「教室には入れないけれど、学校には行きたい」——保健室や相談室でなら過ごせる「別室登校」は、決して珍しいことではありません。この記事では、別室登校の実態と、家庭でできる関わり方をわかりやすく解説します。
- 別室登校とは何か、保健室登校との違い
- 子どもが教室に入れなくなる主なきっかけ
- 家庭でできる対応と学校との連携のコツ

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別室登校とは、教室には入れないものの、保健室や相談室、図書室、校内の学習支援室など、学校内の別の部屋であれば登校できる状態を指します。「校内教育支援センター」「校内適応指導教室」といった名称で、校内に専用スペースを設けている学校も増えています。完全に学校へ足が向かなくなる前段階として現れることが多く、「教室は難しいけれど、学校とのつながりは保ちたい」という気持ちの表れでもあります。
別室登校は「甘え」や「サボり」ではありません。友人関係のこじれ、授業についていけない焦り、大人数の教室そのものへの緊張、感覚過敏など、背景は一人ひとり異なります。教室という刺激の多い環境が本人にとって負担になっているサインとして捉えることが大切です。
どれくらいの子が経験しているのか
文部科学省の調査によると、小中学生の不登校児童生徒数は34万6482人(2023年度)と、11年連続で過去最多を更新しています(文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。別室登校そのものの人数は全国統計として単独集計されていませんが、不登校の「一歩手前」あるいは「教室には行けないが学校とはつながっていたい」という段階として、多くの学校現場で日常的に見られる状態です。校内に相談室や適応指導教室を設置する学校が増えているのも、こうした子どもたちの受け皿を確保する動きの表れだといえます。特別なことでも、珍しいことでもなく、今、多くの家庭が直面している状況だと捉えてください。
別室登校が増えている背景
別室登校が広がっている背景には、いくつかの変化が重なっています。ひとつは、1クラス30人前後という大人数の環境の中で、音や視線などの刺激に敏感な子どもの存在が以前よりも広く認識されるようになったこと。もうひとつは、学校側の姿勢の変化です。文部科学省は不登校児童生徒への支援について「学校に登校する」という結果のみを目標とせず、児童生徒が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す方針を明確にしています。別室登校は、教室復帰を急がせることなく学校とのつながりを保つ、この方針に沿った現実的な選択肢のひとつです。
また、コロナ禍以降、オンライン授業やタブレット学習が広がったことで、「教室に物理的にいなくても学べる」という感覚が子どもたちの間にも浸透しました。これも、別室登校という選択肢が以前より受け入れられやすくなった一因といえるでしょう。
別室登校と不登校の関係
別室登校は、文部科学省が定義する「不登校」(年間30日以上欠席)とは異なる概念です。別室であっても登校して出席扱いになっていれば、統計上の「不登校」にはカウントされません。ただし、別室にすら足が向かなくなった場合、そこから欠席が積み重なり、結果的に不登校の状態に移行することもあります。別室登校を「学校とのつながりを保つための橋渡し」と捉え、その状態を否定せずに見守ることが、結果的に長期化・孤立化を防ぐことにつながります。

保健室登校との違い
【図解1】居場所の比較表|別室・保健室・教育支援センター・オンラインはどう違うか
| 場所 | どこにいるか | 出席の扱い | 学習の進み方 | 向いている段階 |
|---|---|---|---|---|
| 別室登校 | 在籍校の空き教室・相談室・図書室など | 登校しているので出席になるのが一般的 | 自習が中心。教科担任が来る学校もある | 教室はつらいが、学校の建物には入れる |
| 保健室登校 | 在籍校の保健室 | 同上 | 体調の回復が優先。学習は短時間 | 体の不調が強く出ている |
| 教育支援センター | 自治体が設置する別の施設(適応指導教室) | 通所が在籍校の出席扱いになる場合がある | 少人数で個別。在籍校と連携する | 在籍校の建物に入るのがつらい |
| オンラインの学びの場 | 自宅 | 校長の判断で出席扱いになる場合がある | 同年代と一緒に学べる形もある | 外出そのものが難しい |
| 家庭で過ごす | 自宅 | 欠席 | 家庭の状況による | まず休養が必要な時期 |
