不登校を経験した中1が企業のPR大使に|しゅんしゅんの挑戦

しゅんしゅん
- 在籍
- NIJINアカデミー 中学1年生
- 好きなこと
- 鉄道、ゲームやアプリ
- 主な活動
- 子ども見守りアプリ「コドマモ」PR大使/英語学習アプリ「マグナとふしぎの少女」PR大使
- 今の挑戦
- 子どもの視点から、企業や社会にアイデアを届けること
「うちの子はゲームやアプリに夢中で、このまま社会とつながれるのだろうか」。不登校のお子さんを見守る保護者の方から、よく聞く不安です。教科書を開かない姿を見ると、「好きなこと」が将来にどうつながるのか、想像しにくいかもしれません。
この記事では、NIJINアカデミーに通う中学1年生のしゅんしゅんが、小学6年生で企業のPR大使になり、教育の大きな展示会で企業に新機能を提案し、仙台で不登校の課題を大人に語るまでの1年をたどります。サービスを「受け取る側」だった子どもが、社会に「提案する側」へ変わっていった道のりから、子どもの「好き」と挑戦の場が持つ力を考えます。
- 小6で企業のPR大使に――学園祭で2つの企業のアプリを、自分で作った資料でプレゼンした
- 自分で企画する側へ――親子で学ぶ「ITリテラシービンゴ大会」や、英語アプリの大会づくりに関わった
- 中1で企業に新機能を提案――EDIX東京の舞台で、社員の方と掛け合いながら子ども目線のアイデアを伝えた
- 不登校の課題を自分の言葉で――仙台では宮城県の不登校の多さをグラフで示し、「受け皿を作ればいい」と語った
- 成長を支えたもの――「好き」を否定しない環境と、子どもの意見を本気で受け止める大人の存在
アプリやサービスを「使う側」だった
しゅんしゅんにとって、ゲームやアプリは楽しむためのものでした。大人が作ったサービスを、ユーザーとして受け取る立場です。
転機は小学6年生の秋。NIJINアカデミーの学園祭で、企業のアプリを紹介する「PR大使」を任されたことでした。
子どもの視点で、企業や社会に「提案する側」へ
中学1年生になった今、しゅんしゅんは企業の社員さんと同じ舞台に立ち、アプリの新しい機能を提案するまでになりました。
さらに仙台では、不登校が多い地域の課題を自分で調べ、「日本をNIJINアカデミーで変えるんだ」と、大きなビジョンを大人たちに語っています。
1小6で企業のPR大使に|不登校の子が学園祭で挑んだ企業プレゼン
しゅんしゅんの挑戦が始まったのは、2025年10月。DMM本社とメタバース校舎(インターネット上の仮想空間にある校舎)をつないで開かれた「NIJINアカデミー学園祭(ニジフェス)」でした。
学園祭には、NIJINアカデミーと一緒に活動する企業がブースを出していました。そのブースで、来場した大人たちに商品の魅力を説明していたのは、スーツを着た社員の方ではありません。NIJINアカデミーの子どもたち自身です。
子ども見守りアプリ「コドマモ」のPR大使に就任
当時小学6年生だったしゅんしゅんは、Adora株式会社のスマホアプリ「コドマモ」のPR大使に就任しました。コドマモは、愛知県警、藤田医科大学、Adora株式会社の産学官連携で開発された、子どもの安全を守るアプリです。現在地の確認や使いすぎ・勝手な課金の防止に加え、AIを使ってSNS上の危険なやりとりをいち早く見つける機能などを備えています。
しゅんしゅんはブースで、このアプリを紹介する企業プレゼンに挑戦しました。さらに、自分で企画した「ITリテラシービンゴ大会」を開き、親子で楽しみながらネットとの付き合い方を学べる場をつくりました。ITリテラシーとは、インターネットや情報機器を安全に、正しく使いこなす力のことです。
大人が用意した原稿を読むのではなく、「どうすれば親子で楽しく学べるか」を自分で考え、イベントの形にしたこと。ここに、しゅんしゅんらしさが表れています。学年に関係なく自分の言葉でプレゼンをする子どもたちの姿に、Adoraの社員さんも大変驚き、「たくさんのパワーをもらった」と感想を寄せてくださいました。
英語学習アプリの「1日PR大使」も
同じ学園祭では、株式会社ミントフラッグのAI×英語学習アプリ『マグナとふしぎの少女』のブースでも、しゅんしゅんをはじめとする子どもたちが公認の「1日PR大使」を務めました。
子どもたちは事前にアプリを使い込み、次のようなことを自分の頭で考えました。
