この記事の結論
保健室登校とは、教室には入れないものの、保健室など学校内の特定の場所でなら過ごせる状態です。学校の敷地内に登校しているため、一般には「出席」として扱われ、欠席日数は増えません。ただし成績はテストや提出物の扱いで変わるため、担任と先に確認しておくことが大切です。教室復帰だけをゴールにせず、今できていることを認めることから始めます。
保健室では、休む・プリントで自習する・養護教諭と話すなど、その子に合わせた過ごし方を学校と決めます。中学生は、定期テストや高校入試の調査書の扱いも、担任や進路担当の先生に確かめておくと安心です。
- 保健室登校とはどんな状態か
- なぜ保健室登校から不登校に移行しやすいのか
- 家庭でできるサポートと、学校以外の選択肢

保健室登校とは
保健室登校とは、教室には入れないものの、保健室など学校内の特定の場所でなら過ごせる状態を指します。学校を完全に休んでいるわけではないため、不登校の前段階、あるいは不登校と教室復帰の間にある中間的な状態として位置づけられることが多くあります。
保健室登校は、養護教諭の理解や学校側の受け入れ体制があってはじめて成り立つ仕組みです。学校によって対応の幅は異なり、「保健室に来られている=順調」と単純に判断できるものではないという点は押さえておく必要があります。
「頑張れば教室に戻れる」わけではない
保健室登校をしている子は、教室には入れなくても、学校とのつながりを何とか保とうとしていることが多くあります。これは甘えではなく、本人なりの精一杯の頑張りであるケースがほとんどです。「早く教室に戻ろう」と急かすことは、かえって負担を大きくしてしまうことがあります。
| いる場所 | 出席の扱い | 向いている状態 | |
|---|---|---|---|
| 保健室登校 | 保健室 | 出席 | 体調不良の訴えが強い/養護教諭との関係がある |
| 別室登校 | 相談室・空き教室など | 出席 | 人の出入りが少ない場所のほうが落ち着く |
| 教室への部分登校 | 教室(特定の授業のみ) | 出席 | 受けたい授業がはっきりしている |
| 不登校(家庭で過ごす) | 家庭 | 欠席(要件を満たせば出席扱いの制度あり) | 登校そのものが強い負担になっている |
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保健室登校では何をする?過ごし方の例
保健室登校で何をするかは、学校とその子の様子によって違います。決まった時間割があるわけではなく、本人の体調や気持ちに合わせて、担任・養護教諭と相談しながら決めていくのが一般的です。よくある過ごし方の例をまとめます。
| 過ごし方 | 内容の例 | 学校と決めておくこと |
|---|---|---|
| 休む・体調を整える | いすやベッドで休む、養護教諭に体調や気持ちを話す | 休む時間の長さ、早めに帰る判断のしかた |
| 自習する | 担任から受け取ったプリントやドリル、タブレットの課題に取り組む | 課題の受け取り方と出し方、だれが見てくれるか |
| 話す | 養護教諭やスクールカウンセラーと話す | 話した内容を担任や保護者とどこまで共有するか |
| 少しずつ広げる | 本人が望むときに、給食や好きな授業だけ教室で過ごす | 教室に行くかどうかを本人が選べること |
| ほかの利用者が来たとき | 保健室には、けがや体調の悪い子も来る | 人が来たときに移れる場所(相談室など)があるか |
保健室登校になるには|最初に相談する人と伝えること
保健室登校は、子どもや保護者が「保健室なら行けそう」と感じたときに、担任や養護教諭に相談して始まることが多い形です。学校によって受け入れ方が違い、決まった申し込みの手続きがあるとは限りません。相談するときは、次のことを伝えると話が進みやすくなります。
- 教室に入るのがつらそうな様子(いつ・どんな場面で)
- 保健室なら過ごせそうな時間帯や長さ
- 学習のプリントや連絡の受け取り方の希望
- だれに相談しやすいか(担任・養護教諭・スクールカウンセラーなど)
なぜ保健室登校から不登校に移行しやすいのか
保健室が、安心できる居場所ではなく「学校に来ている体裁を保つための場所」になってしまうと、そこにいること自体が苦痛に変わっていきます。休み時間や登下校の時間帯に教室の友人と顔を合わせるかもしれないというプレッシャーや、養護教諭の異動・体制の変化によって居場所が不安定になることも、負荷につながります。
こうした負荷が積み重なると、保健室に行く日と行けない日が徐々に増えていき、やがて完全に学校へ足を運べなくなる、という経過をたどることがあります。特に、朝は行けそうだったのに登校直前になって体調不良を訴える、帰宅後に強い疲労感を見せる、といったサインが続く場合は、無理を重ねているサインかもしれません。
保健室登校は出席になるのか|出席・評価・進路の扱い
保健室登校を続けるかどうかを決めるとき、多くの保護者が最初に気にするのがこの点です。順に整理します。
出席の扱い:保健室登校は学校の敷地内に登校しているため、一般には「出席」として扱われます。欠席日数は増えません。ただし、遅刻・早退をどう記録するかは学校ごとに運用が分かれるので、始める時点で確認しておくと後で困りません。
成績(評価)の扱い:ここが分かれ目です。教科の学習をどれだけ受けられたかで判断されるため、テストを保健室で受けられるか、提出物で代えられるかを先に決めておく必要があります。「出席はしているのに評定がつかない」という事態は、事前に取り決めておくと防ぎやすくなります。
進路(高校入試)の扱い:調査書で欠席日数が見られることはありますが、保健室登校は欠席ではありません。不安があれば、3年生になる前に担任と確認しておくと慌てずに済みます。
保健室が合わない、人の出入りが負担だという場合は、別室登校という形もあります。登校そのものが難しくなってきたときは、家庭でのオンライン学習を不登校 出席扱いとして認めてもらう制度があるので、行けなくなる前に確認しておいてください。中学生で消耗が強い場合はASD 中学生の見分け方も参考になります。

