私立中学とフリースクールの違い|制度・費用・出席扱い・卒業資格を比較表で整理

私立中学とフリースクールの違い|制度・費用・出席扱い・卒業資格を比較

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中学受験を考え始めると、「私立中学」と並んで「フリースクール」という言葉も目に入ってくる。いまお子さんは学校に通えているけれど、どちらが合うのか、先に知っておきたい。そんな小5・小6の保護者の方に向けて書いています。

この記事では、私立中学とフリースクールの違いを、制度、在籍と卒業資格、出席扱い、費用、1日の過ごし方の順に、文部科学省などの公式な資料をもとに整理します。「どっちが正しいか」ではなく、「どう違うのか」を並べる記事です。

結論:私立中学とフリースクールの違い(4つ)
  • 私立中学は「学校」、フリースクール等は「学校ではない場所」——私立中学は学校教育法の学校(一条校)で、設置できるのは国・地方公共団体・学校法人です。フリースクール等は民間の団体・施設です
  • 在籍と卒業が違います——私立中学に入れば在籍も卒業もその学校です。フリースクール等に通っても、在籍と中学校の卒業は在籍校のままです
  • 費用の目安が違います——中学校の年間学習費は、私立が1,560,359円、公立が542,450円。フリースクール等は施設ごとに異なり、文部科学省の2015年の調査では月額平均が約3万3千円でした
  • どちらか一方に決めなくても使えます——公立に在籍したまま、または私立に通いながら、学校の外にもうひとつの場所を持つ方法があります。出席扱いにするかどうかは、在籍校の校長が判断します
この記事でわかること
  • 私立中学とフリースクールが、制度上どう違うのか
  • 在籍・卒業資格・出席扱いで、何が変わり、何が変わらないのか
  • 費用の目安(私立中学・公立中学・フリースクール等)
  • 1日の過ごし方・集団の大きさ・学習の進め方・受験の要否の違い
  • 併用のしかたと、どんな場がどのお子さんに合いやすいかを考える視点
NIJINアカデミーより

この記事は、全国から900名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。NIJINには、学校に通いながら併用しているお子さんも在籍しています。

私立中学とフリースクールの違いは、「学校かどうか」から始まります

「私立中学」と「フリースクール」は、よく同じ「進路の選択肢」として並べられます。ただ、この2つは種類の違う場所です。最初にここを押さえておくと、費用や出席扱いの話が整理しやすくなります。

ひと言でいうと、私立中学は学校教育法で定められた「学校」、フリースクール等は民間の団体・施設です。どちらが上、ということではありません。立っている場所が別、ということです。

違いを分ける3つの軸
私立中学とフリースクールを比べるときの3つの軸

この記事は、次の3つの軸で順に比べていきます。

01
制度上の位置づけ

学校(一条校)か、民間の団体・施設か。ここで、在籍や卒業資格の扱いが分かれます。

02
在籍・卒業・出席

どこに在籍し、どこが卒業を認め、通った日がどう扱われるのか。

03
費用・過ごし方

かかるお金と、1日の流れ、集団の大きさ、学習の進め方、受験の要否。

「どっちか」ではなく、「どう違うか」から見ていきます。

用語のメモです。「一条校(いちじょうこう)」は、学校教育法第1条に挙げられた学校(小学校、中学校、高等学校など)の通称です。公立中学も私立中学も、この一条校にあたります。また、この記事では文部科学省の資料の呼び方にならい、学校に通っていない子が通う民間の団体・施設を「フリースクール等」と書きます。

出典:e-Gov法令検索「学校教育法」第1条・第2条(2026年10月確認)

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制度上の位置づけ:私立中学は学校、フリースクール等は学校ではありません

まず、法律上の位置づけを確認します。

私立中学は、学校法人が設置する「学校」です

学校教育法第1条は、学校を「幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校」と定めています。第2条で、学校を設置できるのは国、地方公共団体、学校法人のみとされています。

