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「もっと自信を持ってほしい」「自分を好きでいてほしい」。そう願ってたくさん褒めているのに、子どもの表情が晴れない——そんな手応えのなさを感じていませんか。
この記事では、自己肯定感の正しい意味から、家庭でできる具体的な声かけ、やってはいけないNG対応、そして「褒めるだけでは上がらない」本当の理由まで、順を追って解説します。
そもそも「自己肯定感」とは?3つの種類がある
自己肯定感とは、ひとことで言えば「ありのままの自分を、価値ある存在として受け入れられる感覚」です。ただし、実は中身は一枚岩ではありません。大きく3つに分けて考えると、わが子に何が足りないのかが見えてきます。
図1|3つの自己肯定感
絶対的な自己肯定感
何ができなくても「自分は大丈夫」と思える土台。ここがいちばん大切
社会的な自己肯定感
「誰かの役に立てた」「認められた」という、人との関わりの中で育つ感覚
条件つきの自己肯定感
「できたから偉い」という、成果に紐づく感覚。これだけに偏ると崩れやすい
多くのご家庭が③(できたら褒める)に偏りがちです。でも本当に育てたいのは①の土台と、②の「誰かに受け取られる」感覚です。
データ:日本の子どもの自己肯定感は、世界でも低い水準
「うちの子だけ自信がないのでは」と感じるかもしれませんが、これは日本全体の傾向でもあります。
内閣府が日本を含む7か国の13〜29歳を対象に行った調査では、「自分自身に満足している」と答えた日本の若者は45.1%。アメリカ(86.9%)やドイツ(81.8%)など他の6か国と比べて突出して低い結果でした。つまり、自己肯定感が育ちにくいのは個人の問題というより、日本の子どもが置かれた環境の傾向でもあります。だからこそ、家庭での関わりが効いてきます。
出典:内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(平成30年度/『令和元年版 子供・若者白書』)。数値は当該調査年のものです。
「すごいね」を増やしても上がらない、2つの理由
よかれと思っての「すごい!」「天才!」が、逆に効かなくなることがあります。
- 結果だけを褒めると、失敗が怖くなる。「すごい子でいなきゃ」というプレッシャーに変わり、難しいことに挑戦しなくなります(前述の③に偏る状態です)
- 本人が実感していない褒めは、届かない。「お母さんはそう言うけど」——自分でできたと思えていないことを褒められても、心には残りません
自己肯定感は外から注ぎ込むものではなく、本人の中で「できた」が積み上がって育つものです。
やりがちなNG接し方と、OKな声かけ
良かれと思ってかけている言葉が、実は自己肯定感を下げていることがあります。言い換えの具体例を挙げます。
図2|声かけの言い換え例
| つい言いがち(NG) | 言い換え(OK) |
|---|---|
| 「なんでできないの?」 | 「どこで つまずいたか、一緒に見てみよう」 |
| 「お兄ちゃんはできたのに」 | 「前のあなたより、ここが伸びたね」 |
| 「すごい!天才!」(結果だけ) | 「毎日コツコツ続けてたもんね」(過程) |
| 「早くしなさい」 | 「どっちから やろうか、自分で決めていいよ」 |
| 「そんなこと気にしないの」 | 「そう感じたんだね」(まず受けとめる) |
ポイントは、他人と比べない・結果でなく過程を見る・気持ちをまず受けとめるの3つです。
自己肯定感が低い子に見られるサイン
次のような様子が続いていたら、自己肯定感が下がっているサインかもしれません。責める材料ではなく、関わりを見直すきっかけとして見てください。
こんなサインはありませんか
- 「どうせ自分なんて」「できない」が口ぐせになっている
- 新しいことや失敗しそうなことを避ける
- 些細な失敗を、必要以上に引きずる
- 人前で意見を言えない・自分で決められない
- 褒められても素直に受け取れず、否定する
自己肯定感が育つ4つの段階
図3|「できた」が自信になる順番
やってみる
好きなこと・興味のあることに手を出す
できた、を自分で感じる
誰かに言われる前に、本人が手応えをつかむ
誰かに受け取られる
家族以外の人が、それを本気で見てくれる
また挑戦したくなる
「自分はできる」が、次の一歩の力になる
多くのご家庭は①②までできています。つまずきやすいのは③です。
家庭でできる3つのこと
1|結果ではなく、過程を言葉にする
「100点すごい」ではなく「毎日コツコツやってたもんね」。本人がコントロールできたこと(努力・工夫)を具体的に言葉にすると、次も頑張れます。
2|小さな決定権を渡す
今日の予定、夕飯のメニュー、宿題の順番。自分で決めてやり切る経験が「自分でできる」の土台になります。低学年ほど「2つから選ばせる」形が有効です。
3|「好き」を邪魔しない
何時間も続けられる何かがあるなら、それは強みの芽です。中断させず、環境を整えてあげてください。

ただし、家庭だけでは届かない層がある
家族からの承認は、その子にとってすでに手に入っているもの。何度もらっても届かない部分があります。
図4|家族の承認と、外の承認は別もの
家族からの「すごいね」
- もう手に入っている安心
- 「言ってくれるのは当然」と感じる
- 何度もらっても上限がある
家族以外からの承認
- 初めての、予測できない承認
- 「知らない人が本気で見てくれた」
- 自己認識そのものが変わる
だからこそ、③の「家族以外に受け取られる経験」を、どこかで一度つくってあげたい。いきなり大きな舞台でなくて構いません。祖父母に見せる、習い事の発表会に出る——そんな小さな一歩から始められます。
「個性が価値になる」体験ができる場
その一歩として、私たちが2026年11月に開催するNIJIN教育万博2026があります。「その“好き”が、価値になる。」を掲げた、子どもの挑戦を社会が受け取る2日間です。成功体験のハードルは、できるだけ低くしてあります。
- 子どもプレゼンコンテスト(10/18締切)——好きなこと・調べたことを話すだけ。予選はスマホで撮った1〜2分の動画でOK
- パフォーマンスコンテスト(9/30締切)——歌・ダンス・けん玉・一発芸、ジャンル自由。順位とは別に「レインボーブザー」という特別賞があります
- 当日の来場(11/21・22、入場無料)——企業ブースをまわって体験すると、この日だけの通貨「タラント」がもらえます。テストの点数はいっさい関係なし。夢中になった分だけ、個性が“価値”になって返ってきます
「知らない大人に、本気で受け取られた」——その一回が、自己肯定感を変えます。
教育万博のコンテスト・来場情報を見るよくある質問
甘やかすことと、自己肯定感を高めることは違うのですか?
思春期からでも自己肯定感は育ちますか?
親の自己肯定感も関係しますか?
まとめ
自己肯定感は、褒めて注ぎ込むものではなく、本人の中に「できた」が積み上がって育つものです。他人と比べず過程を認め、決定権を渡し、好きを守る。そして時々、家族以外の誰かに受け取ってもらう機会をつくる。順位も賞もいりません。その積み重ねが、いちばん確かな自信になります。
※気分の落ち込みが長く続く、食欲や睡眠に影響が出ているなどのサインがある場合は、無理に成功体験を促すより先に、スクールカウンセラーや医療機関などの専門家にご相談ください。

