人生の目標がないです」たけんぴさん/中学2年生・将棋アマ四段
「将来の夢を聞いても、『わからない』としか返ってこない」「好きなことはあるのに、進路の話になると黙ってしまう」。そんな気持ちを抱えている保護者の方へ。
目標は、いま決まっていなくて大丈夫です。迷いを人前で言葉にできたとき、次の一歩は見えてきます。この記事では、NIJINアカデミーに通う中学2年生のたけんぴさんが、進路イベント「進路勉強会」で「目標がない」と発表し、その1時間でどう変わったのかを、編集部がお伝えします。
- 「目標がない」を、そのまま発表した将棋アマ四段のたけんぴさんは、進路が何も決まっていないことを、自分から手を挙げて話しました。
- 校長の答えは「決める必要ないよ」タツロー校長自身、人生の目標が決まったのは30歳。それまでの生き方を、そのまま伝えました。
- 大学生の答えは「なりたくない姿から逆算する」高校2年生で不登校を経験したゆうたさんは、やりたいことがない人のための探し方を示しました。
- 「人生は一局の対局」という考えが、その場で書き換わった発表の前と後で、たけんぴさんの言葉ははっきり変わっています。
NIJINアカデミーは、全国から累計1000名を超える子どもたちが在籍する、不登校の小中学生のためのオルタナティブスクールです。2026年9月26日、メタバース校舎で「進路勉強会」を開きました。生徒が自分の進路や迷いを発表し、ゲストと校長がその場でフィードバックを返す場です。この日のゲストは、高校2年生で不登校を経験し、現在は世界22位のメルボルン大学(オーストラリア)で学ぶゆうたさん。この記事では、2番目に登壇したたけんぴさんをご紹介します。
夢を語る場で、「目標がない」と言った中学2年生
進路の発表、と聞くと、将来の夢を堂々と語る場面を思い浮かべるかもしれません。実際、この日最初に登壇したまっぴさんは、クライミングのW杯選手とルートセッターという、はっきりした目標を発表しました。
その直後です。司会が「勇気をもって、今日発表すると手を挙げてくれました」と紹介し、たけんぴさんが画面に現れました。そして、最初の一言がこれでした。
たけんぴさん「今日僕が発表するのは……まず、僕は目標がないです。人生の目標がないです。なので、僕の今までのことや、今迷っていることを話して、アドバイスをもらおうかなと思います」
目標が決まっている人のあとに、「目標がない」と言う。大人でも、なかなかできることではありません。けれど、この一言から始まった時間が、たけんぴさんの進路の見え方を変えていきます。
当日のイベント全体のようすは、こちらの記事でお伝えしています。 「進路勉強会」のレポートを読む →

プロフィール|たけんぴさん
まずは、たけんぴさんが発表の中で話してくれた自己紹介です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| お名前 | たけんぴさん(ニックネーム) |
| 学年 | 中学2年生(2026年9月時点) |
| 大好きなこと | 将棋。将棋歴は10年以上で、本気で取り組み始めて2年ほど。アマ四段 |
| ほかに好きなこと | 数学、ゲーム。最近はプログラミングにも興味 |
| 得意なこと | 論理的に考えること、覚えること |
| 苦手なこと | 柔軟なアイデアを出すこと、威圧的な人 |
| いまの通い方 | 在籍校に通いながら、NIJINアカデミーにも通っている |
たけんぴさんは、威圧的な人が苦手なことについて、「そこは不登校の原因だったりするんですけど」と、さらりと話しました。自分の得意も苦手も、不登校の理由も、落ち着いて言葉にできる。発表は、最初からそういう空気をまとっていました。
たけんぴさんが持ってきた、3つの質問
- 将来の目標の決め方仮でもいいから、将来の目標を決めたい。どうやって決めればいいのか。
- 進路が決まっていない今、やったほうがいいこと何も決まっていない状態で、何に時間を使えばいいのか。
- 全日制が苦にならない場合は、行ったほうがいいのか高校を全日制にするか、通信制にするか。
質問がここまで整理されていること自体、たけんぴさんが長いあいだ一人で考えてきた証です。
将棋アマ四段。それでも「進路は何も決まっていない」
たけんぴさんの大好きなことは、将棋です。将棋歴は10年以上。本気でやり始めてからは2年ほどで、アマ四段を持ち、最近は大会にも頻繁に出るようになりました。
