「不登校の子が、外のイベントに参加できるだろうか」
「人と関わったり、初めてのことに挑戦したりするのは難しいのでは?」
そんな心配を抱えている保護者の方に、ぜひ知ってほしい子どもたちの姿があります。
今回、子どもたちは「びしょフェス」に参戦しました。雨が降り、寒さもあり、最初は商品がなかなか売れません。それでも諦めず、売り子に挑戦しました。初めて自分でお金を稼ぎ、そのお金を出し合ってサバゲーにも挑戦しました。さらに、初対面の高校生とチームを組み、赤外線サバゲーで対決しました。
学校へ行っていないからといって、子どもの世界が止まっているわけではありません。安心できる仲間や大人がいて、心が動く体験と出会えたとき、子どもは自分のタイミングで外へ踏み出していきます。
この記事でわかること
- びしょフェスで子どもたちが経験したこと
- 「売れない」状況から諦めずに挑戦した姿
- 自分で稼いだお金を出し合うことで生まれた学び
- 人前が苦手な子がリアルイベントへ参加できた理由
不登校の子どもたちが「びしょフェス」に参戦
びしょフェス当日は、決して恵まれた条件ではありませんでした。雨が降り、気温も低く、寒い一日。お客さんの足も止まりにくく、用意した商品はなかなか売れませんでした。
子どもたちは「160杯売る」と意気込んでいました。ところが、思うように売れない時間が続きます。大人でも、準備したものが売れなければ落ち込みます。「もう無理かもしれない」「やめたい」と思っても不思議ではありません。
それでも、子どもたちは諦めませんでした。待っているだけではなく、自分たちから売り子に挑戦したのです。
雨天、寒い、売れない。笑顔の接客が難しい状況でも、子どもたちは諦めず、売り子に挑戦しました。
「売れない」から始まった、本物の学び
イベントで商品を販売する体験には、教科書だけでは得られない学びがあります。
商品を用意すれば、必ず売れるわけではありません。天候や人の流れにも左右されます。どのように声をかけるのか。どうすれば商品の魅力が伝わるのか。お客さんに気持ちよく立ち止まってもらうには、どんな表情や言葉がよいのか。子どもたちは、実際のお客さんを前にしながら考えていきました。
うまくいかないことは、失敗ではありません。「では、どうする?」と考える入口です。売れない状況の中でも行動を続けたことは、売上の数字だけでは測れない、大きな経験になりました。
初めて知った「お金を稼ぐ難しさ」
子どもたちは、今回の販売体験を通して、初めて「お金を稼ぐことの難しさ」を知りました。
500円を得るためには、準備をして、商品を並べ、お客さんに声をかけ、接客をしなければなりません。寒さや緊張があっても、自分の役割を続ける必要があります。普段は何気なく手にしている500円の向こう側に、人の時間や工夫、努力があることを、体を通して感じる機会になりました。
お客さんは、どうしたら喜んでくれるのだろう
子どもたちが向き合ったのは、「売る」ことだけではありません。
「お客さんは、どうしたら喜んでくれるのだろう」。相手の表情を見て、言葉を選び、反応を受け取る。商売は、人と人とのやり取りです。自分の思いだけではなく、相手の立場を想像する経験にもなります。
人との関わりに不安がある子にとって、ただ「コミュニケーションを練習しましょう」と言われるのは苦しいことがあります。しかし、売り子という具体的な目的と役割があると、声をかける理由が生まれます。好きなことや達成したい目標が、人とつながる橋になってくれるのです。
働いて得た500円を出し合い、サバゲーへ
子どもたちは、働いて得た500円を持ち寄り、サバゲーの費用を割り勘にしました。
自分で働いて得たお金を、仲間と楽しむ体験のために使う。この一連の経験によって、お金は単なる数字ではなくなります。「働く」「受け取る」「相談する」「出し合う」「体験する」までが一本につながり、自分の生活に結びついた学びになります。
自分たちで得たお金を出し合ってサバゲーに参加したことには、「自分で稼いだお金で、この体験を選んだ」という実感があります。小さな500円かもしれません。しかし、自分の行動が誰かに届き、対価として返ってきた経験は、子どもの自信につながります。
