先に結論:日本小児心身医学会のガイドラインでは、11項目のうち3つ以上、または症状が強い場合は2つ以上当てはまるときに、起立性調節障害を疑うとされています。チェックだけで診断はできないため、当てはまる数が多いときは、まず小児科に相談してください。受診のときにそのまま使える「受診前チェックシート」も記事の中に載せています。
- 起立性調節障害の診断目安となる11項目チェックリスト
- 何個当てはまったら受診を検討すべきかの目安
- 症状以外に見ておきたい生活面のサイン
起立性調節障害チェックリスト【11項目】

以下は、日本小児心身医学会のガイドラインで示されている、起立性調節障害の診断目安となる身体症状です。お子さんに当てはまるものをチェックしてみてください。
- ①立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい
- ②立っていると気分が悪くなる、ひどくなると失神する
- ③入浴時や嫌なことがあると気分不良になりやすい
- ④少し動くと動悸や息切れがする
- ⑤朝なかなか起きられず、午前中に調子が悪い
- ⑥顔色が青白い
- ⑦食欲不振がある
- ⑧強い腹痛がある
- ⑨頭痛がある
- ⑩倦怠感が強い、疲れやすい
- ⑪乗り物に酔いやすい
何個当てはまったら受診を検討すべき?
ガイドラインでは、上記11項目のうち3つ以上、または症状が強い場合は2つ以上当てはまるときに、起立性調節障害を疑うとされています。目安を表にまとめました。
| 該当数 | 目安 |
|---|---|
| 0〜1個 | 他の要因の可能性もあるため、まずは生活リズムなど様子を見守る |
| 2個(症状が強い) | 起立性調節障害の可能性を考え、受診を検討する |
| 3個以上 | 起立性調節障害が疑われる目安。医療機関への相談をおすすめする |
受診の際は、小児科でまず相談するのが基本です。医療機関では、このチェックリストに加えて他の病気の可能性を除外したうえで、「新起立試験」という検査によって正式な診断とタイプ判定が行われます。
チェックのあとに分かれる「4つのタイプ」
受診すると、新起立試験の結果によって起立性調節障害は主に4つのサブタイプに分けられます。タイプによって出やすい症状も、日常で気をつける点も変わります。チェックリストの段階では判定できませんが、「どのタイプだろう」という視点で症状を記録しておくと、診察での説明がしやすくなります。
| タイプ | 特徴 | 気づきやすい場面 |
|---|---|---|
| 起立直後性低血圧 | 立ち上がった直後に血圧が下がり、戻るのに時間がかかる | 朝、布団から起き上がった直後にふらつく |
| 体位性頻脈症候群 | 血圧は大きく下がらないが、立つと脈が強く速くなる | 立っていると動悸・気分不良が強くなる |
| 血管迷走神経性失神 | 立っている途中で急に血圧が下がり、失神することがある | 朝礼や電車の中で倒れる |
| 遷延性起立性低血圧 | 立ってしばらく経ってから血圧が下がる | 授業の後半や午後になって具合が悪くなる |
※タイプの判定は医療機関の検査によるものです。この表は受診前に症状を整理するための目安としてお使いください。

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症状以外に見ておきたい生活面のサイン
チェックリストの項目に加えて、次のような生活面の変化も、起立性調節障害を考えるヒントになります。
・午前中は調子が悪いのに、午後から夕方にかけて元気になる
・夜になると目が冴えて眠れず、起床時刻がどんどん遅くなる
・「学校」の話になると体調不良を強く訴えるようになった
・雨の前など、天候の変化で調子が左右されやすい
これらは医学的な診断項目そのものではありませんが、日常生活の中で保護者が気づきやすいサインです。当てはまる場合は、チェックリストの結果とあわせて医療機関に伝えると、診察がスムーズに進みます。
チェックしたら、まず何をすればいい?
このチェックリストは、あくまで受診の目安であり、自己判断で診断するためのものではありません。当てはまる項目が多い場合は、小児科や思春期外来を受診し、医師の判断を仰ぐことが大切です。「様子を見ていればそのうち治るだろう」と先延ばしにせず、早めに相談することが、回復への近道になります。
| 該当数 | 次にすること | いつまでに | 家庭で同時にしておくこと |
|---|---|---|---|
| 0〜1個 | 生活リズムの記録を2週間続ける | すぐ | 起床時刻と午前・午後の体調をメモする |
| 2個(症状が強い) | 小児科に相談する | 2週間以内 | 記録シートを持参する |
| 3個以上 | 小児科・思春期外来を受診する | できるだけ早く | 学校に「朝が難しい」ことを先に伝えておく |
| 症状で日常生活に支障 | 該当数にかかわらず受診 | すぐ | 欠席・遅刻の扱いを担任と確認しておく |
受診前に準備しておきたいこと

