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「情緒障害」「情緒学級」とは?特別支援学級との違いをわかりやすく解説

「情緒学級」「自閉症・情緒障害特別支援学級」という言葉を、学校から聞いたことがある保護者もいるかもしれません。「情緒障害」という名前だけを見ると、性格や気持ちの問題のように感じられるかもしれませんが、実際には制度上の分類名であり、対象となる子どもの状態は幅広くあります。この記事では、情緒障害・情緒学級の意味と、特別支援学級との関係についてわかりやすく解説します。
この記事でわかること
  • 「情緒障害」「情緒学級」とは制度上どういう意味か
  • 情緒学級(自閉症・情緒障害特別支援学級)の対象となる子ども
  • 他の学びの場との違いと選び方

まだ何も決めなくて大丈夫です

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【情緒障害】とは?子どもに見られる特徴と診断の考え方

「情緒障害」という言葉だけを聞くと、心の病気や性格の問題のように感じられるかもしれませんが、教育の制度上は、特別支援学級の種類を示す名称の一つとして使われています。多くの学校では「自閉症・情緒障害特別支援学級」という名称で設置されており、単独で「情緒障害学級」と呼ばれることもあります。

文部科学省の通知では、この学級の対象を大きく2つに整理しています。一つは自閉症またはそれに類するもので、他人との意思疎通や対人関係の形成が困難である程度のもの。もう一つは、主として心理的な要因による選択性緘黙(場面緘黙)などがあり、社会生活への適応が困難である程度のものです。

【情緒学級】対象になるのはどんな子?ASD・場面緘黙との関係

対象状態の目安
自閉症またはそれに類するもの他人との意思疎通・対人関係の形成が困難である程度
選択性緘黙(場面緘黙)等心理的な要因により、社会生活への適応が困難である程度

つまり、情緒学級は自閉スペクトラム症(ASD)の特性がある子どもと、場面緘黙のように心理的な要因で特定の場面での適応が難しい子どもの、両方を対象にした学級です。「情緒が不安定だから」「わがままだから」といった理由で入級が決まるわけではありません

ADHDの場合は?

上記のとおり、情緒学級の対象は制度上、自閉スペクトラム症(ASD)や場面緘黙などが中心で、ADHD(注意欠如・多動症)単独では対象になりにくいのが実情です。ADHDと特別支援学級については、対象になりにくい理由と学びの場の選択肢を別記事で詳しく解説しています。

図解:情緒学級(自閉症・情緒障害特別支援学級)の位置づけ
1通常学級

全員が同じ教育課程で学ぶ

2通級指導教室

通常学級に在籍しつつ一部時間だけ個別指導

3情緒学級(特別支援学級)

少人数で特別の教育課程により学ぶ

4特別支援学校

より専門的なカリキュラムで学ぶ

机に向かって学ぶ子どもたち

【図解3】チェックリスト|通級で支えられる段階か、情緒学級を相談する段階か

見る場面通常学級+通級で支えられることが多い情緒学級を相談したい
登校行きしぶりはあるが、多くの日は登校できている教室に入れない日が続く/別室で過ごす時間のほうが長い
授業苦手な場面で離席や固まりがあるが、自分で戻ってこられる一斉指示が入らず、ほとんどの時間で学習が成立しない
話す・伝える場面によって話せないことはあるが、筆談や合図で伝えられる学校でまったく声が出ない状態が数か月続いている(場面緘黙)
感情切り替えに時間はかかるが、最後は自分で立て直せる強い不安やパニックが毎日のように起き、本人が消耗している
体調週末や長期休みに回復する朝の頭痛・腹痛が続き、生活リズムそのものが崩れている

情緒学級ではどんな指導が行われるか

情緒学級では、通常の教科学習に加えて「自立活動」という特別な指導が行われます。健康の保持、心理的安定、人間関係の形成、環境の把握、身体の動き、コミュニケーションという6つの項目の中から、子どもの状態やニーズに応じた指導が組み立てられます。

