- 特別支援学校とは何か、特別支援学級との違い
- 特別支援学校の対象となる障害の種類と入学までの流れ
- 学びの場に迷ったときに知っておきたい選択肢
【特別支援学校】とは?対象となる障害と学びの内容
特別支援学校とは、障害のある子どもに対して、幼稚園・小学校・中学校・高等学校に準ずる教育を行うとともに、障害による学習上または生活上の困難を克服し、自立を図るために必要な知識や技能を身につけることを目的とした学校です。特別支援学級が小学校・中学校の中に設置される「学級」であるのに対し、特別支援学校は独立した「学校」である点が大きな違いです。在籍する児童生徒数が少なく、一人ひとりの障害の状態に応じたきめ細かな指導を受けやすい環境が整っています。
特別支援学校では、身の回りのことを自分でできるようになる練習や、将来の自立・就労に向けた技能を身につける授業など、障害の種類や程度に合わせて編成された教育課程で学びます。医療的なケアが必要な子どもに対して、看護師が常駐してサポートする体制が整っている学校もあります。幼稚部・小学部・中学部・高等部が設置されている学校が多く、同じ学校で長期的に一貫した支援を受けられることも特徴です。
特別支援学校と特別支援学級・通級指導教室の違い
「特別支援学校」「特別支援学級」「通級指導教室」は、名前が似ているため混同されがちですが、それぞれ制度も対象も異なります。
| 学びの場 | 設置場所 | 対象 |
|---|---|---|
| 特別支援学校 | 独立した学校 | 視覚・聴覚・知的障害、肢体不自由、病弱(身体虚弱を含む) |
| 特別支援学級 | 小・中学校内の学級 | 知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害の7区分 |
| 通級指導教室 | 小・中・高校内(他校の場合も) | 通常学級に在籍しながら、一部の時間のみ特別な指導を受ける |
特別支援学級は障害種別に学級が編成され、異学年の児童生徒が同じ学級に在籍します。一方、特別支援学校は在籍そのものが独立しており、その子の障害の程度に応じた専門性の高いカリキュラムが組まれます。どちらが「上」「下」ということではなく、その子にとってどの環境が一番学びやすいかで選ぶものです。
本文で紹介した3つの学びの場を、項目ごとに並べて比べました。
| 観点 | 特別支援学校 | 特別支援学級 | 通級指導教室 |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | 独立した学校 | 小・中学校の中の学級 | 通常学級に在籍し、一部の時間だけ別に指導を受ける |
| 対象 | 視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱(身体虚弱を含む) | 知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、弱視、難聴、言語障害、自閉症・情緒障害 | 弱視・難聴・肢体不自由・病弱/身体虚弱・言語障害・情緒障害・自閉症・学習障害・注意欠陥多動症(知的障害は対象外) |
| 発達障害だけの場合 | 対象基準に該当しないことが一般的 | 自閉症・情緒障害の学級が対象になりうる | 自閉症・学習障害・注意欠陥多動症は対象 |
| 学ぶ内容 | 障害の種類や程度に応じた独自の教育課程(自立に向けた学習を含む) | 障害種別の学級で、異学年の子どもがともに学ぶ | 通常学級の授業を受けながら、週に数時間の個別の指導 |
| 設置 | 幼稚部・小学部・中学部・高等部を置く学校が多い | 小学校・中学校 | 小・中学校のほか、高校でも導入が進む |
| 授業料(公立) | かからない(教材費・給食費などの実費は必要な場合あり) | 公立小・中学校と同じ | 在籍校と同じ |
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【特別支援学校】対象になるのはどんな子?6つの障害種別
特別支援学校の対象となるのは、学校教育法の就学基準で定められた、以下の障害があり一定の程度に該当する子どもです。
- 視覚障害
- 聴覚障害
- 知的障害
- 肢体不自由
- 病弱(身体虚弱を含む)
