ADHDと
特別支援学級 ―
選択肢の整理と、
対象になりにくい理由
「うちの子は特別支援学級に入れるのか」。
制度の基準と、ADHDが情緒学級の対象になりにくい理由、
そして「入れない」と言われたあとの選択肢まで整理しました。
この記事の結論
ADHDだけを理由に特別支援学級に入れるとは限りません。対象は障害の状態や必要な支援などを踏まえて教育委員会が総合的に判断し、ADHDの特性が中心の場合は、自治体によって通常学級と通級指導教室の組み合わせが中心になりやすいのが実情です。「入れません」と言われても、通常学級での配慮・通級・翌年度の就学相談・学校外の学びの場の併用という道があります。

(NIJINアカデミー校長)
「ADHDは、障害じゃない。進化だ。
遅れているのではなく、時代を先取りしている。」
支援級に入れるべきかどうかを、教育現場を知る立場から本音で話しています。この記事は、担任として7年間ADHDの子を受け持った経験と、この解説をもとに書いています。
発達障害のあるお子さまの進路の選択肢
「発達障害の子どもの場合、通常学級と特別支援学級どちらにすべき?」という相談は年々増えています。まず知っておきたいのは、就学相談で特別支援学級を勧められたとしても、必ず入らなければならないわけではないということです。お子さまと保護者の意思を尊重しつつ、最終的には市町村教育委員会が総合的に判断します。
発達障害のあるお子さまの場合、進路の選択肢は大きく5つに分けられます。4つは学校の中にあり、5つ目は学校の外にあります。
通常学級
一般的な集団のクラス。1クラス35名以下(小学校)。
特別支援学級
障害のある子どもを対象とした、学校内に設置される少人数制のクラス。
通級指導教室
通常学級に在籍する障害のある子どもを対象に、一部の時間だけ特別な指導を行う教室。
特別支援学校
障害のある子どものみを対象とした学校。発達障害単独では対象外。
フリースクール・
オルタナティブスクール
学校の外にある学びの場。在籍校に籍を置いたまま通え、条件を満たせば在籍校の出席扱いになります。
通常学級
集団の中で
環境調整・配慮
通級指導教室
普段は通常学級、
一部だけ個別指導
特別支援学級
少人数クラスで
手厚いサポート
特別支援学校
専門性の高い
環境・教育課程
→ 右にいくほど、個別支援の手厚さ・専門性が高くなるイメージです
支援の手厚さや学級編成は学校によって差があります。特別支援学級に入ったからといって、必ずしも「求めていた教育」や「お子さまに合った環境」が受けられるとは限らないことも理解しておきましょう。
特別支援学級とは
特別支援学級の種類・人数・
教育課程を開く
特別支援学級は、教育上特別な支援の必要があると認められた障害のある児童生徒を対象とした学級で、小・中学校等に設置されています。対象となる障害は、知的障害、肢体不自由、病弱及び身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症、情緒障害の7種類です。
発達に課題のあるお子さまの場合、知的の遅れを伴う場合は「知的障害特別支援学級」、伴わない場合は「自閉症・情緒障害特別支援学級(情緒学級)」に在籍するケースが多くなります。ただし、設置されている学級の種類は学校によって異なり、知的学級と情緒学級が一緒になっているケースもあります。
1クラスあたりの人数の違い
通常学級との主な違い
- 少人数制(特別支援学級は8名、通常学級は35名が定員の目安)
- 障害による困難を克服するための「特別の教育課程」がある
- 一人ひとりのニーズに応じた「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」を作成することが義務づけられている
なお、通常学級に在籍する児童生徒のうち、発達障害の可能性がある子どもは8.8%程度(令和4年・文部科学省調査)とされており、通常学級にも発達特性のあるお子さまが多く在籍しています。
