ADHDの子が嘘をつくように見えるとき|責める前の確認

ADHDの子が嘘をつくように見えるとき|責める前の確認|タイトル入りサムネイル(AI生成)

子どもの発達・学びと暮らしの工夫

「宿題は終わった」と言ったのに残っていた。「持っていない」と言った物がかばんにあった。ADHDのある子の言葉が事実と違う時も、すぐに「嘘つき」と決めず、何を確認すればよいか考えましょう。

先に押さえたいこと:ADHDの子全員が嘘をつくということはありません。記憶違い、質問の理解、叱られる不安、意図的に隠した場合などを決めつけず整理し、事実確認と次の対応を分けます。
保護者が子どもの話を落ち着いて聞くイメージ
AI生成のイメージ画像です。実際のNIJINの授業・利用者を写したものではありません。

CHAPTER 01言葉が違った理由を、一つに決めない

「終わった」は書き始めたことを指していた、別の日の宿題と混ざっていた、質問を急いで受け取ったなどの可能性があります。一方、叱られたくなくて隠す場合もあり、外から意図を断定することはできません。

本人の説明を聞く前に、ADHDだから仕方がないと全て済ませることも避けます。何が起きたかを確かめ、困っている相手がいるなら必要な対応を考えます。人柄の評価と具体的な行動は分けましょう。

CHAPTER 02問い詰めるより、一緒に確認できる物を見る

「本当に? 絶対?」を重ねると、本人が答えを変えにくくなる場合があります。「どこまで終わったか一緒に見よう」と、プリントや連絡帳など確認できる物を見ます。

見つからない時は、探した場所と次に確認する場所を決めます。答えが分からない時に「分からない」と言ってよいことも伝え、正解を当てる会話にしないようにしましょう。

困りごとを整理する例(診断のための表ではありません)
場面・様子 確認と工夫の例
宿題は終わったと言う 終わった範囲を実物で一緒に確認する。
物がないと言う 最後に使った場面と探した場所を整理する。
後から説明が変わる 訂正できたことを受け止め、次の対応を決める。
持ち物を決めた箱や場所へ戻す子どものイメージ
AI生成のイメージ画像です。実際のNIJINの授業・利用者を写したものではありません。

CHAPTER 03事実を伝え直せた時の、大人の対応

後から「実は終わっていない」と言えたなら、まず教えてくれたことを受け止めます。問題への対応は必要ですが、訂正した瞬間に強く責めると、次に伝えることが難しくなるかもしれません。

「今からどこまでできるか確認しよう」「先生に何と伝えようか」と次へつなげます。代わりに大人が全部言い訳するのではなく、本人が説明できる短い言葉を一緒に作る方法があります。

家庭・学校で試すための架空の例

「嘘をついたでしょう」を「終わったつもりだったんだね。今、残っている所を見よう」に変える例です。故意かどうかをその場で決着させるより、提出に必要な行動を一つ決めます。

CHAPTER 04友達や学校が関係する時は、双方の情報を聞く

持ち物やトラブルでは、本人の話だけで相手を責めたり、相手の話だけで本人を嘘つきにしたりしないことが大切です。先生にも、見た事実と人から聞いた内容を分けて確認します。

言葉の食い違いが繰り返し、本人や周囲が大きく困っている場合は、学校や相談機関と状況を整理します。家族だけで意図を見抜こうとせず、伝え方や確認の仕組みから援助を考えましょう。

訂正する言葉を、落ち着いた時に練習する

「さっきの話を直してもいい?」「覚えていないから確認したい」といった短い言葉を大人も使って見せます。間違いを認めると全てが罰につながる関係にせず、事実を伝え直して対応を考える流れを共有しましょう。

友達の持ち物や金銭などが関係する場合は、家族だけで結論を決めず、学校など必要な大人へ確認します。被害があれば対応が必要ですが、本人の名前や診断を周囲へ広めることは解決策になりません。必要な相手と情報を絞って整理します。

CHAPTER 05記録は、困った場面と楽だった条件を一緒に

相談用の記録は、診断の点数を付けるものではありません。いつ、どこで、何を求められ、実際に何が起きたかを短く残します。「だらしない」「やる気がない」といった評価より、見聞きした事実と本人の言葉を分けて書くことが役立ちます。

うまくいった条件も同じくらい大切です。説明が短かった、静かな場所だった、自分で選べたなど、少し負担が減った時の違いを残しましょう。毎日全てを記録せず、相談したい一場面からで構いません。子どもを一日中観察の対象にしないことも大切です。

家庭と学校の様子が違う場合は、どちらかにそろえる必要はありません。人の多さ、時間帯、課題、疲れなど条件の違いを持ち寄ります。記録は必要な先生や専門家に絞って共有し、クラスの連絡グループなどへ個人情報を広げないようにしましょう。

保護者と先生がノートを見ながら支援を相談するイメージ
AI生成のイメージ画像です。実際のNIJINの授業・利用者を写したものではありません。

CHAPTER 06家庭で続けるために、大人の役割も小さくする

家庭の支援は、保護者が一日中声をかけ続ける形では長続きしません。本人がする部分と、大人が準備する部分を分け、毎回同じ方法で確認できるようにします。道具を買う前に、今ある場所や紙でできることから試して構いません。

きょうだいや家族と、できる速さだけを比較しないことも大切です。必要な援助は子どもによって違います。家族で役割を分担する場合は、毎回違うルールを伝えないよう、使う短い言葉や確認する場所だけでも共有しましょう。

保護者が疲れ切っている時は、方法を減らす、別の大人へ頼む、相談窓口を利用することも選択肢です。家庭だけで全てを解決する必要はありません。本人への支援と合わせて、大人が休める時間や相談できる相手を確保しましょう。

CHAPTER 07学ぶ環境を選ぶ時に、本人の安心も確かめる

困難を減らす工夫を考える時は、どんな場所なら質問しやすいか、どのくらいの人数なら参加しやすいかも本人と話してみましょう。環境を変えることと、必要な医療の相談は並行して考えられます。学校・学級の選び方を考える参考として、星野達郎による次の動画を紹介します。

「発達障害なら支援級に入れるべき?」は教育的な見解を紹介する動画です。診断や治療を説明する動画ではなく、診断名だけで学級を決めるものでもありません。

Q & Aよくある質問

Q. 嘘をつくのはADHDの特徴ですか?
一括りにはできません。事実と違う言葉の背景を、診断名から決めつけないことが大切です。
Q. 責めなければ、何も注意しなくてよいですか?
必要なルールや相手への対応は伝えます。人格を否定せず、事実と次にする行動を具体的に扱います。

学びやすい条件を、一緒に考える一歩に

学校以外の学びも知りたい方は、NIJINアカデミーの活動や参加条件を確認できます。医療的な診断・治療の場ではありません。お子さまの希望、学習の進め方、相談できる体制を確かめながら、合う環境を探してみませんか。

専任サポートの内容を確認する

REFERENCES参考資料

本記事は教育・生活上の一般的な情報です。具体例は支援を考えるための提案であり、診断、検査、治療の代わりではありません。医療上の判断は医師へ、支援制度や学校での実施条件は各窓口へ確認してください。参考資料確認:2026年10月25日。