【NIJIN教育万博2026】出展企業が続々決定!詳しく見る

SLD(学習障害・LD)の子の心を守る親のNGワードとOKワード

「自分はバカだから」「どうせできない」——お子さんのこんな言葉に、胸が締めつけられていませんか。SLD(学習障害・LD)のあるお子さんは、日々の学校生活の中で「できない」体験を積み重ね、自己肯定感が下がりやすい傾向にあります。そして、親の何気ない一言が、その心を守る力にも、追い込む刃にもなります。この記事では、SLDの子の心を守るために避けたい「NGワード」と、代わりに使いたい「OKワード」を具体的にご紹介します。
この記事でわかること
  • SLDの子の自己肯定感が下がりやすい理由
  • 親がつい言ってしまうNGワード10選
  • NGワードをOKワードに変える「言い換え術」
  • 二次障害を防ぐ「リフレーミング」の実践法
  • 親自身が言葉で疲れないためのコツ
  • その子に合う学びの選択肢/Q&A

なぜSLD(学習障害・LD)の子は「自分はバカだから」と言うのか

SLD(限局性学習症・学習障害)は、知的発達に遅れがないのに、「読む」「書く」「計算する」など特定の領域だけが極端に苦手な発達特性です。ディスレクシア(読字障害)、ディスグラフィア(書字表出障害)、ディスカリキュリア(算数障害)の3タイプに分けられます。

本人は決してなまけているわけではありません。それでも、学校では「他の子はできるのに、自分だけできない」経験を毎日のように積み重ねます。テストの点数、宿題の遅れ、音読での失敗、板書の遅れ——これらが日常的に続くと、「自分はダメな子だ」という自己イメージが刷り込まれてしまうのです。

ここが大切

SLDの子にとって、学力の問題以上に深刻なのが「二次障害」——不登校、抑うつ、無気力、自己否定、不安障害など、心が傷ついて起こる二次的な困難です。特性そのものよりも、「理解されない環境」と「傷つく言葉」の積み重ねが二次障害の引き金になります。だからこそ、家庭での言葉かけが何よりも大切なのです。

SLDの子の心を守るために親がまず知っておきたいこと

言葉かけを変える前に、次の3つを心に留めておきましょう。

  • 本人は誰よりも「できない自分」に気づいている——指摘は必要ありません。
  • 努力の量ではなく「方法」の問題——精神論では解決しません。
  • 家庭は「安心の基地」であるべき——学校で消耗した心を回復させる場所です。

この前提を持つと、日々の言葉が自然と変わっていきます。

SLD(学習障害・LD)の子への【NGワード×OKワード】10選

ここからは、親がつい言ってしまいがちなNGワードと、その言い換え(OKワード)を具体的にご紹介します。すべて明日から使えるフレーズです。

①「もっと頑張れば、できるでしょ」

NG「もっと頑張ればできるよ」SLDの子はすでに人一倍努力しています。頑張れと言われるほど「自分の努力は足りないんだ」と感じ、自己否定が深まります。
OK「今のやり方を、少し変えてみようか」努力ではなく「方法」に焦点を当てる声かけ。本人の頑張りを認めつつ、次の一歩を一緒に探す姿勢が伝わります。

②「なんでこんな簡単なこともできないの?」

NG「こんな簡単なこと、なんでできないの?」本人にとっては簡単ではないのです。「みんなが簡単にできることが自分だけできない」という孤独感と絶望感を強めます。
OK「ここが難しいんだね。どこでつまずいてる?」難しさを認めた上で、一緒に原因を探す姿勢を見せます。子どもは「わかってくれる人がいる」と安心できます。

③「お兄ちゃん(弟・友達)はできるのに」

NG「お兄ちゃんはできるのにね」他者比較は、SLDの子に最もダメージを与える言葉のひとつ。「自分は劣っている」というレッテルを刻み込みます。
OK「あなたにはあなたの得意があるよ」他人ではなく本人の中の”得意”に目を向けさせる。「比べられない存在」として認めることが、自己肯定感を守ります。

