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小学1年生の不登校|オンラインで2か月「顔を出せなかった」子も参加できていた理由【フリースクール】

学校を選ばず、オルタナティブスクールを選んだ小学1年生

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「学校には行かない」。その選択をした小学1年生が、オンラインのオルタナティブスクールでどんな時間を過ごしているのか。そして、画面に顔が映らない子は、本当に「参加していない」のか。

この記事では、4月にNIJINアカデミーへ入学したそうちゃんの数か月を、専任サポートを担当したひとねえの視点で振り返ります。あわせて、そうちゃんを支えていたNIJINアカデミーの仕組みについてもお伝えします。

その前に、NIJINアカデミーが大切にしている「学びのスリーステップ」について触れておきます。①自分を好きになる、②学びを好きになる、③社会を好きになる。この順番を飛ばさないことを、私たちは何より大事にしています。

大人はどうしても、②の「学びを好きになる」から始めたくなります。けれど、自分のことを好きになれていない状態で学びに向かおうとしても、うまくいかないことのほうが多いのです。そうちゃんの数か月は、この三つのステップがどんなふうに進んでいくのかが、とてもよく見える時間でした。

NIJINアカデミーより

NIJINアカデミーは、全国から900名を超える子どもたちが通うオルタナティブスクールです。カメラ・音声オフでの参加も可能で、声や顔を出すことがハードルになる子も自分のペースで学びを始められます。

4月に入学。それから2か月、画面に顔は映らなかった

4月にNIJINアカデミーに入学したそうちゃん。専任サポートの時間に顔を見せてくれたのは、初回の一度きりでした。それから約2か月間、パソコンの前にそうちゃんが姿を見せることはありませんでした。

ここで少し、「専任サポート」について説明させてください。専任サポートは、担任とは別に、一人の子どもに一人の担当者がつく1対1の時間です。全員が使う仕組みではなく、希望するご家庭が選べるオプションとして用意しています。定期的にオンラインでつながり、その子とご家庭の状態に合わせて、過ごし方そのものを一緒に決めていきます。

1対1と聞くと、「毎回きちんと勉強する時間」を想像されるかもしれません。けれど実際は、話をするだけの日もあれば、画面の向こうから声だけが聞こえてくる日もあります。そうちゃんとの時間は、後者から始まりました。

顔を出せるようになるまでの時間は、お母さんとの対話の時間でした。NIJINアカデミーの使い方から始まり、その1週間にあった出来事を中心に話をしていきます。今週は何をして過ごしたか、どんなことに夢中になっていたか、困っていることはないか。話し相手はお母さんですが、その会話はいつも、画面の外にいるそうちゃんに届く場所で交わされていました。

「顔を出せるようにすること」を目標には置きませんでした。初めて会う大人の前に姿を見せるのは、大人が思っている以上に大きなハードルです。そこを急かしてしまえば、せっかくつながった週に一度の接点そのものが、負担に変わってしまいます。

すると、少しずつ変化が現れます。画面に映らない場所から、そうちゃんの声が聞こえてくるようになりました。ときには、私とお母さんの話を聞きながら鼻歌を歌っている日もありました。

声が届くということは、その場に居続けることを選んでくれているということです。話しかけられたら応えなければならない、という緊張から少し離れた場所で、そうちゃんは自分のペースで場に加わっていました。

「参加していない」ように見えて、そうちゃんはちゃんとその場にいたのです。

専任サポートの外側でも、そうちゃんは動いていた

専任サポートはオプションですから、そうちゃんには担任の先生とのやりとりもあります。担任のクラス会議に出たり、担任が主催するイベントに参加したり。さらにSlackを通して、自宅で作ったものを中心に活動内容を教えてくれていました。

NIJINアカデミーには、子どもが学校と関われる入り口がいくつも用意されています。担任と学級のみんなで集まるクラス会議、先生が持ち込む興味起点のイベント、そして日々のやりとりが流れるSlack。どれか一つに出られなくても、別の入り口から関わることができます。

なかでもSlackは、そうちゃんのような子にとって大きな意味を持ちました。声を出さなくていい。顔を映さなくていい。自分の作ったものの写真を上げれば、それだけで「今日こんなことをした」が先生や仲間に伝わります。反応を受け取るタイミングも、自分で選べます。

画面に顔が映らない時間にも、そうちゃんの学びは確かに動いていたのです。

振り返れば、入学からの2〜3か月は、そうちゃんにとって「自分を好きになる」時期だったのだと思います。何かができるようになった時期ではありません。安心できる場所を見つけ、ここにいていいと感じられるようになった時期です。スリーステップの一段目は、こういう静かな形で進んでいきます。

顔出しができるようになったそうちゃん
顔を出さなくても、参加できる教室です

メタバース校舎では、カメラオフ・チャットだけの参加もOK。小学1年生から、その子のペースで少しずつ慣れていけます。まずは体験会で雰囲気をのぞいてみてください。

在籍900名超出席認定 希望者の9割以上少人数8〜10人制

「見せたい」が生まれた日

変化がはっきりと形になったのは、そうちゃんが自分から画面に顔を出すようになってからでした。

自分から顔を出せるようになってからは、Slackには載せていない、お母さんと一緒に作ったカードを見せてくれました。

これは私にとって、とても大きな出来事でした。Slackに上げるのは「記録」ですが、その場で見せてくれるのは「今、あなたに見てほしい」という意思表示だからです。顔を出せるようになったこと以上に、見せたい相手として選んでもらえたことに意味がありました。

