小学校の同級生との関係がしんどそうで、このまま学区の中学に上がれば、同じ顔ぶれがそのまま持ち上がる。それならいっそ私立に入れて、環境ごと変えてあげたほうがいいのではないか。いま、そう考えている多摩市の保護者の方に向けて書いています。
この記事では、多摩市で中学の環境を変える方法を5つ、費用と結果が出る時期まで並べます。私立受験だけが方法ではありません。多摩市には、受験をしないで通う学校を変えるための「条件付学校希望制」や、学び方の違う場もあります。
- 多摩市内の私立中学は2校——文部科学省「学校コード」で所在地を確認した学校の一覧と、費用の目安をまとめました
- 費用は公立の約2.9倍——私立中学の年間学習費は平均1,560,359円(公立542,450円)。受験準備の塾代は小4〜小6で約233万〜287万円とされます
- 私立で変わるのは「誰と過ごすか」——同じ年齢の30〜40人・固定の時間割という学校の「構造」は、公立でも私立でも変わりません
- 受験せずに環境を変える方法もある——NIJINアカデミーは在籍校はそのままで、8〜10人の異年齢クラス、月100コマから授業を選べるメタバース校舎。出席扱いを希望した生徒の97%が在籍校で出席として認められています
- 多摩市は指定校に就学することを基本としつつ、条件に該当すれば指定校以外を希望できる「条件付学校希望制」を実施していること
- 指定校以外に就学できる基準に、「身体的理由、不登校、いじめ等により、指定校への就学が困難で教育上の配慮が必要な場合」(事由8 教育的配慮)があること(窓口は学校支援課)
- 令和9年度の開設を目指して検討が進む「学びの多様化学校(中学校・分教室)」と、ゆうかり教室・チャレンジクラス「あたごSpace」
- 多摩市にある私立中学2校(共学1校・女子校1校)と、東京都の授業料助成(令和8年度は最大年12万円・所得制限なし)
- 「環境を変える」の2つの意味と、受験をしないで学区の顔ぶれから離れる方法
この記事は、全国から累計1000名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。NIJINには、学校に通いながら併用しているお子さんも在籍しています。「学校に行けなくなってから」ではなく、「行けているうちに別の場所も見ておく」という使い方をされているご家庭もあります。
「この子たちと、あと3年間同じ教室にいるのか」
多摩市の市立小・中学校は、住所ごとに通学区域が決まっていて、住所によって就学する学校(指定校)が指定されます。市立の中学校は、多摩中学校、東愛宕中学校、和田中学校、諏訪中学校、聖ヶ丘中学校、鶴牧中学校、多摩永山中学校、落合中学校、青陵中学校が市の一覧に並んでいます。入学する年の1月下旬には、教育委員会から「就学通知書」が届き、入学期日と入学する学校が記載されています。
多摩市は、指定校に就学することを基本としつつ、一定の条件に該当する場合には指定校以外の学校へ就学を希望できる「条件付学校希望制」を実施しています。好きな学校を自由に選べる学校選択制とは違い、市が定める基準の事由にあてはまる場合に希望を受け付ける仕組みです。市から届く新入学の案内には、この条件付学校希望制の案内も入っています。つまり、何も手続きをしなければ、小学校で一緒だった同級生の多くと、そのまま同じ中学校に進むことになります。
地域の顔なじみと中学に上がれるのは、うまくいっている子にとっては心強いことです。一方で、いま小学校でしんどい関係があるなら、その関係ごと中学に持ち上がる。保護者が「この子たちと、あと3年間同じ教室にいるのか」と考えてしまうのは、ごく自然なことです。お子さんは今のところ学校に通えている。だからこそ、表立って困っているわけではない。それでも、帰ってきたときの表情や、友だちの名前が出なくなったことに気づいているのは保護者です。「まだ行けているうちに、次の3年間の環境を考えておきたい」という気持ちを、この記事では出発点にします。
出典:多摩市「通学区域(就学する学校の指定)」/多摩市「指定された学校以外への就学について」/多摩市「新入学の流れ」/多摩市「市立中学校一覧」(2026年9月確認)
