仲間のために動きたい、小学6年生の成長物語
子どもが「これをやってみたい」と動き出すとき、その原動力はどこにあるのでしょうか。一人で黙々と好きなことに打ち込む姿も、とてもすてきです。でも、その「好き」が誰かとつながったとき、子どもは思いがけない力を発揮することがあります。
私たちのフリースクール「NIJINアカデミー」には、不登校を経験した子どもたちが、自分のペースで通っています。今日ご紹介するのは、そんな仲間のために動きたい小学6年生の物語です。
私のクラスに、「名司会ペンギンカービーさん」と呼ばれる子がいます。彼はとても司会が上手で、全校ホームルームではみんなを笑わせながら場を盛り上げてくれます。

全校ホームルームでも、堂々とふざけ倒し、みんなの笑いを誘っていました。
でも、私が彼と出会った2年前は、こんな姿はありませんでした。
発表が苦手だった、2年前
出会ったころのカービーさんは、発表がとても苦手な子でした。不登校を経験し、クラス会議で自分の発表の順番がまわってくると、緊張してパニックになってしまう。そんな子だったのです。
一人で好きなことをやっていたいタイプで、ひたすらScratchでゲームやアニメの制作に打ち込んでいました。作ったものをクラスで発表して、みんなに遊んでもらい、感想をもらう。フリースクールという安心できる場所で小さなステップをこつこつと積み重ねてきた結果が、今のあの堂々とした姿につながっています。
「ひとりじゃできない」から生まれた挑戦
大きな転機になったのは、去年のある出来事でした。
「カービー33周年記念ガチャを作りたい。でも、一人ではできないからどうしよう。」そう相談してくれたのです。ちょうどクラスにイラストが得意な子がいたので、その仲間に協力をお願いして、みんなでガチャを作り上げるという経験をしました。
この経験から、カービーさんは大切なことを学びました。「一人ではできないことでも、周りを巻き込めば達成できるんだ。」「チームで頑張ることは、こんなに楽しいんだ。」
▼ 全校ホームルームで司会をするカービーさんの様子はこちら
仲間と一緒に、もっと楽しく
あの日を境に、カービーさんは仲間と一緒に何かを作ることを、心から楽しむようになりました。
今では、「唐揚げシューティング レモンスターズ」というゲームを作るために、敵キャラクターのアイデアコンテストをクラスで開催してアイデアを募集したり、カービークイズを作るために全校ホームルームで呼びかけてクイズのアイデアを集めたり。仲間を巻き込みながら、次々と新しい挑戦を続けています。
そして昨日のこと。全校ホームルームのあとに、こんなDMが届きました。話を聞いてみると、「友だちのマインクラフトの作品がいたずらされたと聞いた。自分もScratchで作品を作っているから、その辛い気持ちがとてもよくわかる。いたずらをなくすために、行動を起こしたい」という提案でした。
彼はこの提案をスライドにまとめ、今週のホームチームで3つのクラスを巻き込んで自分の意見をみんなに伝え、みんなで解決策を作っていく予定です。かつて発表が苦手で、一人で過ごすことが多かった子が、今は仲間のために自分から動こうとしている。その成長に、私は胸が熱くなりました。
私が大切にしたい「子どもの主体」
仲間と共に何かを頑張りたい。みんなの役に立ちたい。楽しませたい。それが、エンターテイナー「ペンギンカービーさん」のありたい姿です。
大人が「こうしなさい」と答えを与えるのではなく、子ども自身が「やってみたい」と思えることを見つけ、仲間とつながりながら、自分の意思で次の一歩を踏み出していく。そのプロセスにこそ、本当の学びと成長があるのだと思います。
不登校は、決して後ろ向きなことではありません。フリースクールという安心できる場所があるからこそ、子どもは失敗を恐れずに「もう一回やってみよう」と前を向くことができます。カービーさんが小さなステップを積み重ね、今のように仲間を巻き込んで挑戦できるようになったのも、そんな安心できる居場所があったからだと思います。
これからも彼は、仲間と一緒に、NIJINアカデミーを盛り上げていってくれることでしょう。その成長を、私はこれからも隣で見守り続けたいと思います。
不登校の子どもたちの「やってみたい」を大切にするフリースクール
NIJINアカデミーは、不登校の子どもたちが安心して過ごせるオンラインフリースクールです。一人ひとりの「知りたい」「やってみたい」という気持ちを大切にし、仲間とつながりながら主体的に学べる居場所を目指しています。安心できる場所だからこそ、子どもたちは何度でも挑戦できます。

