夏休み中は元気に過ごしていても、新学期が近づくにつれて「学校の話を避ける」「朝起きられなくなる」「お腹が痛いと言う」といった変化が見られることがあります。
保護者としては、「今のうちに生活リズムを戻せば大丈夫」「新学期になれば気持ちも切り替わる」と考えたくなるかもしれません。
しかし、発達障害のある子の行き渋りは、生活リズムだけでなく、教室の音や人の多さ、一斉指示、学習の難しさ、人間関係など、1学期から積み重なっていた負担が関係している場合があります。
行き渋りを完全に防ぐ方法はありません。一方で、夏休み中に小さなサインへ気づき、学校での配慮や学校以外の学び方を準備しておくことで、新学期に本人と保護者が追い詰められる状況を減らすことはできます。
- 夏休み中に確認したい行き渋りの7つのサイン
- 1学期の困りごとを振り返る方法
- 新学期までに学校へ相談したい内容
- 始業式当日に備えた3つの参加プラン
- オンライン学習やフリースクールを検討する目安
NIJINアカデミーは、2023年の開校以来、不登校や学校生活に難しさを感じる小・中学生を支援してきました。2026年7月時点で、累積900人以上の子どもが参加し、400人以上が在籍しています。
多くの子どもと関わる中で感じるのは、行き渋りが強くなってから登校だけを促すより、早い段階で「何が負担なのか」「どの方法なら学べるのか」を整理することが大切だということです。
夏休み明けの行き渋りは、突然始まるとは限らない
新学期の朝に突然「行きたくない」と言われたように見えても、その前から小さな変化が現れていることがあります。
特に、夏休みに入ってから元気になった子は、学校から離れたことで負担が軽くなっている可能性があります。家で元気にゲームや好きなことをしているからといって、学校で困っていなかったとは限りません。
文部科学省も、不登校支援では登校という結果だけを目標にせず、本人の状態に応じて多様な学びや支援につなぐことを重視しています。
今から確認したい7つのサイン
以下は診断のための項目ではなく、家庭で変化に気づくための観察ポイントです。一つ当てはまるだけで不登校になるわけではありません。以前との違いや、複数の変化が続いているかを見てください。
学校の話を避ける・機嫌が変わる
新学期、担任、クラス、宿題などの話題を出したときに、黙る、怒る、話題を変える場合は、言葉にできない不安があるかもしれません。
頭痛や腹痛などの身体症状が増える
学校を意識する時期や時間帯に、頭痛、腹痛、吐き気、強い疲れなどが現れる場合があります。症状が続くときは、無理に登校を促す前に医療機関へ相談してください。
睡眠や食事のリズムが大きく崩れる
多少の夜更かしだけでなく、眠れない、昼まで起きられない、食欲が落ちるなどの変化が続いていないか確認します。
宿題や学校の準備で動けなくなる
やる気の問題に見えても、課題量、書くことの負担、失敗への不安、何から始めるか分からないことが原因の場合があります。
1学期の出来事を繰り返し気にする
友達とのトラブル、先生に注意されたこと、授業で分からなかったことなどを何度も話す場合は、本人の中で解決していない可能性があります。
予定の確認が増える・変更を強く嫌がる
始業式の時間、席、持ち物、授業内容などを何度も確認する場合は、見通しが持てないことへの不安が考えられます。
「どうせ無理」「行っても失敗する」と話す
自信を失っているサインです。「そんなことない」と否定するより、何が不安なのかを一緒に分けて考えます。
サインがあったときは、1学期の困りごとを振り返る
子どもに「どうして学校へ行きたくないの?」と聞いても、「分からない」と答えることがあります。負担が複数重なっていたり、本人にも説明が難しかったりするためです。
理由を一つに決めず、次の項目に分けて振り返りましょう。
| 振り返る項目 | 確認すること |
|---|---|
| 感覚 | 教室の音、におい、照明、暑さ、制服、給食 |
| 学習 | 板書、宿題、読む・書く・計算する負担、授業の速さ |
| 集団生活 | 一斉指示、席替え、行事、休み時間、待つ時間 |
| 人間関係 | 友達、担任、注意された場面、からかい |
| 見通し | 予定変更、次に何をするか分からない時間 |
| 疲れ | 帰宅後に動けない、週の後半に欠席が増える |
本人に聞くときは、「学校の何が嫌だった?」と広く聞くより、次のように選択肢を示すと答えやすくなります。
- 授業と休み時間なら、どちらが疲れた?
- 教室の音と人の多さなら、どちらがつらかった?
- 午前中だけなら参加できそう?
