【NIJIN教育万博2026】出展企業が続々決定!詳しく見る

「人前に立つのが怖かった」から始まった挑戦。不登校中学生がつくった『ポケモンサークル』――創設者Tomaさんインタビュー

生徒インタビュー ポケモンサークル創設者Tomaさん

ポケモンサークル創設者 Tomaさんがつくる癒しと進化の居場所

NIJINアカデミー(以下ニジアカ)には、子どもたちの「好き」から生まれた11のサークル活動(2026年7月現在)があります。 マインクラフト、ポケットモンスター、ロブロックス、イラスト……すべて、ニジアカに通う子どもたち自身が「サークル化したい!」と手をあげ、 サポートしてくれる先生を探し、学園内でプレゼンテーションをして発足したものです。 今回はその一つ、『ポケモンサークル』を創設した中学1年生・Tomaさんにお話を伺いました。

取材対象:中学1年生・ポケモンサークル創設者 キーワード:不登校 / サークル活動 / オンラインフリースクール

今回登場するTomaさんとポケモンサークルのプロフィール

本人
Tomaさん(仮名)・中学1年生
不登校の経緯
小学3年生の出来事をきっかけに人前での発言が怖くなり、5年生の頃から学校に行かなくなる
サークル概要
ポケモンサークル/2025年4月発足/部員数13名(2026年7月現在)/週1~2回オンラインで活動
主な実績
2026年7月放映のNHK「新プロジェクトX」に出演。ニジアカ「門出を祝う会」でのスピーチや「EDIX」登壇も経験
Tomaさんと担任の先生

この記事の要点

  • Tomaさんが不登校になったのは、小学3年生のときにクラスメイトに笑われた小さな出来事がきっかけだった
  • ニジアカに入学した後も、しばらくは授業やクラス会議に参加できなかった
  • 「ポケモン好きの仲間を癒したい」という思いから、ポケモンサークルの設立を決意
  • プレゼンテーションという最大の恐怖を乗り越えたことが、大きな転機になった
  • 今ではクラス会議や授業にも参加し、リアルイベントでのスピーチにも挑戦している
  • ポケモンサークルは部員13名に成長し、NHK「新プロジェクトX」にも取材された

1人前に立つのが怖くなった、小学校時代

不登校となり、ニジアカにくることになったTomaさん。 小学校に行けなくなったのは特別なきっかけがあったわけではなく、人前に立つことへの恐怖から少しずつストレスが重なったことが原因でした。

小学3年生のある日。授業で出た不等号の問題を勘違いで間違えてしまい、クラスメイトに笑われました。 勉強が得意で勉強のことではよくクラスで頼りにされていたため、その出来事がとても悔しく、それ以来人前に立つことが怖くなりました。

Toma

「問題を間違えて友だちに大笑いをされて、それ以来人前に立つことが苦手になっちゃいました。あと小学4年生の時に仲の良かった友だちが転校してしまって。そこから行くのが苦しくなって、5年生の時は行ったり行かなかったりを繰り返して、最終的にはお母さんに頼んで行かないことにしました」

2ニジアカは素敵だったけれど授業には出られなかった

ある日、お母さんからニジアカの存在を聞きました。

Toma

「ニジアカには実は最初あまり興味がなくて、『へー』っと適当に相槌をうっていました。そしたら『よし、じゃあ見学!』と強引に話が進んじゃったんですよね。」

お母さんの誘いで参加した体験会。期待せずに参加した先には驚きの世界が広がっていました。

Toma

「話を聞いてみて、『あれ?なんかよくない?』って思いました。クラス会議があったり、会議中にゲームをやっていたり。ご飯食べながら授業受けていいよって言われたり。普通の学校と何か違うって思ったんですよね。」

ニジアカは自分の中にある「学校」からかけ離れた姿をしている。ここなら通えるかもしれない。そう思い、Tomaさんは入学することを決めました。

しかし、オンライン環境と言えど人前での発言への恐怖感はぬぐえず、授業やクラス会議には結局ほとんど参加ができませんでした。

Toma

「精神的な問題もあって、入学してからずっと授業やクラス会議には出ていませんでした。入学したころゲームサークルっていうのがあって(現在は廃部)、そこに入ったんです。そこで友だちが出来て楽しくて。最初の頃はずっとゲームサークルにいました。」

3そうだ、自分もサークルを作って誰かを元気づけたい!

