情緒学級とは少人数で学ぶ学級です
正式な名前は「自閉症・情緒障害特別支援学級」。学年どおりの勉強を、8人までの少人数で学べる学級です。対象になる子、知的学級や通級との違い、授業、高校受験までまとめました。
情緒学級は自閉症や心理的な困りごとのある子の学級
「情緒学級」「情緒級」は通称で、正式には自閉症・情緒障害特別支援学級といいます。地域の小・中学校の中にある特別支援学級の一つで、人との関わりや気持ちのコントロールに困りごとがある子が、落ち着いた環境で学ぶための場です。自閉症の子の不登校の原因や親ができることは自閉症の不登校|原因とサイン、親ができることでまとめています。
国の標準は8人まで。学年がちがう子が同じ教室で学ぶこともあります。
原則として、通常の学級と同じ学年の内容を学びます。
気持ちの整え方や人との関わり方を、時間割の中で学びます。
特別支援学級の子の半数以上が情緒学級
2023年度、情緒学級で学ぶ小中学生は約19万6,500人。特別支援学級に在籍する子(約37万人)の半数を超えています。2007年度は約3万8,000人だったので、16年でおよそ5倍に増えました。
- 約19.7万人情緒学級に在籍する小中学生(2023年度)
- 約3.8万人2007年度の在籍者。16年で約5倍に
- 約16.4万人知的障害の特別支援学級(2023年度)
対象になる子は大きく2つのタイプ
文部科学省の通知では、情緒学級の対象を次の2つとしています。どちらも知的な発達の遅れがないことが前提です。
A自閉症やそれに近い特性のある子
人との意思疎通や関係づくりが難しい程度の子。集団の中で強い不安や混乱が出やすく、少人数の落ち着いた環境が合う場合に対象になります。
- 通知の表現
- 自閉症又はそれに類するもので、他人との意思疎通及び対人関係の形成が困難である程度のもの
B心理的な要因で困りごとがある子
場面緘黙(選択性かん黙)など、心理的な要因によって学校生活になじむのが難しい子。
- 通知の表現
- 主として心理的な要因による選択性かん黙等があるもので、社会生活への適応が困難である程度のもの
ADHDや学習障害(LD)だけの場合は、情緒学級ではなく通級による指導の対象になるのが一般的です。入る基準と手続きは特別支援学級とは?でくわしく解説しています。
知的学級や通級とは学ぶ内容と籍がちがう
情緒学級と知的学級は、どちらも特別支援学級ですが、学ぶ内容が大きくちがいます。通級とは籍の場所がちがいます。
| 情緒学級 | 知的学級 | 通級による指導 | 通常学級 | |
|---|---|---|---|---|
| 対象 | 自閉症・心理的な要因による困りごと(知的な遅れなし) | 知的な発達の遅れがある子 | LD・ADHD・自閉症・情緒障害などで、おおむね通常学級で学べる子 | — |
| 籍 | 情緒学級 | 知的学級 | 通常学級 | 通常学級 |
| 人数 | 8人まで | 8人まで | 個別〜少人数 | 35〜40人まで |
| 教科の内容 | 原則、学年どおり | 下の学年の内容や、生活に結びついた学習に替えられる | 学年どおり | 学年どおり |
| 特別な指導 | 自立活動が時間割に入る | 自立活動・生活単元学習など | 週に数時間の自立活動 | なし |

授業は学年の勉強と自立活動の2本立て
情緒学級では、国語や算数などの教科は通常の学級と同じ教科書で進めるのが基本です。そこに、情緒学級ならではの「自立活動」が加わります。
少人数なので、わからないところをその場で聞けます。
同じ教科書を使う気持ちの切り替え方、相手への伝え方、予定の変更への対応など。
時間割に入る音楽・体育・給食・行事などを、同じ学年のクラスで過ごします。
週の半分未満が原則「個別の指導計画」をつくり、保護者と共有します。
学期ごとに見直す心理的な要因で長く休んでいた子などは、必要に応じて一部を下の学年の内容に替えることもあります。
合う子と迷いやすい子のちがい
情緒学級は、「勉強の内容はわかるが、大人数の教室がつらい」子に合いやすい場です。迷いやすいケースと考え方をまとめました。
音や人の多さで疲れやすい。予定の変更で混乱しやすい。教室では話せないが、少人数なら話せる。勉強は学年相応にできる。
学年どおりの内容がむずかしい場合は、知的学級や、通常学級+通級のほうが合うことがあります。発達検査の結果をもとに相談します。
週の半分以上を通常学級で過ごせるなら、通級による指導が候補になります。
学びの場は年度ごとに見直せます。通常学級や通級への変更も、担任と教育委員会に相談できます。
高校受験では評定がつきやすい
