吃音とは?3つのタイプと原因・経過、家庭と学校でできる関わり方

吃音とは?3つのタイプと原因・経過、家庭と学校でできる関わり方
「うつるものではないと分かっていても、周囲の目が気になる」「話す練習をさせた方がいいのか分からない」——吃音のある子を持つ保護者には、根拠のない噂や誤解に悩まされることも少なくありません。 この記事では、吃音の基本的な知識、学校生活での困りごと、家庭でできる関わり方、学びの場の選択肢 まで、まとめて解説します。
この記事でわかること
  • 吃音の基本的な知識と発症の仕組み
  • 「うつる」といった誤解への正しい理解
  • 学校生活で見られやすい困りごと
  • 家庭でできる関わり方
  • 学びの場の選択肢

吃音とは

リビングで、母親が急かさずに小学生の男の子の話を最後まで聞いている
言い直させず、話し終わるまで待つ。これが家庭でできる最も確かな支えです。

吃音は、話し言葉が滑らかに出ない発話の特性で、音を繰り返す(連発)、引き伸ばす(伸発)、言葉が出せずに間があいてしまう(難発・ブロック)といった特徴があります。発達性吃音は3歳前後に発症することが多く、幼児の1割程度に見られるとされています。発症要因の7割以上が遺伝的な要因によるものとされ、 「育て方が原因」という説は否定されています 。発吃から2〜3年程度の経過で、7割以上が自然に軽快するとも言われています。

「うつる」といった誤解への正しい理解

「吃音のある子と一緒にいるとうつる」という噂は根拠のない誤解です。吃音は本人の脳の発話に関する情報処理の特性によるものであり、周囲の話し方をまねて発症するものではありません。誤った情報によって、本人や家族が孤立感を深めてしまうことのないよう、正しい知識を持つことが大切です。

学校生活で見られやすい困りごと

教室で少し緊張しながら手を挙げて発表しようとする小学生
音読や発表、日直のあいさつなど、決まった言葉を言う場面が負担になることがあります。※写真はイメージです

音読や発表など、人前で話す場面で強い緊張を感じやすく、それが行き渋りにつながることがあります。からかいの対象になることを恐れて、発言を避けたり、学校で話すこと自体を減らしたりする子もいます。「話す練習をさせればいずれ治る」と考えて無理に発話を促すことは、かえって本人の自己肯定感を下げてしまう場合があるため注意が必要です。

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吃音は治る? 3つのタイプと、年齢ごとの経過の見かた

吃音とひとことで言っても、出かたは3つに分かれます。どのタイプが目立つかで、学校で困る場面も、周囲にお願いしたい配慮も変わります。まずは、いま家庭で見えている様子がどれに近いかを確認してみてください。

吃音の3つのタイプ
タイプ出かた例
連発(繰り返し)語頭の音を繰り返す「ぼ、ぼ、ぼくは」
伸発(引き伸ばし)音を長く引き伸ばす「ぼーーくは」
難発(ブロック)声が出ず、間があいてしまう「……(間)……ぼくは」

連発から始まり、年齢が上がるにつれて難発が目立つようになることがあります。難発は外から見ると「黙っている」「答えられない」ように映るため、本人のつらさがいちばん誤解されやすいタイプです。

経過の目安と、相談を考える時期

年齢別・経過の見かたと家庭の関わり
時期よく見られること家庭でできること
発吃直後(3歳前後)連発が中心。日によって波がある話し方を指摘せず、内容を聞く
発吃から2〜3年多くが自然に軽快していく時期とされる言い直しをさせない。急かさない
就学後も続く場合音読・発表の場面で困りごとが出やすい学校に配慮を具体的に伝える
難発が増えてきたとき話すこと自体を避けるようになることがある話す以外で伝えられる手段を用意する

発達性吃音は3歳前後の発症が多く、発吃から2〜3年程度で7割以上が自然に軽快するとされています。ただし「治るかどうか」を待つことより、その間に本人が話すことを嫌いにならずにいられるかのほうが、その後を大きく左右します。

学校にお願いしたい配慮

担任に伝えるチェックリスト
伝えること伝えたか
音読・発表を、一斉指名ではなく事前に相談する形にしてほしい
言葉が詰まっても、代わりに言わず最後まで待ってほしい
「ゆっくり」「落ち着いて」という声かけは負担になることを知ってほしい
発表は、録音・書面・チャットなど代替手段も選べるようにしてほしい
からかいが起きたときは、その場で止めてほしい

家庭でできる関わり方

話し方そのものを指摘したり、言い直しをさせたりすることは避け、話す内容に耳を傾ける ことが基本的な関わり方です。「ゆっくり話して」「深呼吸して」といった声かけも、本人にとってはプレッシャーになる場合があるため、まずは急かさずに最後まで話を聞く姿勢を大切にしてください。話すこと自体がつらくならないよう、チャットやテキストでのやりとりなど、話す以外の方法で自信を積み重ねられる場を持つことも助けになります。

学びの場の選択肢

ヘッドセットをつけて少人数のオンライン授業に参加する小学生
少人数やチャットも使えるオンラインの場では、話すことへの負担を調整しやすくなります。※写真はイメージです

吃音対策のゴールは「治すこと」ではなく、 本人が話すことにプレッシャーを感じずに過ごせる環境を見つけること です。人前で話す機会が少ないオンラインの学びの場や、チャットを中心としたコミュニケーションが可能な環境は、話すことへの不安を抱える子にとって選択肢になります。

NIJINアカデミーは、オンライン中心の少人数制オルタナティブスクールで、音声だけでなくチャットでの参加も可能です。カメラ・音声オフでの参加もでき、無理に発話を求められることなく、自分のペースで人との関わりに慣れていくことができます。

よくある質問

言葉が詰まったとき、代わりに言ってあげてもいいですか?
本人が話そうとしている間は、急かさず最後まで待つことが基本です。代わりに言ってしまうと、本人の話す機会を奪ってしまうことがあるため、様子を見ながら関わることをおすすめします。
言語聴覚士などの専門機関に相談した方がいいですか?
気になる場合は、国立障害者リハビリテーションセンターの小児吃音外来など、専門機関に相談することも選択肢です。年齢や状況に応じて、適切な関わり方のアドバイスを受けられます。
学校の先生にどう伝えればいいですか?
「話すことを急かさないでほしい」「発表の際は選択肢を用意してほしい」など、具体的な配慮内容を伝えると、学校側も対応しやすくなります。

まとめ

吃音は本人の努力不足や育て方が原因ではなく、根拠のない噂に振り回される必要はありません。 話し方を治すことよりも、本人が安心して自分を表現できる環境を整えること が大切です。学校での困りごとが続く場合は、専門機関への相談や、負担の少ない学びの場も選択肢に入れてみてください。

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NIJINアカデミーは、カメラ・音声オフでの見学も可能な、少人数制のオルタナティブスクールです。