つまり、私立中学は学校法人が設置する中学校、公立中学は市区町村などが設置する中学校で、どちらも「学校」です。保護者には、子どもが満15歳になった年度の終わりまで、中学校などに就学させる義務があります(学校教育法第17条)。私立中学に通うことも、この義務を果たす形のひとつです。

フリースクール等は、学校とは別の「民間の場」です

文部科学省は、学校教育法第1条に規定する学校(一条校)でない施設に通わせても、就学義務を履行したことにはならないという見解を示しています(インターナショナルスクールについての見解)。フリースクール等も一条校ではないため、通うときは、学校への在籍を残したままという形が基本になります。

一方で、国は学校の外での学びを大切にする方向を示しています。2016年に成立した教育機会確保法の考え方として、文部科学省は学校以外の場所で行う多様な学習活動の重要性、そして不登校の時期が休養や自分を見つめ直す積極的な意味を持つ場合があることを挙げています。フリースクール等は、教育支援センターや学びの多様化学校と並んで、多様な学びの場のひとつとして位置づけられています。

民間施設については、文部科学省が「民間施設についてのガイドライン(試案)」を示しており、通知では、学校が施設の状況を見るときの目安づくりにこのガイドラインを参考にすることが望ましいとされています。運営している団体はさまざまです。2015年の文部科学省の調査では、回答した319施設のうちNPO法人が約46%で最も多く、法人格を持つ施設が約70%、任意団体が22%、個人が10%でした。

令和6年度の調査では、全国の不登校の小・中学生353,970人のうち、民間団体・民間施設で相談・指導等を受けた子は18,566人でした。フリースクール等は、すでに多くの子が使っている身近な場でもあります。

ここが大切

「学校ではない」ことは、劣っているという意味ではありません。学校と、学校の外の場は、役割が違うということです。だから、比べるときは「どちらが良いか」より「何が違うか」を見るほうが、迷いが整理されます。

出典:e-Gov法令検索「学校教育法」/文部科学省「学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」/文部科学省「教育機会確保法の基本的な考え方」/文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日/文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」(2015年)/文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」(2026年10月確認)

在籍・卒業資格・出席扱い:フリースクール等に通っても、在籍は学校のままです

保護者の方がいちばん気にされるのが、ここかもしれません。「フリースクール等に通ったら、中学校の卒業資格はどうなるのか」「学校を休んだ扱いになるのか」という点です。

在籍と卒業は、在籍している学校のもの

私立中学に入学すれば、在籍も卒業もその私立中学です。公立中学に進めば、公立中学が在籍校になります。

フリースクール等は学校ではないため、通っても在籍は在籍校のままです。中学校の卒業も、在籍校が扱います。フリースクール等に通うことで、在籍校を離れる、ということにはなりません。

文部科学省の通知にも、長期にわたって欠席している不登校の子の進級や卒業にあたっては、あらかじめ保護者の意向を確認するなどの配慮が重要であると書かれています。進級や卒業の場面では、在籍校が保護者と相談しながら進めていく、ということです。

出席扱いは、在籍校の校長が判断します

学校の外の施設に通った日を、在籍校の出席として扱えるかどうか。これは「指導要録上の出席扱い」と呼ばれます。指導要録(しどうようろく)は、学校が子どもの学習の記録を残す公的な書類です。

令和元年10月25日の文部科学省通知(別記1)は、不登校の児童生徒が学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けている場合、校長は指導要録上出席扱いとすることができるとしています。判断にあたっての主な考え方は次のとおりです。

  1. 保護者と学校の連携保護者と学校の間に、十分な連携・協力関係が保たれていること。
  2. 施設の種類教育委員会などが設置する教育支援センター等の公的機関が基本です。公的機関に通うことが難しいなど、本人や保護者の希望もあり適切と判断される場合は、民間施設も考慮されます。その場合、校長が、設置者である教育委員会と十分に連携して判断します。
  3. 通所または入所施設に通所または入所して、相談・指導を受けることが前提です。
  4. 学習の評価施設での学習が学校の教育課程に照らして適切と判断される場合は、評価を指導要録に記入することができます。

