起立性調節障害と発達障害(ASD・ADHD)の関係|併発は多い?ASD併存35%と見分け方

起立性調節障害と発達障害の関係|ASD併存35%・併発時の見分け方
「朝起きられない」「集中力が続かない」——起立性調節障害とADHD・ASDの症状には、似ている部分があります。日本小児科学会のガイドラインでは、起立性調節障害の患者のおよそ35%に自閉スペクトラム症(ASD)の併存が報告されているというデータもあります。この記事では、ODと発達障害の本当の関係を、専門機関の情報をもとに整理します。
この記事でわかること
  • 起立性調節障害と発達障害は医学的には別のカテゴリーであること
  • ASD併存率35%というデータの意味
  • 症状が重なりやすい理由と、区別のポイント

結論:起立性調節障害そのものは発達障害ではない

起立性調節障害(OD)は、自律神経の調節に関わる身体疾患であり、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)といった神経発達症とは、医学的に異なる分類に位置づけられています。「発達障害の一種では」と誤解されることがありますが、診断上は別のカテゴリーの病気です。

ASD併存率35%というデータの意味

一方で、両者がまったく無関係というわけでもありません。日本小児科学会のガイドラインでは、ODの併存疾患として自閉スペクトラム症の併存がおよそ35%にのぼると報告されています。さらに、重症ODの約4割に不安障害、約1割に気分障害(うつ病など)を認めることも示されており、回復までに時間がかかる患者では、発達・心理面の評価をあわせて行うことが推奨されています。

つまり、ODと発達特性は別の概念でありながら、実際の臨床現場では症状が重なって現れるケースが少なくないということです。神経発達症に対する教育環境の整備を並行して行うことが、OD症状の改善につながることもあるとされています。

報告されている併存の割合(日本小児科学会ガイドライン)
併存する状態報告されている割合対象
自閉スペクトラム症(ASD)およそ35%起立性調節障害の患者
不安障害約4割重症の起立性調節障害
気分障害(うつ病など)約1割重症の起立性調節障害

※この記事で扱う数字は上記ガイドラインの報告に基づくものです。割合はあくまで集団の傾向で、お子さん個人に当てはめて判断するためのものではありません。

なぜ症状が重なりやすいのか

朝ベッドから起き上がれない中学生の娘に、カーテンを少し開けて声をかける母親
朝どうしても起き上がれないのは、怠けではなく体の仕組みによることがあります。※写真はイメージです

発達特性のある子どもは、自身の睡眠リズムをコントロールする力が未熟な場合があり、体内時計の乱れから不規則な睡眠や覚醒を繰り返しやすいことが知られています。こうした生活リズムの乱れや、日常的な心理社会的ストレスの蓄積は、自律神経の働きを乱す要因となり、OD症状を悪化させる可能性があります。また、神経発達症のある子どもは、定型発達の子どもに比べて日常生活のストレスを受けやすい傾向があるため、ODの症状がより強く出現することも懸念されています。

大切な視点

「朝起きられない」「集中できない」という様子だけを見て、ODなのか発達特性によるものなのかを自己判断で決めつけることは避けましょう。両者は治療や関わり方のアプローチが異なる場合があるため、気になる様子が続く場合は、小児科や発達外来など専門機関であわせて評価してもらうことが大切です。

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症状の見分け方のポイント

小児科の診察室で医師の説明を聞く中学生と母親
併発が疑われるときは、家での様子を具体的に医師へ伝えることが見分けの手がかりになります。※写真はイメージです

起立性調節障害と発達障害は、どちらも「朝が苦手」「学校に行きづらい」といった様子が表面に出やすいため、周囲からは見分けがつきにくいことがあります。ただし、着目するポイントを整理すると、大まかな違いが見えてきます。

視点起立性調節障害に多い傾向発達障害に多い傾向
症状の時間帯午前中に強く、午後から回復する波がある時間帯による波は目立ちにくい
身体症状立ちくらみ、動悸、頭痛など身体症状が中心身体症状は必須ではない
特性の現れ方体調による波が中心対人関係やこだわり、感覚面などが幼少期から一貫してみられる

この表はあくまで目安であり、実際には両方の特徴が重なり合って現れることも多く、自己判断で切り分けることは困難です。気になる様子がある場合は、小児科・心療内科に加えて、必要に応じて発達専門の医療機関での評価も検討すると、より正確な状況把握につながります。

併存が疑われる場合、何科を受診すればいい?

身体症状が強い場合はまず小児科で起立性調節障害の評価を受け、そのうえで発達面の特性が気になる場合は、児童精神科や発達外来を紹介してもらう流れが一般的です。どちらか一方だけを診てもらうのではなく、両方の可能性を医師に伝えたうえで、総合的に判断してもらうことが大切です。

発達障害の診断がついていない場合、様子見でいいですか?
診断名の有無にかかわらず、本人が困りごとを抱えている場合は、環境を調整する価値があります。診断を急ぐことよりも、今の困りごとに対してどんな配慮や工夫ができるかという視点で、学校や医療機関と相談することをおすすめします。
併存していると治療は難しくなりますか?
それぞれの特性・症状に合わせたアプローチを組み合わせることで、対応は十分可能です。起立性調節障害の治療(生活改善・薬物療法)と、発達特性に合わせた環境調整の両方を、医療機関・学校・家庭で連携しながら進めていくことが基本になります。

診断名がひとつに定まらないことに不安を感じる保護者は少なくありませんが、大切なのは「その子に合った環境をどう整えるか」です。特性や症状の組み合わせに関わらず、無理のないペースで学び続けられる場を選ぶことが、本人の自信につながっていきます。

周囲と比べて「うちの子は何が違うのだろう」と悩みすぎず、目の前の困りごとに一つずつ向き合っていく姿勢が回復への近道になります。

特性や症状の呼び方に迷ったときも、「この子は何が得意で、何につまずいているのか」という具体的な視点に立ち返ると、次にできる工夫が見えてきます。

併発が疑われるとき、家庭での関わり方はどう変える?