子どもたちが自分で考え、言葉にしたこと
- どの場面で気持ちが動くのか
- なぜ自分はこれほど夢中になれるのか
- どう伝えれば、まだアプリを知らない人にワクワクが届くのか
考えたことを言葉にまとめ、プレゼン資料まで自作して、来場した大人たちに伝えました。
学校という場所で息苦しさを感じた経験のある子どもが、「企業の顔」としてブースに立つ。その姿に、保護者の方々は胸を熱くし、企業の担当者の方は、子どもたちの鋭い考察と発信力に驚いていました。
2「遊びが学びになる」英語アプリを広める側へ|仲間と大会をつくる
『マグナとふしぎの少女』は、物語を進めるために英語を話す必要があるアプリです。ゲームの世界を冒険するうちに、生きた英語のコミュニケーションが自然と身につく仕組みになっています。単語の暗記やテストの点数を目指す勉強とは、まったく違う学び方です。

「ストーリー仕立てになっていて、やる気がめっっっ茶生まれる!」
「勉強しなければいけないから」アプリを開くのではなく、楽しいから続けたくなる。NIJINアカデミーのメタバース校舎では、授業中のチャット欄が「今の発音すごかった!」「この単語、ストーリーで出てきたやつだ!」という声でいっぱいになることがあるそうです。
「楽しかった」で終わらせない。生徒主体の『NIJINカップ』へ
学園祭が終わったあとも、子どもたちの熱は冷めませんでした。「楽しかった、で終わらせたくない」「もっと仲間を集めて、みんなで熱くなれる大会を作りたい」。そんな思いから生まれたのが、生徒主体の英語イベント『NIJINカップ 〜真の王者は、だれの手に〜』です。
企画、ルールづくり、当日の司会や運営まで、子どもたちが中心になって進めました。しゅんしゅんは、仲間に向けてこんなメッセージを送っています。

「みんなでマグナをプレイして、マグナの輪を広げたい!」
この熱意に心を動かされたのが、ミントフラッグ代表取締役の片山さんです。大会の限定景品として、世界に一つだけのオリジナルTシャツを作ることを決め、大会当日は会場にも駆けつけて、子どもたちに声援を送ってくださいました。
アプリを夢中で遊ぶ。その魅力を自分の言葉にする。仲間を集めてイベントを企画する。そして企業の大人を動かす。しゅんしゅんたちは、ゲームを「消費する」だけのユーザーから、その価値を広げる側へと、一歩ずつ進んでいきました。
3中1でEDIX東京に登壇|子どもの視点で企業に新機能を提案
2026年5月、しゅんしゅんは中学1年生になって、日本最大級の教育IT展示会「EDIX東京(教育総合展)」の舞台に立ちました。EDIXは、学校の先生や教育関係の企業が全国から集まる展示会です。
ミントフラッグの広報PR大使として
NIJINアカデミーのブースでは、ミントフラッグの片山さんと、NIJINアカデミーの伊佐先生が、子どもたちとの共創の成果を発表しました。しゅんしゅんは、ここでミントフラッグの広報PR大使を務めています。学園祭での「1日」のPR大使から、教育の大きな展示会の舞台へ。活動の場は、半年あまりで大きく広がりました。
Adoraの社員さんと「ライブ掛け合い発表」
EDIXでのもう一つの大きな発表が、Adora株式会社との共創発表です。目玉は、しゅんしゅんとAdoraの社員さんによる「ライブ掛け合い発表」でした。大人の展示会という緊張感のある舞台でも、しゅんしゅんは堂々とマイクを握りました。
発表の冒頭では、しゅんしゅん考案の「ネットリテラシークイズ」をステージで出題しました。「QRコードを作った国はどこでしょう?」「プログラムの間違いを『バグ』と呼ぶ理由は?」。大人も思わず「へえ〜!」となる問いに、来場者が耳を傾け、ブースは笑顔と活気に包まれました。
子どもだからこそ気づける「新機能」を提案
ステージのクライマックスは、しゅんしゅんからAdoraの社員さんへの、コドマモの新機能の提案です。ふだんからデジタル機器に触れている子ども自身だからこそ気づく、「もっとこうなったら使いやすい」「こういう機能があれば、僕たちもうれしい」というリアルなアイデアを伝えました。
社員さんからは、技術や使いやすさの視点をふまえた本格的なフィードバックが返ってきました。
「これは本当に実現可能な素晴らしいアイデアですね!」
― EDIX東京のステージで、しゅんしゅんの提案を受けて
