夏休みが終わりに近づくと、お子さんから「2学期、学校に行きたくない」という言葉が出ることがあります。ドキッとして、つい「どうして?」「行かなきゃダメ」と返してしまいがちですが、最初の対応が、そのあとの回復のしやすさを大きく左右します。この記事では、言われたときにまず何をすればいいのかを、7つのステップで具体的にお伝えします。

関連記事:夏休み明け 不登校が急増する理由と文部科学省の最新データ
まずは理由を問いつめず、「話してくれてありがとう」と受け止めることが出発点です。そのうえで体調と睡眠を確かめ、休むかどうかは1日単位で子どもと一緒に決めます。最初の数日の関わり方が、その後の回復のしやすさにつながります。
「行きたくない」は、勇気を出したサイン
子どもが「行きたくない」と口に出すのは、実はとても勇気のいることです。多くの子は、心配をかけたくない・怒られたくないという思いから、しんどさを隠します。言葉にできたということは、それだけ我慢が限界に近い、あるいは親を信頼して打ち明けてくれた証拠です。まずは「言ってくれてよかった」という姿勢で受け止めましょう。
背景データ
文部科学省の令和6年度調査では、不登校の小中学生は353,970人で過去最多。きっかけとして「やる気が出ない等」「生活リズムの不調」「不安・抑うつ」が上位に挙がっています。つまり「行きたくない」の裏には、本人にも説明しづらい心身の疲れがあることが多いのです。
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」文部科学省
言われたときの初期対応7ステップ
ステップ1:まず「受け止める」
「そうなんだ、行きたくないんだね」と、否定も評価もせずに一度受け止めます。この一言があるだけで、子どもは「話しても大丈夫だ」と感じられます。
ステップ2:理由を問い詰めない
「なんで?」を繰り返すと、子どもは責められている気持ちになります。理由は言葉にならないことも多いもの。「話せそうなときに教えてね」と、扉を開けたまま待ちます。
ステップ3:体の不調を確認する
腹痛・頭痛・吐き気・眠れないなどが続く場合、心の負担が体に出ているサインです。必要に応じて小児科やかかりつけ医にも相談し、体の面からも安心を確保します。
ステップ4:今日の過ごし方を一緒に決める
「行く/行かない」の二択で迫らず、「午前だけ」「保健室登校」「今日は休んで明日考える」など、一緒に選択肢を出します。本人が選べたという感覚が、次の一歩の力になります。
ステップ5:休むと決めたら責めない
休養が必要な状態のときに無理をさせると、回復が遠のきます。「今日はしっかり休もう」と伝え、家庭を安心できる場所にします。休んだことを叱らないことが大切です。
ステップ6:学校に状況を共有する
担任やスクールカウンセラーに早めに連絡します。「なぜ休むのか」を説明しきれなくても構いません。宿題や連絡の負担を減らしてもらうなど、学校と協力体制をつくることが子どもを守ります。
ステップ7:長引きそうなら専門機関へ
数日で戻れる子も多い一方、状態が続くときは早めに外部の力を借ります。スクールカウンセラー、教育支援センター、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)などが無料で利用できます。
7つのステップを、実際にかける言葉に置きかえるとこうなります。保存しておいて、朝あわてたときに見返してください。
| ステップ | かけたい言葉の例 | 避けたい言葉 |
|---|---|---|
| 1. 受け止める | 「そうなんだ、行きたくないんだね」 | 「またそんなこと言って」 |
| 2. 理由を問い詰めない | 「話せそうなときに教えてね」 | 「なんで?どうして?」を繰り返す |
| 3. 体の不調を確認する | 「おなかや頭は痛くない?夜は眠れた?」 | 「仮病じゃないの?」 |
| 4. 過ごし方を一緒に決める | 「午前だけにする?今日は休んで明日考える?」 | 「行くの?行かないの?はっきりして」 |
| 5. 休むなら責めない | 「今日はしっかり休もう」 | 「休んだら勉強が遅れるよ」 |
| 6. 学校に状況を共有する | 「先生にはお母さんから伝えておくね」 | 「自分で先生に説明しなさい」 |
| 7. 長引けば専門機関へ | 「一緒に相談できる人を探してみようか」 | 「いつまで休むつもり?」 |
オルタナティブスクールという選択肢学校に合わないからこそ、輝く個性がある。
NIJINアカデミーは、日本初、公教育を持ち運び可能にした
オルタナティブスクール(小中高一貫校)です。
- 累計入学 1000名超
- 出席認定率 97%(希望者)
- 全国52か所のリアル教室
※出席扱いの最終判断は在籍校です。数字はNIJINアカデミー公式サイトの掲載値。