“楽しそうなことを自分たちで考えて遊ぶ”サークルのそんなところに惹かれました。 ゲームサークルで日常を過ごす中で、少しずつ元気を取り戻していきました。そして入学をして半年も経ったある日、ポケモンサークルを作ることを思い付きます。

Toma

「ポケモンが好きで、ポケモン好きと繋がりたいって気持ちが出てきて。単純にポケモン好きで集まりたいって気持ちもあったし、自分がポケモンで癒されて元気をもらったから、ポケモンサークルがあれば同じように心が痛んだ人たちを癒せるんじゃないかと思ったんです。」

その思いをすぐに担任のよっちゃん先生に相談し、設立に向けての準備が始まりました。

Toma

「担任のよっちゃん先生に相談したらすぐに『いいじゃん!協力するよ!』と言ってくれました。そこから、人を集めないとねってなって、Slack*で『ポケモンサークルを作ろうと思っているんですけど、どうですか?』という内容の発信を始めました。」

*ニジアカではコミュニケーションツール「Slack」を使って、先生や生徒同士がやり取りをしています

ポケモンサークル活動

発信をしたところ、複数名のニジアカ生が「興味ある!」と応えてくれ、メンバーも順調に集まりました。

4仮サークル解体の危機と「やるっきゃない!」

ところが、ここで壁が立ちはだかります。ニジアカではサークルを作るにはアカデミー内でプレゼンテーションをし、タツロー校長から認可を得なければなりません。 プレゼンテーションとはすなわち、人前での発表です。顔出し、声出しをしなければいけない……そこに大きなハードルがありました。

Tomaさんはなかなかこの恐怖に打ち勝てず、しばらくの期間、(仮)と名をつけて仲間たちと時々オンライン上で集まって活動をしていました。 そんなある日、タツロー校長から連絡がきました。

Toma

「タツロー校長から、『ずっと仮の状態でいるわけにいかないよ。このままプレゼンテーションしないなら、なくさないといけないよ』と言われて驚きました。そこからどうしよう…って思ったけど、サークルはどうしても作りたい。避けて通れない道だと思って、こうなったらやるしかないと思った」

タツロー校長の一言で覚悟を決めたTomaさん。そこから一気に仮サークルの仲間たちとCanvaで資料を作り、何度もリハーサルを重ねました。

5踏み出したら違う世界が見えた

迎えたプレゼンテーション当日。発表の舞台はオンラインの全体ホームルームの時間。 タツロー校長を始め、大勢の生徒や先生が画面内に沢山写っていました。 前日はなかなか寝付くことができず、始まる前も緊張で心臓が飛び出そうでした。

そんな中、仲間2人と画面をONにしプレゼンテーションがスタート。声を出し、緊張はピークに達しました。 しかし、話をしていくうちに少しずつ気持ちに変化が出てきました。

Toma

「何ページか発表をしていたら、なんか楽しくなってきて。前日までは『どうしよう、どうしよう』ってばかり言っていたらお母さんに『案ずるより産むやすし』って言われて、本当にその通りだなって思いました。楽しくやっているうちに気づいたらプレゼンが終わってました。」

ポケモンサークルの存在意義はみんなの癒しの場所になること。コンセプトは「進化」。 癒しの場所でありながら、みんなお互いに励まし合いながら毎日小さな進化を積み重ねて、大きく進化できるようになりたい。 仲間と何度も議論して、見直した存在意義とコンセプトでした。

しゃべり終わる頃にはすっかり緊張や人前で話すことへの恐怖はなくなっていました。 ポケモンサークルへの思いをすべて伝えおわり、ほっと肩を撫でおろしてすぐ「すばらしい…」の声と共に学園内に響いた大きな拍手。

NIJINアカデミー ポケモンサークル
2025年4月。こうしてポケモンサークルが誕生しました。

6小さな進化を積み重ねて、「誰かを元気づける」が実現できている

ポケモンサークルができて1年。最初はサークルの企画に悩むこともありましたが、今はポケモンサークルが人と人をつなぎ、元気づける場所になってきていると言います。

Toma

「前はマイクオフで参加していた子が初めてマイクオンにしてくれたり、顔出しをしてくれるようになったり。目的の一つの『ポケモンで人と人をつなげる』が少し実現できているのかなと思います」

ポケモンが好きで入ってみて、楽しくて毎回参加をしていたら元気が出てきた。今日はしゃべってみようかな、今日は顔も出してみようかな……入った子たちは毎日少しずつ進化をしています。

Toma

「マイクオフでも、顔出ししなくても、誰でも楽しめるような企画作りはしています。あとは敬語は距離ができちゃうから、時々タメ口を使って話しやすくしたり。」

今の運営スタイルは特段意識して作ったわけではなく、「みんなの癒しの場所になるにはこうしたらいいかな」を繰り返していくうちに出来上がったといいます。 癒すことを考えた、気を張らない自然体の運営姿勢。これが高い参加率の秘訣です。