別室登校と保健室登校は同じ意味で使われることも多いですが、厳密には少し役割が異なります。
| 比較の視点 | 別室登校 | 保健室登校 |
|---|---|---|
| 主な場所 | 相談室・校内適応指導教室など | 主に保健室 |
| 目的 | 学習支援や個別対応が中心 | 体調管理・心のケアが中心 |
| 対応する先生 | 担任・専任スタッフ・スクールカウンセラー | 養護教諭が中心 |
どちらも「教室以外でなら学校に行ける」という点は共通しており、呼び方や運用は学校の受け入れ体制によって変わります。
実際にどちらの形になるかは、学校の受け入れ体制や、その時点での本人の状態によって変わります。別室登校を希望する場合は、まず担任の先生に「教室以外で過ごせる場所はあるか」を相談するところから始めてください。学校によっては特別支援教育コーディネーターやスクールカウンセラーが窓口になっていることもあるため、どこに相談すればよいか分からないときは、まず担任か教頭・副校長に確認するとスムーズです。
初めて相談する際は、「教室に入れない理由」を詳しく説明できなくても構いません。「今は教室が難しいようです」という現状の共有だけでも、学校側は対応を検討し始めることができます。

別室登校になりやすいきっかけ・サイン
あてはまるものがないか、確認してみてください
複数あてはまる場合でも、それは「重症」を意味するわけではありません。子どもなりに、教室という環境と折り合いをつけようとしているサインとして受け止めてください。
学年によって現れ方が違う
別室登校の現れ方は、学年によって特徴が異なります。小学校低学年では、教室に入る前になって「お腹が痛い」「気持ち悪い」といった体調不良を強く訴える形で表れやすく、本人も理由をうまく言葉にできないことが多いです。小学校高学年になると、友人関係のグループ化やSNSでのやり取りが絡み、教室内の人間関係そのものへの疲労感を訴えるケースが増えてきます。中学生になると、定期テストや部活動、進路といったプレッシャーが重なり、「教室に入れば大丈夫」と分かっていても体が動かないという感覚を持つ子も少なくありません。学年ごとの特徴を知っておくことで、「うちの子だけおかしいのでは」という不安を減らすことができます。
先生との相性が影響することもある
別室登校の背景には、特定の先生との関わり方が影響しているケースもあります。担任の指導スタイルが厳しく感じられる、大きな声で注意されることが苦手、といった相性の問題は、子ども自身が言葉にしにくいことも多いです。もし可能であれば、「どの先生となら話しやすいか」「誰がいると安心できるか」を、本人の様子を見ながらそれとなく聞いてみるのも一つの方法です。相性の良い先生に間に入ってもらえるだけで、学校との距離が縮まることもあります。
家庭でできる対応
「教室に戻れないこと」を責めない。別室登校を「中途半端」と捉えてしまうと、本人はさらに追い詰められます。学校に足を運べていること自体を、まずは前向きに受け止めてあげてください。
学校と役割分担を相談する。担任・スクールカウンセラー・養護教諭など、誰がどう関わってくれるのかを事前に確認しておくと、家庭と学校の対応がちぐはぐにならずに済みます。
「教室に戻ること」だけを目標にしない。別室で安心して過ごせる時間が増えることも、立派な回復のプロセスです。ゴールを急がず、今のペースを尊重してください。
毎日の変化を「点」ではなく「線」で見る。今日教室に入れたか・入れなかったかだけを追うと、一喜一憂して親子ともに疲れてしまいます。1週間、1か月という単位で「以前より表情が明るいか」「別室で話す言葉が増えたか」を見るようにしてください。
「なぜ教室に入れないの?」と理由を問い詰めない。本人も理由をうまく説明できないことが多く、問い詰められると「自分がおかしいから答えられない」と感じてしまいます。理由を聞き出すより、「今日はどんな時間だった?」と過ごし方を聞く方が話しやすくなります。
家庭内でも「別室」の価値を認める言葉をかける。「教室に行けなくてかわいそう」ではなく、「今日も学校に行けたね」「別室で過ごせる場所があってよかったね」と、今できていることに焦点を当てた声かけを意識してください。
保護者自身も一人で抱え込まない。別室登校が続くと、保護者も「このままでいいのか」と不安になりがちです。スクールカウンセラーや自治体の教育相談窓口など、保護者自身が話せる場を持つことも、家庭全体の安定につながります。

学校との連携のポイント
【図解2】別室登校を始めるときに学校と決める5つ|ステップ表
