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起立性調節障害で朝起きられない|それ、甘えじゃありません

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公開日:2026年7月/最終更新日:2026年8月21日
朝は頭痛やめまい、強い倦怠感でどうしても起き上がれないのに、午後になると症状が落ち着いてくる——。それは「甘え」ではなく、起立性調節障害(OD)という体の疾患のサインかもしれません。この記事では、起立性調節障害が不登校と誤解されやすい理由と、午後からでも学びを続けられる選択肢について解説します。
この記事でわかること
  • 起立性調節障害(OD)とはどのような状態か
  • 「不登校」「甘え」と誤解されやすい理由
  • 午後からでも学べる、柔軟な学びの選択肢

起立性調節障害(OD)とは

起立性調節障害は、自律神経の調整がうまく働かず、立ち上がったときや朝の時間帯に血圧や心拍のコントロールが乱れることで、めまい・立ちくらみ・頭痛・強い倦怠感などの症状が出やすくなる身体疾患です。思春期に発症しやすく、朝に症状が強く出て、午後から夕方にかけて回復していく傾向があることが知られています。

症状の程度や経過には個人差があり、この記事の内容だけで診断できるものではありません。思い当たる症状が続く場合は、小児科や思春期外来など医療機関に相談することが大切です。

起立性調節障害の発症率|どれくらいの子どもに見られるのか

起立性調節障害は、決して珍しい疾患ではありません。日本小児心身医学会などの報告によれば、軽症例も含めると小学生の約5%、中学生の約10%に見られるとされ、思春期に発症しやすい身体疾患です。さらに、不登校の子どもの約3〜4割にこの疾患が併存しているという報告もあり、「朝起きられない」という症状の背景に起立性調節障害が隠れているケースは少なくありません。

机に突っ伏して疲れた様子の子ども

セルフチェック|起立性調節障害のサインかもしれない症状

以下は、起立性調節障害改善協会などが示す代表的な症状を参考にした、家庭で確認しやすいチェックリストです。診断を行うものではありませんが、受診を検討する目安として活用してください。

家庭でできるセルフチェック
  • 朝、なかなか起きられず、起きても顔色が悪い
  • 立ち上がったときにめまい・立ちくらみがある
  • 朝に強い倦怠感や頭痛を訴えるが、午後は比較的元気になる
  • 入浴中や、長時間立っているときに気分が悪くなる
  • 動悸・息切れを感じることがある
  • 食欲不振や、乗り物酔いしやすい傾向がある
  • 顔色が青白く、少し動くと疲れやすい
  • こうした症状が2週間以上続いている
ここが大切

複数の項目に当てはまり、症状が2週間以上続く場合は、まず小児科・思春期外来を受診し、専門的な診断を受けることをおすすめします。自己判断で様子を見続けると、症状が長引く場合があります。

なぜ「不登校」「甘え」と誤解されやすいのか

起立性調節障害は、採血や画像だけでは分かりにくく、外見からも症状が伝わりにくい疾患です。「朝は起きられないのに、午後は元気そう」という状態が、周囲から「怠けている」「学校に行きたくないだけ」と誤解される原因になりやすく、本人が一番つらい思いをしているケースが少なくありません。

誤解が自己肯定感を奪ってしまう

「甘え」と繰り返し言われることで、本人が自分を責めるようになり、症状にさらに不安やストレスが重なってしまうこともあります。まずは身体の状態として理解し、無理に朝から登校させることを最優先にしない視点が必要です。

背景データ

不登校は全国で過去最多の34万人にのぼるとされ、学校という単一の環境・時間割だけでは、心身の状態に合わせた学びを続けられない子どもが数多くいます。学校に行かないことそのものを問題視するのではなく、学びを続けられる仕組みをどう用意するかが本質的な課題です。

治るまでの期間の目安

起立性調節障害の回復期間には個人差があり、一概には言えません。軽症であれば、生活リズムの見直しや水分・塩分摂取、適度な運動などにより数週間〜数か月で症状が落ち着くこともあります。一方で、発症から2〜3年ほどかけて少しずつ軽快していくケースも多いとされ、大半の子は高校を卒業する頃までには症状が目立たなくなっていきます(出典:一般社団法人 起立性調節障害改善協会)。

