確認したあと、鉄欠乏性貧血や心疾患、てんかん、甲状腺機能の異常など、他の病気の可能性を除外したうえで「新起立試験」を行います。安静に横になった状態から立ち上がり、血圧の回復時間や心拍数の変化を計測して、次の4タイプに分類します。

タイプ特徴
起立直後性低血圧(INOH)起立直後に血圧が大きく低下し、回復に時間がかかる
体位性頻脈症候群(POTS)血圧はあまり下がらないが、心拍数が急上昇する
血管迷走神経性失神(VVS)起立中に突然血圧・心拍数が低下し、失神することがある
遷延性起立性低血圧(DeOH)起立後しばらくしてから血圧が徐々に低下していく

タイプの判定後は、日常生活の状況とあわせて身体的な重症度を判定し、さらに心理社会的な関与の程度も専用のチェックリストで評価します。ODは自律神経機能が心理社会的ストレスの影響を受けやすいため、心身症としての側面をあわせ持つ病気とされています。どのタイプに当てはまるかによって、生活面で気をつけるポイントや治療の進め方も少しずつ異なるため、自己判断せずに医療機関で正確な検査を受けることが、その後の対応をスムーズにする第一歩になります。

単なる立ちくらみ・自律神経失調症との違い

一時的な立ちくらみは誰にでも起こりますが、ODは症状が繰り返し続き、日常生活や学校生活に支障をきたす点が異なります。また「自律神経失調症」は明確な診断基準を持たない通称的な呼び方であるのに対し、ODは新起立試験という客観的な検査に基づいて診断される、れっきとした医学的な疾患です。「そのうち治るだろう」と様子を見ているうちに、学校を長期間休むほど症状が重くなってしまうケースもあるため、気になるサインが続く場合は早めの受診が安心につながります。

起立性調節障害の診断までの流れと、受診先の選び方

「起立性調節障害かもしれない」と思ってから診断がつくまでには、いくつかの段階があります。順番を知っておくと、受診のときに何を聞かれるかが分かり、説明に必要な記録を先に用意できます。

受診から診断までの4ステップ
やること家庭で用意しておくもの
① 症状の確認11項目のうちいくつ当てはまるかを整理する起きられた時刻・症状が出た時間帯のメモ
② 他の病気の除外貧血・心疾患・てんかん・甲状腺機能の異常などを調べるこれまでの健診結果・服薬の記録
③ 新起立試験横になった状態から立ち上がり、血圧と心拍の変化を計測する検査前の食事・水分の指示を確認
④ タイプと重症度の判定4つのタイプの判定と、心理社会的関与の評価を行う学校生活でどれくらい支障が出ているかのメモ

どこに相談すればいい?

受診先の選び方
相談先向いている場面留意点
かかりつけの小児科まず相談する最初の窓口新起立試験を実施していない場合がある
小児心身症・思春期外来症状が長引き、学校生活に支障が出ている予約が取りにくいことがある
学校(養護教諭・担任)出欠や授業の配慮を相談する診断の有無にかかわらず相談できる
スクールカウンセラー本人・家族の心理的な負担が大きいとき医学的な診断はできない

受診の前に整理しておきたいこと

受診前チェックリスト
用意すること用意できたか
11項目のうち、当てはまる症状に印をつけた
直近2週間の、起床時刻と体調の変化を記録した
症状が強く出る時間帯(午前/午後/入浴時など)を書き出した
欠席・遅刻・早退の日数を数えた
本人が困っていることを、本人の言葉でメモした

この5つがあると、初診の限られた時間でも状況が正確に伝わります。とくに起床時刻の記録は、午前と午後の差という起立性調節障害の特徴を示す材料になります。

NIJINアカデミーの子どもたちの声

体調の波を抱えながら学校生活を送ることの難しさは、実際にNIJINアカデミーに在籍する子どもたちの経験からも垣間見えます。中学1年生のたっぴーさんは、小学5年生の頃から学校に通えなくなり、腹痛や不眠を抱えながら「行きたいのに行けない」という葛藤を抱えていました。診断名としての起立性調節障害があったかどうかにかかわらず、身体のつらさによって朝の登校が難しくなるという経験は、多くの保護者にとっても共感できる部分があるのではないでしょうか。