友だち追加は無料・相談だけでもOKです|デジタルパンフレットを見る
やってはいけない初期対応
| NG対応 | 子どもが受け取るメッセージ |
|---|---|
| 「甘えないの」「みんな行ってる」 | 自分の気持ちは間違っている/否定された |
| 理由を問い詰め続ける | 責められている/うまく言えない自分はダメだ |
| 無理やり車で学校まで連れて行く | 逃げ場がない/親は味方ではない |
| 「行かないと将来困る」と脅す | 今のしんどさをわかってもらえない |
ポイント
初期対応のゴールは「今日登校させること」ではなく、「子どもが安心して本音を出せる関係を保つこと」です。安心が戻れば、子どもは自分から次の一歩を考え始めます。
親自身の不安との付き合い方
「このまま不登校になったら」と不安になるのは自然なことです。だからこそ、保護者も一人で抱えないでください。同じ経験をした保護者の会や、スクールカウンセラーへの相談は、子どものためだけでなく親自身の支えにもなります。親が落ち着いていることが、子どもにとって一番の安心材料です。
2学期が始まってから「学校に行きたくない」が続くとき|9月〜秋に見直したいこと
夏休み明けの数日は登校できたのに、2学期が始まって1〜2週間たってから「行きたくない」が出てくる子もいます。休み中の生活リズムが戻りきらない疲れに、行事の準備や授業の再開、友達関係の変化が重なり、少し遅れてしんどさが表に出ることがあるためです。
「最初は行けていたのだから大丈夫なはず」と考えず、この記事の7ステップを、始業直後と同じように丁寧にやり直して構いません。2学期は行事が多い学期でもあるので、時期ごとに起きやすいことを知っておくと、親も落ち着いて関われます。

| 時期 | 起きやすいこと | 親ができること |
|---|---|---|
| 始業〜2週間 | 生活リズムが戻らない。朝の腹痛・頭痛が出やすい | 就寝・起床時間を少しずつ戻す。朝は「行く/行かない」を責めずに一緒に決める |
| 行事の準備期間(運動会・文化祭など) | 練習や係の負担、集団行動の多さで疲れがたまる | 行事への部分参加など、学校に配慮を相談できることを伝える |
| 行事が終わったあと | 緊張がほどけて、急に元気がなくなることがある | 「よく頑張ったね」とねぎらい、休息を優先する |
| テスト・面談の前後 | 勉強や成績への不安が強くなる | 結果より「どれだけ休めているか」を気にかける |
| 欠席が続き始めたとき | 「行きたくない」が数日〜1週間以上続く | 学校との共有と、専門機関への相談を早めに始める |
| チェック | 伝えること | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| □ | 今の様子 | 「2学期に入ってから、朝になると行きたくないと言う日が増えています」 |
| □ | 体の症状 | 「朝に腹痛や頭痛を訴えることがあります」 |
| □ | 家での方針 | 「しばらくは本人と相談しながら、休む日も責めないようにしています」 |
| □ | お願いしたい配慮 | 「宿題や提出物の負担を軽くしていただけると助かります」 |
| □ | 連絡の方法 | 「毎朝の電話が負担なので、連絡帳やメールでもよいでしょうか」 |
| □ | 相談先 | 「スクールカウンセラーの先生とも話してみたいです」 |
朝どうしても起きられない日が続く場合は、体の病気が隠れていることもあります。「起立性調節障害は何人に1人?」の記事で発症率や回復までの目安をまとめています。クラス替えや転校など環境の変化がきっかけなら適応障害の中学生への対応、友達と過ごしたあとにぐったりしている場合はASDの人と一緒にいると疲れると感じたときの記事も参考にしてください。
学校以外の「居場所」を先に用意しておく
NIJINアカデミーは、午前でも午後からでも参加できるオンラインのオルタナティブスクールです。在籍校の出席扱いになる例も多く、まずは体験会で雰囲気を見てから決められます。
無料体験会に申し込むNIJINアカデミーで自分らしさを取り戻した子どもたちと保護者が、自分の言葉で語ったインタビューです。
小1で不登校に|生徒インタビュー「学校っていう場所が、自分には合ってなかったっぽい」かなでさんが見つけた、爽やかな毎日
小6|生徒インタビュー「苦しいんだったらちゃんとみんなに言う」不登校を経験した僕が、そのままの自分でいられるようになるまで
中1の母|保護者インタビューオンラインスクールを選んで正解だったのか――悩み続けた母が見た、娘の変化
「休ませる」か「行かせる」かの判断軸
毎朝、休ませるか行かせるかを迷うのは自然なことです。判断に迷ったときは、次の3つを目安にしてください。
| 見るポイント | 休息を優先したいサイン |
|---|---|
| 体の状態 | 眠れていない・食べられない・腹痛頭痛が強い |