これだけ打ち込んでいると、まわりからはよく言われるそうです。プロ棋士を目指せばいいじゃないか、と。たけんぴさんは、その問いにも自分で答えを出していました。
たけんぴさん「プロになる人というのは、小学1年生くらいで、もう今の僕の実力を持っている人ばかりなんです。プロ直前の人たちには、ものすごい天才が集まっています。年齢の制限もあるし、才能が足りていないこともわかっているので、プロ棋士は無理だろうと思っています」
自分の実力を、冷静に見ています。将棋の指導者や、将棋AIをつくる人、といった道は少し浮かんでいる。けれど、正直なところ何も決まっていない。それが、たけんぴさんの現在地でした。
「保険として、学校の勉強をやっています」
そういう状況なので、とたけんぴさんは続けました。「保険として、学校の勉強はやっています」。
この一言は、あとで校長とのやりとりの中で、大事な意味を持つことになります。
全日制か、通信制か
もう一つの迷いは、高校のことでした。たけんぴさんは最近、在籍している中学校に通っています。まだ友だちができているわけではない。それでも、「学校が嫌だ、という感情がなんかないんですよね」と話しました。
だからこそ、迷う。全日制の高校に行くのか、通信制に行くのか。苦にならないのなら、行ったほうがいいのだろうか、と。
不登校を経験したお子さんのご家庭では、高校選びのときに同じ迷いが出てきます。行けるなら全日制のほうがいいのか。無理をさせることにならないか。たけんぴさんは、その問いを自分の言葉で、大人たちに投げかけました。

タツロー校長の答え——「目標、決める必要ないよ」
最初に答えたのは、タツロー校長です。「心に響く発表、ありがとう」と伝えたうえで、これは私の意見で、いろいろな人に聞いたほうがいい、と前置きしました。
校長が大事にしていることとして挙げたのは、二つです。
一つは、信頼している人の言うことを、一度やってみること。「こっちのほうがいいんじゃない」「ここに行ってみたら」と言われたら、やってみたり、ついていってみたりする。逆に、自分が尊敬できない人の言うことは、まったく聞かなくていい、とも言い切りました。
もう一つは、「継承」です。自分の親や、生まれ育った土地から受け継いでいるもの。たけんぴさんが生まれ育った土地にも、素晴らしい歴史がある。先人に思いを馳せてみることもすすめている、と話しました。
そして、こう続けます。
タツロー校長「ここからは私の意見なんだけど。目標は、まあ、決める必要ないよ」
「理由は?」と、すぐに返した
たけんぴさんは、間を置かずに聞き返しました。「理由は?」。
校長は思わず笑います。「ちょっと、早いな。本当に頭の回転が」。
大人の言葉を、そのまま受け取らない。納得できるまで理由を聞く。将棋で鍛えた考え方が、こういう場面にも表れています。
30歳まで、目標がなかった校長の生き方
校長の理由は、自分自身の経験でした。
タツロー校長「私も、30歳で初めて人生の目標が決まったんです。それまでは、生きているのって面倒だな、大人とか社会ってだるいな、と思っていた期間のほうが長かった。死んだら楽なんだろうな、と思ったこともありました。中学生のときに。だから、進路や目標が決まっていなくて、全然OK」
校長は、つらかった時期のことを隠しませんでした。いま1000名を超える子どもたちの学校を率いている人にも、中学生のころ、そう思った日があった。それでも30歳で目標に出会い、いまここにいる。目の前の大人がそう話すことは、同じ気持ちを抱えたことのある子にとって、「自分だけではない」という何よりの支えになります。
目標が決まっているまっぴさんのような人は素晴らしい。そういう人は我が道を進んでほしい。けれど、やりたいことがない人も多い。校長自身が、本当にそうだったといいます。
では、やりたいことがないまま、どう生きてきたのか。校長が見つけたのが、先ほどの二つでした。
「物事」ではなく、「人」で人生を動かしてみる。
尊敬する人、素敵だなと思う人のそばにいてみる。言われたことを一旦やってみる。
その人が読んでいる本を読む。見ている動画を見る。行った場所に行ってみる。
家族や地域の歴史を知る。すると「こう生きたい」が、自然と浮かんでくるかもしれない。
自分で決めなくていい。それでも、信頼できる友だちや大人がまわりにいる。校長は、歴史が好きで、祖父から先祖の話を聞いたり、本を読んだりするうちに、「これがしたい」という明確なものはなくても、「こういう社会をつくりたい」「こういう人として生きたい」が浮かんできた、と振り返りました。
