- ホームスクーリングでゲーム時間が増えやすい理由
- 「熱中」と「依存」を見分けるためのポイント
- 家庭でできるルール作りと、ゲームを学びに変える工夫
- 絶対に避けたい対応と、相談すべきタイミング
なぜホームスクーリングだとゲームの時間が増えやすいのか
学校に通っていれば、登校・授業・部活動といった時間割が自然と1日の枠組みを作ってくれます。しかしホームスクーリングでは、その枠組みを家庭側で新たに作る必要があります。特に始めたばかりの時期は、生活リズムがまだ定まっておらず、時間の使い方を子ども自身に委ねる場面が増えるため、結果としてゲームに費やす時間が目立って増えることがあります。
また、学校に通えなかった時期の反動として、家庭でようやく安心して過ごせるようになったことの表れとしてゲームに没頭するケースも少なくありません。この場合、ゲームは「逃避」というより「心を回復させるための居場所」になっていることもあり、頭ごなしに問題視するのではなく、まずはその背景を理解することが大切です。
さらに、ホームスクーリングを始めたばかりの時期は、保護者自身も新しい生活リズムの模索で手一杯になりがちです。日中の予定が定まらないまま数週間が過ぎ、気づけばゲームが唯一の「決まった過ごし方」になっていた、というケースも少なくありません。これは家庭の努力不足ではなく、環境が大きく変わる移行期に自然と起こりやすい現象だと理解しておくと、必要以上に自分を責めずに済みます。
登校・授業という枠組みが自然消滅する
何をして過ごすか、本人に委ねられる場面が増える
心が落ち着くゲームに時間が集中しやすくなる
「熱中」と「依存」の違いを見分ける
ゲームに多くの時間を使っているからといって、それがすぐに「依存」を意味するわけではありません。WHO(世界保健機関)がICD-11で定めた「ゲーム行動症(Gaming Disorder)」の診断では、単に時間が長いことではなく、ゲームの制御ができない状態が続き、他の生活上の関心事や日常の活動よりゲームを優先し、問題が起きているにもかかわらず継続・エスカレートする状態が12か月以上続くことを目安としています。
つまり、好きなことに熱中して長時間取り組むこと自体は、多くの子どもに見られる自然な姿です。見るべきポイントは「時間の長さ」よりも「生活全体のバランスが崩れていないか」です。以下のチェック項目を参考に、日々の様子を大まかに観察してみてください。一つでも当てはまるからといって即座に心配する必要はありませんが、複数の項目が長期間続いている場合は注意が必要です。
| チェック項目 | 熱中(心配しすぎなくてよい) | 依存のサインかもしれない |
|---|---|---|
| 食事・睡眠 | 時間になれば区切りをつけられる | 食事や睡眠を後回しにし続ける |
| 声かけへの反応 | 強く反発しつつも応じられる | 強い暴言や暴力的な反応が出る |
| 他の活動 | ゲーム以外の楽しみも一定ある | ゲーム以外への関心がほぼ消える |
| 体調 | 大きな変化はない | 昼夜逆転や体調不良が続く |
右側の傾向が複数当てはまり、それが長期間続いている場合は、家庭内だけで抱え込まず、専門機関への相談を検討するタイミングと考えてください。

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ゲームを頭ごなしに禁止することのリスク
「依存が心配だから」と、ゲーム機やスマートフォンを突然取り上げてしまいたくなる気持ちは自然なものです。しかし、特にホームスクーリングを始めたばかりの時期にゲームを急に禁止すると、子どもにとって数少ない「安心できる居場所」を奪ってしまうことになりかねません。結果として反発が強まったり、別の形で不安定さが表面化したりすることもあります。
大切なのは「ゼロにする」ことではなく、「本人と一緒にルールを作り、生活の中に無理なく位置づける」という発想です。禁止という一方的な対応よりも、話し合いを通じて納得感のあるルールを作るほうが、長期的には効果が続きやすいとされています。
家庭でできるルール作りの具体的な工夫
1. 時間ではなく「区切り」を決める
「1日2時間まで」という時間制限だけでなく、「このステージをクリアしたら」「この日課が終わったら」など、本人が納得しやすい区切り方を一緒に考えると、守られやすくなります。
2. ルールは一方的に決めず、一緒に作る
保護者が決めたルールを押し付けるのではなく、「何時間なら無理なく続けられそうか」を本人に聞きながら決めることで、ルールへの納得感が高まり、結果として守られやすくなります。
3. 生活リズムの土台を優先する
ゲームの時間そのものより、起床・食事・睡眠といった生活リズムの土台が保たれているかを優先して見てください。土台さえ保たれていれば、ゲームの時間に多少の幅があっても大きな問題にはなりにくいものです。