いわゆる「発達障害」(ASD・ADHD・学習障害など)だけを理由に特別支援学校の対象になるわけではありません。知的障害を伴う場合や、他の障害と重複している場合に、総合的な判断のもとで検討されることが一般的です。判断に迷う場合は、まず自治体の教育相談・就学相談の窓口に相談することをおすすめします。診断名の有無だけでなく、日常生活での困りごとの程度や、必要な支援の内容を踏まえて総合的に判断されます。
市区町村の教育委員会・教育相談窓口に相談
心理検査、行動観察、保護者面談、学校見学
本人・保護者の意向を踏まえ総合的に検討
就学先の決定が保護者に通知される

【通級指導教室】とは?特別支援学校との違いと選び方
「特別支援学級・学校ほどではないけれど、通常学級だけでは難しい部分がある」という場合には、通級指導教室という選択肢もあります。通常学級に在籍しながら、週に数時間、障害の状態に応じた個別の指導を受けられる仕組みです。近年は高校でも導入が進んでいます。対象は、弱視・難聴・肢体不自由・病弱/身体虚弱・言語障害・情緒障害・自閉症・学習障害・注意欠陥多動症の子どもで、現在のところ知的障害は対象に含まれていません。在籍校に設置されていない場合、他校に設置された通級指導教室に定期的に通う「他校通級」という形をとることもあります。
学びの場は一つに固定されない
特別支援学級や特別支援学校に一度入ったら、その後ずっとそこで学び続けなければならないわけではありません。子どもの発達の状況や本人の希望に応じて、通常学級・特別支援学級・特別支援学校の間で転学することも可能です。
今の困りごとと必要な支援を整理する
地域の学校・学級の種類や雰囲気を確認
本人の意向を尊重しながら環境を選ぶ
公立中学の特別支援学級卒業者のうち、高校へ進学する生徒は5割超、特別支援学校へ進学する生徒は4割程度というデータもあり(文部科学省・学校基本調査)、進路は一つではありません。「今の環境が合わない」と感じても、それは失敗ではなく、より合う環境を見つけるための情報だと捉えることもできます。焦らず、そのときどきの子どもの状態に合わせて環境を選び直せることを知っておくと、就学先選びのプレッシャーが少し和らぐかもしれません。
就学相談の前に準備しておくこと|見学で確認したいポイント
特別支援学校に入るかどうかは、就学相談(検査・面談・学校見学など)を経て、本人・保護者の意向を踏まえて総合的に判断されます。一度の面談だけで「どこが合うか」を見極めるのは難しいため、家庭での様子を事前に整理しておくことと、見学で本人がどう感じたかを見ておくことが大切です。
流れや時期は地域によって異なります。「まだ早いかも」と感じる段階でも、自治体の窓口に問い合わせておくと、見通しが立てやすくなります。
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 困りごとと必要な支援を書き出す | 生活・学習・人との関わりで困る場面 | 診断名だけでなく、日常生活での困りごとの程度が判断材料になる |
| 2. 自治体の就学相談窓口に連絡する | 教育委員会・教育相談窓口に問い合わせる | 就学の前年度から相談を始めるケースもある。時期は地域で異なる |
| 3. 学校・学級を見学する | 特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室 | 可能なら本人と一緒に行き、本人の反応を見る |
| 4. 本人と一緒に決め、あとで見直す | 本人の意向を尊重して選ぶ | 転学は可能。合わなければ選び直せる |
| チェック | 確認すること | なぜ大事か |
|---|---|---|
| □ | 1クラスの人数と、先生の人数 | 一人ひとりにどれくらい関わってもらえるかが分かる |
| □ | 1日の時間割と、教科の学習の進め方 | 子どもが学びたい内容と合っているか |
| □ | 医療的ケアや、感覚面への配慮 | 看護師の常駐など、学校によって体制が違う |
| □ | 通学の方法と、かかる時間 | 毎日の負担に直結する |
| □ | 地域の学校の子どもと関わる機会 | 交流の機会があるかどうか |
| □ | 卒業後の進路 | 高等部卒業後の就労・進学の選択肢 |
| □ | 転学や、ほかの学びの場との併用の相談 | 状況が変わったときに選び直せるか |
診断がはっきりしないまま就学先に迷っている場合は発達障害グレーゾーンの小学生、叱っても反発が強まる子の場合は反抗挑戦性障害の子どもへの対応、教室の音がつらい子の場合は聴覚過敏で学校がつらい子への対応の記事もあわせてご覧ください。