| 決めること | 具体的に決める中身 | 決めておかないと起きること |
|---|---|---|
| ①場所 | どの部屋を使うか。他の子と一緒か、一人か | 日によって部屋が変わり、それだけで本人が消耗する |
| ②時間 | 何時に来て何時に帰るか。遅刻・早退の扱いはどうするか | 毎朝「今日は何時まで?」を家庭で交渉することになる |
| ③学習 | 何をやるか。教科担任は来るか。プリントは誰が渡すか | 「自習」の名のもとに、何もできない時間になってしまう |
| ④評価 | 定期テストを別室で受けられるか。提出物はどう出すか | 学期末になって成績のことで揉める |
| ⑤連絡 | 誰が窓口になるか。どのくらいの頻度で家庭と共有するか | 担任が替わるたびに、最初から説明し直しになる |
別室登校を継続する上で欠かせないのが、学校との情報共有です。多くの学校では、担任・養護教諭・スクールカウンセラーなどが連携して「個別の支援計画」を作成できます。次のようなことを、早めに学校へ伝えておくと連携がスムーズになります。
学校に伝えておきたいこと
どんな時に負担を感じやすいか。「大きな音」「人の多さ」「特定の授業」など、具体的な場面を伝えることで、学校側も配慮しやすくなります。
別室でどう過ごしたいか、本人の希望。プリント学習をしたいのか、ただ静かに過ごしたいのか、本人の希望を確認し、学校に共有してください。
出席の扱いについての確認。校長裁量で出席扱いとなるケースもあるため、「どのような条件で出席扱いになるか」を早めに確認しておくと、後の進路選択にも安心材料になります。
連携がうまくいかないと感じる場合は、担任だけでなく、学年主任やスクールカウンセラー、教育委員会の相談窓口など、複数の窓口を持っておくことも一つの方法です。
【図解3】チェックリスト|別室登校が長引いているサインと、次の一手
| サイン | 見えていること | 次の一手 |
|---|---|---|
| 時間が延びない | 3か月以上、滞在時間がほとんど変わっていない | 目標を「何時間いられたか」から「何ができたか」に変える |
| 学習が止まっている | 自習だけで、その日何をやったか本人も説明できない | 教科担任の関わりを増やすか、オンライン教材を入れる |
| 同年代と関わっていない | 別室にいるのが大人だけ、という日が続いている | 同年代と関われる場を、学校の外も含めて1つ足す |
| 本人が現状を嫌がっている | 「ここにいる意味がない」と口にする | 選択肢を3つ並べて見せ、本人に選んでもらう |
| 家庭が消耗している | 送迎や付き添いで保護者の生活が回らない | 送迎の要らない学び方を検討する |
別室登校が長引くときに考えたいこと
別室登校は、多くの場合「教室に戻るまでの一時的な形」として始まりますが、数か月、あるいは1年以上続くケースも珍しくありません。長引くこと自体が問題なのではなく、本人が「別室にいることに意味を感じられているか」「学びたい気持ちが保たれているか」が大切な視点になります。
次のようなサインが見られる場合は、別室登校以外の選択肢も含めて検討するタイミングかもしれません。
これらは「別室登校をやめるべきサイン」ではなく、「学びや居場所の形を、教室にも別室にもこだわらずもう少し広げて考えてもいいタイミング」のサインです。
NIJINアカデミーという選択肢
教室という空間そのものが負担になっている子にとって、「決まった教室に、決まった時間にいなければならない」という前提を一度外してみることも一つの方法です。NIJINアカデミーはオンラインのオルタナティブスクールで、自宅からカメラ・音声オフで参加できるため、教室特有の物理的な緊張感なく学びを継続できます。
1:1の専任サポート担任が継続して伴走するため、「今日は誰と話せばいいか分からない」という不安も生まれにくい環境です。クラスは8〜10人程度の少人数制で、自分のタイミングで少しずつ関わり方を選べます。
在籍校を今すぐやめる必要はありません。学校と併用しながらNIJINに通う生徒も多く、希望する生徒の9割以上が在籍校の出席認定を得ています(2025年4月時点、株式会社NIJIN公式プレスリリースより。最終的な出席の判断は学校によります)。
NIJINアカデミーなら、教室に縛られない形で学びを継続できます。まずは無料のオンライン説明会で雰囲気を覗いてみませんか。
学校以外の「居場所」を先に用意しておく
NIJINアカデミーは、午前でも午後からでも参加できるオンラインのオルタナティブスクールです。在籍校の出席扱いになる例も多く、まずは体験会で雰囲気を見てから決められます。