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中学に上がるとき、不登校は1.5倍に増えます
まず、保護者が感じている不安がデータとして裏づけられることを確認しておきます。
文部科学省の調査(令和6年度)によると、全国の不登校児童生徒数は学年が上がるごとに増え、小6で38,080人、中1で58,736人。小6から中1にかけて1年で20,656人、率にして52.1%の増加で、小1から中3までのどの学年の変わり目よりも大きな跳ね上がりです。
中学に上がると、教科担任制になって先生との関係が薄くなり、定期テストで順位がつき、部活動の上下関係が入ってきます。同じ調査では、不登校のきっかけとして「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が13.2%、「教職員との関係をめぐる問題」が15.6%挙がっています。
多摩市も、この状況を重く受けとめています。市は「多摩市の不登校対策・支援」のなかで、「市内中学校の不登校状況が深刻であること」を踏まえ、令和9年度の開設を目指して「学びの多様化学校」の検討を進めていると説明しています。学校に通えている今のうちから、中学の環境を考えておきたいという保護者の感覚は、市の問題意識とも重なっています。
出典:多摩市「多摩市の不登校対策・支援」(2026年9月確認)
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」(2026年9月確認)
この数字は脅すためのものではありません。「中学に上がる前に手を打っておきたい」という判断は、遅すぎるどころか、むしろ早いということを確認するためのものです。多くのご家庭が動き出すのは、子どもが実際に行けなくなってからです。
多摩市と中学受験——市内に私立中学が2校、共学と女子校
多摩市内には、所在地が市内にある私立の中学校が2校あります(文部科学省「学校コード」による)。多摩大学附属聖ケ丘中学校と大妻多摩中学校です。私立には学区がないため、通学時間の許す範囲であれば市外の私立中学も選択肢に入ります。また、都立の中高一貫教育校は、学力検査ではなく、各校の特色に照らした「適性検査」などで入学者を決めています。
多摩大学附属聖ケ丘中学校(聖ヶ丘4-1-1)は共学の6年制の学校で、「小さな学校の大きな挑戦」をスクールモットーに掲げています。1学年は約120名で、学校は「全員の顔と名前が覚えられる」環境と紹介しています。京王・小田急多摩線「永山」駅から聖蹟桜ヶ丘駅行バス(聖ヶ丘団地経由)で12分、京王線「聖蹟桜ヶ丘」駅から永山駅行バスで11分、いずれも「多摩大学」下車です。在校生はスクールバスも利用できます。2027年度の入試は2月1日から4日にかけて行われ、国語・算数の2教科か4教科を選ぶ回のほか、リスニング型や適性型の入学試験もあります。
大妻多摩中学校(唐木田2-7-1)は女子校です。創立者大妻コタカの教育理念に基づいた「人間力」を育てることを掲げています。小田急多摩線「唐木田」駅から徒歩7分くらいです。2027年度の入試は第1回〜第5回(2月1日〜4日)で、2科(国・算)と4科の選択、午後の回は2科か算数1科の選択です。
私立への進学の割合について、東京都教育委員会の「公立学校統計調査報告書【進路状況調査編】」(令和7年度)では、令和7年3月に都内の公立小学校を卒業した98,264人のうち、私立中学校に進んだのは19,572人(19.9%)、都内の公立中学校は75,428人(76.8%)でした。ただ、この記事の読者にとって大事なのは、周りがどうするかではなく、お子さんにとって何を変えたいのかです。次のセクションから、その整理をしていきます。
出典:多摩大学附属聖ヶ丘中学高等学校/同「アクセス」/同「2027年度生徒募集要項」/大妻多摩中学高等学校/同「アクセス」/同「生徒募集要項」/東京都教育委員会「都立中高一貫教育校とは」/東京都教育委員会「令和7年度 公立学校統計調査報告書【進路状況調査編】」(2026年9月確認)
多摩市で「学区の中学に行かせたくない」と考えたとき、多くの保護者が次の3つで迷います。
多摩市は住所で指定校が決まります。別の中学に通うには、条件付学校希望制の基準(教育的配慮・教育活動など)にあてはまる必要があります。