通知はあわせて、民間施設については「民間施設についてのガイドライン」を参考に、判断の目安をあらかじめ設けておくことが望ましいとしています。

知っておきたいこと

この出席扱いは、学校に通いづらくなった子を対象にした取扱いです。いま学校に通えているお子さんは、通った日がそのまま出席です。また、最終的に出席扱いにするかどうかは、在籍校の校長(と教育委員会)の判断です。私立中学に在籍している場合の進め方は学校ごとに違うことがあるため、入学を考えている学校に、説明会などで直接たずねておくのがいちばん確かです。

出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日/同通知 別記1「学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」(2026年10月確認)

費用の違い:私立中学は年間約156万円、フリースクール等は月額3万円台が目安

費用は、比べ方に少し注意が必要です。「学習費の総額」と「施設の会費」では、数字に含まれるものが違うからです。

私立中学・公立中学の費用

文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」では、中学校に通う子ども1人あたりの年間の学習費総額は、私立中学校が1,560,359円、公立中学校が542,450円でした。私立は公立のおよそ2.9倍です。内訳は次のとおりです。

  • 私立中学校:学校教育費1,128,061円、学校給食費9,317円、学校外活動費422,981円
  • 公立中学校:学校教育費150,761円、学校給食費35,671円、学校外活動費356,018円

学校外活動費は、塾や習い事などにかかる費用です。単純に3年分で見ると、私立は約468万円になります。

受験の準備にかかる費用は、別にあります。中学受験の大手4塾(SAPIX・日能研・四谷大塚・早稲田アカデミー)の場合、小4から小6までの3年間でおよそ233万円〜287万円とされています(季節講習・テスト代を含む試算)。受験料や入学手続き金は含まれません。

フリースクール等の費用

フリースクール等の費用は、施設ごとに大きく違います。文部科学省が行った調査(2015年3月時点)では、月額の会費は平均で約3万3千円でした。分布を見ると、1万円超〜3万円以下が38.2%、3万円超〜5万円以下が36.3%です。利用した分だけ支払う仕組みの施設も、49か所ありました。

この調査は2015年のもので、現在の金額とは違う場合があります。目安として受け止めて、実際の金額は各施設の案内で確かめてください。会費のほかに、交通費や活動ごとの費用がかかるかどうかも、見学のときにたずねておくと安心です。

費用を比べるときのポイント

私立中学の約156万円は、授業料に加えて制服・教材・給食・塾などを含む「学習費総額」です。フリースクール等の約3万3千円は、月額の会費の平均です。同じ「年間」にそろえる前に、何が含まれている数字かを確かめてから比べると、見誤りにくくなります。

出典:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」/ダイヤモンド教育ラボ「中学受験の大手4大塾の年間費用(料金)を比較」/文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」(2015年)(2026年10月確認)

1日の過ごし方・集団の大きさ・学習の進め方・受験の要否の違い

毎日の過ごし方は、お子さんにとっていちばん実感が大きいところです。ここでは、公的な資料で確かめられる範囲で並べます。

1日の過ごし方

私立中学も公立中学も、学校が決めた時間割で、教室で授業を受けます。中学校設置基準は、中学校の学級は同学年の生徒で編制することを原則としています。部活動や行事の内容、校則、通学時間は学校ごとに違います。

フリースクール等は、施設ごとに1日の流れが大きく異なります。2015年の文部科学省の調査で、行われている活動を見ると、相談・カウンセリングが90.9%、個別の学習が87.1%、芸術活動が76.7%、スポーツ体験が76.1%、調理体験が75.2%、社会体験が74.2%、自然体験が73.0%でした。学習だけでなく、体験や相談を組み合わせている施設が多いことがわかります。

集団の大きさ

中学校設置基準では、1学級の生徒数は40人以下とされています(特別の事情があり、教育上支障がない場合を除く)。私立中学の実際の人数は学校ごとに違います。公立中学の学級編制の標準は、2026年3月に成立した法律で40人から35人に引き下げられ、令和8年度から段階的に整備されています。