4. 「やめさせる」より「他の選択肢を増やす」
ゲーム以外に本人が楽しめる活動(外遊び、創作、他の子どもとの交流など)を家庭の中に増やしていくことで、自然とゲーム一辺倒の状態から幅が広がっていきます。
今どのくらい、どんな形で使っているかを把握する
一方的に決めず、本人の意見も聞きながら決める
決めたルールを短期間試し、無理があれば調整する
5. デジタル機器は共有スペースで使う
個室にこもってゲームをする時間が長くなると、様子が見えにくくなり、依存のサインにも気づきにくくなります。リビングなど家族の目が届く共有スペースでゲームをする習慣をつけておくと、自然な会話のきっかけも生まれやすくなります。
ゲームをポジティブな学びに変える工夫
ゲームは一方的に制限する対象としてだけでなく、学びのきっかけとして活用することもできます。たとえば、ゲームのルールや世界観を英語で調べてみる、攻略のために計算や戦略を考える、プログラミングでオリジナルのゲームを作ってみるなど、興味の入口として活かす方法は多くあります。
実際、プログラミングやゲーム制作への関心をきっかけに、ITスキルを伸ばしていった子どもの例も報告されています。「ゲーム=悪いもの」と決めつけるのではなく、その子が何に夢中になっているのかを一緒に掘り下げてみることが、新しい学びの扉を開くことにつながる場合もあります。
具体的には、歴史や文明をテーマにしたストラテジーゲームから世界史・地理への関心が広がったり、パズル系のゲームで論理的思考力が育まれたり、プレイ動画の編集をきっかけに映像編集や文章表現のスキルが伸びたりすることもあります。ゲームのジャンルによって伸びやすい力は異なるため、「何のゲームに、どんな理由で夢中になっているのか」を観察してみることが、学びにつなげる第一歩になります。
NIJINアカデミーでは、AI型学習ドリル「navima」による自分のペースでの学び直しに加え、企業連携によるプログラミングなど、子どもの「好き」を学びにつなげるプログラムを取り入れています。ゲームに夢中になっている子どもの興味を、頭ごなしに否定するのではなく、学びの入口として一緒に広げていく関わりを大切にしています。
- 外遊びや散歩など、体を動かす時間を短時間からでも生活に組み込む
- 料理や工作など、家庭内でできる創作活動を一緒に取り入れる
- オンラインスクールなど、他の子どもと交流できる場を持つ
- 本人の興味に合わせた習い事やオンライン講座を試してみる
絶対に避けたい対応
ゲームへの向き合い方で、特に避けたいのが「感情的に取り上げる」「一方的に約束を破って没収する」といった対応です。こうした対応は、その場では効果があるように見えても、親子の信頼関係を損ない、かえって隠れてゲームをするなど、事態を見えにくくしてしまうことがあります。
また、「ゲームばかりしているダメな子」というレッテルを貼るような言葉がけも避けてください。本人の存在そのものを否定するのではなく、行動について一緒に考える姿勢を保つことが、長い目で見て信頼関係を保つ鍵になります。
よくある失敗パターンとその対処
家庭でゲームとの付き合い方を模索する中で、よく見られる失敗パターンがあります。ここで紹介するケースに心当たりがあっても、決して珍しいことではありません。パターンを知っておくことで、同じ悪循環を避けやすくなります。
パターン1:急に禁止して反発が強まる
それまで自由に使えていたゲームを、ある日突然「今日から禁止」と言い渡すと、強い反発を招きやすくなります。特に、ゲームが唯一の安心できる居場所になっている場合、その反発は単なるわがままではなく、居場所を奪われることへの防衛反応であることも少なくありません。ルールを変える際は、事前に理由を説明し、移行期間を設けることをおすすめします。
パターン2:ご褒美制にしたら要求がエスカレートする
「勉強したらゲームの時間を増やす」というご褒美制は一見効果的に見えますが、次第に「もっと時間が欲しい」という要求がエスカレートし、ゲームの時間を軸に生活全体が回るようになってしまうことがあります。ご褒美として使う場合も、上限をあらかじめ明確にしておくことが大切です。
パターン3:保護者自身のスマートフォン利用との矛盾
「あなたはゲームをやめなさい」と言いながら、保護者自身がスマートフォンを長時間見ている状態では、説得力を持ちにくくなります。家庭全体でのデジタル機器との付き合い方を見直す姿勢を見せることが、子どもの納得感にもつながります。
移行期間を設け、事前に理由を説明する
ご褒美制にする場合も上限を先に決めておく
保護者自身のデジタル機器の使い方も振り返る
NIJINアカデミーという選択肢
NIJINアカデミーは、小学1年生から中学3年生を対象としたオンラインのオルタナティブスクールです。2021年度まで小学校の教員だった星野達郎(タツロー)校長が、学校では本来の姿を出せない子どもたちと数多く出会う中で、自ら教員を辞めて設立しました。教育現場出身者だからこそ分かる、子どもの「好き」を尊重しながら学びにつなげる関わり方を大切にしています。