都内の私立中の初年度納付金は平均1,048,034円(令和8年度)。市内の私立2校は、共学と女子校で、入試の方式も回によって違います。
多摩市には、ゆうかり教室や東愛宕中学校のチャレンジクラス「あたごSpace」があり、学びの多様化学校も令和9年度の開設を目指して検討されています。

「環境を変える」には、2つの意味があります
ここがこの記事のいちばん大事なところです。環境を変えるというとき、実は性質のちがう2つの軸があり、ほとんどの場合この2つは区別されずに語られています。
| 学区の公立中学 | 私立中学 | NIJIN(オンライン) | |
|---|---|---|---|
| ① 場所・人が変わる(誰と過ごすか) | × | ○ | ○ |
| ② 構造が変わる(同学年だけ/時間割が固定) | × | × | ○ |
| 対面の校舎・部活動がある | ○ | ○ | × |
| 受験なしで始められる | ○ | × | ○ |
○=変わる・ある ×=変わらない・ない / ※一般的な傾向。制度は2026年9月時点。
私立中学は、①を確実に変えられます。学区の同級生とは離れられる。新しい顔ぶれのなかで、もう一度やり直せる。これは本当に効きます。ただし②は私立でも変わりません。同じ年齢の子が30〜40人集まった教室に、決められた時間割で毎日いる。この構造そのものは公立でも私立でも同じです。
私立を選んで解決するケース
困りごとが「特定の誰か」「特定のグループ」との関係にはっきりしているなら、私立中学は有効な選択肢です。学区とは関係なく生徒が集まるので、小学校の顔ぶれからは確実に離れられます。新しい環境で、お子さんが人間関係をゼロから作り直せる。これは私立だからこそできることです。
多摩市内の私立中学2校は、共学の多摩大学附属聖ケ丘中学校と、女子校の大妻多摩中学校です。1学年約120名で「全員の顔と名前が覚えられる」ことを掲げる学校と、唐木田駅から歩いて通える女子校と、学校の色合いは大きく違います。東京都の調査対象になっている都内の私立中学校は184校あり、通学時間の許す範囲で市外の学校まで広げれば、「この子に合いそうな場」を探せる幅はさらに広がります。
場所を変えても、同じことが起きうるケース
困りごとが「同学年の集団のなかで自分の位置を作ること、そのもの」にある場合は、少し慎重に考えたほうがいいかもしれません。たとえば、こういうお子さんです。
- 教室のざわざわした音や人の多さで、帰る頃には消耗しきっている
- グループを作る場面(班決め、体育のペア、休み時間)がいちばんしんどい
- 大人数のなかだと発言できないが、少人数や年下の子となら話せる
- 「みんなと同じペース」で進むことに無理が出ている
こうした場合、顔ぶれが入れ替わっても、半年から1年ほどで似た構図が戻ってくることがあります。問題が「誰といるか」ではなく「どういう作りの場にいるか」にあるからです。そして私立の場合、合わなかったときの次の一手が限られます。学区がないので、転校するにはもう一度どこかを受け直すか、多摩市の公立中学に入り直すことになります。
多摩市の私立中学2校と、かかる費用
文部科学省の「学校コード」一覧(2026年5月20日更新)で、多摩市内に所在地がある私立の中学校・中等教育学校は次の2校です。
多摩大学附属聖ケ丘中学校/大妻多摩中学校
出典:文部科学省「学校コード」(2026年9月確認)。通信制や特定の対象者向けの学校を含む場合があります。募集状況は各校の公式サイトでご確認ください。
東京都が公表している「令和8年度 都内私立中学校の学費の状況」によると、都内の私立中学校184校の初年度納付金の平均は1,048,034円(前年度比1.4%増)です。内訳の平均は、授業料524,818円、入学金263,929円、施設費29,238円、その他230,049円。学校によって668,000円から2,117,800円まで幅があります。
負担を軽くする制度として、東京都の「私立中学校等授業料軽減助成金」は、令和8年度は年額10万円に臨時支援2万円を加えた最大12万円で、所得制限はありません(保護者が負担した授業料額が上限)。都内在住の保護者が対象で、都外の私立中学校に通う場合も対象に含まれます。令和8年度の申請期間は令和8年9月1日から10月15日で、オンラインで申請します。