フリースクール等は、2015年の調査で1施設あたりの子どもの数が平均約13.2人でした。学校の1学級より少人数の場が多い、ということです。

学習の進め方

学校では、学年ごとの教育課程に沿って、同じペースで学んでいくのが基本です。フリースクール等では、個別の学習を行う施設が87.1%あり、お子さんのペースに合わせた進め方をしているところが多くあります。

受験の要否

私立中学は、学校ごとに入学者の選抜があります。試験の内容や時期は学校ごとに違うため、募集要項の確認が必要です。いま小5のお子さんの場合、受験の結果が出るのは2028年の1〜2月、小6なら2027年の1〜2月です。

公立中学は、住んでいる地域で通う学校が決まるのが基本です(自治体によっては選べる制度もあります)。フリースクール等は、入会の条件や手続きが施設ごとに違うため、見学や面談で確かめます。

出典:文部科学省「中学校設置基準」/文部科学省「中学校35人学級の実施等のための法律案…成立しました」(令和8年3月31日)/文部科学省「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部改正」資料/文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」(2015年)(2026年10月確認)

私立かフリースクールか「どっち」と迷ったら:併用という選び方もあります

ここまで読むと、「結局どちらかを選ぶ話なのか」と感じられるかもしれません。実は、学校とフリースクール等は、どちらか一方に決めなくても使えます。在籍校が学校であるまま、学校の外にもうひとつの場所を持つ、という考え方です。

公立中学に在籍したまま、フリースクール等を使う

受験をせずに学区の公立中学に進み、学校の外の場所を併用する形です。学校に通えている間は、放課後や休日、長期休みに使う、という使い方ができます。学校に通いづらくなったときは、前の章の出席扱いの考え方にそって、在籍校に相談できます。

私立中学に通いながら、フリースクール等を使う

私立中学に入学したあとも、学校の外にもうひとつの居場所や学びの場を持つ形です。ただし、私立中学の校則や、出席扱いの進め方は、学校ごとに違うことがあります。入学前の説明会で、あらかじめ聞いておくと安心です。

受験の前に、学校の外の場所を見ておく

受験するかどうかを決める前に、フリースクール等を一度見ておく、という方法もあります。見ておくことで、「受験するならこの方向で」「受験しないならこの場所もある」と、決めるときの材料が増えます。

NIJINアカデミーの場合

NIJINアカデミーは、メタバース校舎を中心としたオルタナティブスクールで、全国から900名を超える子どもたちが通っています(2026年7月時点)。在籍校はそのままで併用できます。平日は毎日開校し、授業は月100コマから選べます(アーカイブ500本以上)。クラスは8〜10人の少人数・異年齢で、カメラも音声もオフのまま参加できます。出席扱いを希望した生徒の97%が在籍校で出席として認められています(最終判断は在籍校)。全国にはリアル教室もあります。

出典:文部科学省 通知 別記1/NIJINアカデミー 出席認定の仕組み/NIJINアカデミー 全国のリアル教室一覧(2026年10月確認)

決める前に、
もうひとつの選択肢を
希望者の出席認定率 97%メタバース+リアル教室在籍校はそのまま

私立中学・公立中学・フリースクール等・NIJINアカデミーを1枚の表で比べる

ここまでの内容を、1枚の表にまとめます。私立中学・公立中学・フリースクール等・NIJINアカデミーを、同じ観点で並べました。

4つを1枚で比較
4つの場の違い
私立中学公立中学フリースクール等NIJINアカデミー
制度上の位置づけ学校(一条校)
学校法人が設置
学校(一条校)
自治体が設置
学校ではない
民間の団体・施設
学校ではない
民間のオルタナティブスクール
在籍入学した私立中学住所で指定された中学が基本在籍校のまま在籍校のまま(併用可)
中学校の卒業その学校で卒業その学校で卒業在籍校で卒業在籍校で卒業
出席の扱い通学した日が出席通学した日が出席在籍校の校長が判断在籍校の校長が判断
(希望者の97%が認定)
費用の目安年間約156万円※1年間約54万円※1施設ごとに異なる
(月額平均約3.3万円※2)
月額25,443円
入学金33,000円
集団の大きさ1学級40人以下
(設置基準)
1学級の標準は35人へ
(段階的に整備)
施設平均で約13人※28〜10人の少人数
学年の編制同学年が基本同学年が基本施設ごとに異なる異年齢クラス
学習の進め方学校の時間割・教育課程学校の時間割・教育課程個別の学習を行う施設が87.1%※2月100コマから選ぶ
受験学校ごとの入学者選抜住所で通う学校が決まるのが基本施設ごとの入会手続き受験なしで始められる
通い方対面の校舎対面の校舎施設へ通うメタバース校舎が中心
全国にリアル教室もある

