この記事の結論
愛着障害の傾向がある子への対応で大切なのは、試すような行動にも感情的に反応せず、一貫した態度で「見捨てない」ことを示し続けることです。学校では担任交代などの節目に引き継ぎを準備し、家庭では毎日少しずつ安心できる時間をつくります。保護者の愛情不足を責めるための言葉ではなく、児童期以降の関わりで変わっていけるものです。
「大人を試すような行動が多い」「なかなか心を開いてくれない」——愛着障害の傾向がある子どもとの関わり方に悩む保護者の方に向けて、基礎知識と家庭でできる対応を解説します。
- 愛着障害とは何か、2つのタイプ
- 学校生活で表れやすいサイン
- 家庭でできる対応とNIJINアカデミーという選択肢

愛着障害とは
愛着障害とは、乳幼児期に安定した養育者との関わりが十分に得られなかったことなどが背景となり、人との関わり方に特有の難しさが生じる状態を指します。医学的には「反応性アタッチメント症」と「脱抑制型対人交流症」の2つのタイプに分類されます。反応性アタッチメント症は人との関わりを避けたり警戒したりする傾向が強く、脱抑制型対人交流症は初対面の相手にも過度に馴れ馴れしく接するといった特徴がみられます。
愛着障害は、保護者の愛情不足を責めるための概念ではありません。虐待やネグレクトが背景にあるケースだけでなく、入院や転居など、さまざまな事情による養育環境の変化が関わっていることもあります。大切なのは原因を追及することよりも、今からどう安定した関わりを積み重ねていくかです。
愛着とはそもそも何か
「愛着(アタッチメント)」とは、乳幼児が特定の養育者との間で築く、情緒的な安心の絆を指す心理学の概念です。泣いたときに応えてもらえる、不安なときに抱きしめてもらえるといった経験の積み重ねを通じて、子どもは「困ったときは助けてもらえる」という基本的信頼感を育てていきます。この土台がうまく育たなかった場合に、対人関係や感情のコントロールに特有の難しさとして表れることがあります。
愛着の問題は「取り返しがつかない」わけではない
愛着の課題は、乳幼児期の経験だけで一生が決まるものではありません。児童期以降であっても、安心できる大人との一貫した関わりを積み重ねることで、少しずつ安定した対人関係の土台を育て直すことができるとされています。焦らず、長い時間をかけて信頼関係を積み重ねていく姿勢が大切です。

学校生活で表れやすいサイン
あてはまるものがないか、確認してみてください
これらのサインは、本人が「安心できる関わり」をまだ十分に積み重ねられていないことの表れです。行動そのものを叱るより、その背景にある不安に目を向けることが対応の第一歩になります。

愛着障害と発達障害の違い
| 比較の視点 | 愛着障害 | 発達障害(ASD・ADHDなど) |
|---|---|---|
| 主な背景 | 養育環境における関わりの経験 | 脳機能の特性(生まれつき) |
| 対人関係の傾向 | 関係性によって変化しやすい | 環境によらず一定の特性がみられる |
| 併存 | 発達障害と併存することもある | 愛着の問題を伴うこともある |
見た目の行動が似ていることも多く、自己判断は難しいため、気になる場合は児童精神科などの専門機関に相談することをおすすめします。
学校生活での関わりの難しさ
愛着に課題のある子どもは、学校という「毎年関わる大人が変わる」環境そのものが、不安定さにつながりやすい側面があります。新しい担任との関係を一から築き直す必要があるため、進級・進学のタイミングで行動が不安定になることも少なくありません。また、集団の中では「特定の大人と継続して関わる」ことが難しく、その結果、大人を試すような行動や、極端な人懐っこさが目立ってしまうこともあります。学校側にも、こうした背景を理解してもらうことが、適切な対応につながります。
オルタナティブスクールという選択肢学校に合わないからこそ、輝く個性がある。
NIJINアカデミーは、日本初、公教育を持ち運び可能にした
オルタナティブスクール(小中高一貫校)です。
- 累計入学 1000名超
- 出席認定率 97%(希望者)
- 全国52か所のリアル教室
※出席扱いの最終判断は在籍校です。数字はNIJINアカデミー公式サイトの掲載値。
友だち追加は無料・相談だけでもOKです|デジタルパンフレットを見る
家庭でできる対応
