不登校の子どもたちのための「制服を作りたい」その言葉から、未来を変える挑戦が始まった
NIJINアカデミーには、学校生活でつらい経験をし、その記憶が「制服」と強く結びついている生徒がいます。
「制服を見ると、当時の怖い記憶がより鮮明によみがえる」
「みんなと同じ格好に合わせるうちに、本当の自分がわからなくなった」
子どもたちから寄せられた、切実な声。
本来、制服は仲間とのつながりや、学校への愛着を感じさせてくれるものかもしれません。
しかし、子どもたちの中には、制服を見るだけで苦しかった日々を思い出してしまう子もいます。
そんな制服を、もう一度、自分らしくいられるものにできないだろうか。
誰かに合わせるためではなく、自分を好きでいるために着られる制服をつくれないだろうか。
「制服を作りたい」。
その思いから、このプロジェクトは始まりました。
これは、ただ新しい制服をつくるプロジェクトではありません。
かつて学校生活で傷ついた経験のある子どもたちが、自分たちの声を出発点に、企業と一緒に社会の当たり前を変えようとする挑戦です。

自分の「好き」も、仲間の「好き」も、大切にしたい。
制服づくりが始まると、子どもたちは一人ひとり、自分の思いをデザインに込めていきました。
どんな服なら着てみたいだろう。
どんなデザインなら、自分らしくいられるだろう。
自分の感覚や好みと向き合いながら、それぞれが思い描く制服を形にしていきます。
企業の方々から専門的なアドバイスをいただき、毎週のミーティングで話し合いを重ねる中で、やがて実際に製作するデザインを絞り込む段階に入りました。
そこで子どもたちが大切にしたのは、誰か一人のデザインを選ぶことではありませんでした。
一つひとつのデザインには、それぞれの「好き」や、譲れないこだわりがあります。
自分のアイデアを選んでもらうことだけがゴールなら、誰かのデザインを諦めなければならないかもしれません。
でも、みんなの思いを大切にしたい。
そこで、それぞれのデザインのよさを組み合わせ、一つの制服にすることになりました。
自分のアイデアを大切にすること。仲間のアイデアも同じように大切にすること。そして、違うもの同士を組み合わせることで、一人では生み出せなかったものをつくり上げること。
子どもたちは、企業の方々と対話しながら、少しずつ「みんなの制服」を形にしています。

制服プロジェクトの会議の様子
「着たい」だけじゃない「着ることができる」制服に
今回の制服づくりには、もう一つ大切にしていることがあります。
それは、見た目のかっこよさやかわいさだけでなく、実際に着る子どもたちが心地よく過ごせることです。
感覚過敏のある子どもにとって、服の肌触りや縫い目、素材の質感は、ときに大きな負担になります。
周りの人には何でもないことでも、本人にとっては、着続けることが難しい理由になることがあります。
そこで、実際に感覚過敏のある生徒にヒアリングを行いました。
どんな生地なら着やすいのか。どんな感覚が苦手なのか。
実際に着る子どもの声を聞き、生地選びにもこだわっています。
誰かにとっての「普通」が、別の誰かにとっては苦しいこともある。だからこそ、想像するだけで終わらせず、本人の声を聞き、ものづくりに反映していく。
それは、制服をつくることを超えて、一人ひとりの違いを大切にする社会を考えることでもあります。
さらに、制服を製作してくれる会社を探すことも、子どもたち自身が担いました。
自分たちの思いを伝えるために、会社を調べ、メールの文章を考え、実現に向けて一歩ずつ動いてきたのです。
「作りたい」という願いを、誰かがかなえてくれるのを待つのではなく、自分たちで社会に働きかけていく。
その挑戦が、いま、実際の制服という形になろうとしています。
支えてもらうだけじゃない。自分たちが、社会を変える存在になる。
不登校を経験した子どもたちは、ときに「支援される側」として見られることがあります。
でも、子どもたちは、それだけの存在ではありません。
つらい経験をしたからこそ気づけることがあります。自分が困った経験があるからこそ、誰かの困りごとに気づけることもあります。
子どもたちが持つ経験や視点は、社会をよりよくするための力にもなるのです。
今回のプロジェクトでは、子どもたちの自由な発想と、企業が持つ専門的な知識や技術を掛け合わせ、一緒に考え、一緒につくることを大切にしています。
企業が一方的に答えを与えるのでも、子どもたちが一方的に要望を伝えるのでもない。
互いの声に耳を傾け、それぞれの強みを持ち寄り、新しい価値を生み出していく。
それが、私たちが目指す社会共創です。
自分たちの経験から生まれた思いが、企業を動かし、ものづくりにつながり、まだ出会っていない誰かの選択肢になるかもしれない。
そう考えると、この制服は、単なる一着の服ではありません。
子どもたちが自分の声を社会に届け、自分たちの手で未来を変えていく。その挑戦の証でもあります。
“NIJIN教育万博”子どもたちの思いが形になる
子どもたちの想いから始まった制服づくり。
一人ひとりのデザイン、毎週の話し合い、感覚過敏のある生徒の声、製作してくれる会社探し。
たくさんの人の力と、子どもたち自身の一歩一歩が重なり、完成が近づいています。
完成した制服は、11月21・22日に開催される「NIJIN教育万博2026」でのお披露目を予定しています。
自分たちの考えたものが、本当に形になる。
自分たちの声が、社会に届く。
そして、自分たちの経験から生まれたアイデアが、誰かの未来を少し変えるかもしれない。
その経験は、子どもたちにとって、きっと大きな意味を持つはずです。
かつて制服を見ることがつらかった子どもたちが、自分たちの手で、新しい制服をつくろうとしている。
その一歩が、いつか誰かにとって「この制服なら着てみたい」「ここなら自分らしくいられる」と思えるきっかけになるかもしれません。
制服を変えることから、社会の当たり前を変えていく。
ぜひその瞬間を共に分かち合いませんか。
詳細はこちらから☟
https://expo.nijin.co.jp