バーチャル校舎(メタバース校舎)にはoviceを使っていつでも入室でき、異年齢・異地域の友達と平均3日で友達ができるという実績もあります。ゲームやデジタルへの興味が強い子どもにとって、オンライン上のバーチャル空間そのものが「安心して人と関われる入り口」になることも少なくありません。8〜10人程度の少人数制クラスで、対話的な授業やホームルームを通じて、画面の向こう側にいる先生や友達と、無理のないペースで関わりを築いていける環境です。

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NIJINアカデミーの雰囲気が伝わる動画
動画では、学校という環境では本来の力を発揮できなかった子どもが、家庭という環境で落ち着いて学べるようになった様子が、実際の親子インタビューを通じて語られています。ゲームへの向き合い方に限らず、「環境が合えば、子どもは変わる」というNIJINアカデミーの考え方が伝わる内容です。
子どもたちの声
「ゲームを取り上げられるんじゃないかとずっと不安だったけど、一緒にルールを考えてくれたことで、自分から時間を守れるようになった」という子どもの声や、「頭ごなしに禁止するのをやめたら、逆に会話が増えた」という保護者の声が聞かれます。
「ゲームばかりの毎日に焦っていたけれど、興味を掘り下げていったらプログラミングに関心を持ち始めた。禁止するだけが答えではないと気づけた」という声も寄せられています。

保護者自身の不安との向き合い方
「このままゲーム漬けの毎日が続いたらどうしよう」という不安は、多くの保護者が抱えるものです。しかし、ホームスクーリングを始めたばかりの時期にゲームの時間が増えるのは、決して珍しいことではありません。焦って一気に状況を変えようとするより、生活リズムの土台を守りながら、少しずつ選択肢を広げていくという視点を持つことが、結果的に近道になることが多くあります。周囲の家庭と比較して落ち込んでしまうこともあるかもしれませんが、ホームスクーリングの進め方も、ゲームとの付き合い方も、家庭ごとに正解が異なります。他の家庭のやり方をそのまま真似るのではなく、自分の子どもの様子をよく観察しながら、その子に合った形を見つけていくことを大切にしてください。
専門機関への相談を検討したいタイミング
食事や睡眠に明らかな支障が出ている、暴言・暴力的な反応が続く、ゲーム以外への関心がほとんど見られなくなっているなど、生活全体に大きな影響が出ている場合は、家庭内だけで抱え込まず、児童精神科やゲーム依存に関する専門外来、地域の精神保健福祉センターなどに相談することを検討してください。早めに相談することで、対応の選択肢も広がります。
食事・睡眠・会話など、生活全体への影響を確認する
気になる様子をメモし、変化の有無を確認する
児童精神科や精神保健福祉センターへ
年齢別に見る関わり方の違い
ゲームとの向き合い方は、子どもの年齢によっても適した関わり方が変わってきます。発達段階に応じて、保護者の関わり方の重心を少しずつ変えていくことを意識してみてください。
小学生の場合
低学年から中学年にかけては、まだ自分で時間を管理する力が十分に育っていない時期です。時間を完全に本人任せにするのではなく、タイマーを使う、区切りの目安を一緒に決めるなど、保護者が枠組みをある程度用意しながら、少しずつ自己管理の練習をしていく関わり方が向いています。
中学生の場合
中学生になると、自分なりの考えや価値観を持ち始め、一方的なルールの押し付けには強く反発しやすくなります。この時期は、細かい時間管理よりも「なぜそのルールが必要なのか」を対等な立場で話し合い、本人に判断を委ねる範囲を広げていくことが、信頼関係を保ちながら向き合うコツになります。
まとめ
ホームスクーリングにおけるゲームへの向き合い方は、「禁止するか、放置するか」の二択ではありません。まずは「熱中」と「依存」の違いを見極め、生活リズムの土台を守りながら、本人と一緒にルールを作っていくことが大切です。ゲームは制限すべき対象であると同時に、興味の入り口として学びにつなげられる可能性も持っています。年齢によって適した関わり方も変わるため、小学生であれば保護者が枠組みを用意しながら、中学生であれば対等な話し合いを軸にしながら、それぞれの発達段階に合わせて関わり方を調整していくことも大切です。焦らず、本人のペースに寄り添いながら、家庭に合った付き合い方を見つけていきましょう。
よくある質問

NIJINアカデミーでは、無料の体験説明会を実施しています。
参考文献:こども家庭庁「令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査」、世界保健機関(WHO)ICD-11「ゲーミング障害(Gaming disorder)」