試すような行動にも一貫した対応を。「見捨てられるかどうか」を確かめるような行動が見られても、感情的に反応せず、一貫した態度で関わり続けることが安心につながります。
小さな安心の積み重ねを大切に。特別なことをしなくても、「いつも通りそばにいる」という日常の積み重ねが、信頼関係を育てていきます。
保護者だけで抱え込まない。愛着の問題は、家庭だけで解決しようとすると負担が大きくなりがちです。専門機関のサポートを取り入れることも大切な選択肢です。
「見捨てない」ことを行動で示し続ける。言葉で「大丈夫」と伝えるよりも、困った行動があっても関わりをやめない、という日々の姿勢そのものが安心感につながります。
感情に振り回されすぎない。試すような行動に感情的に反応すると、「やっぱり自分は見捨てられる」という不安を強めてしまうことがあります。まずは落ち着いて、淡々と関わりを続けることを意識してください。
「安心できる時間」を毎日少しずつ作る。特別な時間でなくても構いません。「今日あったことを聞く」「一緒に過ごす数分間を作る」など、決まったリズムでの関わりが、安心の土台になります。
「試すような行動」への反応は、つい感情が先に出てしまうものです。よくある場面ごとに、避けたい反応と、安心につながりやすい反応を並べました。
| よくある場面 | 避けたい対応 | 安心につながりやすい対応 |
|---|---|---|
| わざと困らせることを言う・する | 「そんなことするなら知らない」と突き放す | 行動は止めつつ、「それでもあなたのそばにいるよ」と態度で示す |
| 褒めても「どうせ嘘でしょ」と拒む | 「せっかく褒めたのに」と不機嫌になる | 受け取ってもらえなくても、短い言葉で認め続ける |
| 初対面の大人にべったり甘える | 人前で強く叱って引き離す | その場は穏やかに離し、あとで「知らない人との距離」を一緒に確認する |
| 癇癪が長引く | 言い聞かせ続ける・一緒に声を荒げる | 安全を確保して、落ち着くまで近くで待つ |
| 「どうせ自分なんて」と言う | 「そんなこと言わないの」と否定する | 「そう感じているんだね」と気持ちをいったん受け止める |

進級・担任交代の時期にできること|愛着障害の子の「引き継ぎ」を学校と準備する
記事の前半で触れたとおり、愛着に課題のある子どもにとって、関わる大人が毎年変わる学校の仕組みそのものが不安定さにつながりやすい面があります。とくに進級・担任交代・転校のタイミングは、落ち着いていた行動がもう一度揺れやすい時期です。
家庭でできるのは、新しい担任と「一から関係を作り直す」負担を少しでも軽くすることです。これまでうまくいった関わり方を言葉にして引き継いでおくと、新しい先生も同じ対応をとりやすくなります。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 学年末(1〜2か月前) | 今の担任と「うまくいった関わり方」を振り返る | 試す行動が出やすい場面と、落ち着けた対応をメモに残す |
| 2. 新学期の前 | 引き継ぎをお願いする | スクールカウンセラーや養護教諭など、学年が変わっても残る大人も共有先に入れる |
| 3. 新学期の最初の数週間 | 新しい担任と短い面談をする | 「特定の大人と継続して関われると安心しやすい」ことを伝える |
| 4. 1学期の途中 | 家と学校の様子をすり合わせる | 行動が不安定になっても、関係づくりの途中の反応として一緒に見守る |
| チェック | 伝えること | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| □ | 不安定になりやすい場面 | 「新しい人や場所に入るときに、極端に警戒するか、逆にべったりになりやすいです」 |
| □ | 試す行動が出たときの対応 | 「叱るより、一貫した態度で関わり続けてもらえると落ち着きます」 |
| □ | 安心できる大人の存在 | 「毎朝同じ先生が声をかけてくれると、1日のスタートが安定します」 |
| □ | 褒め方のコツ | 「大げさに褒めるより、短く具体的に伝えてもらうほうが受け取りやすいです」 |
| □ | 相談している専門機関 | 「〇〇で相談を続けています。必要なら情報を共有できます」 |