| 心の状態 | 前夜から強い不安・涙が止まらない・自分を責める言葉 |
| 回復の見込み | 休むと少し表情がやわらぐ/登校刺激で悪化する |
ここで大切なのは、「今日行けたかどうか」で一喜一憂しないことです。数日単位ではなく、数週間〜数か月の波で見てあげると、親も落ち着いて関われます。行けた日は「よく行けたね」、行けなかった日は「よく休めたね」と、どちらも肯定してあげましょう。
2学期を迎える前にできる準備
言われてから慌てないために、休みの後半からできることもあります。まず、生活リズムを少しずつ整えること。次に、2学期の予定(行事・時間割)をわかる範囲で一緒に確認し、見通しを持たせること。そして、「もししんどくなったら、いつでも相談していいんだよ」と、あらかじめ安心の約束をしておくことです。この一言があるだけで、子どもは「逃げ場がある」と感じ、登校のハードルが下がります。準備は完璧でなくて構いません。親が味方でいる姿勢そのものが、いちばんの準備になります。
親自身の心も守る
子どもの登校に一喜一憂していると、保護者の心もすり減っていきます。ですが、親が笑顔でいられることが、子どもにとって最大の安心材料です。うまくいかない日があって当然と考え、自分を責めすぎないでください。同じ経験をした保護者の会や、スクールカウンセラーへの相談は、親自身の支えになります。子どものためにも、まず親が息をつける時間を確保しましょう。

▶ 動画でも解説|タツロー校長(NIJIN代表・星野達郎)
動画:脱・学校のタツロー校長「【母子分離不安】をはじめとする「学校に行けない子」の共通点」
高校3年生の2学期に「学校に行かない」と言われたら
高校3年生の2学期は、卒業と進路が目の前にある時期です。小中学校と違い、高校は卒業に必要な出席日数や単位の決まりが学校ごとにあります。気持ちを受け止めることは同じですが、あわせて次の点を早めに確認しておくと、選べる道が見えやすくなります。
- あと何日休めるか:欠席や欠課の上限は学校ごとに決まっています。担任に、科目ごとの状況を確認します。
- 補う方法があるか:補習、課題の提出、別室での受講などで補えるかどうかは、学校によって異なります。
- 卒業までの道を複数持つ:在籍校で卒業をめざすほかに、通信制高校への転入、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)という道もあります。
「卒業まであと少しなのに」と焦る気持ちは自然なものです。ただ、本人がいちばんそのことを分かっています。まず体と心の状態を確かめ、確認した情報をもとに、どうするかを一緒に考えていきましょう。
まとめ
「2学期に行きたくない」と言われたら、まず受け止め、理由を問い詰めず、今日の過ごし方を一緒に決める——この初期対応が回復の土台になります。休むことを責めず、学校や専門機関と早めに協力しながら、お子さんが安心して本音を出せる関係を守っていきましょう。登校できるかどうかより、心が元気を取り戻すことを優先してあげてください。
よくある質問
- Q. 一度休ませると癖になりませんか?
- A. 休養が必要な状態での休みは「癖」ではなく回復のプロセスです。責めずに休ませ、戻れるタイミングを一緒に探すほうが、結果的に早く元気を取り戻します。
- Q. 理由を話してくれません。どうすれば?
- A. 無理に聞き出す必要はありません。本人にも理由が整理できていないことが多いです。「話したくなったらいつでも」と伝え、安心できる関係を保つことが先決です。
- Q. 兄弟には「ずるい」と言われます。どう説明すれば?
- A. 「今は少し元気がなくて休んでいる。あなたのことも同じくらい大事だよ」と、その子なりにわかる言葉で伝えましょう。可能な範囲で他のきょうだいと過ごす時間もつくると、家庭全体が安定します。
- Q. 学校からは「もう少し様子を見ましょう」と言われました。
- A. 様子見の間も、家庭でできること(受け止め・生活リズム・安心の確保)はあります。心配が強いときは、スクールカウンセラーや教育支援センターなど、学校以外の相談先も並行して使ってかまいません。
小学3年生の夏休み明け、風邪で数日休んだことをきっかけに学校に行きづらくなった女の子がいました。「教室に入ったときにクラスのみんなが私のことを見てくるように感じて、『どんなふうに思われているんだろう』と心がざわざわして」——最初は「休み癖がつく」と心配したお母さんも無理に行かせようとしていましたが、当時を経験した担任の先生が責めずに励ましてくれたことが支えになったといいます。
※本エピソードは、NIJINアカデミー在籍者へのインタビュー記事を基に構成しています。
NIJINアカデミーは、不登校・行き渋り・発達特性のある小中学生が安心して学べるオンラインフリースクールです。まずは雰囲気を知ることから。