なお、国の「高等学校等就学支援金」は高校生等のための制度で、私立中学校の授業料を支援する国の制度はありません。中学の3年間は、東京都の助成を差し引いた分を家庭が負担することになります。私立などに進む場合は、入学する学校から発行される「入学承諾書」または「入学許可証」の原本を、入手次第できるだけ早めに多摩市の学校支援課へ提出します。
出典:東京都「令和8年度 都内私立中学校の学費の状況」/東京都「保護者向け『私立中学校等授業料軽減助成金』申請受付開始」/文部科学省「高校生等への修学支援」/多摩市「新入学の流れ」(2026年9月確認)
全国の平均では、文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」で私立中学校に通う子ども1人あたりの年間の学習費総額は1,560,359円(塾・習い事などの学校外活動費422,981円を含む)。公立中学校は542,450円で、およそ2.9倍です。3年間では私立で約468万円になります。
出典:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」(2026年9月確認)
受験までの塾代と、1年半という時間
私立中学に進むまでには、受験準備の費用もかかります。中学受験の大手4塾(SAPIX・日能研・四谷大塚・早稲田アカデミー)の場合、小4から小6までの3年間でおよそ233万円〜287万円とされています(季節講習・テスト代を含む試算)。受験料や入学手続き金は別です。
出典:ダイヤモンド教育ラボ「中学受験の大手4大塾の年間費用(料金)を比較」(2026年9月確認)
費用と同じくらい大事なのが時間です。いま小5のお子さんの場合、受験の結果が出るのは2028年の1〜2月、小6なら2027年の1〜2月です。その間、通塾と定期的なテストによる順位づけが続きます。これが合うお子さんもいます。塾に自分の居場所を見つけて、学校がしんどくても塾があるから持ちこたえた、という話は珍しくありません。ただ、すでに人間関係で消耗しているお子さんにとっては、評価される場が1つ増えることでもあります。
もうひとつ。中学受験では、第一志望に合格するのは3割程度と言われます(公的な統計はなく、塾や受験メディアでよく語られる経験則です)。併願をしっかり組めば進学先そのものは確保できますが、結果によっては、離れたかった学区の中学に進む可能性もあります。そのときに何を用意しておくかも、受験を決める前に考えておく価値があります。

NIJINアカデミーで自分らしさを取り戻した子どもたちと保護者が、自分の言葉で語ったインタビューです。
小1で不登校に|生徒インタビュー「学校っていう場所が、自分には合ってなかったっぽい」かなでさんが見つけた、爽やかな毎日
小6|生徒インタビュー「苦しいんだったらちゃんとみんなに言う」不登校を経験した僕が、そのままの自分でいられるようになるまで
中1の母|保護者インタビューオンラインスクールを選んで正解だったのか――悩み続けた母が見た、娘の変化
私立以外に、多摩市で環境を変える方法があります
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。多摩市には、受験をしないで通う学校を変えたり、学び方の違う場を選んだりするための仕組みがあります。
条件付学校希望制の基準に「教育的配慮」があります
多摩市の「指定された学校以外への就学について」では、基準の事由に該当する場合に、事由ごとの内容、対象・期間に応じて、指定校以外の学校への就学希望を受け付けるとしています。「指定校以外の学校に就学できる基準」のうち、中学入学に関わる主なものは次のとおりです。
- 事由8 教育的配慮:「身体的理由、不登校、いじめ等により、指定校への就学が困難で教育上の配慮が必要な場合」(対象は全学年。承諾校は「就学が適当と認められる学校(児童・生徒の身体的理由、通学距離等から判断)」、期間は「状況により設定」。添付書類は「理由申立書及び医師の診断書(必要な場合提出)」)
- 事由7 教育活動:「部活動等その他の学校独自の教育活動により、指定校以外の学校への就学を希望する場合(中学校のみ)」(対象は「翌年度に中学校に就学すべき者及び市外からの転入者」、誓約書が必要)
