行き渋りは発達障害のサイン?
見分け方と家庭でできる最初の一歩
「朝になるとお腹が痛いと言う」「学校の話になると涙ぐむ」。そんな行き渋りが続くと、発達特性が関係しているのではと気になる保護者は少なくありません。よくあるサインと考え方、家庭での関わり方までまとめました。
行き渋りとは?よくあるサイン
「行き渋り」とは、登校前後に強い抵抗を示したり、体調不良を訴えたりして、学校に行くこと自体が難しくなる状態を指します。まずは、多くの保護者が気づくきっかけになりやすいサインを見てみましょう。
朝になるとお腹が痛い、頭が痛いと訴える。休日は元気なのに、平日の朝だけ体調が悪くなる
日曜の夜や登校前になると表情が暗くなる、涙ぐむ、布団から出てこない
「なんとなく行きたくない」と理由をうまく言葉にできないまま、行き渋りだけが続く
不登校の経験がある子どもへの調査では、小学4年生の26.5%、中学1年生の36.2%が「学校に行こうとするとお腹が痛くなる」といった体調不良を経験したと回答しています。行き渋りは、気持ちの問題だけでなく体の反応として現れることが多いのです。
発達特性が背景にある場合の傾向
行き渋りの原因はさまざまですが、発達特性によって学校という環境そのものが負荷になっているケースもあります。ここでは代表的な2つの傾向を紹介します。あくまで一般的な傾向であり、これだけでお子さんを診断できるものではありません。
感覚・環境の負荷が大きいタイプ
教室のざわめきや友達の声、蛍光灯の光、給食のにおいなど、多くの刺激が一度に押し寄せる環境そのものがつらく感じられることがあります。ASDやHSC(ひといちばい敏感な子)の傾向がある子どもに見られやすい特徴です。
対人関係・見通しの負荷が大きいタイプ
友達との距離感がつかみにくい、急な予定変更についていけない、集団の中での役割が分かりにくいといった負荷が積み重なることがあります。ASDやADHDの傾向がある子どもに見られやすい特徴です。
「甘え」ではない、と知ってほしい理由
行き渋りが続くと、「甘えているのでは」「気持ちの問題では」と考えてしまう保護者や周囲の大人も少なくありません。しかし、朝の腹痛や頭痛は本人が意図的に作り出しているものではなく、不安や緊張が体の症状として現れている場合がほとんどです。
元小学校教員としてNIJINアカデミーを設立した星野達郎校長も、教育現場で「本当は明るい性格なのに、学校では本来の姿を出せない子ども」に数多く出会ってきました。行き渋りの背景には、その子なりの理由が必ずあります。まずは「怠けている」という見方を手放すことが、対応の第一歩になります。
「発達障害なら支援級に入れるべき?」教育現場を知る不登校専門家兼オルタナティブスクール校長 星野達郎が本音で解説(NIJINアカデミー公式YouTubeより)
家庭でできる最初の対応ステップ
体調不良の訴えを、まずそのまま受け止める
「本当にお腹が痛いのかな」と疑う前に、「痛いんだね、つらいね」と体感そのものを認めることで、子どもは安心して次の言葉を発しやすくなります。
「なぜ行きたくないか」を無理に聞き出さない
理由が言葉にできないことも多いため、問い詰めるのではなく、日常の会話の中で少しずつ様子を観察します。
例:「今日は疲れてる感じがするね」と気持ちに名前をつけてあげる「行く/行かない」以外の選択肢を一緒に考える
午前だけ、保健室だけ、オンラインだけ参加するなど、学校との関わり方に幅を持たせられないか、学校や専門家と相談してみましょう。
気になる場合は専門家に相談する
行き渋りが長引く、体調不良が強い場合は、小児科・児童精神科やスクールカウンセラーなど専門家への相談も選択肢に入れましょう。
声かけのNG例・OK例
「そんなの気持ちの問題でしょ」「みんな頑張って行ってるんだから」
「行きたくない気持ちがあるんだね。理由が分からなくても大丈夫だよ」
「休んだら勉強が遅れるよ」「このままだと将来困るよ」
「学び方はひとつじゃないから、一緒に合う方法を探そう」
学校に行く/行かないの二択ではない
「学校がにぎやかすぎて、毎日とても疲れてしまう」。幼児期からたくさんの人が集まる場所が苦手だったこの生徒は、通学路で聞こえてくる声だけで「はぁ、ため息がでちゃう」とつぶやくようになり、行き渋りが始まりました。NIJINアカデミーのバーチャル校舎に入ってからは、にぎやかだと感じたらそっと閉じて離れられる「ちょうどいい距離感」の中で過ごせるようになり、少しずつ顔出しでの発言も楽しめるようになったといいます。
このケースから分かること
- 刺激の量を自分で調整できる環境に変えるだけで、負荷が大きく減ることがある
- 「頑張って教室に慣れる」以外にも、合う環境を探すという選択肢がある
行き渋りが続くと、「なんとか教室に戻す」ことをゴールに考えてしまいがちです。しかし本当に大切なのは、その子が安心して学び、人とつながれる環境を見つけること。NIJINアカデミーでは、8〜10人の少人数×異年齢のクラスをバーチャル校舎で運営し、1:1の専任サポート担任が一人ひとりのペースに合わせて伴走します。学校やリアル教室、放課後デイと併用して通う生徒も多く、「今の環境をやめる」のではなく「選択肢を増やす」形で利用することも可能です。
まとめ
- 行き渋りは気持ちだけでなく、朝の腹痛・頭痛など体の症状として現れることが多い
- 発達特性がある場合、感覚や対人関係の負荷が積み重なって「行きたくない」につながることがある
- まずは体調の訴えをそのまま受け止め、「行く/行かない」以外の選択肢を一緒に探すことが第一歩
- 気になる様子が続く場合は、小児科・児童精神科などの専門家に相談を
学校に合わせて子どもを変えるのではなく、子どもに合う学び方を探すという視点を持つことで、見える選択肢が広がります。NIJINアカデミーの無料体験会では、少人数×異年齢のオンラインクラスの雰囲気を実際に体験いただけます。
