- 自律神経失調症・身体表現性障害とはどんな状態か
- 「学校に行こうとすると」症状が出る仕組み
- 家庭での休ませ方・向き合い方の具体的なヒント
- 受診の目安と、何科に相談すればよいか
- 症状と付き合いながら学びを続ける方法
自律神経失調症・身体表現性障害とは
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、頭痛・腹痛・めまい・倦怠感など様々な身体症状が現れる状態を指す一般的な呼び方です。医学的には「身体表現性障害」という診断名が使われることもあり、これは心理的なストレスが、意識的にコントロールできない形で身体症状として現れる状態を指します。いずれも、検査で明確な異常が見つからないことが多いのが特徴です。
「検査で異常がない」ことは、「症状がない」ことを意味しません。本人にとって、痛みや不調は確かに存在する体験です。自律神経は、呼吸・心拍・消化・体温調節など、生命維持に関わる多くの機能を無意識のうちにコントロールしています。この神経系はストレスに非常に敏感に反応するため、心理的な負荷が身体のあらゆる場所に症状として現れる可能性があるのです。
「身体表現性障害」という診断名には、かつて「心気症」「自律神経失調症」など複数の呼び方が併存していた歴史的な経緯もあります。現在では国際的な診断基準の中でも、身体症状とその背景にある心理的要因の両方に目を向けるという考え方が主流になっています。診断名にとらわれすぎず、「今、本人がどんな苦痛を感じているか」を丁寧に見ていく姿勢が大切です。
登校の準備や、学校のことを考える場面
ストレスホルモンが分泌され始める
交感神経が優位になり、体が緊張状態に
頭痛・腹痛・めまいなどが現れる
なぜ「学校に行こうとすると」症状が出るのか
自律神経は、緊張や不安といった心理的なストレスに敏感に反応します。学校という特定の場面・時間帯に強いストレスを感じている場合、その場面が近づくと自律神経が緊張状態になり、腹痛や頭痛といった身体症状として現れることがあります。これは仮病ではなく、脳と体が実際に連動して起こしている反応です。
興味深いことに、休日や長期休みには症状が和らぐことが多いのも、この仕組みで説明がつきます。「学校に行かなければ大丈夫」という現象自体が、ストレス由来の身体症状であることを示すサインでもあります。逆に、新学期が近づくにつれて症状が強まる、日曜日の夜から調子が悪くなるといったパターンが見られる場合も、この仕組みが関係している可能性があります。
この「特定の場面でだけ症状が出る」という特徴は、本人にとってもわかりにくく、「なぜ休日は平気なのに、平日の朝だけつらいのだろう」と自分自身を責めてしまう原因にもなります。この仕組みをあらかじめ知っておくことは、本人が自分の体の反応を客観的に理解し、必要以上に自分を責めずに済むための助けになります。
症状が出やすい体の部位
自律神経の乱れによる症状は人によって様々で、頭痛、腹痛、めまい、動悸、倦怠感、吐き気、肩こり、微熱など多岐にわたります。同じストレスでも、人によって症状が出る部位が異なるのは、それぞれの体が持つ「弱点」に症状が現れやすいためだと考えられています。
年齢による症状の出方の違い
小学生では腹痛や頭痛といった分かりやすい症状で訴えることが多い一方、中学生・高校生になると、倦怠感や気分の落ち込みなど、より複雑な形で症状が現れることもあります。年齢が上がるにつれて、本人が自分の状態を言葉にする力も育ってくるため、「どんな時に、どんな風につらいのか」を丁寧に聞き取ることが、より的確な対応につながります。
「気のせい」ではないと伝える大切さ
本人が最も傷つくのは、「そんなの気のせい」「行けばそのうち治る」と言われることです。自律神経の反応は本人の意志でコントロールできるものではないため、こうした言葉は本人をさらに追い詰めてしまいます。まずは「その痛みは本当にあるものだ」と認めることが、信頼関係の土台になります。学校の先生からも「頑張ればもう少し行けるのでは」と言われてしまうことがありますが、悪気のない一言が本人の孤立感を深めてしまうことも少なくありません。
保護者自身も、最初は心配のあまり「大丈夫?本当に痛いの?」と繰り返し確認してしまうことがあります。しかし、この確認が繰り返されると、本人は「信じてもらえていないのでは」と感じてしまうこともあります。一度「あなたの痛みを信じている」と伝えたら、その後は過度に確認を繰り返さず、普段通りに接することも、本人の安心につながります。