例えば、自分の気持ちを言葉で伝えることが難しい子どもには、絵カードを使って場面ごとの適切な言葉を考えたり、実際にロールプレイをしてみたりといった指導が行われることがあります。通常学級の子どもたちと合同で行う「交流及び共同学習」の機会も設けられます。学校行事や部活動、自然体験活動などを通常学級の生徒と一緒に行うことで、社会性を育む機会にもなっています。

【情緒学級】入るための基準は?就学相談から入級までの流れ

【図解2】就学相談から入級までの流れ 早見表|いつ・何をするか

時期の目安手続き保護者がやることポイント
前年度の4〜6月就学相談の案内・申し込み教育委員会の窓口に連絡して日程を押さえる自治体で開始時期が違う。「まだ迷っている」段階で申し込んでよい
6〜9月面談・行動観察・発達検査家庭での困りごとの記録を持参する検査は点数を出すためではなく、どんな支援が要るかを見るためのもの
9〜11月学級見学・体験情緒学級と通常学級の両方を見る在籍している子の人数と、交流及び共同学習の時間数を必ず確認する
11〜12月教育支援委員会の判断・保護者との合意形成希望と理由を言葉にして伝える2013年の制度改正で、本人・保護者の意見は可能な限り尊重される
1〜2月就学通知・入級準備引き継ぎ資料を用意する在学中の転籍は年度替わりが基本。自治体によっては年度途中も相談できる

情緒学級への入級は、診断名だけで自動的に決まるものではありません。就学相談を通じて、本人・保護者の意向を尊重しながら、市区町村の就学支援委員会が総合的に判断し、教育委員会から通知が出されるという流れが一般的です。

すでに通常学級に在籍している場合でも、様子を見ながら情緒学級への転学を検討することもできますし、逆に情緒学級から通常学級に戻ることも可能です。学びの場は固定されたものではありません。

図解:情緒学級に入るまでの流れ
1就学相談への相談

担任や自治体の窓口に困りごとを相談

2検査・面談

行動観察や保護者面談、学校見学

3就学支援委員会の判断

本人・保護者の意向を踏まえ総合的に検討

4教育委員会からの通知

就学先の決定が保護者に通知される

似たような名称との違い

【図解1】似た名称の整理|情緒学級・知的学級・通級・特別支援学校はどう違うか

名称正式な呼び方在籍はどこ主な対象人数・指導の形
情緒学級自閉症・情緒障害特別支援学級特別支援学級自閉スペクトラム症や、場面緘黙・強い不安など情緒の困難で学校生活に継続的な支障がある子1学級8人が上限
知的学級知的障害特別支援学級特別支援学級知的発達の遅れがあり、日常生活や学習に継続的な援助が必要な子1学級8人が上限
通級(情緒)通級による指導通常学級大部分の授業は通常学級で受けられるが、週に数時間の個別指導があると力を発揮できる子個別〜少人数
特別支援学校特別支援学校特別支援学校障害の程度が比較的重く、専門的・継続的な指導が必要な子1学級6人(重複障害は3人)
適応指導教室教育支援センター通常学級のまま不登校で学校に通えない状態が続いている子通所が在籍校の出席扱いになる場合がある

「情緒障害児短期治療施設(現:児童心理治療施設)」など、似たような名称の医療・福祉施設もありますが、こちらは通院・入所して治療的な支援を受ける施設であり、学校教育の中の「情緒学級」とは異なる制度です。混同しないよう、迷った場合は学校や自治体の窓口に確認することをおすすめします。名称だけで判断せず、実際にどのような支援が受けられるのかを具体的に確認することが大切です。

NIJINアカデミーより

この記事は、全国から900名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。情緒学級に在籍している、あるいは検討している子どもたちにも、オンラインで安心して学べる環境があることを、選択肢の一つとしてお伝えしています。

