起立性調節障害の治し方|家庭でできる非薬物療法と受診・回復の目安

起立性調節障害の治し方|非薬物療法・薬物療法・学校との連携までガイド
起立性調節障害の治療は、薬を飲めばすぐ治るというものではありません。日本小児心身医学会の情報では、症状の重さや心理社会的な要因の関わり方に応じて、複数のアプローチを組み合わせて治療することが基本とされています。この記事では、非薬物療法・薬物療法・学校との連携まで、具体的な治療の流れを解説します。
この記事でわかること
  • 起立性調節障害の治療を構成する6つのアプローチ
  • 今日から家庭でできる非薬物療法の具体策
  • 受診の目安と、何科に相談すればいいか

まだ何も決められなくて大丈夫です

2学期の「行きたくない」に、家庭でどう向き合うか。同じ時期の保護者の声と、校長からの短い手紙をLINEでお届けしています。名前を出さずに、まず読むだけでも。

LINEで受け取る(無料)

治療の基本方針――6つのアプローチの組み合わせ

日本小児心身医学会の情報によると、起立性調節障害の治療は、身体的な重症度と心理社会的な関与の程度に応じて、次の6つを組み合わせて行うとされています。

アプローチ内容
①疾病教育ODが身体の病気であることを本人・家族に丁寧に説明し、不安を軽減する
②非薬物療法起立の仕方、水分・塩分摂取、軽い運動、生活リズムなど日常生活の工夫
③学校との連携学校関係者にODへの理解を深めてもらい、受け入れ態勢を整える
④薬物療法非薬物療法を行ったうえで、必要に応じて薬を処方する
⑤環境調整家族や学校の無理解による孤立を防ぐための働きかけ
⑥心理療法身体のつらさや焦り、傷ついた気持ちを受け止め、信頼関係を築く

①③まずは「身体の病気」だと理解してもらうこと

子どもの多くは症状の原因が分からず不安を感じており、家族もOD症状を「気持ちの問題」「怠け」と捉えてしまいがちです。それ自体が新たな心理的ストレスとなり、症状を悪化させることがあります。ODが身体の病気であることを親子に丁寧に説明することが、治療の出発点です。学校関係者への理解を広げる資料も、日本小児心身医学会から公開されています。

②今日からできる非薬物療法

日常生活でできる工夫
  • 頭を下げながらゆっくり立ち上がる
  • 立ったままの状態を1〜2分以上続けない。短時間の起立でも足をクロスする
  • 水分は1日1.5〜2リットル、塩分は普段の食事にプラス3gを目安に摂取する
  • 毎日30分程度の歩行など、軽い運動を続けて筋力低下を防ぐ
  • 早寝早起きなど、規則正しい生活リズムを心がける

これらは特別な道具を使わず、家庭ですぐに始められる工夫です。ただし、症状の程度によって無理のない範囲は異なるため、具体的な運動量などは主治医と相談しながら進めるのが安心です。

台所で水筒に水を入れる中学生の娘と、食事を用意する母親
水分は1日1.5〜2リットルが目安。家族で一緒に取り組むと続けやすくなります(イメージ)

④薬物療法はいつ検討する?

非薬物療法を行ったうえで、効果が不十分な場合にミドドリンなどの薬が処方されることがあります。薬物療法だけでは十分な効果は見込みにくいとされており、あくまで非薬物療法との組み合わせが基本です。

⑤⑥環境調整と心理療法

周囲の無理解によって子どもが傷つき、孤立してしまわないよう、家族や学校にODへの理解を促す働きかけも治療の一部です。あわせて、身体のつらさや学業への焦り、否定的な対応で傷ついた気持ちを聴き、受け止める心理的なケアも、「分かってもらえた」という安心感につながり、回復を支えます。

NIJINアカデミーの校外活動で笑顔を見せる不登校を経験した子どもたちオルタナティブスクールという選択肢

学校に合わないからこそ、輝く個性がある。

NIJINアカデミーは、日本初、公教育を持ち運び可能にした
オルタナティブスクール(小中高一貫校)です。

  • 累計入学 900名超
  • 出席認定率 97%(希望者)
  • 全国52か所のリアル教室

※出席扱いの最終判断は在籍校です。数字はNIJINアカデミー公式サイトの掲載値。

友だち追加は無料・相談だけでもOKです|デジタルパンフレットを見る

起立性調節障害の治し方を一覧で|家庭でできることと回復までの目安

起立性調節障害(OD)の治し方は、「生活の工夫(非薬物療法)」を土台に、必要に応じて薬・学校との連携・心のケアを組み合わせるのが基本です。薬だけで治すものではなく、家庭で毎日できることが治療の中心になります。ここでは、この記事で紹介した内容を「今日から家庭でできること」「受診と回復の目安」「治療を進める順番」の3つの表にまとめました。