悪気のない一言が、本人を追い詰めてしまうことがあります。言いがちな言葉と、言い換えの例を並べました。
| 言いがちな言葉 | 本人に届きやすい受け止め | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 「気のせいだよ」 | 痛みを否定されたと感じる | 「本当に痛いんだね。まず横になろうか」 |
| 「行けば治るよ」 | 行けない自分を責めてしまう | 「今日は休んで、体を落ち着かせよう」 |
| 「病院で異常なしだったでしょ」 | 信じてもらえないと感じる | 「検査で異常がなくても、つらさはあるよね」 |
| 「休日は元気なのに」 | 仮病を疑われていると感じる | 「学校のことを考えなくていい日は、体も楽なんだね」 |
| 「もう少し頑張ってみたら」 | 頑張れない自分に焦る | 「今は頑張る時期じゃなくて、休む時期だよ」 |

家庭での休ませ方・向き合い方
1. 症状が出たら、まず休ませることを優先する
「頑張って行けるかどうか試す」よりも、症状が出た時点で無理をさせず休ませることを優先します。休むことへの罪悪感を減らすことが、回復への第一歩になります。
2. 生活リズムを整える
自律神経は睡眠・食事・運動といった基本的な生活リズムの影響を強く受けます。規則正しい生活を心がけることが、症状の緩和につながることがあります。特に、朝日を浴びる、決まった時間に食事をとるといった基本的な習慣が、自律神経のバランスを整える土台になります。
3. 「原因探し」を急がない
症状の背景にあるストレスの原因を急いで特定しようとすると、本人が問い詰められているように感じてしまうことがあります。安心できる関係の中で、本人が自然に話し出せるタイミングを待つ姿勢も大切です。
4. リラックスできる時間をつくる
好きなことに没頭する時間、体を動かす時間、何もしない時間——本人が心から安心できる時間を意識的に作ることが、自律神経のバランスを整える助けになります。
「気のせい」と言わず、痛みを受け止める
無理をさせず、心身を休める時間を優先
睡眠・食事などの基本的なリズムを整える
改善しない場合は医療機関へ
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日常生活でできるセルフケア
専門的な治療と並行して、日々の生活の中でできるセルフケアも、自律神経のバランスを整えるうえで役立ちます。ここでは、本人が取り組みやすい方法を紹介します。
1. 腹式呼吸で自律神経を整える
ゆっくりと息を吐くことを意識した腹式呼吸は、緊張した交感神経を落ち着かせ、副交感神経を優位にする効果があるとされています。症状が出そうな場面の前や、緊張を感じたときに、数分間実践する習慣をつけることも一つの方法です。
2. 睡眠の質を高める
就寝前にスマートフォンの画面を見る時間を減らす、毎日同じ時間に寝起きするなど、睡眠の質を高める工夫は、自律神経のバランスを整えるうえで基本となる要素です。
3. 適度な運動を取り入れる
散歩やストレッチなど、軽い運動を日常に取り入れることで、自律神経の働きが安定しやすくなるとされています。無理のない範囲で、本人が楽しめる形を見つけることが継続のコツです。
4. 「安全基地」となる時間や場所をつくる
本人が心から安心できる時間や場所(好きな趣味に没頭する時間、リラックスできる部屋など)を意識的に確保することも、心身の緊張を和らげる助けになります。
学校との連携で押さえておきたいポイント
学校に相談する際は、症状の特徴(いつ・どんな場面で出やすいか)、これまでの対応(受診歴や工夫している点)、学校にお願いしたい配慮(保健室の利用、体育や行事での配慮、遅刻・早退のしやすさなど)を具体的に伝えると、担任も対応しやすくなります。診断書や医師の意見書があると、出席の取り扱いについても柔軟に検討してもらいやすくなることがあります。
担任だけでなく、養護教諭やスクールカウンセラーとも連携しておくと、体調不良で保健室を利用する際にもスムーズに対応してもらえることがあります。定期的に学校と現状を共有する機会を持つことも、症状の変化に応じた対応の見直しに役立ちます。