「保険として生きてほしくない」
ただし、校長が一つだけはっきり伝えたことがあります。たけんぴさんが口にした「保険として」という言葉についてです。
保険として何かをやる、という考え方を、校長自身はしてこなかった。自分が受け持つ生徒にも、そういうふうに人生を生きてほしくない、と話しました。あとの質問でも、「世間がそうだから」「やっておいたほうが得だから」という打算や損得で決めるのは嫌だ、と重ねています。
タツロー校長「全日制も、本当に行きたいほうに行けばいいんじゃない。行っておいたほうがお得だから、という理由では行かないほうがいい。自分の心が向いた方向に行けばいいと思います。違ったら違ったで、大丈夫だって」
目標は決めなくていい。けれど、損得では決めない。この二つは、矛盾していません。「わからない」ままでいることと、「得だから」で選ぶことは、まったく別のことだからです。
そのまま話せる場があります
NIJINアカデミーでは、生徒が進路を発表し、少し先を歩く先輩や校長からアドバイスを受ける「進路勉強会」を毎月開いています。まずは個別相談で、お子さんの今をお聞かせください。

ゆうたさんの答え——「僕、この質問、大好きです」
続いて、ゲストのゆうたさんです。ゆうたさんは、高校2年生で不登校を経験し、いまは世界22位のメルボルン大学で学んでいます。たけんぴさんの質問を聞いて、最初にこう言いました。「僕、この質問、大好きですね」。
「地図のない迷路」という共感
なぜ好きなのか。すごくわかるからだ、とゆうたさんは話します。
ゆうたさん「将来の夢がないと、どう進んでいいかわからない。『これをやりたい』と言っている人に対して、嫉妬と憧れで、押しつぶされそうになりますよね。地図のない迷路に放り込まれて、どっちに行ったらいいんだろうとずっと悩んでいる感じ。この先が行き止まりだったら嫌だな、という感情だと思うんです」
たけんぴさんは、「いや、わかります」「めちゃめちゃ思います」と応じました。
ゆうたさん自身、かつては警察官になりたい、先生になりたいと思いながら、どちらも諦めてきたといいます。アドバイスの前に、まず「同じ場所にいたことがある」と伝える。少し先を歩く先輩だからこそ、できることです。
「目標とは、どう人を幸せにしていくか」
そのうえで、ゆうたさんは問いを返しました。将来の目標というのは、人間としてですか。人生としてですか。それとも就職としてですか。
たけんぴさん「就職としてではなく、自分がどういうことをして人を幸せにしていくか。そういうのが目標だと、僕は考えています」
ゆうたさんは、「えぐいな。すごいっすね」と声をもらしました。
「目標がない」と切り出した中学2年生が、目標とは何かを聞かれて、即座にこう答える。たけんぴさんに足りなかったのは、考える力でも、志でもありません。まだ、それを当てはめる具体的な形が見つかっていないだけなのです。
「なりたくない姿」から逆算する
ゆうたさんは、正解はないので参考程度に、と前置きして、自分のやり方を話しました。やりたいことから探すのではなく、逆から考える方法です。人生の終わりに、自分がどうなっていたくないかを考える。
ゆうたさんの場合、高校時代に「こういう大人にはなりたくない」と強く感じた出来事があったそうです。だから、物事を知ったうえでそれを共有できる人、大人になっても子どもから尊敬される人、誰かの夢を応援できる人になりたいと思った。「海外に出ないまま人生を終えるのは絶対に嫌だ」と思ったことも、留学につながりました。
「やりたいこと」が出てこないときは、反対側から探します。
「こうなりたくない」「こういうのは嫌い」を、たくさん書き出します。
一つひとつを裏返します。それが「こう生きたい」の候補になります。
いくつかの候補が重なったところが、自分のやりたいことかもしれません。
「一個一個が、あとで線になる」
二つ目の質問、進路が決まっていない今やったほうがいいこと。ゆうたさんの答えは、「難しく考えなくていい。何でも経験してみろ、だと思います」でした。
将棋をとことん頑張ってもいい。考えることが好きなら、たくさん考えて人に話してみてもいい。校長が言ったように、人にすすめられたことを、面倒だなと思ってもやってみる。地図アプリで見つけた変わったレストランに行ってみるのでもいい、と笑いを交えて話しました。
そして、自分の歩みを例に挙げます。いまゆうたさんは「日本を海外にマーケティングしたい」という目標を持っていますが、そこへ一直線に進んだわけではありませんでした。