- 事由4 兄弟姉妹関係:指定校以外の学校に兄弟姉妹が在籍している場合
人間関係のことで学校を変えたい事情がある場合は、「事由8 教育的配慮」にあてはまるかどうかを相談することになります。なお、事由ごとに優先度が分けられていて、優先度の高い事由に該当する希望者から、受け入れ可能な範囲で就学します(兄弟姉妹関係はA「優先的に就学」、教育活動はC「さらに余裕ある場合に就学」)。また、条件付学校希望制の申請を取り下げる場合は取り下げ書が必要で、取り下げ書を出した後は、再び申請することはできません。申請前に学校支援課へ相談しておくと安心です。
このほか、指定校まで遠い区域を「調整区域」として、隣接校への就学を希望できる仕組みもあります。中学校は、おおむね通学距離2km以上(直線半径1.5km以上)・通学時間30分以上で、隣接校なら半分程度に短縮できる区域が対象です。中学校では、連光寺1丁目19番地〜41番地(聖ヶ丘中学校→多摩中学校)、馬引沢1丁目全部(諏訪中学校→聖ヶ丘中学校)、南野2丁目の一部(青陵中学校→落合中学校)が表に載っています。
ゆうかり教室、あたごSpace、校内別室
多摩市の適応教室「ゆうかり教室」は、諏訪複合教育施設(かけはし)内(諏訪5丁目1番地)にあり、月曜〜金曜日(祝日・学校長期休業日を除く)の午前8時45分から午後3時まで開いています。個々の学習状況に応じた個別指導のほか、運動の時間やグループでの活動、ものづくりなどの体験活動を行い、在籍校とは毎月の学習状況や生活の様子を連絡し合います。利用は、在籍校の先生と話し合い、見学と面談、体験入室を経て、在籍校を通じて入室願いを出す流れです。
令和6年4月からは、東愛宕中学校にチャレンジクラス「あたごSpace」が開設され、ゆとりある生活時程で実態に応じた支援を行っています。各校には実情に応じて校内別室があり、クラスに入りづらい子どもが別室で学習などに取り組めます。オンラインの3D仮想空間を使った「多摩市フレキシスクールOnline」もあります。
学びの多様化学校(中学校・分教室)の開設に向けた動き
多摩市は、令和9年度の開設を目指して「学びの多様化学校」の検討を進めています。市は2025年12月に、諏訪複合教育施設(かけはし)内における「学びの多様化学校(中学校・分教室)」の開設(令和9年4月)に向けた説明会を開きました。どれも、いま学校に通えているお子さんがすぐに使うものではありませんが、「中学に上がってから合わなかったとき」の受け皿として知っておくと安心です。
通学区域と条件付学校希望制は多摩市教育委員会 学校支援課 学事係(永山1丁目5番地 ベルブ永山4階、042-338-6876)へ。学校生活の悩みやゆうかり教室は教育センター(諏訪5丁目1番地 かけはし内、042-372-1010)が窓口で、初めての教育相談は「発達・教育初回相談窓口」(042-372-1038)で受け付けています。学びの多様化学校については教育指導課 豊かな学び推進担当(042-338-6877)です。中学入学の前に相談しておくと、選べる道を落ち着いて比べられます。
出典:多摩市「指定された学校以外への就学について」/多摩市「指定校以外の学校に就学できる基準」(PDF)/多摩市「適応教室(ゆうかり教室)」/多摩市「多摩市の不登校対策・支援」/多摩市「諏訪複合教育施設(かけはし)内における『学びの多様化学校』及び『発達支援センター』の開設に向けた説明会」/多摩市「教育相談」(2026年9月確認)
多摩市で取れる選択肢を、並べます
ここまでの内容を、多摩市で取れる選択肢ごとに並べます。多摩市は指定校を基本とした条件付学校希望制のため、公立のなかで学校を変える方法は、基準の事由にあてはまる場合の希望申請になります。
| 学区の公立中学 | 条件付学校希望制 | 私立中学 | NIJIN(併用可) | |
|---|---|---|---|---|
| 小学校の顔ぶれから離れられる | × | △ | ○ | ○ |
| 受験なしで始められる | ○ | ○ | × | ○ |
| 費用の負担が小さい | ○ | ○ | × | △ |
| 同学年だけの集団ではない | × | × | × | ○ |