情緒学級は学年どおりの内容を学ぶため、通常学級と同じように評定(内申点)がつくことが多いのが特徴です。ただし扱いは自治体や学校でちがうので、早めの確認が欠かせません。
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 各教科に5段階の評定がつくか | 下の学年の内容に替えた教科は、評定がつかないことがある |
| 交流学級で受けた教科の評価は誰がつけるか | 通常学級の担任と情緒学級の担任で分担することが多い |
| 定期テストは同じ問題か | 同じ問題・同じ時間で受けていれば、評定の根拠になる |
| 卒業生の進学先 | 全日制・通信制・定時制など、その学校の実績を聞く |
進路の全体像は特別支援学級とは?の「高校受験と卒業後の進路」でも解説しています。情緒障害そのものについては情緒障害とは?をご覧ください。
入るまでは就学相談から5つの段階
情緒学級に入るかどうかは、保護者の希望だけでも、学校の判断だけでも決まりません。市区町村の教育委員会が、本人と保護者の意向、専門家の意見、学校の状況をふまえて総合的に判断します。流れを知っておくと、いつ何を準備すればよいかが見えてきます。
学校での様子と家庭での様子を共有します。困っている場面を具体的に伝えます。
気になったら早めに窓口は市区町村の教育委員会です。在学中は学校を通して申し込むこともあります。
次年度の変更は秋ごろまでに実際の学級を見て、人数や雰囲気、交流の様子を確かめます。
できれば本人と一緒に発達検査や行動観察、医師の意見などをもとに、子どもの状態を整理します。
結果は支援の材料になる教育支援委員会の意見をふまえて教育委員会が決め、保護者と合意して入級します。
入ったあとも見直せる相談の前に用意しておくと話が早いもの
| 用意するもの | 内容 |
|---|---|
| 困りごとのメモ | いつ、どの場面で、どんな様子になるか。うまくいった条件も書いておく |
| 検査結果や診断書 | 手元にあればコピーを用意する。なくても相談は始められる |
| 学校での記録 | 連絡帳、通知表、欠席や遅刻の状況など |
| 本人の希望 | どんな教室なら過ごしやすいか、本人の言葉で聞いておく |
通常学級のままがよいのか、情緒学級に移るのがよいのかで迷うときは、情緒学級と通常学級どっちがいい?判断基準7つで考え方を整理しています。
1日の半分以上を情緒学級で過ごす
文部科学省は2022年の通知で、特別支援学級に在籍する子は週の授業時数の半分以上を特別支援学級で学ぶことを目安として示しました。残りの時間は、同じ学年の通常学級(交流学級)で過ごします。
1週間29コマの配分の例(小学校高学年)
ある1日の時間割の例
| 時間 | 活動 | 場所 |
|---|---|---|
| 朝の会 | 1日の予定を確認する | 情緒学級 |
| 1時間目 | 国語 | 情緒学級 |
| 2時間目 | 算数 | 情緒学級 |
| 3時間目 | 音楽 | 交流学級 |
| 4時間目 | 自立活動(気持ちの整え方など) | 情緒学級 |
| 給食・昼休み | 同じ学年の友だちと過ごす | 交流学級 |
| 5時間目 | 体育 | 交流学級 |
| 帰りの会 | 1日をふり返る | 情緒学級 |

どの教科を交流学級で受けるかは、子どもの得意や体力に合わせて一人ひとり決めます。配分は学期ごとに見直せるので、疲れが強い時期は情緒学級の時間を増やすといった調整もできます。中学校での過ごし方は中学校の情緒学級はどんな場所?で紹介しています。
出典:文部科学省「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について(通知)Q&A」。時間割と配分は例であり、学校や子どもによって異なります。
入る前の不安は5つに分けて考える
情緒学級を検討している保護者から多く聞かれる不安は、大きく5つに分けられます。ひとつずつ切り分けると、学校に確認すればわかることと、家庭で決めることが見えてきます。
1デメリットはあるのか
学級の雰囲気は学校による差が大きく、交流の時間が減ることもあります。注意点の多くは、事前の見学で確かめられます。
7つの注意点と確認リストを読む →
2高校受験で不利にならないか
学年どおりに学ぶため評定はつきやすい一方、扱いは自治体や学校で異なります。中1のうちに確認しておくと安心です。
内申点と進路の選択肢を読む →
3通常学級とどちらがよいか
判断の軸は診断名ではなく、今の教室でどれだけ消耗しているかです。通級という第三の選択肢もあります。
判断基準7つを読む →