④「ちゃんとしなさい」「集中しなさい」

NG「ちゃんとしなさい」“ちゃんと”の中身が曖昧で、本人には何をどう変えればいいのかわかりません。抽象的な指示は混乱を招きます。
OK「まず教科書を開いて、1問だけやってみよう」具体的で、達成可能な小さなステップに分解する。「できた」を積み重ねる声かけです。

⑤「何度言ったらわかるの?」

NG「何度言ったらわかるの!」SLDの特性上、繰り返し伝えても習得に時間がかかることがあります。責められると「自分の頭が悪いから」と誤解します。
OK「もう一度、別のやり方で説明してみるね」伝わらないのは、伝え方の問題。図・音声・動画など、その子に届く方法を工夫する姿勢を見せます。

⑥「そんなことで泣かないの」

NG「そんなことで泣かないの」感情を否定される経験は、子どもに「自分の気持ちは大事じゃない」と学習させます。心を閉ざす原因に。
OK「悔しかったね」「悲しかったんだね」感情に名前をつけて共感する。まず気持ちを受け止められることで、子どもは安心して次に進めます。

⑦「勉強しないと将来困るよ」

NG「勉強しないと将来困るよ」不安を煽る声かけは、SLDの子にプレッシャーだけを与えます。「今もできないのに、将来なんて」と絶望させることも。
OK「あなたの好きなことを一緒に伸ばしていこう」未来への希望と、”得意”を軸にした自信づくりに視点を切り替えます。学びは受験のためだけではありません。

⑧「宿題やってないでしょ!」

NG「まだ宿題やってないの!?」責める口調は、宿題そのものへの拒否感を強めます。学びが「怒られるもの」になってしまうと逆効果。
OK「宿題、どこまでならできそう?」本人に選ばせる・調整する声かけ。全部やらせるより、できる範囲を一緒に決めるほうが取り組めます。

⑨「そんなの言い訳でしょ」

NG「それは言い訳でしょ」SLDの困りごとは、周囲からは”言い訳”に見えることがあります。しかし本人にとっては切実な事実。否定は深く傷つけます。
OK「そっか、そこがつらいんだね。教えてくれてありがとう」困りごとを言葉にできたこと自体を評価。話してくれる関係を守ることが、長期的な支援の土台になります。

⑩「〇〇ちゃん、また忘れたの?」(呆れた口調で)

NG「また忘れたの?」(ため息)言葉以上に、ため息や呆れた表情が子どもに刺さります。「私はガッカリさせる存在」と刻み込まれます。
OK「忘れないように、一緒に仕組みを考えよう」責めるのではなく、環境や仕組みで解決する視点へ。ToDoリスト、リマインダー、視覚化ボードなど道具の力を借ります。
家庭で保護者が子どもにやさしく寄り添う様子

「リフレーミング」で見方を変える——短所は長所の裏返し

SLDの子の言葉かけを変える強力な技術が「リフレーミング」です。これは、物事の見方の枠組み(フレーム)を変えることで、同じ特性を”欠点”ではなく”強み”として捉え直す方法です。

SLDの特性も、視点を変えれば、その子の個性や強みとして見えてきます。

  • 「読むのが遅い」→ 一文一文を丁寧に味わえる
  • 「漢字が覚えられない」→ 図やイメージで考えるのが得意
  • 「計算が苦手」→ 数字より直感やストーリーで理解する感性
  • 「じっとしていられない」→ 好奇心が旺盛でエネルギッシュ
  • 「こだわりが強い」→ 好きなことを深く追求する才能