| 対面の校舎・部活動がある | ○ | ○ | ○ | × |
○=あてはまる △=一部 ×=あてはまらない / ※一般的な傾向。費用・制度は2026年9月時点。
NIJINアカデミーは、ほかの選択肢と両立できます。学区の公立中学に在籍したまま併用することも、私立に通いながら使うこともできます。「受験するかどうかを決める前に、もうひとつの場を見てから決められる」——これがこの選択肢の実用的な意味です。
受験しないで、環境を変えるという方法
NIJINアカデミーは、メタバース(バーチャル)校舎を中心としたオルタナティブスクールです。全国から累計1000名を超える子どもたちが通っています。この記事の文脈で大事なのは、①の場所・人だけでなく、②の構造そのものが変わるという点です。
全国から参加します。クラスメイトは北海道から九州まで、いろいろな地域の子です。多摩市の同級生と同じクラスになることは、ほとんどありません。8〜10人の少人数・異年齢クラスなので、「同学年のなかで自分の位置を確保する」という競技そのものがありません。授業は月100コマから選びます。時間割が上から決められているのではなく、受けたいものを選んで参加します。カメラも音声もオフのまま参加できます。「まず見ているだけ」から始められます。
- 平日毎日開校。月100コマのリアルタイム授業から選べます(アーカイブ授業500本以上)
- 8〜10人の少人数×異年齢クラス。担任がつき、週2回のクラス会議・ホームルームがあります
- 顔も声も出さずに参加できます。チャットだけの参加から始められます
- 在籍校はそのまま。出席扱いを希望した生徒の97%が在籍校で出席として認められています(最終判断は在籍校)
- 費用は月額25,443円(教育費23,760円+施設利用料1,683円)。年払いなら教育費が月あたり19,800円。入学金33,000円は初月のみ
多摩市から通えるNIJINアカデミーのリアル教室に、となりの八王子市にある「南大沢校」があります。教室ページでは、八王子市、多摩市、町田市、相模原市から通える教室として紹介されています。
開校は毎週木曜日の9:30〜14:30で、オンラインとのハイブリッドで運営されています。ふだんはメタバース校舎で授業を受け、木曜日だけ教室に通うといった組み合わせもできます。教室に行かない日は、多摩市の自宅からメタバース校舎に参加できます。
出典:NIJINアカデミー南大沢校(2026年9月確認)
出典:NIJINアカデミー 学費・プラン/全国のリアル教室一覧(2026年9月確認)
「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。教室でうまく話せない子も、グループに入れない子も、場所が変われば別の顔を見せます。変わる必要があるのは子どもではなく、その子に合う場のほうかもしれません。

NIJINアカデミーの雰囲気を見る
学校に通えなくなった中学1年生が、学びとクライミングを両立するようになるまでの話です。
よくある質問
まとめ
多摩市の市立中学は、住所で指定校が決まり、指定校に就学することが基本です。小学校の顔ぶれの多くがそのまま持ち上がるからこそ、「私立に入れて環境を変えたい」という考えは、とても筋の通ったものです。市内には共学の多摩大学附属聖ケ丘中学校と女子校の大妻多摩中学校があり、私立に進む場合は東京都の助成(令和8年度は最大年12万円)も使えます。
ただ、「環境を変える」には、①誰と過ごすかと、②どういう作りの場にいるか、の2つの意味があります。私立は①を確実に変えられますが、②は変わりません。そして多摩市には、受験をしないで選べる道として、「教育的配慮」の事由を含む条件付学校希望制や、ゆうかり教室、あたごSpaceがあり、学びの多様化学校も令和9年度の開設を目指して検討されています。まずは学校支援課や教育センターに相談してみてください。
NIJINアカデミーは、①と②の両方が変わる場です。全国から集まる8〜10人の異年齢クラスで、授業を選んで参加します。在籍校はそのままで、受験の準備と並行して使うこともできます。
受験するかどうかを、今日決める必要はありません。決める前に、もうひとつの場所を見てから決めていただければと思います。