チェックリストで複数の項目に当てはまり、実際に受診を検討する場合は、事前に症状の記録をまとめておくと診察がスムーズに進みます。特に起立性調節障害は、症状の出方に一日の中での波があるため、問診だけでは医師に伝わりにくいことがあります。
・症状が出始めた時期(いつ頃から朝起きにくくなったか)
・症状が強く出る時間帯(午前中か、それとも一日中か)
・起床時刻と、実際に体が動かせるようになる時刻
・学校を休んだ日数や頻度の推移
・食欲、睡眠時間、入浴時の気分不良の有無
これらを1〜2週間分ほど簡単なメモやスマートフォンのカレンダーに記録しておくだけでも、医師が症状のパターンやタイプを判断する材料になります。可能であれば、起床時と症状が強いときの血圧・脈拍を測っておくと、新起立試験の結果と合わせて経過を追いやすくなります。
きょうだいや家族に同じ症状が出やすい?
起立性調節障害の発症には、体質的な要因が関わっているとされており、家族内で似た自律神経の傾向がみられることもあります。ただし、必ず遺伝するというものではなく、思春期のホルモンバランスの変化や生活リズム、ストレスなど複数の要因が重なって発症すると考えられています。きょうだいが同じ症状を経験していたとしても、過度に心配しすぎず、それぞれの子どものペースに合わせて見守ることが大切です。
また、症状が重なって受診をためらっている間にも、学校生活への不安は積み重なっていきます。「受診してから」「診断がついてから」と学びを止めてしまうのではなく、チェックの段階から並行して、体調に合わせて参加できる学びの場を探しておくことも、選択肢のひとつとして考えておくと安心です。
| 記録する項目 | 書き方の例 | 医師が見ているポイント |
|---|---|---|
| 起床時刻 | 7:00に声かけ/実際に動けたのは10:30 | 朝の立ち上がりにどれだけ時間がかかるか |
| 午前の症状 | 立ちくらみ◎/頭痛◯/吐き気△ | どの症状がどの時間帯に強いか |
| 午後の様子 | 15時ごろから元気、夕食は普通に食べた | 一日の中の「波」の有無 |
| 血圧・脈拍 | 起床時 92/58・脈98(測れた日だけでOK) | 新起立試験の結果と照らし合わせる |
| 学校 | 遅刻2日・欠席1日 | 生活への支障の程度 |
1〜2週間分をスマートフォンのメモやカレンダーに残しておくだけでも、診察の材料になります。毎日すべての欄を埋める必要はありません。書ける日だけで十分です。
「朝起きられない」が発達特性によるものか気になるときはこちら。 起立性調節障害 発達障害
体調の話と登校の話が混ざってしまうときは、こちらもあわせて。 行き渋りとは
よくある質問
NIJINアカデミーの子どもたちの声
体調や特性のサインに気づき、環境を変えたことで表情が明るくなった子は、起立性調節障害の子どもたちに限りません。NIJINアカデミーに在籍する小学1年生のたぴたぴさんは、聴覚過敏があり、大勢の声や物音が響く教室での時間に強く疲れてしまい、登校が難しくなっていました。「うちの子は何かサインを出しているのかもしれない」と気づくことは、症状の種類にかかわらず、次の一歩を考えるきっかけになります。
たぴたぴさんは、NIJINを「持ち歩ける学校」として、自分の好きなタイミングでアクセスし、うるさいと感じたら閉じられる「ちょうどいい」オンライン環境に出会いました。安心できる環境の中で持ち前の明るさを取り戻し、クラス会議での発言やオンラインのイベントにも元気に参加できるようになったといいます。チェックリストで気になるサインに気づいたときも、「様子を見て終わり」にせず、環境を見直す視点を持つことが大切です。
起立性調節障害でもNIJINアカデミーに通える理由
起立性調節障害の大きな特徴は、午前中に調子が悪く、午後から夕方にかけて回復していくという波があることです。この波に合わせて学べる環境かどうかは、本人と家族にとって大きな安心材料になります。NIJINアカデミーが、体調に波のある子どもたちにも選ばれている理由を、いくつかの角度からご紹介します。
いつでも入れるバーチャル校舎
NIJINアカデミーは、oviceというツールを使ったバーチャル校舎を採用しており、決まった時間に教室へ向かう必要がありません。午前中は横になって休み、体調が上向いてきた午後から校舎に入って授業に参加する、といった過ごし方も可能です。「今日は調子が悪いから休む」「今週は少し授業を減らす」といった調整も、専任サポート担任と相談しながら柔軟に行えます。
顔を出さなくても参加できる仕組み
カメラ・音声をオフにしたままの見学参加や、チャット・リアクションボタンでの参加もできるため、体調が万全でない日でも「つながりだけは保つ」という関わり方ができます。声を出すこと自体がしんどい日でも、クラスの雰囲気を感じながら、無理のない範囲で参加できる点は、体調の波がある子にとって大きな支えになります。
少人数制と1:1専任サポート担任
8〜10人程度の少人数制クラスに加え、1人ひとりに専任サポート担任がつきます。教員経験や不登校経験のある信頼できる大人が伴走し、日々の体調に合わせて無理のないペースを一緒に考えてくれるため、「今日はどこまで頑張ればいいのか」を一人で抱え込まずに済みます。
出席認定率9割以上という実績
在籍校や教育委員会と連携し、NIJINでの学習状況が出席として扱われるケースがあります(最終判断は学校によります)。希望する生徒の9割以上が在籍校の出席認定を得ている実績があります(2025年4月時点、株式会社NIJIN公式プレスリリースより)。「学校を休むこと」への不安を、少しでも軽くできる材料のひとつです。
定期テストがなく、自分のペースで学べる
NIJINには定期テストがなく、担任の所見によるポートフォリオ評価で成長を可視化します。体調によって学習のペースが一定でなくても、無理に周囲と競わせる仕組みではないため、本人の状態に合わせて学びを続けやすい設計になっています。