出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について」文部科学省
「通級指導教室」との違い
通級指導教室との違いを開く
通級指導教室(通級)は、通常学級での学習におおむね参加でき、一部の特別な指導を必要とするお子さまを対象にしています。特別支援学級との大きな違いは、通常学級に在籍したまま、必要な時間だけ別の教室で指導を受ける点です。
- 特別支援学級の対象ではない発達障害(ADHD、SLD)のお子さまも対象になる
- 通常の授業のほかに、一部の授業を別の教室で受ける形
- 通級が設置されていない学校も少なくなく、他校の通級に通ったり、先生が学校を訪問したりするケースもある
対象障害種は、言語障害・自閉症・情緒障害・弱視・難聴・学習障害・注意欠陥多動性障害・肢体不自由・病弱及び身体虚弱と幅広く定められています。
「特別支援学校」との違い
特別支援学校との違いを開く
特別支援学級が学校内に設置された「クラス」であるのに対し、特別支援学校は障害のあるお子さまに専門的なサポートを行う「学校」です。発達障害は特別支援学校の対象に含まれていません(知的障害等ほかの障害が併存する場合は対象になることがあります)。
- 知的な遅れのない発達障害のお子さまは対象にならない
- 1クラスの定員が原則6名以下(高等学校は8名以下)
- 教員の専門性(特別支援学校教員免許)が高い
より詳しい「特別支援学校と特別支援学級の違い」については、比較表つきの解説記事もあわせてご覧ください。
ADHDの子どもの学校生活での困りごと
【図解1】4つの学びの場 比較表|人数・教育課程・在籍はどう違うか
| 学びの場 | 主な対象 | 1学級の人数の上限 | 教育課程 | 在籍 |
|---|---|---|---|---|
| 通常学級 | 特別な支援がなくても学級の中で学習に参加できる子 | 小学校35人/中学校40人 | 学習指導要領どおり | 通常学級 |
| 通級指導教室 | 通常学級に在籍しながら、週に数時間の個別指導があると力を発揮できる子 | 個別〜少人数 | 通常の教育課程+自立活動 | 通常学級 |
| 特別支援学級(自閉症・情緒障害) | 対人関係や情緒の課題が継続し、少人数で手厚い支援が必要な子 | 8人 | 学級の実態に応じて特別の教育課程を編成できる | 特別支援学級 |
| 特別支援学校 | 障害の程度が比較的重く、専門的・継続的な指導が必要な子 | 6人(重複障害は3人) | 特別支援学校の学習指導要領 | 特別支援学校 |
発達障害は先天的な脳機能・神経系の特性であり、その困難は本人の努力だけでは解決しづらいことが多く、周囲のサポートが必要になります。ADHDの場合、代表的な困りごとは「注意力が散漫」「じっとすることができない」「衝動的な言動をする」「やる気が出づらい」などです。
実際に、特別支援教育の利用を検討するきっかけになった具体的な事例を3つ紹介します。
注意を向け続けることが苦手で、授業に集中したり板書をとったりすることが難しく、学習に遅れが生じている。宿題やテストの説明を聞き逃し、先生から叱責を受けることが多い。
怒りのコントロールができず、物を投げたり同級生に手を出したりしてしまうことがある。
特性による失敗体験が重なった結果、自己肯定感が下がり、学校に行かなくなって部屋に閉じこもるようになった。
ADHDの子はなぜ
不登校になりやすいのか
(校長・星野達郎)
学校の中で行き止まりなら、
学校の外にも道がある
ADHDの特性そのものは、良くも悪くもありません。どこに置かれるかで、意味が変わります。校長の星野は、脳のはたらきをこう捉え直しています。
置かれる場所で名前を変える
素直だから、環境がすべてを決める。
※校長・星野が、脳のはたらきを教育の視点から捉え直したものです

通常学級も通級も支援級も、どれも「学校の中」の選択肢です。それで合う子はたくさんいます。ただ、ADHDの子がつまずく原因が学校という場の作りそのものにあるとき、どれを選んでも同じことが起きます。校長の星野は、理由を4つの構造で説明しています。