ステージでは、その機能を実現できるかどうかについて、具体的な話し合いにまで発展しました。発表の最後には、Adoraさんから「これからも子どもたちのリアルな声を生かして、一緒に新たな機能をつくっていきたい」という言葉もいただいています。子どもの発表で終わらず、企業と子どもが対等なパートナーとして、これからのサービスを考える。そんな時間になりました。
NIJINアカデミーでは、このように企業や自治体、大学と一緒に学びをつくる取り組みを「社会共創プログラム」として続けています。
体験会の日程・学費のご案内もできます。
4不登校がいちばん多い宮城へ|仙台のプレゼンで語った「受け皿」
2026年9月4日から6日、NIJINアカデミーの子どもたちは、仙台で開かれた東北最大級のスタートアップイベント「DATERISE! 2026」に出展しました。2泊3日の「仙台アントレプレナーシップ修学旅行」です。アントレプレナーシップとは、自分で課題を見つけ、新しい価値を生み出そうとする姿勢のことです。
ブースに立ったのは、不登校を経験した子どもたち自身でした。来場した起業家や企業の担当者に、自分の言葉で語りかけ、チラシを配り、名刺を交換する。やがて会場には「プレゼンが上手すぎる小中学生がいる」という声が広がりました。

グラフで示した「宮城だけ、飛び出して高い」
中学1年生のしゅんしゅんが取り上げたのは、宮城県の不登校の多さです。グラフを示しながら、「宮城だけ、不登校の数が飛び出して高い」と説明しました。
そのうえで、自分の経験をもとに、こう分析しています。

「本人が悪いわけじゃない、受け皿を作ればいい」
不登校を子ども本人の問題として見るのではなく、子どもが安心して学べる場所が足りないことに目を向ける。学校に行きづらさを経験したしゅんしゅん自身の言葉だからこそ、聞いていた大人たちにまっすぐ届いたのではないでしょうか。
大好きな鉄道の知識で、宮城にリアル校を
しゅんしゅんの話は、そこで終わりません。「日本全国の学校を、ぜんぶリアル校にしたい」「日本をNIJINアカデミーで変えるんだ」と、大きなビジョンまで自分の言葉で語りました。リアル校とは、オンラインのメタバース校舎とは別に、実際に通って学べるNIJINアカデミーの教室のことです。
さらに、大好きな鉄道の知識を生かし、宮城にリアル校を作るアイデアを具体的に説明しました。「好き」で深めてきた知識が、社会の課題を解くためのアイデアに変わった瞬間です。
3日目には、子どもたち自身が主催するワークショップも開かれ、企業の方々や宮城の中学生、東北の大学生・大学院生と一緒に「仙台のこれから」を話し合いました。修学旅行全体の様子は、仙台アントレプレナーシップ修学旅行の活動報告で紹介しています。
5しゅんしゅんの成長から見える、不登校の子が社会とつながる学び方
小6の学園祭から中1の仙台まで、しゅんしゅんの1年を時系列で振り返ります。
- 2025年10月(小学6年生)|学園祭で2つの企業のPR大使にコドマモのPR大使としてプレゼンし、「ITリテラシービンゴ大会」を自分で企画。英語学習アプリの1日PR大使も務める。
- 学園祭のあと|生徒主体の『NIJINカップ』へ「マグナの輪を広げたい!」と仲間に呼びかけ、子どもたちが中心になって英語イベントをつくる。
- 2026年5月(中学1年生)|EDIX東京で企業と共同発表ミントフラッグの広報PR大使を務め、Adoraの社員さんとの掛け合い発表でコドマモの新機能を提案。
- 2026年9月|仙台でスタートアップイベントに出展宮城県の不登校の課題をグラフで示し、「受け皿を作ればいい」と提言。鉄道の知識を生かしたリアル校のアイデアも語る。
この歩みから見えてくるのは、次のようなことです。
1. 「好き」が入口になる
アプリやゲーム、鉄道。しゅんしゅんの挑戦の入口には、いつも本人の「好き」がありました。好きなものだからこそ使い込み、魅力を言葉にでき、人に伝えたくなる。ゲームやアプリへの熱中は、遊びで終わるとは限りません。
2. 小さな挑戦を積み重ねる
最初から大きな舞台に立ったわけではありません。学園祭のブースで話す、イベントを企画する、仲間に呼びかける。小さな経験を一つずつ重ねた先に、EDIXや仙台の舞台がありました。
3. 子どもの意見を本気で受け止める大人がいる
