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私立中学を考えはじめたものの、本当にこの子に合うのだろうか。入ってから「こんなはずではなかった」とならないだろうか。中学受験は、費用も時間もかかる大きな決断です。迷うのは、お子さんのことをよく考えているからこそです。
この記事では、「私立中学のデメリット」と言われる点を、受験の前に知っておくと選びやすくなることとして整理します。私立の良さも認めたうえで、費用・受験準備・通学・学校の構造、そして合わなかったときの次の一手を、公的な情報をもとに並べました。受験を勧めることも、止めることもしません。
- 費用は公立の約2.9倍——私立中学の年間学習費総額は平均1,560,359円、公立は542,450円(文部科学省・令和5年度)
- 変わるのは「誰と過ごすか」——同じ年齢の学級と決まった時間割という学校の作りは、公立でも私立でも共通する部分があります
- 合わなかったときの次の一手は、転学先で変わる——公立へは住所の学区の指定校が基本で、希望校は指定校変更の申請になります
- 確認する質問を持って見学へ——6つの質問を最後にまとめました。特定の人間関係が理由の場合や、学校の特色がはっきりしている場合は、私立が向くこともあります
- 私立中学で受験前に知っておきたい6つの点(費用・塾代・通学・学校の構造・転学・欠席時)
- 私立と公立の学習費の違いと、東京都の授業料助成の例
- 私立中学から公立中学へ転学するときの基本の流れ
- それでも私立が向くケースと、向いているかを見る目安
- 学校見学・説明会で聞いておきたい6つの質問
この記事は、全国から900名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。NIJINには、学校に通いながら併用しているお子さんも在籍しています。
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私立中学のデメリットと言われること——先に全体像を表で
私立中学には、学校ごとの教育方針や学びの特色があり、学区に関係なく環境を選べるという大きな持ち味があります。そのうえで、入学してから「こんなはずではなかった」とならないように、受験の前に知っておくと選びやすくなる点があります。それが、この記事でいう「デメリット」です。私立が良い・悪いという話ではなく、お子さんとご家庭に合うかどうかを見るための確認項目だと考えてください。
先に全体像を表にします。それぞれ「どう確認するか」「どう軽くできるか」を並べました。詳しい説明は、次のセクションから順にします。
| 事前の確認方法 | 軽くする方法 | |
|---|---|---|
| ① 費用 | 募集要項で、授業料・施設費・その他の納付金を比べる | 自治体の助成を調べる。3年分で見通す |
| ② 受験準備の時間と塾代 | 塾の年間費用と通塾日数を、入塾前に聞く | 受験する学校の数と幅を、早めに決める |
| ③ 通学時間・学区外 | 朝の時間帯に、実際に通学路を試す | 地元の友人と会える機会を、習い事などで残す |
| ④ 学校の構造 | 見学で、学級の人数・担任の体制・時間割を聞く | 学校の外にも、居場所をひとつ持っておく |
| ⑤ 合わなかったとき | 転学の相談先と、公立の指定校を調べておく | 入学前に、相談できる窓口を聞いておく |
| ⑥ 欠席が続いたとき | 校内の相談体制と、課題・テストの扱いを聞く | 併用できる学び場を、先に知っておく |
※一般的な確認の目安です。学校・自治体ごとに制度や運用が異なります。
表のなかで、お金と時間は数字で見通せます。いっぽう、④〜⑥は入学してから初めて分かりやすい点です。だからこそ、学校見学で聞くことを決めておくと、選ぶときの迷いが減ります。
①費用:私立中学は公立の約2.9倍。授業料以外にもかかります
文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」では、中学校に通う子ども1人あたりの年間の学習費総額は、私立中学校が1,560,359円、公立中学校が542,450円でした。私立は公立のおよそ2.9倍です。3年間の単純計算では、私立が約468万円、公立が約163万円になります(年額の平均を3倍にした目安です)。