小児科の診察室で医師が血圧を測り、男子中学生と母親が説明を聞いている様子
診断には、安静時と起立後の血圧・心拍数の変化を見る「新起立試験」が用いられます(イメージ)
起立性調節障害の治し方|家庭で今日からできることチェックリスト
項目目安・やり方ねらい
立ち上がり方頭を下げながらゆっくり立ち上がる。起床時は段階的に体を起こす急な血圧低下によるめまい・立ちくらみを防ぐ
立ち続けない立ったままの状態を1〜2分以上続けない。短時間の起立でも足をクロスする下半身に血液がたまるのを防ぐ
水分1日1.5〜2リットルを目安に、こまめに摂る循環する血液の量を保つ
塩分普段の食事にプラス3gを目安(医師の指示に従う)血圧を保ちやすくする
軽い運動毎日30分程度の歩行など筋力低下を防ぐ
生活リズム就寝・起床のリズムをできる範囲で一定に保つ自律神経のリズムを整える
血流の補助弾性ストッキングなどを使う下半身の血流低下を防ぐ
声かけ「できたこと」に目を向け、できなかったことを責めすぎない焦りやプレッシャーで回復が遠のくのを防ぐ
受診の目安と回復までの期間(記事内の医療情報より)
状況目安
受診を考えるタイミング症状が2週間以上続く、または学校生活に支障が出ているとき
まず相談する診療科小児科
診断に使われる検査新起立試験(安静時と起立後の血圧・心拍数の変化を計測)
日常生活に支障のない軽症例適切な治療で2〜3ヶ月で改善するとされる
学校を長期欠席する重症例社会復帰に2〜3年以上を要することもある
費用保険診療の範囲内で受けられることがほとんど(受診先に事前確認)
起立性調節障害の治療を進める5ステップ
ステップやること
1症状が2週間以上続く・学校生活に支障があれば、小児科に相談する
2「身体の病気」であることを親子で理解する(疾病教育)
3立ち上がり方・水分・塩分・軽い運動・生活リズムの工夫を、無理のない範囲で始める
4学校にODへの理解を求め、遅刻・別室・休養など受け入れ態勢を相談する
5効果が不十分なら、主治医と薬物療法や治療方針の見直し、セカンドオピニオンを相談する

学校以外の「居場所」を先に用意しておく

NIJINアカデミーは、午前でも午後からでも参加できるオンラインのオルタナティブスクールです。在籍校の出席扱いになる例も多く、まずは体験会で雰囲気を見てから決められます。

無料体験会に申し込む

何科を受診すればいい?

症状が2週間以上続く場合や、学校生活に支障が出ている場合は、まず小児科に相談するのが基本です。診断には、安静時と起立後の血圧・心拍数の変化を計測する「新起立試験」が用いられます。

回復までの目安

日常生活に支障のない軽症例では、適切な治療によって2〜3ヶ月で改善するとされています。一方、学校を長期欠席する重症例では、社会復帰に2〜3年以上を要することもあります。経過には個人差があるため、焦らず治療を続けることが大切です。

家庭でできるセルフケア

治療は医療機関だけで完結するものではなく、家庭での日々の関わりも回復を支える重要な要素です。すぐに効果が出るものではありませんが、無理のない範囲でできることから取り入れてみましょう。

家庭で取り入れやすい工夫
  • 起床時はゆっくり段階的に体を起こす(急に立ち上がらない)
  • 水分をこまめに、塩分もやや多めに意識して摂る(医師の指示に従う)
  • 弾性ストッキングなどで下半身の血流低下を防ぐ
  • 就寝・起床のリズムをできる範囲で一定に保つ
  • 「できたこと」に目を向け、できなかったことを責めすぎない

特に大切なのは、家族が焦らず「治療には時間がかかるもの」と理解して関わることです。本人は「早く良くならなければ」というプレッシャーを人一倍感じていることが多く、家庭がそれを急かす場になってしまうと、かえって回復が遠のくこともあります。

治療がうまくいかないと感じたときは

薬物療法や生活改善を続けても症状が改善しない場合、治療方針や薬の種類を見直す必要があることもあります。自己判断で通院をやめてしまうのではなく、経過を医師に率直に伝え、必要であればセカンドオピニオンや専門外来への紹介を相談してみましょう。

治療にはどれくらいの費用がかかりますか?
保険診療の範囲内で治療が受けられることがほとんどで、血圧・心電図などの基本検査や、必要に応じた薬物療法は保険適用となります。詳しい費用については、受診予定の医療機関に事前に確認することをおすすめします。