※1 文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」中学校の学習費総額(全国平均・学校外活動費を含む)。 ※2 文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」(2015年3月時点)。 私立中学の費用・学級規模は学校ごとに異なります。出席扱いの最終判断は在籍校です。

表の見方のポイントは2つです。1つめは、「在籍」と「卒業」の行。フリースクール等は、通っても在籍校のままなので、学校との関係を切らずに使えます。2つめは、「集団の大きさ」と「学習の進め方」の行。お子さんにとって、人数の多い場と少人数の場のどちらが力を出しやすいかが、選ぶときの手がかりになります。

出典:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」/文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」(2015年)/文部科学省「中学校設置基準」/NIJINアカデミー 学費・プラン(2026年10月確認)

どんな子にどちらが合いやすい? 決めつけずに考える3つの問い

「どんな子には私立、どんな子にはフリースクール」と決めつけることは、できません。同じお子さんでも、学年や時期によって合う場は変わります。ここでは、決めるときの問いの立て方を3つ挙げます。

選び方の3つの問い
決める前に、お子さんと確かめたい3つの問い

答えを急がず、お子さんの様子を思い浮かべながら読んでみてください。

01
どんな場で力が出るか

人数の多い教室、決まった時間割、グループで動く場面。どれが力を出しやすく、どれが疲れやすいか。お子さんの普段の様子から考えます。

02
何を変えたいのか

顔ぶれ(誰と過ごすか)を変えたいのか、学び方や時間の使い方(どんな作りの場か)を変えたいのか。ここで、候補が絞られます。

03
合わなかったときの次の一手

決めたあとに、別の道へ移れる余地があるか。学校の外にもうひとつ場所を持っておくと、選択肢が残ります。

正解はひとつではありません。問いの答えが、お子さんごとに違います。

私立中学が合いやすいと感じるご家庭

  • 学区の顔ぶれから離れて、新しい環境で始めたい
  • 学校の時間割や行事、部活動の中で過ごすことが、お子さんの楽しみになりそう
  • 学校ごとの教育方針に、ご家庭が納得できている

フリースクール等が合いやすいと感じるご家庭

  • 少人数の場や、年齢の違う子との関わりのほうが、力を出しやすそう
  • 決まった時間割より、自分のペースで学べる形が合いそう
  • 受験の準備にかける時間を、別のことに使いたい

併用が合いやすいと感じるご家庭

  • 学校には通えているが、学校の外にも安心できる場所を持っておきたい
  • 受験をするかどうか、まだ決めきれていない
  • 学校に通いづらくなったときの選択肢を、先に知っておきたい

どれか1つにあてはまらなくても、問題ありません。お子さんの様子や、ご家庭の考えは、時期によって動くものだからです。

見学・説明会で聞いておきたいことと、今日決めなくていい理由

最後に、説明会や見学のときに聞いておきたいことをまとめます。そのまま質問リストとして使えます。

私立中学の説明会で聞いておきたいこと

  • 授業料以外にかかる費用:制服、教材、行事、寄付金など、入学後にかかるお金の内訳
  • 学校に通いづらくなったときの相談体制:担任、スクールカウンセラー、保健室、別室などの対応
  • 学校の外の場所を併用した場合の扱い:出席の扱いをどう判断するか、前例があるか
  • 他校へ移りたくなったときの手続き:転学の考え方と時期