文部科学省も、不登校児童生徒への支援において、登校という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す方針を示しています。学校に相談する際、こうした方針を踏まえて「無理に登校させることを目標にしていない」という前提を共有できると、学校側の対応も柔軟になりやすくなります。
| チェック | 伝えること | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| □ | 症状が出やすい場面 | 「朝の登校前と、月曜日に腹痛や頭痛が出やすいです」 |
| □ | これまでの受診と工夫 | 「小児科を受診しています。朝は時間に余裕を持たせています」 |
| □ | 保健室の利用 | 「つらいときは、保健室で休ませてもらえると助かります」 |
| □ | 体育・行事での配慮 | 「体調によっては、見学を認めてもらえると安心です」 |
| □ | 遅刻・早退 | 「午後から登校する日があっても、受け入れてもらえますか」 |
| □ | 相談できる先生 | 「担任の先生のほかに、養護教諭やスクールカウンセラーとも共有したいです」 |

自律神経失調症で不登校になったとき|「登校の再開」を急がない段階的な考え方
自律神経失調症で不登校になると、保護者はどうしても「いつ学校に戻れるか」を考えてしまいます。けれど記事の後半でも触れているように、無理に登校させることで症状が悪化し、結果として欠席が長引くことも少なくありません。大切なのは「学校に戻ること」をゴールにするのではなく、体と生活を少しずつ取り戻す順番を守ることです。
次の段階は目安です。行きつ戻りつするのが普通なので、一つ前の段階に戻っても「後退」ではありません。医療機関や学校と相談しながら、本人のペースで進めてください。
| 段階 | 本人の様子 | 家庭でできること |
|---|---|---|
| 1. 休む | 症状が強く、朝起きるのもつらい | 学校の話題を控え、休むことへの罪悪感を減らす |
| 2. 生活リズムを整える | 少しずつ決まった時間に起きられる | 朝日を浴びる、食事の時間をそろえる |
| 3. 家で好きなこと・学びをする | 気分の良い時間が増える | 短い時間から、興味のあることに取り組む |
| 4. 家の外とつながる | 短い外出や、オンラインでの参加ができる | オンラインの学びの場や、教育支援センターなどを試す |
| 5. 学びの場を選び直す | 自分で「行ってみたい」場所を話せる | 在籍校・別室登校・学校外の居場所などを、本人と一緒に選ぶ |
腹痛が中心で、通学中のトイレが心配な場合は過敏性腸症候群で学校に行けないとき、いじめなどつらい経験のあとから体調を崩した場合はいじめによるPTSD、愛着の課題も気になる場合は愛着障害の子どもへの接し方の記事もあわせて読んでみてください。
学校以外の「居場所」を先に用意しておく
NIJINアカデミーは、午前でも午後からでも参加できるオンラインのオルタナティブスクールです。在籍校の出席扱いになる例も多く、まずは体験会で雰囲気を見てから決められます。
LINEで無料体験会に申し込む似た症状を示す他の病気との違い
身体症状が続く場合、自律神経失調症以外の病気が隠れている可能性も念のため確認しておくと安心です。似たような症状を示す病気は複数あり、素人判断で決めつけてしまうと、必要な治療が遅れてしまうこともあります。以下は代表的な違いの目安です。自己判断はせず、気になる場合は医師に相談してください。
| 状態 | 主な特徴 | 検査での所見 |
|---|---|---|
| 自律神経失調症・身体表現性障害 | 特定の場面でストレス由来の症状が出る | 器質的な異常なし |
| 起立性調節障害(OD) | 立ちくらみ・朝の強い倦怠感が中心 | 血圧・脈拍の異常が見られる |
| 甲状腺機能の異常 | 倦怠感・動悸・体重変化を伴う | 血液検査で異常が見られる |
| 単なる緊張・体調不良 | 特定の場面のみ、一過性で軽度 | 異常なし・頻度は少ない |
なぜ思春期にこの症状が起こりやすいのか
自律神経失調症・身体表現性障害は、特に思春期に起こりやすいとされています。ホルモンバランスの変化に加え、友人関係、学業、進路など、精神的なストレスが一気に増える時期であることが背景にあります。また、思春期は自分の感情や体の状態を言葉で表現する力がまだ発達途上であるため、心理的なストレスがうまく言語化できず、身体症状として表れやすいとも考えられています。