オリジナルTシャツを作ってくれた社長、提案を「実現可能」と受け止めてくれた社員さん。子どもの考えを「練習」として扱うのではなく、社会に届ける価値のある意見として受け止める大人との出会いが、しゅんしゅんの自信を育てました。
6動画で見る:しゅんしゅんの仙台でのプレゼン
宮城県の不登校の課題と、リアル校のアイデアを語ったしゅんしゅんのプレゼンです。
7【公式データ】不登校の小中学生は全国で約35万人|宮城県の状況
しゅんしゅんがプレゼンで取り上げた不登校の現状を、公的なデータで確認します。文部科学省の調査では、2024年度(令和6年度)に不登校だった小・中学生は353,970人で、12年連続の増加となり、過去最多を更新しました。
全国の小・中学校の不登校児童生徒数(2024年度)
12年連続増加
1,000人あたり23.0人
1,000人あたり67.9人
小・中学校の不登校児童生徒数の推移(全国)
5年で約2倍に。特に中学生は、1,000人のうち約68人が不登校です。
しゅんしゅんが「飛び出して高い」と示した宮城県は、2023年度(令和5年度)の調査で、小中学校を合わせた1,000人あたりの不登校の人数が46.7人となり、全国の都道府県で最も多くなりました。宮城県の資料によると、中学校の不登校の割合(不登校出現率)は8.32%で、全国の6.71%を大きく上回っています。
中学校の不登校出現率(2023年度)
宮城県の中学生は、全国平均より不登校の割合が高い状況です。
こうした数字の背景には、子ども一人ひとりの事情があります。しゅんしゅんが語ったように、大切なのは「本人が悪い」と考えることではなく、子どもが安心して学べる場所を増やしていくことです。宮城県の不登校の背景については、教育メディア「にじいろ」の宮城県はなぜ全国で最も不登校が多いのかでも詳しく解説しています。
8NIJINアカデミーの学びと支援
NIJINアカデミーは、不登校の小・中学生が、自宅からオンラインのメタバース校舎に通えるオルタナティブスクールです。授業だけでなく、企業との共創プロジェクトや学園祭、修学旅行など、学校の外の社会とつながる機会も大切にしています。
- 対象
- 小学1年生〜中学3年生
- 参加方法
- 自宅からメタバース校舎へ。平日開校
- サポート
- 専任サポート(1対1)/少人数クラス(8〜10人制)
- 出席認定
- 希望者の97%が在籍校で出席扱いを取得(実績)
- 在籍数
- 1000名超
9よくある質問
ゲームやアプリばかりの子でも、NIJINアカデミーで学べますか?
はい。しゅんしゅんのように、アプリやゲームへの熱中が、プレゼンやイベント企画、企業との共創につながることがあります。NIJINアカデミーでは、子どもの「好き」を否定せず、学びや活動の入口として大切にしています。
人前で話すのが苦手でも大丈夫ですか?
大丈夫です。発表や企業との活動は、本人が「やってみたい」と思ったときの選択肢の一つで、全員に求めるものではありません。安心して過ごせることや、好きなことを話せることも、大切な成長の一歩だと考えています。
企業との共創プロジェクトには、どうすれば参加できますか?
学園祭のブース運営や企業とのイベントなど、学年を問わず参加できる機会があります。内容は時期によって変わるため、くわしくは体験会や公式LINEでお問い合わせください。
オンラインでの学習は、在籍校の出席扱いになりますか?
最終的な判断は在籍校が行います。NIJINアカデミーでは、希望した生徒の97%が出席扱いを得ている実績があり、学校との連携方法についても相談できます。
メタバース校舎の授業と休み時間のようすを、オンラインでそのまま体験できます。保護者の方だけのご参加も大丈夫です。
所要2分で予約できます
参考情報:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」/宮城県「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(宮城県分)の結果について」/KHB東日本放送「宮城県の不登校児童生徒 4年ぶり全国最多に」(2026年10月確認)
本ページはNIJINアカデミーが編集しています。統計データは出典元の更新により変わる場合があります。最新の数値は各公式サイトでご確認ください。