4中学校ではどう変わるか
教科担任制と定期テストが始まり、評定の重みが増します。進学前に決めておきたいことがあります。
小学校との違いを読む →
5入っても行けなくなったら
少人数でも合わないことはあります。学びの場の見直しと、学校の外の居場所を並行して考えます。
行けなくなる5つの理由を読む →
情緒学級が合わないときのNIJINアカデミー
NIJINアカデミーは、小中学生が自宅から参加できるオンライン中心のオルタナティブスクールです。メタバース校舎に8〜10人の少人数クラスがあり、1対1の専任サポート担任が伴走します。カメラやマイクをオフにしたまま参加できるので、人前で話すことや大きな音が苦手な子も、自分に合った距離感で過ごせます。
出席扱いを希望した生徒の97%が、在籍校で出席として認められています。
メタバース校舎のクラスと、1対1で伴走する専任のサポート担任。
オンラインと組み合わせて、近くの教室に通うこともできます。
「明るくない子どもなんていない。問題児なんてたったの一人もいない」——公立小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長が、NIJINアカデミーを設立した原点にある言葉です。

少人数でも学校がつらい方へ
在籍校に籍を置いたまま、自宅から参加できます。まずはLINEでお子さんの様子を聞かせてください。
NIJINアカデミーの雰囲気
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情緒学級を検討中の方も、合わないと感じている方も。NIJINアカデミーのスタッフがLINEでお話をうかがいます。
最終更新日:2026年10月3日
参考資料:文部科学省「障害のある子供の教育支援の手引」情緒障害/文部科学省「特別支援教育の充実について」/文部科学省「特別支援教育資料(平成19年度)」/福島県教育委員会「特別支援学級Q&A」
よくある質問
情緒学級はどんなところですか?
正式には「自閉症・情緒障害特別支援学級」です。地域の小中学校にある少人数の学級で、国の標準は1学級8人までです。お子さんが落ち着いて学べるかを、学校と一緒に確かめてください。
うちの子も情緒学級に入れますか?
自閉症やそれに近い特性があり、人との意思疎通や関係づくりが難しい子と、場面緘黙など心理的な要因で学校生活になじむのが難しい子です。どちらも知的な発達の遅れがないことが前提です。
知的学級とは何が違いますか?
対象と学ぶ内容が違います。情緒学級は知的な遅れのない子が対象で、原則として学年どおりの教科を学びます。知的学級は知的な発達の遅れがある子が対象で、下の学年の内容や生活に結びついた学習に替えることができます。
情緒学級と通級はどう違いますか?
籍の場所が違います。情緒学級は情緒学級に籍を置き、週の半分以上をそこで学びます。通級は通常学級に籍を置いたまま、週に数時間だけ別の教室で指導を受けます。
ADHDの子も情緒学級に通えますか?
ADHDだけの場合は、通級による指導の対象になるのが一般的です。自閉スペクトラム症をあわせ持つ場合などは、情緒学級の対象になることがあります。最終的には教育委員会が総合的に判断します。
情緒学級に入ると受験に影響しますか?
学年どおりの内容を学ぶため、通常学級と同じように評定がつくことが多いです。ただし扱いは自治体や学校で違うため、各教科に評定がつくかを中1〜中2のうちに確認しておきましょう。
情緒学級にも行けないときはどうしますか?
情緒学級もつらいときは、無理に通わせる前に、学校と学び方を見直してください。別室や学校外の居場所、自宅からのオンライン学習も選択肢です。出席扱いを希望する場合は、在籍校の校長先生が判断します。
情緒学級は何人くらいですか?
国の標準では1学級8人までです。ただし実際の人数や過ごし方は学校ごとに異なります。見学でお子さんが安心できる環境か確かめてください。
情緒学級は近くの学校にもありますか?
「情緒学級」「情緒級」は通称で、正式には 自閉症・情緒障害特別支援学級 といいます。地域の小・中学校の中にある特別支援学級の一つで、人との関わりや気持ちのコントロールに困りごとがある子が、落ち着いた環境で学ぶための場です。自閉症の子の不登校の原因や親ができることは 自閉症の不登校|原因とサイン、親ができること でまとめています。
情緒学級に通う子は増えていますか?
2023年度、情緒学級で学ぶ小中学生は 約19万6,500人。特別支援学級に在籍する子(約37万人)の半数を超えています。2007年度は約3万8,000人だったので、 16年でおよそ5倍 に増えました。