| 学校 | NIJIN アカデミー | |
|---|---|---|
| 学び方 | 選べない | 月100コマから選ぶ |
| 評価 | 決まった基準で測る | ありたい姿から |
| 集団 | 平均から外れると目立つ | 異年齢・全国が前提 |
| 環境 | 音、30人、45分の着席 | 自宅・アバター・録画 |
ADHDの子にとっていちばん重いのは、4つめの環境です。音が多く、30人がいて、45分じっと座ることが前提になっている。この3つが揃った場所では、どれだけ本人が頑張っても消耗します。
同じ子。環境が違うだけ。
校長が2年生の担任をしたときの実話です。半年で評価がひっくり返りました。変わったのは子どもではなく、その子が置かれた場のほうでした。支援級に入れるかどうかは、その子の価値とは関係がありません。
NIJINアカデミーの場合
NIJINアカデミーは、不登校の小中学生のためのオルタナティブスクールです。メタバース校舎と全国52教室のリアルキャンパスがあり、いまの学校に在籍したまま通えます。
「特別支援学級には入れません」と言われたとき、残っているのは通常学級だけではありません。学校の外に居場所を先に用意しておくと、就学相談の結果に振り回されずに済みます。
保護者が、やらなくてよくなること
お子さんの環境が変わると、保護者の毎日も変わります。NIJINアカデミーに移った家庭で、実際になくなるものです。
交渉役を、やめていい。
ADHDが「天才」である理由
(校長・星野達郎)
道はあります
NIJINアカデミーは、診断の有無を問わず通えるオンラインのオルタナティブスクールです。
いまの学校に在籍したまま、今日から見学できます。
なぜADHDは
情緒学級の対象に
なりにくいのか
市町村によって「情緒学級」の対象障害の扱いは異なり、ASD(自閉スペクトラム症)のみを対象とし、ADHDやSLD(限局性学習症)は通級による指導の対象とする自治体が多いのが実情です。この違いは偶然ではなく、制度が作られてきた歴史的な経緯に理由があります。
「情緒障害学級」の時代
特殊教育制度には「発達障害」という区分自体がありませんでした。自閉症は情緒障害の一部として扱われ、知的障害と重複するケースが多いという理解が一般的でした。
LD・ADHD・高機能自閉症の登場
「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」などで、LD・ADHD・高機能自閉症の児童生徒(通常学級在籍者の6%程度と推計)への対応が緊急の課題として議論され始めます。
「特別支援教室」構想の模索
固定式の学級を維持するのではなく、通常学級に在籍しながら必要な時間だけ特別な指導を受ける「特別支援教室(仮称)」という枠組みが検討されました。ただし議論は「今後の課題」として持ち越され、既存制度は当面維持されることになります。
特別支援教育の開始、用語の統一
特別支援教育制度がスタートし、「LD、ADHD、高機能自閉症」という個別の用語から、発達障害者支援法の定義による「発達障害」という呼び方に統一されました。これにより、高機能自閉症は法律上、従来の自閉症と同様に扱えるようになり、特別支援学級での対応も可能というスタンスが明確になりました。
この経緯からわかるのは、制度の線引きが診断名の違いそのものではなく、「学校教育を成立させるうえで、どの程度の特別な支援が恒常的に必要か」という観点で行われてきたという点です。ASDは対人関係やコミュニケーションの困難が集団生活全般に及びやすいのに対し、ADHDやSLDの困難は比較的局所的・限定的だと捉えられやすく、結果として「通級で対応する」という整理がされやすい傾向があります。
※制度がどちらを想定して設計されてきたかを表す概念的なイメージであり、困難の大きさや重さの優劣を示す統計データではありません。
