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不登校の子の「好き」が自信に変わる|人前が苦手だった生徒がフリースクールで仲間とつながるまで

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入学当初は不安がとても強く、「好きなこと以外にはなかなか取り組めない」状態にあった一人の生徒。みんなの前に立つことにも大きなハードルがありました。その子がやがて「自分の好きなことで、誰かを楽しませたい」と言うようになるまで——NIJINアカデミーの全体会議で共有された変容ストーリーを、「好き」から始まる学びという視点でご紹介します。
この記事でわかること
  • 「先生と2人なら話せる」から始まった、ある生徒のマイプロジェクト
  • 大きな目標を自分で小さく分けることが、なぜ自信につながるのか
  • 「見てもらえる」経験が、次の挑戦のエネルギーになる理由
  • 「好き」が「誰かのため」へ広がっていく学びの循環
NIJINアカデミーより

この記事は、全国から900名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。ここでご紹介するのは、全体会議で実際に共有された一人の生徒のストーリーです。

最初は「先生と2人なら話せる」から始まった

入学したばかりの頃は、大勢の前で話したり、自分の考えを表現したりすることは簡単ではありませんでした。けれど、信頼できる先生と1対1であれば、自分の好きなことについて話すことができました。

そこで見えてきたのが、その子の大好きなもの。サッカーです。

NIJINアカデミーでは、その「好き」を無理に別の学びへ変えようとはしません。むしろ「それ、やってみよう」と、その子の興味からスタートします。そこから始まったのが、「リフティング100回を目指す」というマイプロジェクトでした。

大きな目標を、自分で小さくしていく

いきなり100回を目指すのではありません。10回、20回、30回。自分で少しずつ目標を設定しながら、挑戦を重ねていきました。

大人から「今日はここまでやりなさい」と言われたわけではありません。自分で決めて、自分で挑戦する。だからこそ、「昨日よりできた」「次はもう少しやってみたい」という気持ちが生まれていきます。この小さな「できた」の積み重ねが、少しずつ本人の自信になっていきました。

「見てもらえる」ことで、挑戦は続いていく

挑戦したことを校舎の仲間たちに発信すると、「すごい!」「応援してる!」「また記録伸びたね!」といった温かい反応が返ってきます。

たった一つのリアクションやコメントかもしれません。でも、子どもにとっては「自分の挑戦を誰かが見てくれている」という大きな経験です。

ここが大切

頑張っても誰にも気づかれないのではなく、挑戦すれば、誰かが見てくれる。できたことを、一緒に喜んでくれる。そんな環境があることで、「もう一回やってみよう」という次のエネルギーにつながっていきました。

「好き」は、自信へと変わっていく

挑戦を重ねる中で、自分の「好き」に自信が生まれていきました。そして、その変化はリフティングだけにとどまりません。やがて「自分が好きなサッカーを使って、誰かに楽しい時間を届けたい」という気持ちへと広がっていきます。

そこで生まれたのが、自分で考えた「ホーム体育」です。家の中でも安全に楽しめるよう、ビニール袋や靴下など、身近にあるものを使って体を動かす遊びを考え、自ら企画・発信するようになりました。

最初は、自分の好きなことを楽しんでいた一人の子ども。その「好き」が、自信になり、誰かとのつながりになり、そして「誰かをハッピーにしたい」という思いへと広がっていったのです。

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なぜ、この変化が生まれたのか

このストーリーの背景には、NIJINアカデミーが大切にしている3つの関わりがあります。

1.目標もステップも、自分で決める

大人から与えられた課題ではなく、「これをやってみたい」という本人の気持ちを出発点にする。そして、大きな目標を小さなステップに分け、自分のペースで進んでいきます。

自分で決めたからこそ、挑戦が「やらされるもの」ではなくなります。「できた」「もう少しやりたい」という内側から生まれるエネルギーが、次の行動につながっていきます。NIJINアカデミーには定期テストがなく、担任の所見(学びのポートフォリオ)で一人ひとりの歩みを記録していくため、点数では測れないこうした挑戦もきちんと残ります。