フリースクール等で聞いておきたいこと

  • 会費と、会費以外の費用:入会金、月額、交通費、活動ごとの費用
  • 1日の流れと人数、年齢構成:お子さんと同じ年代の子がいるか
  • 在籍校との連携:学校へ出す記録の有無、出席扱いの実績
  • 見学・体験の機会:お子さんが一度のぞいてみられるか
今日、決めなくていい理由

私立中学の受験は、まだ時間があります。いま小5のお子さんなら2028年1〜2月、小6なら2027年1〜2月が結果の出る時期です。そして、学校の説明会に行くことと、学校の外の場所を見学することは、同時にできます。両方を見てから決めても、遅くはありません。

文部科学省の通知は、支援の基本として「学校に登校するという結果のみを目標とするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す」ことを挙げています。私立中学も、フリースクール等も、そのための選択肢のひとつです。

出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日(2026年10月確認)

よくある質問

私立中学に入ってから、フリースクールを使うことはできますか。
使っているご家庭はあります。ただし、私立中学の校則や、出席扱いの進め方は学校ごとに違うことがあります。入学を考えている学校の説明会で、あらかじめ聞いておくと安心です。出席扱いにするかどうかの最終判断は、在籍校(校長・教育委員会)です。
フリースクールに通えば、中学校の卒業資格は得られますか。
フリースクール等は学校ではないため、通うことで中学校の卒業資格が得られる仕組みではありません。在籍は在籍校のままで、卒業も在籍校が扱います。詳しくは、在籍している(または進学予定の)学校にご確認ください。
フリースクールは、私立中学より費用が安いのですか。
数字の中身が違うため、単純には比べられません。文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」で、私立中学校の年間学習費総額は1,560,359円(公立は542,450円)。フリースクール等の月額会費は、2015年の文部科学省の調査で平均約3万3千円でした。施設ごとに差があるため、実際の金額は各施設にご確認ください。
受験をやめて、フリースクールだけにすることはできますか。
フリースクール等は学校ではないため、在籍する学校は別に必要です。受験をしない場合は、住所で指定された公立中学に在籍したまま、フリースクール等を併用する形が基本になります。出席扱いなどの進め方は、在籍校と教育委員会にご相談ください。
いまは学校に行けているのに、フリースクールを見ておく意味はありますか。
学校に通えているうちに、もうひとつの場所を知っておく、という使い方があります。NIJINアカデミーにも、学校に通いながら併用しているお子さんが在籍しています。在籍校はそのままで、見学や体験から始められます。全国のリアル教室の一覧もご覧いただけます。
出席扱いには、必ずなりますか。
必ずなる、という制度ではありません。文部科学省の通知では、校長が、設置者である教育委員会と連携して判断するとされています。NIJINアカデミーでは、出席扱いを希望した生徒の97%が在籍校で出席として認められています(最終判断は在籍校)。仕組みは出席認定のページに詳しくまとめています。

まとめ

私立中学は学校法人が設置する「学校」で、在籍も卒業もその学校になります。フリースクール等は学校ではなく、通っても在籍と卒業は在籍校のままです。この違いが、費用、出席扱い、過ごし方の違いにつながっています。

費用は、中学校の年間学習費が私立1,560,359円、公立542,450円(令和5年度)。フリースクール等は施設ごとに異なり、2015年の調査で月額平均約3万3千円でした。ただし、含まれるものが違うので、中身を確かめてから比べてください。

私立か、フリースクールか。どちらか一方に決める必要はありません。公立に在籍したまま、あるいは私立に通いながら、学校の外にもうひとつの場所を持つ方法もあります。在籍校はそのままで併用できるオルタナティブスクールもあります。

受験するかどうかを、今日決める必要はありません。決める前に、もうひとつの場所を見てから決めていただければと思います。

タツロー校長からのメッセージ

「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。どの場所を選ぶにしても、子どもたちは、場所が変わると教室では見せなかった顔を見せてくれます。その子の「好き」や「得意」に出会える場所を、選択肢のなかから、ご家庭のペースで探していただければと思います。

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