学校以外の「居場所」を先に用意しておく
NIJINアカデミーは、午前でも午後からでも参加できるオンラインのオルタナティブスクールです。在籍校の出席扱いになる例も多く、まずは体験会で雰囲気を見てから決められます。
無料体験会に申し込む特別支援学校・学級のほかにも選択肢がある
特別な支援が必要な子どもたちのための場は、学校の中だけにあるわけではありません。放課後や休日に利用できる放課後等デイサービス、学校以外で学びを続けられるフリースクールやオンラインのオルタナティブスクールなど、学校の制度と組み合わせて活用できる選択肢も増えています。
この記事は、全国から1000名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。特別支援学級・特別支援学校という制度の枠組みに加えて、オンラインで学べる場という選択肢があることも、あわせてお伝えしています。
NIJINアカデミーという選択肢
NIJINアカデミーは、小学1年生から中学3年生を対象としたオンラインのオルタナティブスクールです。特別支援学級・特別支援学校に在籍しながら、あるいは通常学級に在籍しながら、併用して通う生徒も多くいます。8〜10人程度の少人数制クラスで、一人ひとりの特性を理解した関わりを大切にしています。
1:1の専任サポート担任が継続して伴走し、希望する生徒の9割以上が在籍校の出席認定を得ています(2025年4月時点、株式会社NIJIN公式プレスリリースより。最終的な出席の判断は学校によります)。教室によっては作業療法士の資格を持つ教室長が在籍しており、身体面・感覚面への配慮についても相談しやすい体制が整っています。
子どもたちの声
「特別支援学級に行くのは嫌じゃないけど、教室の外でも学べる場所があるって知って安心した」「学校のペースに合わせるのがつらかったけど、自分のペースで進められる授業は楽しい」――学びの場に迷いながらも、自分に合う環境を見つけた子どもたちからは、こうした声がよく聞かれます。
「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」――これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。学びの場の名前がどうであれ、その子に合った環境で力を発揮してほしいという思いは変わりません。
保護者自身のケアも大切に
「この選択で本当に良かったのか」「もっと早く動いていれば」――就学先選びの過程で、保護者自身が迷いや不安、ときには罪悪感を抱えてしまうことも少なくありません。就学相談の担当者やスクールカウンセラー、同じ経験をした保護者同士のコミュニティなど、一人で抱え込まずに相談できる先を持っておくことが大切です。「正解」を一人で探そうとせず、専門家や経験者の視点を借りながら考えていく方が、結果的に納得できる選択につながりやすいものです。

迷ったときの相談先
就学先に迷ったときは、まず在籍する(予定の)学校の特別支援教育コーディネーターや、自治体の教育委員会の就学相談窓口に相談してください。地域によって特別支援学校・学級の種類や数、通級指導教室の設置状況は異なるため、早めに情報収集を始めることをおすすめします。自治体のホームページや、実際に通っている先輩保護者の話を聞くことも参考になります。
よくある質問
まとめ
特別支援学校は、特別支援学級とは異なる独立した学校であり、視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱という5つの障害区分を対象としています。発達障害があるというだけで対象になるわけではなく、就学相談を通じて本人・保護者の意向を踏まえながら総合的に判断されます。学びの場は一度決めたら終わりではなく、子どもの状況に応じて見直すこともできます。特別支援学校・学級という制度に加えて、オンラインで学べる場という選択肢があることも、あわせて知っておいていただければと思います。

NIJINアカデミーでは、無料の体験説明会を実施しています。
参考文献:文部科学省「特別支援教育の現状」、文部科学省「障害のある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」、文部科学省「学校基本調査」