2.「見てもらえる」「認めてもらえる」コミュニティがある

子どもが何かに挑戦したとき、「すごいね」「面白いね」「応援しているよ」と返してくれる仲間や大人がいます。8〜10人程度の少人数クラスと、いつでも入れるバーチャル校舎があることで、発信がきちんと誰かに届きます。

結果だけではなく、挑戦したこと。続けたこと。工夫したこと。その一つひとつを見てもらえる。その経験が、「自分はここにいていい」「自分のことを出しても大丈夫」という安心感につながっていきます。安心できるからこそ、次の一歩を踏み出せるのです。

3.「好き」が「誰かのため」に広がっていく

最初は「自分が楽しい」というところから始まったサッカー。けれど、自分の「好き」を認めてもらい、それを通して人とつながる経験を重ねることで、「これを誰かにも伝えたい」「一緒に楽しみたい」という気持ちが生まれました。

これはNIJINアカデミーが大切にしている、「自分を好きになる」「学びを好きになる」「社会を好きになる」という学びの広がりにもつながっています。自分の「好き」が、誰かの笑顔につながる。その経験は、子どもにとって大きな学びになります。

「好き」は、未来につながる学びになる

一見すると、「サッカーが好き」ということは、単なる趣味のように見えるかもしれません。けれど、その「好き」の中にはたくさんの学びがあります。

子どもがしていたことそこで育っているもの
自分で目標を決める主体性
練習方法を考える/もう一度挑戦する試行錯誤する力
挑戦したことを仲間に伝える自己表現・コミュニケーション
仲間から応援される安心感と自己肯定感
今度は自分が誰かを楽しませる他者との協働・社会とのつながり

だからこそ、NIJINアカデミーでは「その子が何を好きなのか」をとても大切にしています。

本来の自分とつながると、子どもは動き始める

子どもが動き出すために、いつも大きなきっかけが必要なわけではありません。「これ好き」「ちょっとやってみたい」。そんな小さな気持ちから始まることがあります。

その気持ちを大人が見つけ、否定せず、急かさず、一緒に面白がる。そして、挑戦したことを仲間が見てくれる。その積み重ねによって、「自分にもできるかもしれない」という気持ちが育っていきます。

今回のストーリーは、「好き」をきっかけに、本来の自分とつながっていく子どもの姿を教えてくれました。

タツロー校長からのメッセージ

「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。「好きなこと以外には取り組めない」と見えていた姿の奥にも、まだ動き出していないだけの力があったのだと思います。

よくある質問

好きなことしかやらないのですが、それで学びになるのでしょうか。
今回のように、「好き」を入り口にして目標設定・試行錯誤・発信・協働といった力が育っていくことがあります。NIJINアカデミーではAI型学習ドリル「navima」で学年を超えた学び直しや先取りもできるため、教科の学習と「好き」を両立させながら進められます。
人前で発表するのが苦手でも、参加できますか。
はい。カメラや音声をオフにしたままの見学・参加や、チャット・リアクションボタンでの参加もできます。今回の生徒も、最初は信頼できる先生と1対1で話すところから始まりました。話せるようになってから参加するのではなく、参加しながら少しずつ、というかたちで大丈夫です。
「マイプロジェクト」は誰でも取り組めますか。
テーマは子ども本人の「やってみたい」から決まります。1:1の専任サポート担任が、何が好きなのか、どこから始められそうかを一緒に見つけるところから伴走します。大きなテーマである必要はなく、リフティングのような身近なものから始まるケースがほとんどです。

まとめ

自分の好きなことに夢中になる。自分で目標を決める。挑戦する。認めてもらう。そして、その「好き」を使って誰かを笑顔にする。学びは、教えられるものだけではありません。自分の中にある「好き」から始まり、人とつながり、社会へと広がっていくこともあります。

NIJINアカデミーはこれからも、一人ひとりの中にある「やってみたい」「面白い」「好き」という内発的なエネルギーを大切に育みながら、その子らしい学びと挑戦を応援していきます。自分の「好き」が、自分をハッピーにする。そしていつか、その「好き」が、誰かのハッピーにもつながっていく。そんな学びの循環を、これからもつくり続けていきます。

笑顔で過ごす子どもの様子(写真はイメージです)
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