- フラッシュバックが起きる仕組み
- 起きたときに家庭でできる対応
- 日常の中でできる予防的な工夫
フラッシュバックとは何か
フラッシュバックとは、過去のつらい体験の記憶が、まるで今この瞬間に起きているかのように感じられる現象です。特定の音、匂い、場所、人の言葉などがきっかけ(トリガー)となって、本人の意思とは関係なく突然引き起こされることが特徴です。「気にしすぎ」「もう終わったこと」といった言葉は、本人にとって理解されていないと感じさせてしまうことがあるため、避けることが大切です。
フラッシュバックが起きたときの対応
1. まず安全な場所であることを伝える
「大丈夫、ここは安全だよ」「今は〇年〇月、あなたは家にいるよ」など、落ち着いた声で「今、ここ」の安全を伝えることが、混乱している本人を現実に戻す助けになります。
2. 無理に詳細を聞き出さない
フラッシュバックの最中やその直後に「何があったの」「何を思い出したの」と詳しく聞くことは、症状を悪化させることがあります。落ち着くまでは、そばに寄り添うことを優先してください。
3. 身体感覚に意識を向ける工夫を試す
冷たい水で手を洗う、深呼吸を一緒に行う、周囲にあるものの色や形を声に出して確認するなど、「今、ここ」の感覚に意識を戻す方法(グラウンディング)が助けになる場合があります。
落ち着いた声で「今、ここ」を伝える
落ち着くまで寄り添う
深呼吸・身近なものを確認
| 場面 | 避けたい対応 | 助けになる対応 |
|---|---|---|
| 反応が起きた直後 | 「気にしすぎ」「もう終わったこと」と言う | 「大丈夫、ここは安全だよ」と、落ち着いた声で伝える |
| 混乱しているとき | 「何があったの」「何を思い出したの」と詳しく聞く | 詳細は聞かず、落ち着くまでそばにいる |
| なかなか落ち着かないとき | 「早く落ち着いて」と急かす | 一緒に深呼吸する、周りにあるものの色や形を声に出して確認する |
| 落ち着いたあと | きっかけ(トリガー)を無理に特定しようとする | 起きたときの対応の流れを、家族で共有しておく |
| ふだんの生活 | トリガーを避けることだけを目的にする | 生活リズム・睡眠・安心できる時間を整える |

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日常の中でできる予防的な工夫
フラッシュバックの引き金(トリガー)を完全になくすことは難しいものの、生活リズムを整える、十分な睡眠を確保する、安心できる環境で過ごす時間を増やすことは、心身の状態を安定させ、フラッシュバックの頻度や強さを和らげる助けになるとされています。「トリガーを避けること」自体を目的にしすぎないことも大切で、本人が無理なく過ごせる範囲を一緒に探ってください。
NIJINアカデミーでは、1:1の専任サポート担任が継続的に本人と関わり、安心できる関係性を築いていきます。学校という特定の環境そのものがトリガーになっている場合、環境を変えること自体が回復への一歩になることもあります。
学校と専門家に伝えるときの準備|フラッシュバックがある子の配慮を相談する
状況に応じて、担任やスクールカウンセラーに事情を共有しておくと、学校生活での配慮につながる場合があります。ただし、つらい体験の内容をすべて伝える必要はありません。本人に確認しながら、「起きたときにどうしてほしいか」を中心に伝えるのが現実的です。
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 本人に確認する | 学校に伝えてよいこと・伝えたくないことを聞く | 年齢に応じた言葉で。無理に話させない |
| 2. 相談先を決める | 担任、スクールカウンセラー、養護教諭など | 伝える窓口を決めておくと、何度も説明せずにすむ |
| 3. 「起きたときの対応」を共有する | 安全を伝える・詳細を聞かない・感覚に意識を戻す | 家庭と同じ対応をとってもらえると、本人が安心しやすい |
| 4. 専門機関と連携する | 児童精神科・心療内科など | 頻繁に起きる、日常生活に大きな支障があるときは相談を検討する |
専門機関に相談するときは、次のようなメモがあると、限られた時間でも状況が伝わりやすくなります。記録は本人を見張るためのものではなく、専門家に正確に伝えるためのものです。
| チェック | メモしておくこと |
|---|---|
| □ | 反応が起きた日時と、その前後の状況 |
| □ | 反応の様子(泣く、固まる、パニックのようになる など) |
| □ | 落ち着くまでにかかった時間と、助けになった対応 |
| □ | 睡眠の変化(寝つき、悪夢など) |
| □ | 登校や外出など、生活への影響 |
| □ | 本人が話してくれたこと(聞き出さず、話してくれた範囲で) |
叱られることへの反発が強く出ている場合は反抗挑戦性障害の子どもへの対応、教室の音など感覚面のつらさが重なっている場合は聴覚過敏で学校がつらい子への対応の記事も参考になります。長期休み明けなど、環境が大きく変わる時期に不調が出やすい子には、ADHDの子の夏休み明けの記事で紹介している生活リズムの整え方も役立ちます。
NIJINアカデミーという選択肢
NIJINアカデミーは、小学1年生から中学3年生を対象としたオンラインのオルタナティブスクールです。いじめなどのつらい経験があった環境から距離を置きながら、信頼できる大人との関係を通じて、安心できる学びの場を築いていくことができます。

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子どもたちの声
「あの場所と全く違う環境になったら、思い出す回数が減っていった」という声が聞かれます。
「何がきっかけで動揺するかわからず不安だったが、まず安全を伝えることを意識するようになってから、落ち着くまでの時間が短くなった」という声も寄せられています。
保護者自身のケアも大切に
子どものフラッシュバックに寄り添い続けることは、保護者にとっても大きな負担になります。保護者自身が孤立せず、周囲や専門機関のサポートを頼ることも、結果的に子どもへの安定したサポートにつながります。一人で抱え込まず、必要に応じて助けを求めてください。

専門家への相談も選択肢に
フラッシュバックが頻繁に起きる、日常生活に大きな支障が出ている場合は、児童精神科や心療内科、トラウマに詳しい専門機関への相談を検討してください。専門的な治療により、症状の軽減が期待できるとされています。
よくある質問
まとめ
フラッシュバックは、本人の意思ではコントロールできないトラウマ反応です。起きたときは安全を伝え、詳細を聞き出さず、感覚を「今、ここ」に戻す工夫を試しながら、落ち着くまで寄り添うことが大切です。日常生活の安定と、必要に応じた専門的なサポートを組み合わせながら、無理のないペースで回復を支えていきましょう。
このテーマはデリケートな内容を含みます。お子さまの心の状態について心配なことがある場合は、一人で抱え込まず、児童精神科やスクールカウンセラーなど専門機関にご相談ください。

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参考文献:厚生労働省・発達障害情報・支援センター等の公的情報を参考に作成