NIJINアカデミーという選択肢

NIJINアカデミーは、小学1年生から中学3年生を対象としたオンラインのオルタナティブスクールです。情緒学級・通常学級のどちらに在籍していても、併用して通う生徒がいます。カメラ・音声をオフにしたままの参加や、チャットでの参加もできるため、対人関係や集団生活に負担を感じやすい子どもでも、無理なく学びに関わることができます。

8〜10人程度の少人数制クラスで、一人ひとりの特性を理解した関わりを大切にしており、1:1の専任サポート担任が継続して伴走します。

スマートフォンを見る制服姿の生徒
安心して参加できる学びの場

カメラオフ・チャット参加も可能。まずは無料の体験説明会へ。

NIJINアカデミーでの学びの様子(公式YouTubeチャンネルより)

学校以外の「居場所」を先に用意しておく

NIJINアカデミーは、午前でも午後からでも参加できるオンラインのオルタナティブスクールです。在籍校の出席扱いになる例も多く、まずは体験会で雰囲気を見てから決められます。

無料体験会に申し込む

子どもたちの声

よくある声(一例)

「情緒学級にいることを恥ずかしいと思っていたけど、自分のペースで学べる場所だと知って安心した」「話さなくても参加できる授業があって、少しずつ自分から発言できるようになった」――情緒学級での経験を経て、新しい学びの場に出会った子どもたちからは、こうした声がよく聞かれます。

タツロー校長からのメッセージ

「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」――これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。名称がどうであれ、その子に合った学びの形を一緒に探していきたいと考えています。

保護者自身のケアも大切に

「情緒学級」という名前に対して、周囲からの誤解や偏見を心配する保護者も少なくありません。制度上の名称であり、お子さんの人格や努力を否定するものではないことを、まず保護者自身が理解しておくことが、お子さんへの安心した関わりにつながります。同じ立場の保護者同士で情報交換できる場を持つことも、気持ちを軽くする助けになります。

親子で穏やかに歩く様子

きょうだいへの説明も大切に

きょうだいが「なんで違うクラスなの?」と疑問に思うこともあります。「学び方が違うだけで、特別扱いされているわけではないこと」を、年齢に応じた言葉で伝えておくと、家庭内での理解が深まります。きょうだいが疑問に思ったときに、遠慮なく聞ける雰囲気を作っておくことも大切です。

情緒学級に入ったあとはどうなる?交流及び共同学習・評価・転籍の見通し

情緒学級を考えるときにいちばん不安なのは、「入ったあと、この子はどうなるのか」という先の見通しだと思います。ここは調べても情報が出てきにくいところなので、実際によく質問される4点を整理します。

1日じゅう情緒学級にいるわけではない

特別支援学級に在籍していても、得意な教科や行事は通常学級で一緒に学ぶ「交流及び共同学習」が行われるのが一般的です。国語と算数だけ情緒学級で、それ以外は通常学級という形もあれば、朝の会と給食だけ交流という形もあります。どの時間をどちらで過ごすかは学校ごと・子どもごとに決まるので、見学のときに「今いるお子さんは何時間くらい交流していますか」と具体的に聞くのがいちばん確実です。

評価・通知表は「個別の指導計画」に沿う

特別支援学級では、一人ひとりの目標を書いた個別の指導計画と、関係機関をつなぐ個別の教育支援計画が作られます。通知表の様式は学校によって違い、通常学級と同じ形式のところもあれば、文章で記述する形のところもあります。ここも学校差が大きいので、入級前に実物の様式を見せてもらうと安心です。

見学で聞いておくと後悔しないこと:①在籍している子の人数と学年の幅 ②交流及び共同学習の時間数 ③通知表・評価の付け方 ④転籍を希望するときの手続きと時期 ⑤中学校・高校への引き継ぎ