中学生の保健室登校|成績・高校受験で確かめたいこと
中学生になると、教科ごとに先生が変わり、定期テストや高校入試の調査書もかかわってきます。保健室登校を始めるときや続けるときに、学校と確かめておきたいことを表にまとめます。
| 確かめること | 中学生で気をつけたい点 |
|---|---|
| 授業の課題 | 教科ごとに先生が違うため、プリントの受け取り方と提出のしかたを教科ごとに決める |
| 定期テスト | 保健室や別室で受けられるか、時間をずらして受けられるか |
| 評定(通知表) | テストや提出物を評価にどう使うかを、教科ごとに確認する |
| 調査書・高校入試 | 出欠や評定の扱いは、都道府県や志望校、選抜のしかたで違う。進路担当の先生と募集要項を確認する |
| 部活動・行事 | 参加するか、どんな形で参加するかを本人と相談して決める |
「中学生なのに保健室にいる」と本人が自分を責めていることもあります。今の過ごし方で学校とつながっていることを、まずは認めてあげてください。
家庭でできるサポート
保健室登校ができている「今」を、まずはそのまま認めることが大切です。教室復帰を唯一のゴールに設定してしまうと、保健室にいることさえ「まだ足りない」と本人が感じてしまいかねません。
あわせて、学校の中だけに居場所を限定せず、家庭や学校以外の場所にも安心できる時間を並行して持っておくことが、負荷を分散させる助けになります。学校に行けない日が増えてきた段階で、フリースクールやオルタナティブスクールといった選択肢を早めに検討しておくことも、親子の安心材料になります。「まだ完全な不登校ではないから」と選択肢探しを先延ばしにせず、状態が安定しているうちに情報収集をしておくと、いざというときに慌てずに済みます。
| ステップ | やること | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 1 | 保健室にいる時間の長さを決める(最初は1〜2時間) | 延ばす条件・減らす条件 |
| 2 | その時間に何をするかを決める(学習・休息どちらでも可) | 学習を求めない日があってよいこと |
| 3 | テスト・提出物の扱いを担任と確認する | 評定のつけ方 |
| 4 | 2週間ごとに本人と振り返る | 本人が続けたいか、形を変えたいか |
| 5 | 教室復帰を目標に固定しない | 教室以外の選択肢も並べておく |

学校に「行く/行かない」以外の選択肢
保健室登校が不安定になってきたとき、「教室に戻すか、休ませるか」の二択で考えるのではなく、学校以外で学びを続けられる場を選択肢に加えることで、焦らずに次の一歩を考えられるようになります。
出席への不安に、学習記録と連携体制で応える
NIJINアカデミーでは、カメラ・音声オフでの見学やチャットでの参加も可能で、少しずつ、無理のない範囲から参加を始められます。8〜10人の少人数制クラスと1:1の専任サポート担任により、「今日はどこまで参加できそうか」を本人のペースに合わせて相談しながら進められます。
| チェック | サイン |
|---|---|
| □ | 保健室登校が3か月以上続き、時間が伸びていない |
| □ | 保健室に行くこと自体をしぶり始めた |
| □ | 朝の身支度にかかる時間が日に日に長くなっている |
| □ | 「学校に行けない自分」を責める言葉が出る |
| □ | 家でも笑わない日が続いている |
| □ | 学習が半年以上止まったままになっている |
NIJINアカデミーならではの学び方
NIJINアカデミーは、2021年度まで小学校教員を務めた星野達郎校長が、「学校では本来の姿を出せない子どもたち」と数多く出会った経験から立ち上げたオルタナティブスクールです。小中学校の不登校は全国で過去最多の35万人を超えるとされ(文部科学省、2024年度)、学校という単一の環境だけでは、心身の状態に合わせた学びを続けられない子どもが数多くいます。
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出席認定を希望する生徒の9割以上が在籍校の出席認定を獲得しています(2025年4月時点、株式会社NIJIN公式プレスリリースより)。学習記録や在籍校・教育委員会との連携体制が、その背景にあります(最終判断は在籍校による)。保健室登校で出席日数が不安定になりがちな場合にも、心強い実績です。
よくある質問
まとめ
保健室登校は、本人なりに学校とのつながりを保とうとしている状態であり、甘えではありません。教室復帰だけをゴールにせず、「今」の頑張りを認めながら、フリースクールやオルタナティブスクールのように学校以外でも学びを続けられる選択肢を早めに用意しておくことで、親子ともに焦らずに次の一歩を考えられます。