内訳を見ると、私立中学校は学校教育費が1,128,061円、学校外活動費が422,981円、学校給食費が9,317円です。公立中学校は学校教育費が150,761円、学校給食費が35,671円、学校外活動費が356,018円。差が大きいのは学校教育費で、その差は約97万7千円です。
費用は「学校に払うお金」だけでは終わりません。次の3つに分けて見ると、全体像がつかみやすくなります。
私立中学校の年間平均は1,128,061円(公立は150,761円)。授業料のほか、学校ごとに異なる納付金が重なります。
学校外活動費は私立で422,981円、公立でも356,018円。私立だけにかかる費用ではなく、進学先に関係なく見ておく項目です。
塾代や受験料などが、入学前にかかります。次のセクションで、塾代の目安を見ます。
学校ごとの違いも大きくなります。東京都が公表した令和8年度の調査(都内の私立中学校184校)では、初年度納付金の平均は1,048,034円でした。内訳の平均は、授業料524,818円、入学金263,929円、施設費29,238円、その他230,049円。学校によって668,000円から2,117,800円まで幅があります。「授業料」だけを見ていると、入学金や施設費、その他の納付金で金額が膨らむので、募集要項では納付金の合計を見るようにしてください。
負担を軽くする制度もあります。東京都では「私立中学校等授業料軽減助成金」があり、令和8年度は年額10万円を上限に、臨時支援2万円を加えた支援が行われています。対象は都内在住で私立中学校等に在学する生徒の保護者で、所得制限はありません。都外の私立中学校に通う場合も対象です(令和8年度の申請期間は9月1日から10月15日)。いっぽう、国の就学支援金の制度は高校生等への修学支援として案内されています。私立中学の授業料への助成は、お住まいの都道府県や市区町村の制度を、教育委員会や私学担当の窓口で調べておくと安心です。
出典:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」/東京都「令和8年度 都内私立中学校の学費の状況」/東京都「私立中学校等授業料軽減助成金」申請受付開始/文部科学省「高校生等への修学支援」(2026年10月確認)
②受験準備:塾代と、受験までの3年間の過ごし方
私立中学に進むには、多くの場合、受験のための準備期間があります。ここで見ておきたいのが、塾代と、受験に向けて過ごす時間です。
ダイヤモンド教育ラボの試算では、小学3年の2月から小学6年の1月まで3年間通塾し、標準的なカリキュラムをこなした場合の費用は、日能研が約233万円、四谷大塚が約252万円、SAPIXが約277万円、早稲田アカデミーが約287万円です。入会金、月謝、諸費用、テスト代、模試代、季節講習(春・夏・冬)を含む概算で、3年間でおよそ233万円〜287万円になります。選択授業や対策講座は別になる塾もあり、四谷大塚は金額が公表されていない分が別途必要と注記されています。この試算の項目に、受験料や入学手続きのための費用は入っていません。
出典:ダイヤモンド教育ラボ「中学受験の大手4大塾の年間費用(料金)を比較」(2026年10月確認)
お金と同じくらい、時間の使い方も確認しておきたい点です。通塾の日は、学校のあとに塾へ行き、帰宅後に宿題をする流れになります。定期的なテストで、塾のなかでも順位や偏差値が見える場面が増えます。
これが合うお子さんもいます。塾に自分の居場所を見つけて、学校がしんどい日も、塾があるから前を向けたという話は珍しくありません。いっぽうで、すでに人間関係で疲れているお子さんにとっては、評価される場がもうひとつ増えることにもなります。お子さんが「塾の時間」をどう感じているかは、数字には出ません。入塾前の体験授業や、普段の表情から、一緒に確かめていけるといいと思います。
受験の結果は、複数の可能性を見ておく
受験は、志望校に進める場合もあれば、別の学校に進む場合もあります。併願校を組み合わせて、進学先の選択肢を確保するご家庭が多いです。そのとき大切なのは、「どの結果になっても、お子さんが通う場所の見通しがある」状態にしておくことです。学区の公立中学に進む可能性も含めて、最初から家庭の中で話しておくと、結果が出たあとの気持ちの揺れが小さくなります。
③通学時間と学区外:地元の友人関係との距離
公立の小・中学校では、市町村教育委員会が通学区域をあらかじめ設定し、住所に応じて就学する学校を指定します(学校教育法施行令第5条第2項)。一方の私立中学には、この通学区域がありません。通える範囲のなかから、ご家庭が学校を選ぶ形になります。