治療の途中で「本当に良くなるのだろうか」と不安になる時期は、多くの家庭が経験します。焦らず一つずつ、体調に合わせた対応を積み重ねていくことが、回復への確かな一歩になります。

治療の進み方も、回復の形も一人ひとり違います。焦らず、今日できたことに目を向けていきましょう。

夕方の住宅街を、母親と中学生の子どもがゆっくり散歩している様子
毎日30分程度の歩行など、軽い運動を続けることも治療の一部です(イメージ)

よくある質問

薬を飲めばすぐに症状はなくなりますか?
薬物療法だけでは効果が不十分なことが多く、非薬物療法(生活面の工夫)と組み合わせることが基本です。効果の出方には個人差があり、根気強く続けることが大切です。
治療中、学校を休んでもいいのでしょうか?
症状が強い時期に無理をして登校を続けると、かえって回復が遅れることがあります。主治医や学校と相談しながら、体調に合わせて休む・別の学び方を取り入れるなど、無理のないペースを見つけることが推奨されています。

NIJINアカデミーの子どもたちの声

治療や回復は、一足飛びに進むものではなく、小さな挑戦の積み重ねの先にあります。NIJINアカデミーに在籍するゆいちゃんは、イラストを描くのが好きな一方で「人に見られること」に大きな抵抗があり、学校に行きづらく、自信を持てない時期がありました。

YouTubeインタビューやSlackでの課題提出など、「自分で決めた小さな範囲」で少しずつ絵を見せる挑戦を重ね、保護者も無理に急かさず「見守る」スタンスへと変わっていきました。その後、門出を祝う会でスピーチに挑戦し、会場を感動に包むまでになったといいます。「自信がついてから動く」のではなく「小さな行動の積み重ねが自信につながる」——治療や生活改善に取り組む過程にも、同じことが言えるのではないでしょうか。

起立性調節障害でもNIJINアカデミーに通える理由

起立性調節障害の大きな特徴は、午前中に調子が悪く、午後から夕方にかけて回復していくという波があることです。この波に合わせて学べる環境かどうかは、本人と家族にとって大きな安心材料になります。NIJINアカデミーが、体調に波のある子どもたちにも選ばれている理由を、いくつかの角度からご紹介します。

いつでも入れるバーチャル校舎

NIJINアカデミーは、oviceというツールを使ったバーチャル校舎を採用しており、決まった時間に教室へ向かう必要がありません。午前中は横になって休み、体調が上向いてきた午後から校舎に入って授業に参加する、といった過ごし方も可能です。「今日は調子が悪いから休む」「今週は少し授業を減らす」といった調整も、専任サポート担任と相談しながら柔軟に行えます。

顔を出さなくても参加できる仕組み

カメラ・音声をオフにしたままの見学参加や、チャット・リアクションボタンでの参加もできるため、体調が万全でない日でも「つながりだけは保つ」という関わり方ができます。声を出すこと自体がしんどい日でも、クラスの雰囲気を感じながら、無理のない範囲で参加できる点は、体調の波がある子にとって大きな支えになります。

少人数制と1:1専任サポート担任

8〜10人程度の少人数制クラスに加え、1人ひとりに専任サポート担任がつきます。教員経験や不登校経験のある信頼できる大人が伴走し、日々の体調に合わせて無理のないペースを一緒に考えてくれるため、「今日はどこまで頑張ればいいのか」を一人で抱え込まずに済みます。

出席認定率9割以上という実績

在籍校や教育委員会と連携し、NIJINでの学習状況が出席として扱われるケースがあります(最終判断は学校によります)。希望する生徒の9割以上が在籍校の出席認定を得ている実績があります(2025年4月時点、株式会社NIJIN公式プレスリリースより)。「学校を休むこと」への不安を、少しでも軽くできる材料のひとつです。

定期テストがなく、自分のペースで学べる

NIJINには定期テストがなく、担任の所見によるポートフォリオ評価で成長を可視化します。体調によって学習のペースが一定でなくても、無理に周囲と競わせる仕組みではないため、本人の状態に合わせて学びを続けやすい設計になっています。

NIJINアカデミーとは|不登校の子のためのオンラインのオルタナティブスクール

こういう学校があることだけ、知っておいてください

申し込む気はまだなくて構いません。NIJINアカデミーがどんな場所で、どんな子が通っているのかを、1ページにまとめています。

NIJINアカデミーを見てみる
治療を続けながらも、学びは止めない

治療には時間がかかることもあります。その間も、体調に合わせて学びやつながりを保てる環境があります。