- 「自分を責めてしまう」気持ちとの向き合い方
- 一人で抱えないためのつながり方(家族・友人・親の会・コミュニティ)
- 夫婦・家族間の温度差との向き合い方
- 保護者自身の心と体を労わる小さな習慣
- 相談してもいいと思ったときの動き方
不登校の子を支える保護者にこそ、ケアが必要な理由
文部科学省の調査によると、小・中学校における不登校児童生徒数は35万人超と、12年連続で過去最多を更新しています。それだけ多くの家庭が、不登校と向き合いながら日々を過ごしているということでもあります。
子どもの不登校が始まると、保護者は「早く学校に戻さなければ」「自分がなんとかしなければ」というプレッシャーを一人で抱え込みがちです。しかし、保護者自身が心身ともに疲弊してしまうと、子どもに向き合う余力そのものが失われてしまいます。保護者のセルフケアは、わがままではなく、家庭全体を支えるために必要な土台です。
「自分の育て方が悪かったのでは」——自分を責めてしまうとき
不登校の原因は、家庭の育て方だけで説明できるものではなく、学校環境との相性、友人関係、発達特性、心身の状態など、複数の要因が絡み合って生じることがほとんどです。それでも「自分のせいだ」と自分を責め続けてしまう保護者は少なくありません。
自責の気持ちを完全になくす必要はありませんが、一人で抱え込んで判断を急がないことが大切です。同じように悩んだ保護者の経験や、専門家の視点に触れることで、少し違う角度から状況を見られることがあります。
子どもへの声かけで悩んだら
不登校が始まると、良かれと思ってかけた言葉が、かえって子どもを追い詰めてしまうことがあります。「早く学校に行きなさい」「みんな頑張っているのに」といった言葉は、本人にとってはプレッシャーとして受け止められやすい表現です。
とはいえ、完璧な声かけを常にできる保護者はいません。言い過ぎてしまったと感じたときは、後からフォローする、少し時間をおいて改めて話すなど、一度の言葉ですべてを決めてしまわなくていいという前提で構いません。
一人で抱え込まないために——頼れる先を増やす
不登校の対応は、長期化することも珍しくありません。家族や友人、職場、専門機関、そして同じ立場の保護者同士のコミュニティなど、頼れる相手を複数持っておくことが、保護者自身の心を守ることにつながります。
親の会・保護者コミュニティという選択肢
「親の会」は、不登校の子を持つ保護者同士が集まり、経験や悩みを共有できる場です。全国には多くの親の会があり、「登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク」では、全国各地の親の会情報がまとめられています。同じ立場の人と話すだけで、「自分だけではなかった」と気持ちが軽くなることも少なくありません。オンラインで参加できる会や、SNS上の保護者コミュニティも増えており、通いやすさに応じて選ぶことができます。
専門の相談窓口も選択肢に
気持ちの負担が大きいと感じるときは、精神保健福祉センターなど、保護者自身のメンタルヘルスを相談できる公的機関を利用することもできます。都道府県・政令指定都市ごとに設置されており、電話相談を受け付けている窓口も多くあります。「病院に行くほどではないかもしれない」と迷う段階でも、早めに話を聞いてもらうこと自体に意味があります。
実際に、一人で抱え込まずにオンラインの居場所を選んだことで、保護者自身の孤独感が和らいだという声もあります。
夫婦・家族間の温度差との向き合い方
夫婦や祖父母の間で「もっと厳しくすべき」「無理に行かせなくていい」など、子どもへの関わり方についての考え方が食い違い、それ自体がストレスになっている家庭も多く見られます。どちらが正しいかを議論するよりも、まずは「子どもにとって安心できる家庭の空気を保つ」という共通のゴールを確認し合うことから始めると、対立が和らぐことがあります。
親族から「甘やかしすぎ」「昔はそんなことなかった」といった心ない言葉をかけられ、傷ついてしまう保護者も少なくありません。すべての意見に向き合おうとせず、今の自分たちに合わないと感じたアドバイスは、聞き流す・距離を置くという選択をしても構いません。
保護者自身の心と体を労わる小さな習慣
子どものことで頭がいっぱいになり、自分の気持ちを後回しにし続けると、保護者自身が疲れ切ってしまうケースはよく見られます。趣味の時間を持つ、友人と会う、一人で外出する、十分な睡眠をとるなど、子どものこと以外に意識を向けられる時間を、短くてもいいので意識的に作ることをおすすめします。
「今日はここまでできればいい」というくらいの心構えで十分です。保護者が心身ともに余裕を持てていると、家庭の空気が穏やかになり、それが結果的に子どもにとっても安心できる環境につながっていきます。
保護者自身が笑顔でいられる時間を持つことは、わがままではありません。誰か一人がすべてを背負い込む必要はなく、頼れる先を複数持つことが、結果的に家庭全体を支える力になります。
「相談してもいいのかな」と思ったら
子どもの様子や自分自身の気持ちについて、「相談するほどのことだろうか」と迷う保護者は多くいますが、深刻な状態になる前の早い段階からの相談は歓迎されています。学校のスクールカウンセラーや教育支援センター、児童精神科など、相談先にはいくつかの種類があり、それぞれ得意分野が異なります。相談先の選び方や使い分けについては、以下の記事で詳しく解説しています。
迷ったときや夜間・休日で学校に連絡が取れないときは、文部科学省が案内する「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)のように、保護者自身も利用できる無料の電話相談窓口もあります。
NIJINアカデミーが保護者にできること
NIJINアカデミーは、子ども本人の学びの場であると同時に、保護者の負担を軽くする役割も担っています。オンライン中心のオルタナティブスクールのため、送迎の負担がなく、カメラ・音声オフでの見学や参加も可能です。8〜10人の少人数制クラスと1:1の専任サポート担任により、家庭の状況や子どもの特性に合わせた関わり方を、保護者と一緒に考えていくことができます。
子どもの居場所ができることで、「今日は学校に行けたか」を毎日気にし続ける状態から少し距離を置ける保護者も多くいます。まずはオンラインでの説明会や見学から、雰囲気を確かめてみてください。
よくある質問
まとめ
不登校の子を支える保護者にとって、自分自身をケアすることは、わがままではなく家庭全体を支える土台です。一人ですべてを抱え込まず、家族や友人、親の会、専門機関など、頼れる先を複数持っておくことが、長く続く伴走を支える力になります。完璧な対応を目指すのではなく、「今日はここまでできればいい」という心構えで、少しずつ進めていってください。