最初は、ただ海外に行きたかった。行ってみたら、中国出身の人に「日本人とは話したくない」と言われた。なんだこの野郎、と思ったそうです。そのとき、別の中国人の友だちに相談すると、背景にある歴史や政治のことを教えてくれました。それを面白いと感じて、中国語を勉強し始めます。すると、中国人の彼女ができた。彼女は日本のことが大好きで、「日本なんて」と言っていたゆうたさんに、「日本ってすごいんだよ」と教えてくれたそうです。
帰国したとき、それまで悪いところばかり見ていた日本の、良いところに目が向くようになっていました。SNSでの発信もしていた。英語も話せる。海外の人が日本をどう見ているかも知っている。だったら、この良さをもっと広めたらどうだろう。そうして、いまの目標にたどり着きました。
ゆうたさん「いま綺麗に話したから綺麗に見えますけど、これは全然別の場所にあったものなんです。やっていったら、ピーッとつながるときが来るんですよ」
情報は、いまやAIでいくらでも手に入る。だからこそ、自分の体で経験したことに価値がある。その体験は、機械にも、ほかの誰にも奪われない。ゆうたさんは、そうも付け加えました。
全日制か通信制か。「選んだ道を、正解にしていく」
三つ目の質問について、ゆうたさんはたけんぴさんの発表資料を見ながら、「これを見ると、行きたい寄りなんだと思うんです」と受け止めました。
ゆうたさん「ちょっとやってみてもいいんじゃないかと思うなら、行ってみていいと思います。合わなかったら、通信に戻してもいい。正解なんて誰にもわからないし、未来は誰にも見えない。だから、一回選んだ道を正解にできるように頑張ってみればいい。それで駄目だったとしても、それは失敗じゃなくて経験だから」
たけんぴさんは、「途中でやめることもできますもんね」と確かめるように言いました。校長の「違ったら違ったで、大丈夫」という言葉を受けてのひとことでした。
最後にゆうたさんは、「また何かあったら話そう。僕が日本に帰ったら、コーヒーでも飲みに行こう」と声をかけました。地元まで会いに行きますよ、とも。たけんぴさんに、相談できる年上の知り合いが一人増えた瞬間でした。

1時間で、何が変わったのか——「人生は一局の対局」の書き換え
やりとりの終わりに、タツロー校長はたけんぴさんにこう伝えました。「たけんぴは、自分が思っている以上に、我々から見るとすでに面白いです。不登校の時期があって、そのあいだに将棋をめちゃくちゃ鍛えて四段なわけでしょ。そんな人、おらんて」。
それを受けて、たけんぴさんが口を開きます。この日いちばんの場面でした。
たけんぴさん「人生を一つの対局として考えてしまっているところがあったな、と思いました。将棋は、評価値がいいと思ったほうを指していくじゃないですか。そして、巻き戻せない。その一局の対局が人生かな、と思っていたんです。でも、お二人の話を聞いて、経験することが一局の将棋であって、最終的に完成するのが自分の棋風なのかなと思いました。手を選ぶのは、自分の好きなことをやって、その手が悪かったのか良かったのかを経験にしていく。それが最終的に生きるのかなと」
司会は「すごいまとめ方だ」と驚き、校長は「名言を残すな」と笑いました。メタバース校舎に、拍手が広がります。
ここで起きた変化を、整理してみます。
| 発表の前 | 発表のあと | |
|---|---|---|
| 人生のとらえ方 | 人生は、巻き戻せない一局の対局 | 一つひとつの経験が一局。積み重ねて完成するのが、自分の「棋風」 |
| 手の選び方 | 評価値がいいと思うほうを指す | 自分の好きな手を選ぶ。良かったか悪かったかは、経験にする |
| 学校の勉強 | 保険としてやっている | 損得ではなく、心が向くほうを選んでいい |
| 高校選び | 行けるなら全日制に行くべきか | 行きたいほうへ。違ったら、途中で変えてもいい |
| 目標 | 仮でもいいから決めたい | 決まっていなくていい。経験を増やしていく |
一手の失敗が負けにつながる、と考えていたら、進路は怖くて選べません。たけんぴさんが「目標を決めたい」と急いでいた背景には、間違った手を指したくない、という思いがあったのかもしれません。それが、「一局負けても、次の一局がある。その全部が自分の指し方をつくっていく」という見方に変わりました。
誰かに教えられたのではありません。二人の話を聞いて、自分がいちばんよく知っている将棋の言葉で、自分で言い直したのです。