| □ | 家での小さな変化 | 「最近、困ったときに自分から言いに来られる日が増えました」 |
いじめなどのつらい経験のあとに人との距離が極端になった場合はいじめによるPTSD、話すこと自体が難しい場面があるなら場面緘黙の子への接し方、私立に通っていて環境を変えるか迷っている場合は私立中学で不登校になったときの記事もあわせて読んでみてください。
学校以外の「居場所」を先に用意しておく
NIJINアカデミーは、午前でも午後からでも参加できるオンラインのオルタナティブスクールです。在籍校の出席扱いになる例も多く、まずは体験会で雰囲気を見てから決められます。
LINEで無料体験会に申し込む専門機関との関わり方
愛着の課題は、家庭だけで対応しようとすると保護者自身が疲弊してしまうことも少なくありません。児童精神科、発達相談センター、児童家庭支援センターなど、専門的な支援を受けられる窓口があります。診断名の有無にかかわらず、「関わり方に悩んでいる」という段階から相談することができます。
学校に対しては、担任やスクールカウンセラーに「特定の大人との継続した関わりが安心につながりやすい」ことを伝えておくと、進級時の引き継ぎなどで配慮してもらいやすくなります。
長い目で見た関わりを大切に
愛着の課題への対応は、短期間で目に見える変化が出るとは限りません。「今日は少し落ち着いて話せた」「いつもより素直に甘えてきた」といった小さな変化を積み重ねていく視点が大切です。焦らず、安心できる関わりを続けていくことが、長い目で見て本人の対人関係の土台を育てていきます。
NIJINアカデミーという選択肢
対人関係に不安を抱えやすい子にとって、「安心できる決まった相手」と関わり続けられる環境は大きな支えになります。NIJINアカデミーでは、1:1の専任サポート担任が継続して伴走するため、「誰と関わればいいか分からない」という不安が生まれにくく、安定した関係を積み重ねやすい仕組みになっています。
クラスは8〜10人程度の少人数制で、カメラ・音声をオフにしたままの参加も可能です。自分のタイミングで少しずつ人との関わり方を選べます。
在籍校を今すぐやめる必要はありません。学校と併用しながらNIJINに通う生徒も多く、希望する生徒の9割以上が在籍校の出席認定を得ています(2025年4月時点、株式会社NIJIN公式プレスリリースより。最終的な出席の判断は学校によります)。
動画で雰囲気を見る
文字だけでは伝わりにくい「安心できる空気感」を、実際の動画で確認できます。以下は、安心できる人との関わりの中で学びを続けることを選んだ生徒の様子を伝える動画です。
NIJINアカデミー公式チャンネルより「【不登校からの選択】年中でいじめと体調不良…小1で自ら決めた新しい学びの道」(YouTube)
NIJINアカデミーの子どもたちの変化
安心できる関わりを積み重ねながら、少しずつ人とのつながりを広げていった子どもたちのエピソードを紹介します。
かなぽんさん(小4)
不安が強く、新しい場所に入るハードルが高かったものの、「だめならやめればいい」と家からオンラインで参加。先生の明るい受け入れにより少しずつ場に慣れ、今では仲間を集めてリアルイベントを自ら企画・実行するまでに成長しました。
パケロンさん(中2)
小学生の頃から人間関係に悩み、「自分は何もできていない」と自信を喪失していましたが、NIJINの明るい雰囲気の体験会に参加し「自分のペースを保ちながら人とつながれる」と気づきました。今では生徒会活動にも意欲的に取り組んでいます。
※以上2件は、NIJINアカデミー公式サイト掲載の生徒インタビュー記事を基に構成しています。
よくある質問
まとめ
愛着障害の傾向がある子どもとの関わりは、一朝一夕には進みません。試すような行動に振り回されすぎず、安定した関わりを日々積み重ねていくことが、少しずつ安心につながっていきます。
NIJINアカデミーのように、決まった担任と継続的に関われる環境も選択肢の一つです。気になった方は、まず無料のオンライン説明会で雰囲気を覗いてみてください。
参考文献
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。NIJINアカデミーでは、無料のオンライン説明会で、学び方や関わり方について直接ご相談いただけます。まずはお気軽に雰囲気を覗いてみてください。