- 教室以外で過ごせるなら安心?
- 家から参加する方法もあった方がいい?
夏休み中に準備したい4つのこと
1.生活リズムは一度に戻さない
新学期直前に、起床、学習、外出を一度に学校の時間へ戻すと、失敗が続きやすくなります。まずは起きる時間に1時間程度の幅を設け、朝食や午前中の活動を一つ決めるところから始めます。
目標は、学校と同じ生活を完璧に再現することではなく、起きた後に安心して始められる予定をつくることです。
2.学校へ相談する内容を整理する
新学期が始まる前に、1学期の様子と必要な配慮を学校へ伝えます。
- 遅刻や早退を認めてもらえるか
- 別室や保健室を利用できるか
- 苦手な授業や行事への参加を調整できるか
- 宿題や提出物の量・期限を調整できるか
- 登校できない日の連絡方法を決められるか
- 自宅学習の内容を学校と共有できるか
3.始業式当日の3つのプランをつくる
教室へ参加する
朝から登校し、つらくなったら早退できるようにします。
参加方法を調整する
遅れて登校する、別室で過ごす、短時間だけ参加します。
学校外で学ぶ
自宅でのオンライン学習やフリースクールを利用します。
プランAができなかった日を「失敗」にせず、BやCへ切り替えられるようにすることが大切です。
4.学校以外の学び場を夏休み中に体験する
行き渋りが始まってから慌てて探すのではなく、比較的落ち着いている夏休み中に、教育支援センター、オンライン学習、フリースクールなどを調べておきます。
学校外の学び場を体験することは、学校を諦めることではありません。学校へ行けない日にも学びや人とのつながりを保てるよう、選択肢を増やすことです。
行き渋りへの対応で避けたい3つのこと
「新学期は行ける?」と何度も聞く
本人にも答えが分からないことがあります。「行けるか」ではなく、「何時からなら参加しやすいか」「どの場所なら安心か」を一緒に考えます。
将来の不安を使って登校を促す
「このままだと勉強が遅れる」「高校へ行けなくなる」と伝えると、今抱えている不安に将来への不安が加わります。まずは今日できる小さな選択に集中します。
家で元気だから問題ないと判断する
学校の負担から離れて回復しているからこそ、家で元気に見える場合があります。ゲームや動画を楽しめることと、学校へ問題なく参加できることは別に考えましょう。
フリースクールを検討する目安
次の項目が複数当てはまる場合は、学校での配慮と並行して、フリースクールやオンラインの学び場を体験してみてもよいでしょう。
- 1学期に行き渋りや欠席が繰り返されていた
- 学校の話題で身体症状や強い不安が現れる
- 学校では好きなことや得意なことを生かしにくい
- 集団生活や感覚刺激による負担が大きい
- 家族以外と安心して関われる機会が少ない
- 本人が「別の場所なら試してみたい」と話している
ただし、発達障害があるからフリースクールが必ず合うわけではありません。
見学や体験では、参加方法を選べるか、個別に相談できるか、学習記録を学校と共有できるか、本人がまた参加したいと感じるかを確認します。
NIJINアカデミーでは、できる参加方法から始められます
NIJINアカデミーは、不登校や発達障害など、公立学校の環境に合いにくい小・中学生のためのオルタナティブスクールです。
自宅からオンラインで参加でき、最初から一日中授業を受けたり、カメラをつけて発言したりする必要はありません。
- まずは授業を見るだけ
- カメラやマイクをOFFにして参加する
- 好きな授業だけ選ぶ
- チャットで先生や仲間と関わる
- 先生と1対1で話すところから始める
好きなゲーム、プログラミング、創作、サークル活動などを入口に、学びや人とのつながりへ少しずつ広げていきます。
まとめ|サインに気づいたら、登校以外の準備も始める
- 行き渋りのサインは、新学期当日より前から現れることがある
- 生活リズムだけでなく、1学期の学校生活で感じていた負担を振り返る
- 学校へ必要な配慮を事前に相談する
- 始業式当日は、教室・調整参加・学校外という3つのプランを用意する
- オンライン学習やフリースクールは、学校を諦めるためではなく学びを続けるための選択肢である
強い不安や身体症状が続く場合や、「消えたい」など自分を傷つける可能性を示す言葉がある場合は、早めに医療機関や地域の相談窓口へつないでください。
夏休み中に、学校以外の参加方法も試してみませんか?
NIJINアカデミーでは、自宅から参加できるオンラインの説明会・体験を行っています。
見るだけ、カメラOFF、好きな授業だけなど、お子さまの状態に合わせて始められます。
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