たっぴーさんは、その後プログラミングと出会い、ゲームを「遊ぶ側」から「作る側」へとシフトしていきました。自分のペースで学べる環境の中で、社会とのつながりを取り戻し、大きな教育展示会のステージで、企業とともに「ゲームで社会とつながる」というテーマで登壇するまでに成長しています。体調に波がある時期は、無理に元の生活リズムへ戻すことを急ぐのではなく、本人が今できることを積み重ねていく視点が、結果として次の一歩につながっていくことを示す一例といえるでしょう。

起立性調節障害でもNIJINアカデミーに通える理由

起立性調節障害の大きな特徴は、午前中に調子が悪く、午後から夕方にかけて回復していくという波があることです。この波に合わせて学べる環境かどうかは、本人と家族にとって大きな安心材料になります。NIJINアカデミーが、体調に波のある子どもたちにも選ばれている理由を、いくつかの角度からご紹介します。

いつでも入れるバーチャル校舎

NIJINアカデミーは、oviceというツールを使ったバーチャル校舎を採用しており、決まった時間に教室へ向かう必要がありません。午前中は横になって休み、体調が上向いてきた午後から校舎に入って授業に参加する、といった過ごし方も可能です。「今日は調子が悪いから休む」「今週は少し授業を減らす」といった調整も、専任サポート担任と相談しながら柔軟に行えます。

顔を出さなくても参加できる仕組み

カメラ・音声をオフにしたままの見学参加や、チャット・リアクションボタンでの参加もできるため、体調が万全でない日でも「つながりだけは保つ」という関わり方ができます。声を出すこと自体がしんどい日でも、クラスの雰囲気を感じながら、無理のない範囲で参加できる点は、体調の波がある子にとって大きな支えになります。

少人数制と1:1専任サポート担任

8〜10人程度の少人数制クラスに加え、1人ひとりに専任サポート担任がつきます。教員経験や不登校経験のある信頼できる大人が伴走し、日々の体調に合わせて無理のないペースを一緒に考えてくれるため、「今日はどこまで頑張ればいいのか」を一人で抱え込まずに済みます。

出席認定率9割以上という実績

在籍校や教育委員会と連携し、NIJINでの学習状況が出席として扱われるケースがあります(最終判断は学校によります)。希望する生徒の9割以上が在籍校の出席認定を得ている実績があります(2025年4月時点、株式会社NIJIN公式プレスリリースより)。「学校を休むこと」への不安を、少しでも軽くできる材料のひとつです。

定期テストがなく、自分のペースで学べる

NIJINには定期テストがなく、担任の所見によるポートフォリオ評価で成長を可視化します。体調によって学習のペースが一定でなくても、無理に周囲と競わせる仕組みではないため、本人の状態に合わせて学びを続けやすい設計になっています。

ダイニングテーブルで、母親と中学生の娘がカレンダーに体調の記録を書き込んでいる
起床時刻と体調の記録は、受診のときに最も役立つ材料になります。

よくある質問

病院に行かなくても、様子を見ていれば治りますか?
軽症であれば自然に回復することもありますが、症状が2週間以上続く場合や学校生活に支障が出ている場合は、自己判断せず小児科などの医療機関に相談することをおすすめします。適切な対応の開始が早いほど、回復もスムーズになりやすいとされています。
検査は痛いですか?体に負担はありますか?
新起立試験は、安静にした状態から立ち上がって血圧・脈拍の変化をみる検査で、注射や機械的な負担はありません。ただし立っている間に気分が悪くなることがあるため、医療スタッフの管理のもとで行われます。
学校に通えていない間、勉強の遅れが心配です。
体調が優れない時期に無理に学習量を確保しようとすると、かえって負担が大きくなることがあります。オンラインでいつでも参加できる環境や、少人数制で個別にペースを合わせられる学びの場を利用することで、無理のない範囲で学びを継続することができます。
体調の波に合わせて、学びを止めない選択肢を

起立性調節障害の症状があっても、本人のペースで学びとつながりを続けられる環境があります。まずは無料の体験会で、雰囲気を見てみませんか。