親がこの視点を持てると、子どもは「自分の特性は、悪いものじゃない」と思えるようになります。それが、自己肯定感の土台になるのです。

親自身が言葉に疲れないための3つのコツ

「NGワードを言わないようにしよう」と頑張るほど、親も疲弊してしまいます。完璧を目指さず、次の3つを意識してみてください。

1. 言ってしまったら、あとから謝る

親も人間。感情的になる日はあります。大切なのは、後で「さっきはきつく言ってごめんね」と伝えること。謝れる親の姿そのものが、子どもの安心感を育てます。

2. 自分の”エネルギー残量”を意識する

親のコップが空だと、優しい言葉は出てきません。休む時間、話を聞いてもらう相手、専門家との相談——親が回復できる仕組みを意識的に作りましょう。

3. 「今日のOKワード」を1つだけ決める

全部を変えようとせず、「今日はこの言葉だけ意識してみる」と1つに絞ります。積み重なれば、家庭の空気が確実に変わっていきます。

子どもが自宅でタブレットを使って学ぶ様子

「その子に合う学びの環境」が、いちばんの言葉になる

どんなに言葉を工夫しても、毎日「できない」体験を積む環境にいれば、子どもの心は少しずつ削られていきます。逆に、その子に合った学び方ができる環境なら、「できた」経験が積み重なり、親が特別な言葉をかけなくても自己肯定感は自然と育っていきます。

教室での一斉授業は、SLDの子にとって特にハードルが高くなりがちです。板書、音読、手書きテスト——どれも本人にとって大きな負担になります。もし今の環境がお子さんに合っていないと感じるなら、「学び方そのものを変える」という選択肢も知っておいてください。

NIJINアカデミーの場合

NIJINアカデミーは、ASD・ADHD・LD・ギフテッドなど、公立学校に合いにくい子どもたちが多く在籍するオンラインフリースクールです。オンラインならではのICT活用(音声読み上げ・タイピング・チャット参加)で、SLDの子も自分のやり方で授業に参加できます。担任満足度96%の1on1サポートに加え、月100コマの質の高い授業、全国42か所のリアル教室も。在籍校での出席認定率は97%と実績があり、「学ぶって楽しい」を無理なく取り戻せる場所です。何より、「できない」ではなく「その子らしさ」を大切にする文化が根づいています。

よくある質問(Q&A)

つい怒ってしまう自分に自己嫌悪します。どうすれば?
親が完璧である必要はありません。大切なのは「怒った後にどう修復するか」。「さっきはごめんね、疲れてたんだ」と素直に伝えることで、子どもは「感情を持っていい」「関係は修復できる」と学べます。むしろ良い学びの機会になります。
褒めても「どうせお世辞でしょ」と言われます。
結果ではなくプロセスや事実を伝えるのがコツです。「頑張ってるね」ではなく「今日、教科書を開けたね」「昨日より1問多くできたね」と、具体的な事実を淡々と言葉にすると、お世辞に感じさせません。
兄弟姉妹に「〇〇ちゃんばっかりずるい」と言われます。
SLDの子への配慮を、兄弟にも年齢に合わせて説明することが大切です。「〇〇はメガネをかけてる人が字を読みやすくするのと同じで、必要な助けだよ」と伝え、兄弟にも別の形で「あなたも大切」と示す時間を作ります。
「自分はバカだから」と繰り返す子に、どう返せばいい?
否定も肯定もせず、まず気持ちを受け止めます。「そう感じるほど、つらいことがあったんだね」と共感してから、「でもママは、あなたの〇〇なところ、すごいと思ってるよ」と具体的に伝えます。何度でも、諦めずに。

まとめ

SLD(学習障害・LD)のあるお子さんは、日々の生活で自己肯定感を傷つけられやすい環境にいます。だからこそ、いちばん近くにいる親の言葉が、その心を守る力になります。「もっと頑張れば」ではなく「やり方を変えてみよう」、「なんでできないの」ではなく「どこでつまずいてる?」——言葉を1つ変えるだけで、子どもの表情が変わっていきます。そして何より、その子に合った学びの環境を選ぶこと。それが、どんな優しい言葉よりも、お子さんの自己肯定感を守り、育ててくれます。

▶ 動画で解説:発達特性のある子の自己肯定感を守る関わり方|脱・学校のタツロー校長
「うちの子に合うかな?」と思ったら

NIJINアカデミーは、不登校・発達特性(ASD・ADHD・LD・ギフテッド)のある小中学生が安心して学べるオンラインフリースクールです。ICTを活かした学び方で、SLDのお子さんも自分らしく学べます。まずは雰囲気を知ることから。