ソファで休む中学生に温かい飲み物を差し出す母親
体調の波がある時期は、「休めている」ことを認める関わりが回復の土台になります。※写真はイメージです

起立性調節障害と発達特性が重なっている場合、どちらか一方だけに合わせた対応では、かえって本人がしんどくなることがあります。体調の波に合わせる工夫と、特性に合わせた環境の工夫は、目的が違うので両方が必要です。

体調への配慮と、特性への配慮の違い
場面起立性調節障害への配慮発達特性への配慮重なっているときの組み合わせ方
朝の支度起床後すぐ動かず、水分と塩分をとって時間をおく手順を絵や短い言葉で示し、判断を減らす「起きる時刻」ではなく「動き出す時刻」を手順表で決める
学習午後にずらす。立ちっぱなしを避ける刺激の少ない環境。課題を小さく分ける調子のよい時間帯に、短い課題を置く
学校との相談遅刻・早退の扱い、保健室の使い方合理的配慮の内容(板書・音・課題量)体調と特性を分けて、それぞれ具体的に伝える
気になるとき、どこに相談する?
順番相談先伝えること
1小児科立ちくらみ・朝の不調など身体症状と、記録したメモ
2思春期外来/循環器新起立試験の結果とタイプ
3児童精神科・発達外来幼少期からの様子(対人・こだわり・感覚)

順番に迷ったら、まず小児科です。身体の要因を確かめたうえで、必要に応じて発達の評価につないでもらう流れが一般的です。

よくある質問

ADHDの診断がある子は、ODにもなりやすいですか?
明確な因果関係は確立されていませんが、発達特性のある子どもは睡眠リズムの乱れやストレスの蓄積が起こりやすく、結果としてOD症状が出やすくなる可能性が指摘されています。気になる場合は医療機関に相談してください。
ODと診断されたら、発達検査も受けたほうがいいですか?
全員に必須というわけではありませんが、症状の回復に時間がかかっている場合や、対人関係・こだわりなど発達特性を思わせる様子がある場合は、主治医に相談のうえ、発達・心理面の評価を検討することが勧められています。

NIJINアカデミーの子どもたちの声

発達特性と身体症状は、それぞれ別の困りごととして現れることも、重なって現れることもあります。NIJINアカデミーに在籍する中学2年生のSTARさんは、ディスレクシア(読字障害)があり、読み書きを前提とした授業に強い負担を感じていました。起立性調節障害とは異なる特性ですが、「学校の標準的なやり方が合わない」という点では共通する部分があります。

STARさんは、苦手な方法に合わせるのをやめ、デジタル学習やBlenderを使ったCG制作など、自分に合う学び方にシフトしていきました。今では大きな教育展示会のステージに立ち、自分の言葉で将来の夢を語れるまでに成長しています。診断名が何であっても、「その子に合った学び方」を探すという姿勢は変わりません。

起立性調節障害でもNIJINアカデミーに通える理由

起立性調節障害の大きな特徴は、午前中に調子が悪く、午後から夕方にかけて回復していくという波があることです。この波に合わせて学べる環境かどうかは、本人と家族にとって大きな安心材料になります。NIJINアカデミーが、体調に波のある子どもたちにも選ばれている理由を、いくつかの角度からご紹介します。

いつでも入れるバーチャル校舎

NIJINアカデミーは、oviceというツールを使ったバーチャル校舎を採用しており、決まった時間に教室へ向かう必要がありません。午前中は横になって休み、体調が上向いてきた午後から校舎に入って授業に参加する、といった過ごし方も可能です。「今日は調子が悪いから休む」「今週は少し授業を減らす」といった調整も、専任サポート担任と相談しながら柔軟に行えます。

顔を出さなくても参加できる仕組み

カメラ・音声をオフにしたままの見学参加や、チャット・リアクションボタンでの参加もできるため、体調が万全でない日でも「つながりだけは保つ」という関わり方ができます。声を出すこと自体がしんどい日でも、クラスの雰囲気を感じながら、無理のない範囲で参加できる点は、体調の波がある子にとって大きな支えになります。

少人数制と1:1専任サポート担任

8〜10人程度の少人数制クラスに加え、1人ひとりに専任サポート担任がつきます。教員経験や不登校経験のある信頼できる大人が伴走し、日々の体調に合わせて無理のないペースを一緒に考えてくれるため、「今日はどこまで頑張ればいいのか」を一人で抱え込まずに済みます。

出席認定率9割以上という実績

在籍校や教育委員会と連携し、NIJINでの学習状況が出席として扱われるケースがあります(最終判断は学校によります)。希望する生徒の9割以上が在籍校の出席認定を得ている実績があります(2025年4月時点、株式会社NIJIN公式プレスリリースより)。「学校を休むこと」への不安を、少しでも軽くできる材料のひとつです。

定期テストがなく、自分のペースで学べる

NIJINには定期テストがなく、担任の所見によるポートフォリオ評価で成長を可視化します。体調によって学習のペースが一定でなくても、無理に周囲と競わせる仕組みではないため、本人の状態に合わせて学びを続けやすい設計になっています。

NIJINアカデミーとは|不登校の子のためのオンラインのオルタナティブスクール

こういう学校があることだけ、知っておいてください

申し込む気はまだなくて構いません。NIJINアカデミーがどんな場所で、どんな子が通っているのかを、1ページにまとめています。

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