そのため、私立中学では次の2つが起こりやすくなります。
- 通学時間が長くなる——電車・バスを使って通う場合、朝の準備と帰宅の時間が変わります。部活動や塾・習い事に使える時間にも影響します。
- 地元の友人と学校が分かれる——小学校の同級生の多くが進む公立中学とは別の学校になるため、放課後や休日に会う機会が減ることがあります。
地元の友人関係から離れたいご家庭にとっては、これが大きなメリットになる場合もあります。特定の人間関係が理由で環境を変えたいなら、学区の外に出られる私立は有力な選択肢です。いっぽう、地元の友人が支えになっているお子さんの場合は、学校が別になることで、放課後の居場所が学校の外にしかなくなる点を、事前に考えておくと安心です。
通学時間は、実際に試してみる
地図アプリの所要時間と、朝の通勤・通学時間帯の混み具合は、体感が違います。見学のときは、本番の時間帯に近い朝の電車やバスで、お子さんと一緒に通学路をたどってみてください。乗り換えの回数、座れるかどうか、雨の日の歩きやすさまで、実際に見ると具体的な想像がつきます。
なお、公立でも、通学の利便性や部活動などを理由に、市町村教育委員会が相当と認めるときは、保護者の申立てで就学校の指定を変更できる仕組みがあります(学校教育法施行令第8条)。学区の中学が心配なときは、「私立か、学区の公立か」の2択にせず、お住まいの自治体の運用を教育委員会に聞いてみる方法もあります。
出典:文部科学省「就学すべき学校の指定の変更や区域外就学について」(2026年10月確認)
④学校の作りは変わらない:同じ年齢の学級と、決まった時間割
私立中学で変わるのは、主に「誰と過ごすか」です。顔ぶれが変わるのは、確かに大きな変化です。いっぽう、学校の「作り」は、公立でも私立でも共通する部分があります。
- 同じ年齢の子が集まる「学級」で過ごす
- 時間割が決まっていて、1日の流れが固定されている
- 定期テストや行事など、みんなで同じことに取り組む場面がある
公立中学校の学級編制は、これまで1学級40人が標準でしたが、令和8年度から35人に引き下げられ、中学1年生から段階的に実施されます。私立中学の学級の人数は学校ごとに異なり、少人数を特色にする学校もあります。見学のときに、学級の人数と担任の体制を聞いてみてください。
出典:文部科学省「義務標準法等の一部改正(中学校の学級編制の標準の引下げ)」(2026年10月確認)
顔ぶれを変えると楽になるお子さん
困りごとが特定の人やグループとの関係にある場合は、環境が変わると気持ちが軽くなることが多いです。新しい場所で、人間関係を最初から作り直せるのは、私立の強みです。
「作り」のほうに疲れが出やすいお子さん
次のような様子があるときは、学校が替わっても、似た場面が戻ってくることがあります。
- 教室の音や人の多さで、帰宅する頃には消耗している
- 班決めやペア作りなど、グループを作る場面がいちばんしんどい
- 大人数だと話しづらいが、少人数や年下の子となら話せる
- 「みんなと同じペース」で進むことに無理が出ている
この場合は、「誰といるか」に加えて、「どんな作りの場にいるか」も一緒に見ていくと、選択肢が広がります。私立のなかにも少人数の学校や、探究型の学びを特色にする学校があります。学校の「作り」を見学で確かめることが、いちばんの判断材料になります。
⑤合わなかったとき:私立から公立への転学と、次の一手
私立中学に入学したあと、「この学校は合わなかったかもしれない」と感じることは、どの学校でもありえます。そのとき、次の一手がどう決まるのかを、受験の前に知っておくと安心です。
私立中学から公立中学へ転校する場合は、お住まいの住所の通学区域にある公立中学(指定校)に転入するのが基本の流れです。たとえば東京都中央区では、次のような手順を案内しています。
- 家庭で転校の意思を決める面談は、転校の意思が固まってから教育委員会で行います。
- 在籍している学校から書類をもらう在学証明書と教科書給与証明書が必要です。
- 指定校に連絡する通学区域の指定校に連絡して、転入の開始日を決めます。
- 教育委員会で手続きをする転入学の通知書を受け取り、転入する学校に提出します。
ここで知っておきたいのは、指定校以外の公立中学を希望する場合です。指定校変更の申請が別に必要になり、必ず認められるとは限りません。「合わなかったら、希望の公立中学にすぐ移れる」とは限らない点を、事前に頭に入れておいてください。手続きや必要書類は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の教育委員会に確認するのが確実です。