最後の一言
司会から、これからに向けた思いを聞かれたたけんぴさんは、こう答えました。
たけんぴさん「興味のあることには全力でやって、興味のないことにも、浅く広くやっていきたいと思いました」
ゆうたさんは、「将来に不安になったら、僕のところにおいで。何でも聞いてあげるから」と声をかけました。


なぜ、この場で変われたのか|NIJINアカデミーの「進路勉強会」
たけんぴさんの変化は、たけんぴさん自身の力によるものです。そのうえで、この場にはいくつかの条件がそろっていました。
「決まっていない」を発表していい場であること
進路の発表会というと、決まった夢を披露する場になりがちです。NIJINアカデミーの進路勉強会は、迷っていること、わからないことを、そのまま持ち込める場です。司会を務めた先生も、最後にこう話していました。将来の夢に向かっていることもすごいし、迷っていることをきちんと言葉にできることも、すごい力だ、と。
少し先を歩く人が、同じ目線で答えること
ゆうたさんは、専門家としてではなく、「僕も実際そうだった」という立場で話しました。不登校を経験し、夢を諦めたこともある大学生の言葉は、親や先生の言葉とは違う届き方をします。NIJINアカデミーでは、こうした進路の場を毎月開いています。
校長が、自分の弱さから話すこと
タツロー校長は、30歳まで目標がなかったこと、生きるのが面倒だと感じていた時期が長かったこと、死んだら楽だろうと思った日もあったことを、生徒の前でそのまま話しました。大人が先に自分をさらけ出すから、子どもも「目標がない」と言えます。
NIJINアカデミーのメタバース校舎には、8〜10人の少人数・異年齢のクラスがあり、定期テストの代わりに、担任の所見による「学びのポートフォリオ」で成長を記録しています。たけんぴさんのように在籍校に通いながら参加することもでき、希望者の出席認定率は97%です(在籍校の出席扱い。最終判断は在籍校の校長が行います)。

家庭で今日からできること|「目標がない」と言われたときの関わり方
| お子さんの様子 | つい出てしまう言葉 | 別の関わり方(一例) |
|---|---|---|
| 「やりたいことがない」と言う | 「何かあるでしょう」 | 「じゃあ、こうはなりたくない、というのはある?」 |
| 進路の話になると黙る | 「そろそろ決めないと」 | 「いま、何に迷っている?」 |
| 好きなことに打ち込んでいる | 「それで食べていけるの?」 | 「それのどこが面白いのか、教えて」 |
| 全日制か通信制かで迷っている | 「行けるなら全日制にしなさい」 | 「どっちに気持ちが向いている? 合わなければ変えてもいいよ」 |
| 「念のため」で何かを続けている | 「やっておいて損はないから」 | 「本当はどうしたい?」 |
声をかける前のチェックリスト
- 「目標がない」を、困ったこととして受け取っていないか
- 損か得か、有利か不利かだけで、進路をすすめていないか
- 一度選んだら変えられない、という前提で話していないか
- お子さんが尊敬している人、話を聞いてみたい人を知っているか
- お子さんが家族以外の大人に、迷いを話せる機会があるか
すべてに丸がつかなくても大丈夫です。保護者の方が答えを用意する必要はありません。校長もゆうたさんも、たけんぴさんに答えを渡したのではなく、自分の経験を話しただけでした。
眠れない、食欲がない、強い落ち込みが続くなど、気になる様子があるときは、関わり方だけで解決しようとせず、医療機関や専門の相談窓口への相談も選択肢に入れてください。
よくある質問
まとめ
「僕は目標がないです」。そう切り出したたけんぴさんは、1時間後、「経験することが一局の将棋で、最終的に完成するのが自分の棋風」と語っていました。
タツロー校長は、目標は決めなくていい、ただ損得では選ばないでほしい、と伝えました。ゆうたさんは、なりたくない姿から逆算すること、何でも経験してみること、選んだ道を正解にしていくことを伝えました。
答えをもらったのではありません。迷いを言葉にして、大人たちの経験を聞いて、自分の言葉で言い直した。そのあいだに、進路の見え方が変わりました。
目標は、いま決まっていなくて大丈夫です。興味のあることには全力で、興味のないことにも浅く広く。たけんぴさんの次の一局は、もう始まっています。
いっしょに考えませんか
何も決まっていない段階でかまいません。カメラオフでの見学や、LINEでのご相談から始められます。