「言葉にできないつらさ」が体を通して表現されている、という見方をすることで、本人への接し方も変わってくることがあります。無理に「何がつらいのか話しなさい」と迫るのではなく、安心できる関係の中で、少しずつ気持ちを言葉にする練習を重ねていくことが助けになります。
受診を検討したいタイミング・何科に相談すればよいか
- 頭痛・腹痛・めまいなどの症状が2週間以上続いている
- 症状によって日常生活(食事・睡眠・外出)に支障が出ている
- 本人が強い不安や落ち込みを訴えている
- 複数の症状が同時に、繰り返し現れている
気になる症状が続く場合は、まず小児科でご相談いただき、必要に応じて小児心身医学を専門とする医療機関を紹介してもらうこともできます。一般社団法人日本小児心身医学会では、子どもの心身症に関する情報を公開しています。心理的な要因が強い場合は、心療内科での相談も選択肢になります。
受診の際は、いつから、どんな場面で、どのような症状が出るのかを記録したメモを持参すると、限られた診察時間でも状況を的確に伝えやすくなります。本人が言葉にしにくい場合は、保護者が付き添いながら一緒に整理してあげるとよいでしょう。また、初診では原因がすぐに特定できないこともありますが、それは珍しいことではなく、時間をかけて経過を見ていく中で少しずつ状態が見えてくることも多くあります。
治療のアプローチとしては、生活習慣の見直しに加え、症状に応じた薬物療法や、カウンセリング・認知行動療法などの心理的なアプローチが組み合わされることがあります。どの方法が合うかは一人ひとり異なるため、医師と相談しながら本人に合った治療方針を一緒に見つけていく姿勢が大切です。

不登校につながりやすい背景
症状によって欠席が続くと、「休んだこと」自体への焦りや罪悪感が新たなストレスになり、症状がさらに悪化するという悪循環が起こることがあります。この悪循環を断ち切るには、「学校に戻ること」を急ぐより、「安心できる環境で心身を休ませること」を優先する視点が助けになります。
「休めば休むほど、行きにくくなるのではないか」という不安を抱く保護者も多いですが、実際には無理に登校させることで症状が悪化し、結果的に長期間の欠席につながるケースも少なくありません。短期的な出席日数よりも、長期的に見て本人が心身ともに健康な状態を取り戻せるかどうかを優先する視点が、遠回りに見えて実は近道になることがあります。
学習面の遅れが心配な場合も、まずは心身の回復を優先し、学習の遅れは後から取り戻せるという視点を持つことが助けになります。実際、心身が安定してから学習に取り組むほうが、結果的に理解や定着も早いことが多いとされています。無理に「今すぐ追いつかせよう」とするのではなく、本人のペースで少しずつ学びを再開できる環境を用意することが大切です。
欠席が長引くと、学習の遅れへの焦りも重なり、さらに強いストレスとなることがあります。学習面のフォローと心身のケアを、どちらか一方だけでなく並行して考えることが、回復への近道になります。
症状と付き合いながら、学びを止めない選択肢
身体症状がすぐに改善しなくても、学びそのものを止めてしまう必要はありません。自宅という安心できる環境からであれば、症状の波に合わせて学びに関わり続けられることがあります。
この記事は、全国から1000名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の知見も踏まえて構成しています。学校という特定の場面への緊張から体調を崩してしまう子どもたちにも、安心して学びに参加できる環境があることを、選択肢の一つとしてお伝えしています。
NIJINアカデミーという選択肢
NIJINアカデミーは、小学1年生から中学3年生を対象としたオンラインのオルタナティブスクールです。自宅からバーチャル校舎(ovice)にアクセスして授業やクラス会議に参加できるため、「学校という場所」そのものへの緊張から距離を置きながら学びを続けることができます。体調が優れない日は無理に参加させず、カメラ・音声をオフにしたままの見学もできます。
全国から集まる異年齢の生徒たちと、平均3日で友達ができると言われるほど新しい人間関係を築きやすい環境も特徴です。8〜10人程度の少人数制クラスのため、大きな集団の中で緊張し続ける必要がなく、自分のペースで少しずつ人との関わりに慣れていくことができます。