ここが大切

回復までの期間が読めないこと自体が、本人にとっても保護者にとっても大きな不安の種になります。「いつ治るか」だけにとらわれすぎず、症状と付き合いながら学びや生活をどう続けるかという視点を持つことが、長い経過を乗り越える助けになります。

医療機関との連携|受診から治療までの流れ

症状が疑われる場合は、まず小児科(可能であれば思春期外来や起立性調節障害の診療経験がある医療機関)を受診します。問診や起立試験(新起立試験)などにより重症度を評価し、生活指導・水分や塩分摂取の指導・薬物療法などを組み合わせて治療方針が決まります。

受診から治療までの一般的な流れ
  • 問診・症状の確認(いつ・どんな症状が出るか)
  • 新起立試験などによる重症度の評価
  • 生活指導(水分・塩分摂取、下肢の運動、睡眠リズムなど)
  • 必要に応じた薬物療法の検討
  • 学校・学びの場との情報共有、経過観察

学校生活への影響が大きい場合、診断書や医師の指導内容を学校と共有しておくことで、遅刻・欠席への理解や、出席の扱いについての相談がしやすくなることがあります。

自宅の机で一人静かに勉強する女の子

午後からでも学べる、柔軟な学びの選択肢

起立性調節障害の子にとって、「朝9時から教室にいること」を前提にした学校生活は負荷が大きくなりがちです。フリースクールやオルタナティブスクールのように、時間割を柔軟に選べる場を検討することで、症状が落ち着く午後からでも無理なく学びを続けられます。

時間割を選べる、少人数制の学び

NIJINアカデミーでは、oviceを使ったバーチャル校舎にいつでも入ることができ、体調が回復する時間帯に合わせて授業に参加できます。8〜10人の少人数制クラスと1:1の専任サポート担任により、「今日は午後から」「今週は少し減らす」といった調整も、本人の状態に合わせて相談しながら進められます。

実績データ

出席認定を希望する生徒の97%が在籍校の出席認定を獲得しています(2025年1月時点、株式会社NIJIN公式プレスリリースより)。学習記録や在籍校との連携体制により、体調に合わせた学び方でも出席として扱われるケースがあります(最終判断は学校による)。

よくある質問

起立性調節障害は病院に行くべきですか?
朝起きられない状態が続く、めまいや強い倦怠感がある場合は、自己判断で様子を見るのではなく、小児科や思春期外来などの医療機関に相談することをおすすめします。診断や治療方針は医師の判断によります。
学校を休みがちでも、出席として扱われることはありますか?
文部科学省の通知に基づき、一定の条件のもとで学校以外での学習が指導要録上の出席として扱われる制度があります。ただし判断は在籍校によるため、学習記録や連携の仕組みを整えておくことが重要です。
起立性調節障害は何歳頃に多いですか?
小学校高学年から高校生にかけて、特に中学生の時期に多く見られます。成長期のホルモンバランスの変化が関係していると考えられています。
午前中の授業を欠席しがちですが、勉強の遅れが心配です。
症状が落ち着く午後の時間帯や、オンラインなど時間割を柔軟に選べる学びの場を活用することで、体調に合わせながら学習を続けることができます。
起立性調節障害は自然に治りますか?
軽症であれば生活習慣の改善で数週間〜数か月ほどで落ち着くこともありますが、発症から2〜3年ほどかけて少しずつ軽快していくケースも多く見られます。経過には個人差があります。
セルフチェックに当てはまったら、家庭だけで診断できますか?
いいえ、診断は医療機関でのみ行われます。この記事のセルフチェックはあくまで受診を検討する目安であり、診断を代替するものではありません。
朝起きられないのは怠けているだけではないのですか?
起立性調節障害は自律神経の調整がうまく働かないことによる身体疾患であり、本人の意思の弱さや甘えが原因ではありません。医学的な理解に基づいた対応が必要です。
きょうだいや友人にどう説明すればいいですか?
「体の調子が理由で朝がつらい状態が続いている」という事実を、シンプルに伝えることをおすすめします。本人の頑張りが伝わりにくい症状のため、周囲の理解を得る工夫も大切です。

まとめ

起立性調節障害による「朝起きられない」は、甘えではなく身体の状態によるものです。医療機関での相談を土台にしながら、学校という単一の時間割にこだわらず、フリースクールやオルタナティブスクールのように午後からでも学べる柔軟な環境を選択肢に加えることで、本人の体調に合わせた学びを無理なく続けられます。

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参考文献