
すべての子が、自分らしく誰かを幸せに。
「先生あたし、
学校合わないんですよね」
高学年で担任した、ある女の子の言葉です。真面目で大人しいと言われ、休み時間はひとりで本を読んで過ごしていました。
でも本当は、明るくて、朗らかで、人懐っこい子でした。学校では、その姿を出せなかっただけなのです。
彼女だけではありません。教室には、自分を出せないまま過ごしている子が、何人もいます。

不登校は、
過去最多の35万人。
みなさんは、不登校と聞くとどのようなイメージを持ちますか。甘え、障害、社会不適合。
不登校はネガティブな言葉で語られることが多く、事実、半数の小中学生が不登校をきっかけに自己肯定感をさげ、生きる希望を失う子さえいます。
不登校のきっかけは、実は人間関係が最も多いと言われています。先生や友達が悪いわけではなく、固定化された人間関係が何年も続く学校システムでは、合わなくなったときに苦しいのです。逃げ道がないのです。
不登校になると周囲の目が気になり、家からも出られなくなるお子さんが多いです。家から出られなくなると、豊かな教育体験や友達、信頼できる大人と出会う機会がなくなり、子どもが本来持っているはずの自己肯定感が奪われてしまうことが分かっています。

明るくない子どもなんて、いない
たったの一人として、暗い子ども、悪い子どもなんていないのです。子どもたちが、そう教えてくれました。
暗い顔で過ごす子を、一人残らずハッピーにしたい。その想いで教師を辞めました。
不登校問題は、誰のせいなのでしょうか。私たちは、不登校は誰のせいでもないと考えます。最大の問題は、学校に行けなくなった途端に、教育の質を約束できない仕組みにあるのです。
そもそも「不登校」という、学校に行かないことが悪であるかのような言葉は、学校に代わる選択肢がないことから生まれた概念です。

“
変えるべきは子どもではなく、
学校のしくみでした。
だから、NIJINアカデミーを
つくりました。
学校という「場所」に縛られず、誰もが自分のペースで質の高い教育を受けられる仕組みを、一からつくることにしました。
多様性、主体性、選択性を土台にした学校です。メタバースを本校舎としながら全国に教室を開校し、企業・自治体・機関と連携しながら学校を運営しています。
私たちの強みは教師力です。その子と「本来の自分」、その子と「学び」、その子と「社会」をつなぎ、子どもが自分・学び・社会を好きになるように、教育を共に創っています。

なぜ、ここまでやるのか。
それは、教師だったからです。
私は、当時荒れていた横浜の、最も荒れていた地域で、まともに公教育を受けず、小6で九九を習いました。
当時は家族とも折り合いが悪く、自信もやりたいこともなく、ずっと自分の人生は不正解だと思って生きてきました。
そんな私が小学校の教師になり、学校で自分を出せず暗い顔で過ごす子どもとたくさん出会い、分かったんです。義務教育をまともに受けていない私が教師になったのは、自分自身を不正解だと思っている全ての子どもの人生を、希望に変えるためだと。

“
この子たちの味方になるために、
自分の人生がある。
学校で本来の自分を出せず、「おとなしい子」「問題児」とレッテルを貼られる子どもたちはこの国の宝です。
教師として隣のクラスすら救えない現実に直面した私が、学校に並ぶ教育インフラとしてNIJINアカデミーを社会と世界へ、教育を広げ続けます。

星野 達郎
1990年生まれ、横浜市出身。千葉大学教育学部を卒業後、JICA海外協力隊としてグアテマラへ派遣。帰国後、青森県八戸市で小学校教諭を7年間務める。2022年に株式会社NIJINを創業し、オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」を開校。2026年、国際青年会議所(JCI)の「世界の傑出した若者10人(TOYP 2026)」に日本から唯一選出された。
- JCI 世界の傑出した若者10人(TOYP 2026)
- 青年版国民栄誉賞 内閣総理大臣奨励賞
- 第17回 若者力大賞
- NIKKEI THE PITCH SOCIAL 最優秀グランプリ
- 著書『教室の心理的安全性』(明治図書)
- University
- 千葉大学教育学部 卒業
- Overseas
- JICA海外協力隊 グアテマラ派遣
- Teacher
- 青森県八戸市 公立小学校教諭 7年間
- Founder
- 株式会社NIJIN 創業。NIJINアカデミーを創設

「義務教育が持ち運び可能に!?」
- なぜ学校をつくったのか
- 義務教育を持ち運び可能にするとは何か
- 1,000名の子どもに起きた変化


よくある質問
子どもが家から出られません。学ぶ場所はありますか?
あります。家から出られなくなると、学びだけでなく友達や信頼できる大人との出会いも失われがちです。私はそれを変えたくて、家から入れる校舎をつくりました。授業を聞く、仲間の活動を見る、チャットで伝える。できるところから始められます。
子どもが学校に合わないです。どんな選択肢がありますか?
別室登校、教育支援センター、フリースクール、自宅からのオンライン学習があります。お子さんを学校の型に合わせることだけを考えなくていいんです。私たちは、学ぶ場所や関わる人を子どもが選べる学校をつくりました。
不登校の子のために学校を作ったのはなぜですか?
教員時代、学校では「おとなしい」と見られていた子が、本当は明るく人懐っこいと知りました。その子の力がないのではなく、学校で出せなかったんです。子どもを変える前に学校の仕組みを変えたい。そう思ってNIJINアカデミーをつくりました。
「NIJIN」にはどんな願いがありますか?
一人ひとりが自分の色で輝き、誰かも幸せにできる。「NIJIN」という名前にその願いを込めています。同じ色にそろえるための学校ではありません。
自信をなくした子も発表できますか?
できます。発表は、みんなの前で大きな声を出すことだけではありません。作品を見せる、チャットで思いを伝える。そんな一歩も立派な発表です。自分の力が誰かに届く場を、子どもに渡したいと思っています。
勉強以外にどんな力が育ちますか?
自分で選ぶ力、学ぶことを楽しむ力、人や社会とつながる力です。教科も大切にします。でも私は、子どもが「ここにいていい」「自分にもできる」と思えることから、次の学びが始まると考えています。
先生は子どもにどう向き合いますか?
まず、その子が学校で出せなかった自分を知ろうとします。話せない日には発言を急がせず、興味が向くものから関係をつくる。授業の上手さと同じくらい、一人の子どもに本気で向き合うことを先生に求めています。
学校に戻れなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。戻りたい子には力を貸しますし、別の場所で学ぶ子も応援します。学校に戻ることだけが成功だとは思いません。自分を信じ、学び、誰かとつながって生きていけることを大切にしています。
子どものことで親も相談できますか?
もちろん相談できます。子どもがまだ人と会いたくないなら、親御さんだけで話してください。困りごとを一つずつ聞き、担任や学校との関わり方を一緒に考えます。親御さんに「自分のせいだ」と思ってほしくないんです。
学校が合わない子の将来をどう考えますか?
いま学校に合わないことは、将来の可能性がないという意味ではありません。私は、子どもが本来持つ力を出せる場所を増やしたい。学ぶことを楽しみ、自分の力で社会とつながる未来を、その子と一緒につくります。