2000年代以降、障害の判断はIQなどの数値だけでなく「学習・生活上の困難度」に基づいて行われる方向へと変化してきました。この考え方は結果的に、知的障害のないASDが特別支援学級の対象として扱われるケースを増やす一方、ADHDやSLDは通級指導教室での対応が中心という整理が続く一因にもなっています。制度は今なお議論が続いており、東京都のように独自に「特別支援教室」を設ける自治体も出てきています。
基準は全国一律ではなく、
教育委員会が総合的に判断する
文部科学省は、特別支援学級の対象を「障害の状態、教育上必要な支援の内容、地域における教育の体制の整備の状況、その他の事情を勘案して」適当と認める者としています。自閉症・情緒障害学級は「他人との意思疎通及び対人関係の形成が困難である程度のもの」が対象とされ、対人関係の困難さに主眼が置かれた制度です。
そのためADHDの特性が中心の場合、自治体によっては「対象外」「まずは通常学級と通級指導教室の組み合わせで様子を見ましょう」という判断になることがあります。同じような状態の子でも、住んでいる自治体や学校の体制によって結論が分かれるのが実情です。「対象にならない」ことは、困りごとが軽いという意味ではありません。制度の枠組みと、目の前の子どもの困りごとが、たまたま一致しなかっただけと捉えてください。
通常学級+学校外
という選択肢
【図解2】判断チェックリスト|「通常学級+療育で様子を見る」か「特別支援学級を検討する」か
| 見る場面 | 通常学級+療育・通級で様子を見られる目安 | 特別支援学級を検討したい目安 |
|---|---|---|
| 授業中 | 声かけや座席の工夫があれば、1時間のうち多くを参加できる | 支援があっても、大半の時間で課題に取りかかれない |
| 集団の中で | トラブルは起きるが、あとから振り返って修正できる | 毎日のように強い混乱やパニックが起き、本人も苦しい |
| 学習の理解 | 学年相当の内容におおむねついていける | 教科の土台から個別に組み直す必要がある |
| 本人の消耗 | 帰宅後に回復し、翌朝は登校できている | 登校しぶりや体調不良が続き、生活が回らない |
| 家庭の実感 | 「工夫すれば何とかなる」と感じられる | 「毎日が綱渡り」で、家族も限界に近い |
お住まいの地域に対象となる特別支援学級や通級指導教室がない、あるいはニーズと合わないという場合には、「通常学級」に通いながら、放課後等デイサービスなどで「療育」を受けるという選択肢もあります。
療育とは、将来的な自立を目指し、一人ひとりの発達段階や特性に応じたアプローチで発達を促すことです。日常生活スキルや、他者との関わり方・社会のルールといった社会的スキルを育んでいきます。放課後等デイサービスでは、学校・家庭と連携しながら一貫した支援を行い、学校の学習だけではカバーしづらい「特性との付き合い方」を学ぶ機会にもなります。
学校の外の学びの場も、
「通常学級+」の選択肢です
「通常学級に籍を置きながら、足りないところを外で補う」という形は、療育だけではありません。フリースクールやオルタナティブスクールも同じ使い方ができます。放課後等デイサービスが生活・社会性を支えるのに対し、オルタナティブスクールは日中の学びと居場所そのものを担います。
どれも「通常学級をやめる」話ではありません。在籍はそのままで、合わない時間をどこで補うかを決めるだけです。NIJINアカデミーの場合は、希望された方の97%が在籍校の出席扱いになっています。
進路を検討するときの5つのステップ
5つのステップを開く
【図解3】進路を決めるまでの5ステップ 早見表|いつ・何を・どこでつまずくか
| ステップ | 時期の目安 | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|---|
| ①困りごとを書き出す | いつでも | どの場面で・どのくらいの頻度で困っているかを1〜2週間記録する | 「落ち着きがない」だけでは伝わらない。時間帯と教科まで書く |
| ②担任・スクールカウンセラーに共有 | 学期の早いうち | 記録を見せて、学校での様子とすり合わせる | 家庭と学校で見え方が違うのは普通。どちらも事実として扱う |