この前提をふまえると、私立を選ぶ前に、学区の公立中学がどんな学校かも見ておく価値があります。私立に進んだ場合も、公立に進んだ場合も、「次に動ける先」を知っておくことが、受験の判断を落ち着いたものにします。
学校が合わないと感じても、選択肢は「転校」だけではありません。大きく3つの動き方があります。
担任・学年の先生・スクールカウンセラーなどに早めに相談します。学校のなかの工夫で変わることもあります。
住所の通学区域の指定校が基本です。希望校がある場合は指定校変更の申請になり、認められるとは限りません。
在籍校はそのままで、もうひとつの学び場を併用する方法です。次のセクションで触れます。
出典:東京都中央区「中央区立学校への転入学の手続き」/文部科学省「就学すべき学校の指定の変更や区域外就学について」(2026年10月確認)
NIJINアカデミーで自分らしさを取り戻した子どもたちと保護者が、自分の言葉で語ったインタビューです。
小1で不登校に|生徒インタビュー「学校っていう場所が、自分には合ってなかったっぽい」かなでさんが見つけた、爽やかな毎日
小6|生徒インタビュー「苦しいんだったらちゃんとみんなに言う」不登校を経験した僕が、そのままの自分でいられるようになるまで
中1の母|保護者インタビューオンラインスクールを選んで正解だったのか――悩み続けた母が見た、娘の変化
⑥私立でも学校がしんどくなるとき:学校に求められている支援と、もうひとつの場所
私立中学に通うお子さんでも、学校がしんどく感じられる時期が来ることがあります。進学のために頑張ってきたぶん、周りにも本人にも言い出しにくい、という声も聞かれます。「せっかく合格したのに」という気持ちが、相談を遅らせることもあります。
文部科学省は、令和6年度の問題行動・不登校等の調査結果とあわせて、不登校の児童生徒への支援を充実するよう通知しています。この通知は、私立学校を所管する都道府県の部課長にも宛てられ、所轄の学校法人を通じて私立学校にも連絡するよう求めています。内容には、校内教育支援センターや学びの多様化学校の設置、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーとの連携による教育相談体制の充実などが含まれます。私立学校にも、公立と同じ支援の充実が期待されているということです。
入学後のことは、学校見学の段階で「こうした相談体制があるか」を聞いておくと、見通しが立てやすくなります。私立中学で不登校になったときの選択肢(内部進学・出席扱い・転籍の確認事項など)は、別の記事で詳しくまとめています。私立中学で不登校になったら|辞める前に確認したいことと選択肢もあわせてご覧ください。
出典:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」(2026年10月確認)
受験の前にも、私立に通いながらも、もうひとつの場所を
NIJINアカデミーは、メタバース校舎を中心に、全国から900名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクールです。在籍校はそのまま併用できます。受験を考えている段階で「もうひとつの場所」として見てみることも、私立に通いながら使うことも、公立に在籍したまま通うこともできます。
- 8〜10人の少人数・異年齢のクラス(同学年だけの集団ではありません)
- 授業は月100コマから選べて、アーカイブも500本以上。平日は毎日開校
- カメラ・音声をオフにしたままでも参加できる
- 出席扱いを希望した生徒の97%が、在籍校で出席として認められています(最終判断は在籍校)
費用は月額25,443円(教育費23,760円+施設利用料1,683円)、入学金は33,000円です。全国のリアル教室も用意しています。「私立か、公立か」の2択の外側に、もうひとつの場所がある。その存在を知っているだけで、受験の判断の重さが少し変わります。
出典:NIJINアカデミー 学費・プラン/NIJINアカデミー 出席認定/NIJINアカデミー 全国のリアル教室(2026年10月確認)
⑦それでも私立が向くケース:デメリットを知ったうえで選ぶ
ここまでデメリットを並べてきましたが、私立中学が向くご家庭も多くあります。知ったうえで選ぶなら、それは良い選び方です。次のような場合は、私立を選ぶ理由がはっきりしています。