1:1の専任サポート担任が継続して伴走し、クラスは8〜10人程度の少人数制。在籍校を今すぐやめる必要はなく、学校と併用しながらNIJINに通う生徒も多くいます。希望する生徒の9割以上が在籍校の出席認定を得ています(2025年4月時点、株式会社NIJIN公式プレスリリースより。最終的な出席の判断は学校によります)。定期テストがなく、担任による所見(ポートフォリオ)で成長を可視化する評価方法のため、テスト当日に体調を崩すプレッシャーからも解放されます。
星野達郎校長自身も、小学校教員時代に「学校では本来の姿を出せない子ども」と数多く出会ってきた経験を持ちます。身体症状という形でSOSを発している子どもたちにとって、評価やプレッシャーの少ない環境で少しずつ自信を取り戻していくことが、回復への大切なプロセスになります。

NIJINアカデミーでは、無料のオンライン説明会・体験会で、無理のない学び方を詳しくご案内しています。
NIJINアカデミーの雰囲気を動画で見る
実際にどのような形でクラスに参加しているのか、公式YouTubeチャンネルの動画も参考にしてみてください。
子どもたちの声
「学校に行こうとすると、本当にお腹が痛くなるのに、誰にも信じてもらえなかった」「体調を心配されずに、まず休んでいいと言ってもらえて楽になった」「オンラインだと、症状が出そうな不安を感じずに授業に参加できる」——身体症状に苦しんできた子どもたちからは、こうした声がよく聞かれます。症状そのものがすぐになくなるわけではなくても、安心できる環境があることが、回復への大きな一歩になります。「学校のことを考えなくていい時間が増えて、初めてぐっすり眠れた気がした」という声も聞かれます。症状と向き合う時間そのものが減ることで、心にも余裕が生まれ、結果的に症状が和らいでいくケースもあります。
「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——これは、公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長がNIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。体の痛みという、周囲から見えにくい形で助けを求めている子どもたちにも、同じことが言えるはずです。
保護者自身も一人で抱え込まない
「病院に行っても異常なしと言われる」「どう対応していいかわからない」——こうした状況が続くと、保護者自身も孤独や不安を感じやすくなります。学校・医療機関・オンラインの学びの場など、複数の相談先を持っておくことが、家庭全体の安心につながります。保護者が「もっとうまく対応できるはず」と自分を責めすぎず、試行錯誤しながら本人に合った形を探っていく過程そのものを大切にしてください。
保護者自身が心身の不調を感じる場合は、我慢せずに自分自身のケアも優先してください。子どもを支える保護者が疲弊してしまうと、結果的に家庭全体の安定が損なわれることもあります。自治体の相談窓口や、同じ悩みを持つ保護者同士のコミュニティを頼ることも、有効な選択肢の一つです。

きょうだいへの配慮
きょうだいから「ズルい」「仮病では」といった疑いの目が向けられることもあります。自律神経失調症・身体表現性障害が実際の身体反応であることを、きょうだいにも年齢に応じて分かりやすく伝え、比較や詮索を避ける雰囲気を家庭内でつくることが助けになります。きょうだい自身のケアも忘れずに行うことが、家庭全体の安定につながります。
よくある質問
まとめ
自律神経失調症・身体表現性障害による腹痛や頭痛は、気のせいではなく、心理的なストレスと身体が実際に連動して起こす反応です。「学校に行こうとすると症状が出る」ことを責めず、まず休ませることを優先し、生活リズムを整えながら、専門機関への相談も検討してください。学校との具体的な情報共有も、負担を軽減する大切な一歩です。症状と付き合いながらも学びを止めない選択肢があることも、あわせて知っておいていただければと思います。一つの正解があるわけではなく、本人の状態を見ながら試行錯誤を重ねていくことになりますが、焦らず、長い目で回復を見守る姿勢が、結果的に本人にとって一番の支えになります。