ポケモンサークル オンライン活動の様子。企画は毎回、アクティビティ担当が考えて資料を用意し、活動を盛り上げます。

7人前で話すこと 今はやってみますと言える

この1年間はTomaさん自身にも変化がありました。

Toma

「ポケモンサークルを作ってからクラス会議や授業にも参加するようになりました。最近も出ています。あと、ポケモンサークル内でプライベートでも遊べる友だちができました。」

プレゼンがきっかけで、人前に立つことが怖くなくなったTomaさん。怖くなくなったら行動が変わって、周りが少しずつ動き始めました。

Toma

「設立してからはニジアカの『門出を祝う会*』でリアルでスピーチをしたり、『EDIX**』に登壇したりもしました。リアルは緊張するけれど、やる?って言われたら『やってみます』って今は言えます」

*門出を祝う会…ニジアカで毎年3月に開催される卒業イベント **EDIX…学校・教育機関など教育に関わる人向けの日本最大の展示会

創設から1年。Tomaさんはずっと避けてきた「人前での発表」を通して大きく進化しています。

8創設2年目 今後に向けて

最後に今後の展望を伺いました。

Toma

「今は小学校高学年~中学生が中心なので小学校低学年の子にも入ってもらいやすい企画とか場を作って、小さい子の部員数を増やしたいです。小さい子に入ってもらって長く続くサークルにしていきたい。あとは、㈱ポケモンへの取材です。前に取材申し込みをしたんですが、断られたり、反応がなかったりしたのでもっと実績をあげて㈱ポケモンにいつか取材ができるようになりたいです」

2026年7月にはNHKの取材も入り、コンセプトの通り小さな実績をどんどん積み上げているポケモンサークル。 Tomaさん、そしてポケモンサークルメンバーの夢の実現に向けてニジアカは全力で活動を応援していきます。

ポケモンサークルの活動をもっと知る

ポケモンサークルは、たった3人のメンバーから始まりました。「ポケモンが好きな人が安心して参加できる場所にすること」を大切にしながら、 ポケモンの話や好きなポケモンの紹介、ゲームの情報交換を重ねる中で、全国の仲間とつながる場所へと成長していきました。 現在は、ゲームを楽しむだけにとどまらない、次のような活動にも広がっています。

ポケモンサークル

ポケモンカードの価値を考える活動

「このカードにはどれくらい価値があるのか?」「なぜ人気があるのか?」「市場ではどのように価格が決まるのか?」―― ポケモンカードを題材に、遊びの中から考える機会も作っています。好きなものを入り口にして、調べる力、考える力、人に伝える力を育てる活動です。

ポケモンカードの価値を考える活動の様子

ポケモンGOイベント開催

オンラインだけではなく、リアルで人とつながる活動にも挑戦しています。ポケモンGOイベントでは、次のようなことを行いました。

  • フレンド登録
  • ポケモン交換
  • 一緒にプレイ
  • ポケモンについての交流

初めて会う人同士でも、「ポケモン」という共通の話題があることで自然と会話が生まれる。「ポケモンには、人と人をつなげる力がある」と感じられる時間になっています。

ポケモンGOイベントの様子

全国から注目される活動へ

子ども自身が考え、運営し、仲間を増やしていくポケモンサークルの活動は、多くの人から注目されるようになりました。 そして、活動の様子をNHKの大人気番組「新プロジェクトX」に取材していただく機会にもつながりました。 「不登校」や「学校に行きづらさを感じる」という背景があっても、好きなことを通じて仲間と出会い、自分らしく挑戦できる場所がある―― ポケモンサークルは、そんな可能性を伝える活動になっています。

全国から注目されるポケモンサークルの活動

ポケモンサークルの一番大きな成果は、部員数が増えたことだけではありません。「好きなことが、自分の居場所になる」ということを、Tomaさんが証明したことです。 サークル発足の経緯や日々の活動の様子は、以下の記事でもくわしく紹介しています。

▶ ポケモンサークルの活動レポートを読む

編集後記

「人前に立つのが怖い」という思いを、逃げずに「サークルを作りたい」という願いに変えたTomaさん。 プレゼンテーションという最大の壁を越えた先には、クラス会議への復帰、リアルイベントでのスピーチ、そしてNHKの取材という、 1年前には想像もできなかった景色が広がっていました。好きなことを起点に、自分の居場所を自分の手でつくっていく―― ポケモンサークルの歩みは、その一つの証です。

お子さんに合った学びの場、見つけませんか?

「好き」を入り口に、仲間と挑戦できる場所がある――Tomaさんの歩みも、そんなNIJINアカデミーでの日々から生まれました。 まずは無料の体験会で、子どもたちの様子をご覧ください。

無料体験会について詳しく見る