無料体験会に申し込む動画で雰囲気を見る
文字だけでは伝わりにくい「安心できる空気感」を、実際の動画で確認できます。以下は、NIJINアカデミーに通う生徒本人の姿を通して、学びの環境を変えたことでの変化を伝える動画です。
NIJINアカデミー公式チャンネルより「構音障害のたっちゃんがNIJIN アカデミーの教育モデルで『個性』を輝かせる」(YouTube)
NIJINアカデミーの子どもたちの変化
教室という環境が合わず、新しい場所に慣れることにハードルを感じていた子どもたちが、NIJINアカデミーでどのように変化していったか。実際の生徒インタビューから、環境との相性に近いエピソードを紹介します。
たぴたぴさん(小1)
聴覚過敏があり、大勢の声や音が響く教室空間に疲弊して登校できなくなっていました。「うるさいと感じたら閉じられる」オンライン環境を得たことで、持ち前の明るさを取り戻し、クラス会議での発言やオンライン交流にも元気に参加しています。
なっちゃんマンさん(小3)
学校の騒音や環境になじめず、特別支援学級やフリースクールを転々としていましたが、スケジュールや授業がしっかりあるNIJINに入学。「やっぱりここが合っている」と再入学し、今では自ら推し活サークルを立ち上げるなど意欲的に活動しています。
※以上2件は、NIJINアカデミー公式サイト掲載の生徒インタビュー記事を基に構成しています。
別室登校の出席と成績はどうなる?評価・通知表・進路への影響
別室登校を続けていると、必ず出てくるのが「これは欠席になるのか」「成績はどうつくのか」という心配です。ここは学校に確認すればはっきりする部分なので、聞き方も含めて整理します。
出席の扱い
別室登校は在籍校に登校しているため、出席として扱われるのが一般的です。ただし、何時から何時までいれば出席とするかは学校ごとに運用が違います。「1時間目だけ」「給食だけ」といった形でも出席になるのか、始める前に確認しておくと安心です。
定期テストと評価
多くの学校では、別室で定期テストを受けられます。問題は実技教科と提出物です。体育・音楽・美術などは授業に出ていないと評価がつきにくいため、代替の課題を出せるかどうかを早めに相談してください。提出物も、誰がいつ渡して誰が受け取るかを決めておかないと、出しているのに記録が残っていないということが起こります。
学校に確認しておきたい5つ:①何時から何時までいれば出席になるか ②定期テストは別室で受けられるか ③実技教科の評価はどうなるか ④提出物の受け渡しは誰が窓口か ⑤通知表の所見はどう書かれるか
中学生の場合、進路にどう影響するか
高校入試では調査書(内申)と欠席日数が見られます。別室登校が出席として記録されていれば、欠席日数の面での不利は生じません。一方で評定は授業の参加状況に左右されるため、上の5つを早い段階で決めておくほど選択肢が残ります。中学1〜2年のうちに進路担当の先生に一度確認しておくことをおすすめします。
「別室にいること」自体が目的にならないように
別室登校は、教室に戻るための待機場所ではなく、その子が安心して過ごせる場所を一つ確保するための手段です。3か月たっても状況が変わらないときは、本人を変えようとするより、場所のほうを変えるほうが早いことがあります。
朝の強い不安が背景にあるときは母子分離不安を、教室での困りごとが特性から来ていないか確かめたいときはADHD 子供 チェックリストを、少人数の学級も視野に入れるなら特別支援学級に入るにはもあわせてご覧ください。
よくある質問
まとめ
別室登校は、教室という環境が合わないだけであり、本人の努力不足では決してありません。学校との連携を保ちながら、本人が安心できる過ごし方を一緒に探していくことが大切です。
「教室に戻れるかどうか」だけを基準に一喜一憂しなくても大丈夫です。安心して過ごせる環境を選ぶこと自体が、一つの答えになります。NIJINアカデミーのように、教室という枠組みにとらわれない学びの場も選択肢の一つです。気になった方は、まず無料のオンライン説明会で雰囲気を覗いてみてください。
こういう学校があることだけ、知っておいてください
申し込む気はまだなくて構いません。NIJINアカデミーがどんな場所で、どんな子が通っているのかを、1ページにまとめています。
NIJINアカデミーを見てみる参考文献
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。NIJINアカデミーでは、無料のオンライン説明会で、学び方や関わり方について直接ご相談いただけます。まずはお気軽に雰囲気を覗いてみてください。