あとから変えられる

2013年(平成25年)の学校教育法施行令の改正以降、就学先は一度決めたら固定というものではなく、子どもの状態に応じて柔軟に見直すことが前提になっています。情緒学級から通常学級へ、逆に通常学級から情緒学級へ、どちらの方向の転籍も実際に行われています。

高校進学の道が閉じるわけではない

特別支援学級に在籍していても高校を受験できます。ただし調査書(内申)の扱いや、受検上の配慮の申請方法は自治体・学校によって差があります。中学1年のうちに、進路担当の先生に「この学級に在籍した場合、調査書はどう作られますか」と確認しておくと、3年生になってから慌てずに済みます。

手続きの全体像は特別支援学級に入るには、ADHDのある子が対象になりにくい理由はADHD 特別支援学級、登校時の強い不安が続く場合は母子分離不安もあわせてご覧ください。

よくある質問

「情緒障害」は病名ですか?
病名ではなく、特別支援学級の種類を示す教育制度上の名称です。自閉症またはそれに類するもの、心理的要因による選択性緘黙等が対象とされています。
情緒学級とASD(自閉スペクトラム症)は同じですか?
情緒学級はASDの特性がある子どもと、場面緘黙など心理的な要因で適応が難しい子どもの両方を対象にしています。ASDの診断があるからといって必ず情緒学級になるわけではありません。
情緒学級に入るとずっとそこで学ぶのですか?
固定されたものではありません。子どもの状況や希望に応じて、通常学級・通級指導教室・情緒学級・特別支援学校の間で学びの場を見直すことができます。
情緒学級と通級指導教室はどう違いますか?
情緒学級は特別支援学級として在籍する学びの場です。通級指導教室は通常学級に在籍しながら、一部の時間だけ個別の指導を受ける仕組みで、対象となる障害の範囲も異なります。
情緒学級への入級を検討する目安はありますか?
対人関係の形成が難しい、集団生活への適応が難しいといった困りごとが続く場合、まずは学校の特別支援教育コーディネーターや自治体の就学相談窓口に相談することをおすすめします。
場面緘黙の子は必ず情緒学級に入るのですか?
必ずではありません。通常学級に在籍しながら配慮を受ける形や、通級指導教室を利用する形など、子どもの状態に応じて複数の選択肢があります。
情緒学級から高校進学はできますか?
高校には特別支援学級の制度はありませんが、通級指導教室の導入や、通信制高校・特別支援学校高等部など、複数の進学先が選択肢としてあります。
情緒学級の授業内容は通常学級と違いますか?
教科学習に加えて「自立活動」という特別な指導が行われます。人間関係の形成やコミュニケーションなど、子どものニーズに応じた項目が個別に組み立てられます。
情緒学級に在籍しながらオンラインの学びを併用できますか?
在籍校と連携しながら、オンラインのオルタナティブスクールなどを併用する家庭もあります。事前に学校へ相談することをおすすめします。
情緒学級を検討していることを周囲にどう伝えればいいですか?
「学び方が本人に合った形になるように選んだ」という前向きな言葉で伝えると、周囲の誤解を減らしやすくなります。無理に詳細を説明する必要はありません。

まとめ

「情緒障害」「情緒学級」という言葉は、性格や気持ちの問題を指すものではなく、自閉症またはそれに類するもの、あるいは心理的な要因による選択性緘黙などを対象とした、特別支援学級の制度上の名称です。診断名だけで自動的に決まるものではなく、就学相談を通じて本人・保護者の意向を踏まえながら判断されます。学びの場は一度決めたら終わりではなく、子どもの状況に応じて見直すこともできることを、あわせて知っておいていただければと思います。

桜並木を走る子どもたち
学びの場は、一つじゃない

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参考文献:文部科学省「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」、文部科学省「特別支援教育の現状」

こういう学校があることだけ、知っておいてください

申し込む気はまだなくて構いません。NIJINアカデミーがどんな場所で、どんな子が通っているのかを、1ページにまとめています。

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