特定の人間関係を離れたい
しんどさの原因が「特定の人」や「特定のグループ」との関係にあるなら、学区の外に出られる私立は、確実に顔ぶれを変えられる方法です。小学校の人間関係を持ち越さず、新しい場所で最初から関係を作り直せます。
部活動や学びの特色に、はっきりした希望がある
「この部活に入りたい」「この探究の授業を受けたい」「この教育方針の学校で学びたい」。お子さん自身が、学校の特色に具体的な魅力を感じているときは、通学時間や費用の負担があっても、納得して通える可能性が高くなります。学校見学や体験授業で、お子さんの反応を見てみてください。
ご家庭の見通しが立っている
- 3年間(あるいは中高6年間)の費用の見通しがある
- 通学の時間と手段について、お子さんと話し合えている
- 合わなかったときの動き方(相談・転学・併用)を、家庭で共有している
「どこから離れたいか」だけでなく、「どこで何をしたいか」を、お子さんが少しでも言葉にできているか。それが見えているなら、私立中学は前向きな選択になります。まだ言葉にできないときは、見学や体験授業を通して、一緒に探していけば十分です。
受験前に確認したい6つの質問:学校見学・説明会での聞き方
最後に、学校見学・説明会で聞いておきたい6つの質問です。メモして持っていくと、見学の時間を有効に使えます。ほとんどの学校は、こうした質問に丁寧に答えてくれます。
- 授業料のほかに、年間いくらかかりますか入学金・施設費・その他の納付金、制服や教材、行事の費用、積立の有無を聞きます。東京都の調査では、初年度納付金の平均は授業料だけでなく入学金・施設費・その他を含めて1,048,034円でした。
- 1学級は何人で、担任はどんな体制ですか学級の人数、担任・副担任の体制、時間割の決まり方を聞きます。「同じ年齢の学級で、決まった時間割で過ごす」という作りが、お子さんに合いそうかを見る質問です。
- 学校が苦手になったとき、校内の相談先や居場所はありますかスクールカウンセラーの配置や、校内で過ごせる場所(校内教育支援センターなど)の有無を聞きます。
- 欠席が続いたとき、課題・定期テスト・進級はどうなりますか内部進学の基準や、出席の扱いについても確認します。出席扱いの最終判断は、在籍校(校長・教育委員会)になります。
- 転学するときは、どんな相談ができますかこれまでに他校へ転学した例や、相談の流れを聞きます。聞きづらい質問ですが、答え方に学校の姿勢が表れます。
- 通学時間と、放課後・部活動の時間は、どのくらいですか最寄り駅からの道のり、下校時刻、部活動の日数を確認します。見学のあと、朝の時間帯にもう一度通学路を試してみてください。
見学には、できればお子さんと一緒に行ってください。保護者の方が見ていないところで、お子さんが「ここなら話せそう」「この教室は落ち着かない」と感じる瞬間があります。帰り道の一言が、判断のいちばんの手がかりになることもあります。
出典:東京都「令和8年度 都内私立中学校の学費の状況」/文部科学省「令和6年度 問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の通知」(2026年10月確認)
よくある質問
まとめ
私立中学のデメリットは、入学前に確認できるものが多くあります。費用は公立の約2.9倍、受験準備には3年間の塾代と時間、通学時間は長くなり、学校の「作り」は公立と共通する部分があります。そして、合わなかったときの転学先は、住所の学区の公立中学が基本です。
いっぽうで、特定の人間関係を離れたいとき、学校の特色にはっきりした魅力を感じているときは、私立が向きます。大切なのは、デメリットを知って避けることではなく、知ったうえで、お子さんとご家庭に合うかを見ることです。学校見学では、この記事の6つの質問を持っていってください。
私立に通いながら、あるいは公立に在籍したまま、もうひとつの場所を持つという選び方もあります。「私立か、公立か」の外側にも、お子さんに合う場所は用意できます。
受験するかどうかを、今日決める必要はありません。決める前に、もうひとつの場所を見てから決めていただければと思います。
「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。教室で見せる顔も、家で見せる顔も、どれもその子の一部です。学校を選ぶときは、名前や偏差値の前に、「ここなら安心して話せる」とお子さん自身が感じられるかどうかを、最初の物差しにしてください。