| ③専門機関で見立てをもらう | 相談から数週間〜数か月 | 発達障害者支援センター、児童精神科、自治体の教育センター | 初診まで数か月待つ地域がある。迷っている段階で予約だけ取る |
| ④就学相談・教育支援委員会 | 就学前年の春〜秋(在学中の転級は随時) | 見学、行動観察、面談 | 自治体ごとに時期も回数も違う。まず教育委員会に日程を聞く |
| ⑤学びの場を比べて決める | 決定通知が出る前 | 交流及び共同学習の頻度、評価の付き方、あとから変えられるかを確認 | 「一度決めたら変えられない」わけではない。年度ごとに見直せる |
お子さまの障害や特性について理解する
学習面と生活面に分けて、学校生活での課題を洗い出してみましょう。
必要なサポートを整理する
療育施設や医療機関、発達障害者支援センターなど、専門家に相談するのもおすすめです。
学校側のサポート体制を確認する
就学前なら「就学相談」、在学中の転籍なら学校に直接相談を。受け入れ体制は地域や学校によってさまざまです。
お子さまの希望を聞く
進路によっては友達と離れることもあります。体験入学や見学を通じて、本人の意思も尊重しましょう。
情報収集と関係機関への相談を続ける
困難・苦手だけでなく「できること」も踏まえ、同じ特性を持つ家庭の体験談も参考にしながら、最適な学びの場を検討しましょう。
特別支援学級への入級を具体的に検討している方は、「特別支援学級に入る基準・入級の手続き」もあわせてご確認いただくと、次の一歩がより明確になります。
通常学級や特別支援学級だけでなく、在籍校に籍を置いたまま、 学校外の学びの場を併用する方法もあります。
やっておきたいこと
この5つはすべて学校の中で完結する手続きです。ただ、就学相談の結論が出るまでには数か月かかり、その間も毎日は続きます。結論を待つ間に、学校の外の学びの場も1つ見ておくと、どの結果になっても「次がない」状態になりません。
- 学校の外の場は申し込みに診断書がいらないことが多く、相談と並行して動けます
- 在籍校に籍を置いたまま通えるので、就学相談の結果が出てから戻る判断もできます
- 条件を満たせば在籍校の出席扱いになります(NIJINアカデミーは希望された方の97%)
就学相談はいつ動く?年間スケジュールと、年度途中で変えたいときの手順
就学相談の
年間スケジュールを開く
「特別支援学級を検討したい」と思っても、いつ・誰に言えばいいのかが分からないまま学年が進んでしまう——これは非常によくある足踏みです。就学相談の時期は自治体ごとに違いますが、小学校入学の場合は入学前年の春から秋にかけて動くのが一般的です。すでに小中学校に在学している場合は、就学相談とは別に年度替わりでの転級、自治体によっては年度途中での変更も相談できます。
相談の順番は
「担任 →
特別支援教育
コーディネーター
→ 教育委員会」
学校にはどこも特別支援教育コーディネーターという役割の先生がいます。担任に相談したあと、この先生を交えて話すと、校内の支援(座席・課題の量・通級の申請)と、教育委員会につなぐ就学相談の両方が同時に動きます。いきなり教育委員会に電話しても構いませんが、学校での様子の記録があるほど話が早く進みます。
学校に伝えるときの一例:「授業中に離席が増えていて、本人も『できない自分』を責めています。家では宿題に取りかかるまで1時間かかります。通級や特別支援学級も含めて、どんな支援の形があるか一度相談させてください。」
「決めたら戻れない」
という誤解
2013年(平成25年)の学校教育法施行令の改正で、就学先は障害の程度だけで振り分けるのではなく、本人・保護者の意見を可能な限り尊重し、教育的ニーズや学校の体制を踏まえて総合的に判断する仕組みになりました。あわせて、就学後も必要に応じて学びの場を柔軟に見直すことが前提とされています。特別支援学級に在籍しながら、得意な教科は交流及び共同学習で通常学級に参加する形も一般的です。