初対面の高校生と、赤外線サバゲーでチーム戦
びしょフェスでの挑戦は、販売だけではありませんでした。
子どもたちは、赤外線サバゲーで高校生と対決しました。4人でチームを組み、仲間と一緒に動きます。相手の動きを見ながら、自分がどこへ行くのかを考え、チームで戦う体験です。
初対面の高校生と同じ場に立つことは、人との関わりが苦手な子にとって、とても大きな挑戦です。それでも、遊びという共通の目的があることで、年齢の違う相手とも自然に同じ時間を過ごせます。
「会話をしなければ」「仲良くしなければ」と求められるのではなく、まずは同じ活動を一緒に楽しむ。その中で必要な言葉が生まれ、仲間を意識する瞬間が生まれます。これも、リアルな場だからこそ得られる経験です。
人前が苦手な中学2年生「なち」が見せた姿
参加した子どもの中には、人前に出ることが苦手な中学2年生の「なち」がいます。
けれども、なちはリアルイベントに無欠席で参加しています。
「人前が苦手」という一面だけを見ると、外のイベントへの参加は難しいように思えるかもしれません。しかし、苦手なことがあることと、参加できないことは同じではありません。
安心できる仲間がいる。自分にも役割がある。やってみたいと思える活動がある。そして、自分のペースを尊重してくれる大人がいる。そのような環境が整うと、子どもは「行ってみようかな」と思えるようになります。
大切なのは、「苦手をなくしてから参加する」ことではありません。苦手さを抱えたままでも参加できる場と、安心して挑戦できる関係をつくることです。
不登校だからこそ、白昼堂々と挑戦する
びしょフェスを通して見えたのは、外へ飛び出していく子どもたちの姿でした。
不登校だからといって、家の中だけにいなければならないわけではありません。学校へ行くことだけが、社会とつながる方法でもありません。
子どもたちは白昼堂々、水鉄砲にも、サバゲーにも、商売にも挑戦しました。販売を通して働く難しさを知り、自分で得たお金で買い物をしました。初対面の高校生とチームを組み、仲間と一緒に対戦しました。
一つひとつは、イベントの中の小さな出来事に見えるかもしれません。しかし、その積み重ねが、「自分もできた」「またやってみたい」という感覚を育てます。
目指すのは、青森の「不登校」の概念を変えること
やこたん教室長の使命は、青森の「不登校」の概念を変えることです。
不登校という言葉から、「何もしていない」「人と関われない」「外へ出られない」といったイメージを持たれることがあります。けれども、今回の子どもたちの姿は、そのイメージとは大きく異なります。
雨と寒さの中でも売り子に挑戦する。自分でお金を稼ぐ。稼いだお金を仲間と出し合う。初対面の人と一緒に活動する。チームで遊ぶ。子どもたちは、自分の世界を少しずつ広げています。
学校に行けるかどうかだけで、子どもの成長を測ることはできません。どこで、誰と、何に心を動かされるのか。その子に合った学びの場が見つかったとき、成長はさまざまな形で始まります。
保護者の方へ|今すぐ大きく変わらなくても大丈夫
今回の姿を見て、「うちの子には、まだ難しい」と感じる方もいるかもしれません。
もちろん、今すぐイベントへ参加する必要はありません。外へ出ることも、人と話すことも、その子の状態やタイミングによって大きく違います。参加できた子と比べる必要もありません。
まずは、興味のある写真を見る。どんなイベントなのかを聞く。行かなくてもいいという約束で近くまで出かける。短い時間だけ立ち寄る。大人と二人で参加する。そんな小さな一歩も、立派な挑戦です。
大切なのは、子どもを無理に外へ連れ出すことではありません。「やってみたい」と思えるものと出会えるように、選択肢をそっと置いておくことです。
地域に根付いたリアル校で、
一歩外へ出る勇気を届ける。
子どもは、安心できる場所と出会えたとき、自分の力で次の一歩を選び始めます。
びしょフェスでの子どもたちの様子を動画で見る
販売やサバゲーに挑戦する子どもたちの姿を、動画でもご覧いただけます。
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