そんな中、お母さんからこんな話が出ます。

お金に興味があって、パパに作ったものを売ってるんです

作ることが好きで、それを誰かに届けることにも興味がある。だとすれば、家の中だけで終わらせるにはもったいない興味です。そこで私たちは、マルシェへの参加を提案しました。

NIJINアカデミーには、子どもの興味を外に開くための場が用意されています。マルシェもその一つで、子どもたちが自分で作ったものを実際に販売する取り組みです。値段をつける、売れるように工夫する、お客さんと言葉を交わす。好きなことの延長線上に、算数もコミュニケーションも自然と入り込んできます。

これは、三段目の「社会を好きになる」につながる提案でもありました。ただ、そこへ一足飛びに進んだわけではありません。マルシェに向かう前に、そうちゃんはもう一段、大きな階段をのぼっています。

「サワガニ」から広がった学び

きっかけは、担任のいっさ先生が話してくれた「サワガニ」でした。

先生が投げかけた、何気ない一言です。おそらく先生自身も、そこからここまで広がるとは思っていなかったはずです。

いま振り返ると、そうちゃんが「学びを好きになる」フェーズに入ったのは、この瞬間だったと思います。先生の言葉に興味を持ち、その興味が自分の足を動かした。誰かに与えられた課題ではなく、自分の中から出てきた「知りたい」で動き始めた、最初の一歩でした。

そうちゃんは、その話をもとにサワガニについて調べます。そして休日、家でサワガニを見に出かけました。実際に川へ入り、自分の手でサワガニを捕まえ、じっくりと観察したのです。

調べて終わりではなく、本物を見に行く。しかも、誰かに「行きなさい」と言われたからではなく、自分が知りたいと思ったから足を運ぶ。ここが、そうちゃんの学びのいちばん強いところだと感じています。

帰ってきてからは、Slackでサワガニについて報告。それだけでは終わりません。そうちゃんは、マルシェで販売する商品として「サワガニ」を作りました。

見たものを、自分の手で作り直す。形にしようとすると、体のつくりや色、脚の数といった細部を思い出さなければなりません。図鑑を眺めるだけなら通り過ぎてしまう情報が、「作る」という目的を持った瞬間に、必要な知識へと変わります。それ以上に、サワガニを見に行った時の想いや思い出が追加され、ネックレス作りに気持ちがこもるでしょう。

図解:そうちゃんの2〜3か月間の歩み
1顔が見えない2か月

Slackで静かに「今日したこと」を伝える

2「見せたい」が生まれる

お母さんと作ったカードをその場で見せる

3興味がマルシェへ広がる

サワガニ作りから学びが自然に生まれる

興味は、学習の種

先生の一言から興味が芽生える。自分で調べる。実際に見て、触れて、五感を使った体験でインプットする。そして自分なりの表現でアウトプットする。

そうちゃんがたどったのは、まさに学びのサイクルそのものでした。

そして、この数か月をスリーステップに重ねると、こうなります。入学からの2〜3か月が「自分を好きになる」。いっさ先生のサワガニの話に興味を持った瞬間から「学びを好きになる」。そしていまそうちゃんは、周りの人や誰かを幸せにしたいという「社会を好きになる」フェーズに歩み出しています。

作ったものを誰かに届けたい。買ってくれた人に喜んでほしい。その気持ちは、もう自分の中だけで完結していません。自分を好きになれたから、学びを好きになれた。学びを好きになれたから、その先にいる誰かのことを考えられるようになった。三つのステップは、そうやって地続きにつながっています。

順番を飛ばさなかったから、ここまで来られたのだと思っています。もし最初の2か月に「顔を出そう」「勉強しよう」と急かしていたら、自分の足で川へ入る休日は、たぶん訪れなかったはずです。

時間割で区切られてはいません。テストもありません。それでも、興味を入り口にした学びは、教科の枠を越えて広がっていきます。サワガニを調べることは理科であり、Slackで報告することは国語であり、マルシェで売ることは算数であり社会です。順番が違うだけで、中身が薄いわけでは決してありません。

「うちの子は画面に顔も出せないから、オンラインは難しいかもしれない」。そうお話しされるご家庭は少なくありません。けれど、顔が映らないことと、学んでいないことは、まったく別のことです。そうちゃんが教えてくれたのは、そのことでした。

画面に顔が映らなかった2か月の間にも、そうちゃんの中では確かに何かが育っていたのだと思います。子どもが安心できる場所で、興味の種が芽を出すのを待つこと。NIJINアカデミーが大切にしているのは、そんな時間です。

タブレットで学ぶ親子
「顔を出せない」も、そのままで大丈夫です

NIJINアカデミーは、自分を好きになることから始まる学びの場です。カメラオフでの見学から、まずは雰囲気を見てみませんか。

在籍900名超出席認定 希望者の9割以上少人数8〜10人制