子どもの発達・学びと暮らしの工夫
課題の締切、欠課時数、進路の準備。高校では自分で管理する範囲が増え、学力とは別のところでつまずくことがあります。ADHDのある高校生と保護者に向けて、在籍校で確認したいことと学び方の選択肢を整理します。

CHAPTER 01「まだ大丈夫」と推測せず、教科ごとに確認する
同じ未提出でも、評価への影響や追加提出の扱いは学校や教科によって異なります。欠席や欠課の計算も自己判断せず、担任や教務担当に、現在の状況と相談できる期限を確認します。
成績表だけでは分からない時は、未提出の課題名、提出先、締切、担当者を一枚にまとめます。間に合わない可能性がある課題は放置せず、代替方法や補える機会の有無を本人から尋ねる支援をします。
CHAPTER 02合理的配慮は、評価を無条件に変えることではない
説明を紙でも示す、提出手順を明確にするなど、学習に参加するための調整を学校と相談します。必要な配慮は個別に検討され、希望した内容がそのまま一律に適用されるとは限りません。
診断書など必要な資料や申請方法、誰と話し合うかを確認しましょう。「ADHDなので単位をください」ではなく、「締切の把握が難しいため、課題一覧を定期的に確認したい」と困難と方法を伝えます。
| 場面・様子 | 確認と工夫の例 |
|---|---|
| 課題が残っている | 教科担当に現在の扱い、追加提出の期限を確認する。 |
| 欠課が増えている | 在籍校の基準と今後の見通しを教務担当に聞く。 |
| 学び方を変えたい | 単位の引継ぎ、支援体制、費用を候補校ごとに比べる。 |

CHAPTER 03進路は、偏差値だけでなく生活の条件も比べる
通学時間、授業形態、課題の提出方法、相談できる担当者などを比較します。全日制、定時制、通信制といった区分だけで合う・合わないを決めず、実際の学校の仕組みを確かめます。
転学や編入を考える場合は、修得済み単位の扱い、入学時期、卒業までの見通し、費用を各校に確認します。「通信制なら簡単」と決めつけず、レポートや登校の自己管理を支える体制も見ましょう。
家庭・学校で試すための架空の例
「数学の課題が三つ残っています。今週は一つを出せます。残りについて、いつまでなら受け付けられるか、評価の扱いを確認したいです」と、事実と見通しを伝える例です。可否は学校が判断します。
CHAPTER 04卒業後に支援を引き継ぐ準備
大学や専門学校の入学試験・修学上の配慮は、それぞれの窓口と期限を確認する必要があります。高校で使えた工夫が自動で引き継がれるとは限らないため、本人が説明できる資料を整えます。
診断名の説明に加え、「口頭の予定は抜けやすいが、一覧があると確認できる」など生活上の条件をまとめます。就職を考える場合も、学校の進路担当や地域の相談窓口と早めにつながりましょう。
相談の期限を、一枚にまとめる
課題の締切、三者面談、配慮の申請などは、それぞれ担当と期限が違います。手続きを覚えておくことだけを本人に求めず、確認する日と連絡先を見える形にします。期限が不明な所は推測で埋めず、学校へ問い合わせる項目として残します。
見学や進路相談では、学校そのものと、学習を補助する施設の役割を分けて確認しましょう。高等学校の在籍先、卒業資格を出す学校、追加の支援費用がどこに対応するかを整理すると、名称だけで選ぶことを避けられます。契約や転学を急がず、条件を比較します。
CHAPTER 05学校との相談を、一つのお願いから始める
担任へ相談する時は、困りごと、家庭で役立った方法、本人の希望を一つずつ伝えます。「配慮してください」で終わらせず、どの場面で誰が何をするかを話し合うと、実行する方法を共有しやすくなります。学校の状況も聞き、できる範囲を確認しましょう。
担任だけで調整が難しい場合は、特別支援教育コーディネーターやスクールカウンセラーなどへの相談も考えられます。担当者の名称や配置は学校で異なります。特定の制度を利用する条件と、日々の授業で試す工夫を分けて確認してください。
決めた方法には、確認する時期も添えます。困難が減ったかだけでなく、本人が道具を使いやすかったか、人前で恥ずかしくなかったかも聞きます。合わなければ努力不足とせず、量や示し方を変え、学年や担当者が変わる時には役立った条件を引き継ぎましょう。

CHAPTER 06工夫の成果は、本人の負担から確かめる
試す方法は、一度に増やし過ぎないようにします。最初に本人と困る場面を選び、使う道具、大人が手伝う部分、確認する時期を決めます。できたかどうかを競うのでなく、前より取り組みやすくなった条件を探すための試行です。
振り返る時は、終えた量だけでなく、疲れ方、声かけの回数、助けを求めやすさも確かめます。見た目には成功していても、本人が強く我慢しているなら調整が必要かもしれません。保護者や先生が無理なく続けられるかも含めて考えましょう。
体調の変化や強いつらさが続く場合、工夫を完成させるまで相談を待つ必要はありません。学校、自治体の発達相談、子どもの発達に対応する医療機関などへ、生活への影響を伝えます。対象年齢や予約方法は窓口の公式案内で確認してください。
CHAPTER 07学ぶ環境を選ぶ時に、本人の安心も確かめる
困難を減らす工夫を考える時は、どんな場所なら質問しやすいか、どのくらいの人数なら参加しやすいかも本人と話してみましょう。環境を変えることと、必要な医療の相談は並行して考えられます。学校・学級の選び方を考える参考として、星野達郎による次の動画を紹介します。
「発達障害なら支援級に入れるべき?」は教育的な見解を紹介する動画です。診断や治療を説明する動画ではなく、診断名だけで学級を決めるものでもありません。
Q & Aよくある質問
- Q. 診断があれば進級できますか?
- 診断だけで進級や単位が保証されるわけではありません。学校の基準と必要な調整をそれぞれ確認します。
- Q. NIJINアカデミーは高校生も対象ですか?
- 公式案内の主な対象は小学1年生から中学3年生です。高校生の在籍先や卒業資格の相談は、各校・教育相談窓口へ確認してください。
学びやすい条件を、一緒に考える一歩に
NIJINアカデミーの公式案内の主な対象は小学1年生から中学3年生です。高校生の入学先や卒業資格を保証する案内ではありません。高校の学び直しや進路は在籍校・各教育相談窓口へ確認し、小中学生のご家族は下記から活動内容と対象条件を確認してください。
REFERENCES参考資料
- 国立特別支援教育総合研究所|ADHDの基礎知識
- 国立特別支援教育総合研究所|ADHDのある子どもの支援
- 発達障害ナビポータル|発達障害者支援センターの相談
- 文部科学省|通信制高等学校情報発信サイト
- 国立特別支援教育総合研究所|合理的配慮
本記事は教育・生活上の一般的な情報です。具体例は支援を考えるための提案であり、診断、検査、治療の代わりではありません。医療上の判断は医師へ、支援制度や学校での実施条件は各窓口へ確認してください。参考資料確認:2026年10月25日。