基準や手続きの全体像は特別支援学級に入るにはで、情緒学級そのものの中身は情緒学級とはで詳しく整理しています。困りごとの棚卸しから始めたい方はADHD 子供 チェックリストもあわせてご覧ください。
「特別支援学級には入れません」と言われたら|子どもに起きていることと、次に取れる選択肢
ADHDの傾向があって特別支援学級を考えたのに、「うちの子は対象にならない」と言われて戸惑う保護者は少なくありません。特別支援学級の対象になるかどうかは、診断名だけで自動的に決まるものではないからです。
通常学級に残った子に起きていること
対象にならなかった場合、多くの子はそのまま通常学級で過ごします。ADHDの特性がある子にとっては、45分間座り続ける、指示を最後まで聞いてから動く、周りの物音や動きに気を取られずに集中する、といった学校生活の「当たり前」そのものが、大きなエネルギーを使う作業になっていることがあります。NIJINアカデミーに入学したある小学3年生は、在籍校について「学校がうるさかった…それがしんどかった」と話していました。集中できない困りごとは、努力不足ではなく、教室という環境と特性の相性の問題であることが少なくありません。
| 選択肢 | 内容 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 通常学級のまま配慮を相談する | 座席、指示の出し方、休憩の取り方などを担任と決める | 配慮の内容を書面や連絡帳で共有できるか |
| 通級指導教室を組み合わせる | 通常学級に在籍しながら、一部の時間だけ個別の指導を受ける | 通う頻度と、在籍校に通級があるか(他校通級になるか) |
| 次の就学相談で改めて相談する | 子どもの様子の記録や検査結果をそろえて、翌年度に向けて相談し直す | 相談の申込時期(この記事の年間スケジュールを参照) |
| 学校外の学びの場を併用する | 在籍校に籍を置いたまま、フリースクールなどを利用する | 出席の扱いを在籍校と相談できるか(最終判断は校長) |
| 通常学級 | 特別支援学級 | NIJINアカデミー | |
|---|---|---|---|
| 1クラスの人数 | 30人前後 | 8人程度が上限 | 8〜10人の少人数制 |
| 学びのペース | 一斉授業が基本 | 個別の指導計画あり | AI型学習ドリルで個別に進める |
| 入級・利用の判断 | — | 教育委員会の総合判断 | 在籍校を変えずに利用できる |
| 評価の方法 | 定期テスト中心 | 個別の指導計画に基づく | 定期テストなし・ポートフォリオ評価 |
NIJINアカデミーは学校教育法上の学校ではなく、特別支援学級の代わりというより、在籍校に籍を置いたまま使える「もうひとつの学びの場」です。制度上の位置づけは、学校・教育委員会にもあわせて相談してください。
まとめ
- 発達障害のあるお子さまの進路には「通常学級」「特別支援学級」「通級指導教室」「特別支援学校」の4つの選択肢がある
- 特別支援学級を勧められても、必ず入らなければならないわけではない
- ADHDは自治体によって情緒学級の対象外とされ、通級指導教室での対応が中心になりやすい
- この線引きは、診断名そのものよりも「学校教育上どの程度恒常的な支援が必要か」という制度的な経緯から生まれてきたもの
- 対象となる学級・教室がない場合は「通常学級+療育」という選択肢もある
制度は今も議論が続いています。お子さまに合った学びの場を見つけるために、学校・教育委員会・療育機関など、複数の窓口で情報収集をしながら検討を進めていきましょう。
ここで止まりません
NIJINアカデミーは、診断の有無を問わず通えるオンラインのオルタナティブスクールです。
在校生の6〜7割が発達特性のあるお子さん。いまの学校に在籍したまま通えます。
- 平日毎日ひらく、メタバース校舎
- 出席扱いの認定率 97%
- 全国52か所のリアル教室
友だち追加は無料・相談だけでもOKです|デジタルパンフレットを見る

