【NIJIN教育万博2026】出展企業が続々決定!詳しく見る

「学校の外には、こんなに熱くてかっこいい世界がある」浜松での起業を目指す“不登校の小学生”が、EDIXで語ったMagic Shieldsとの学び

2026年5月、東京ビッグサイトで開催された日本最大級の教育展示会「EDIX東京2026」。
NIJINアカデミーのブースでは、「社会共創」をテーマに、企業・自治体・教育関係者とのさまざまな発表が行われました。その中でも、多くの来場者の足を止めたのが、浜松発スタートアップ企業「株式会社Magic Shields」との特別対談です。
登壇したのは、NIJINアカデミーに通う小学6年生・なっつー。実際にMagic Shieldsの工場見学を経験したからこそ見えた、“本気のものづくり”について、自分の言葉で語りました。

「将来、浜松を盛り上げたい」

「私は現在小学6年生で、静岡県浜松市に住んでいます。実は将来、起業して浜松を盛り上げたいという想いがあります。」

そう話しながら、なっつーは登壇をスタートしました。

今回対談したMagic Shieldsは、浜松市のスタートアップ企業。NIJINアカデミーの社会科見学で訪問したことをきっかけに、今回のEDIX登壇が実現しました。

“転んだ時だけやわらかくなる床”

Magic Shieldsが開発しているのは、転んだ時だけ衝撃を吸収する床「ころやわ」。普段は普通の床のようにしっかり歩けるのに、転倒した瞬間だけ柔らかく凹み、骨折リスクを減らします。高齢者施設や病院などで導入が進んでいる技術です。
なっつーも実際に体験し、「本当に痛くなくて、魔法みたいだった」と驚いたそうです。

「普段なら出会わない二人」が始まりだった

対談では、Magic Shields CTO・宮島勇也さんへインタビューも行われました。
なっつーは、「そもそも、なぜこの技術を開発したんですか?」と質問。

宮島さんはこう答えました。
「病院の理学療法士さんと、Magic Shieldsの社長が、グロービス経営大学院で出会ったことがきっかけでした。普段なら交わらない二人が、“高齢者の転倒骨折”という地域課題について話したんです。病院では、転倒をきっかけに寝たきりになったり、認知症が進んでしまう方も多かった。『これを何とかできないか』そこから、“転んだ時だけやわらかくなる床”の開発が始まりました。」

「誰もできなかった技術」に挑戦した

なっつーはさらに、「開発の時、一番大変だったことは何ですか?」と質問しました。

宮島さんはこう続けます。
「“普段は硬いのに、転んだ時だけやわらかい”。そんな床は、当時誰も作れませんでした。スーパーコンピューターで解析しても答えが出ないような技術だったんです。技術者は“無理だ”と思うと止まってしまう。でも社長は違いました。『まずやってみよう』と。3Dプリンターを使って、夜な夜な何パターンも試作を繰り返しました。」

さらに宮島さんは、「今でも、お客さんから難しい要望が来ても、“無理だ”で終わらせない。やってみると、意外とできることもある」と話してくれました。

工場で見た、“大人の本気”

なっつーが工場見学で驚いたのは、製品だけではありませんでした。
「ただ作るだけじゃなくて、“もっと良くするための工夫”がすごかった」

例えば、本来“紙を切る機械”を応用してマット加工に使い、コストを下げる工夫。
プロジェクションマッピングを活用した作業改善。
さらに、海外の方の体格に合わせて床の硬さを変えるなど、“相手に合わせて技術を変える”ものづくりの姿勢に感動したそうです。

「誰か一人の技術」を「みんなの技術」に

工場では、一番上手な人の作業を動画で撮影し、全員で共有する仕組みもありました。
“職人技を、一人だけのものにしない”。
チーム全体でレベルアップしていく姿勢が印象的だったと言います。

なっつーは、「みんなが同じ目標に向かって本気で取り組めるチームを作るために、大切にしていることは何ですか?」と質問。
宮島さんは、「“できたこと”だけじゃなくて、“挑戦した数”を評価することです。失敗しない人より、まずやってみる人を大切にしています」と答えました。

「アイディア」と「製品化」は別物だった

工場見学後、なっつー自身も「ころやわ」の素材を使ってスマホケース制作に挑戦しました。
しかし、カメラ穴を綺麗に開けること、隙間なく素材を貼ることは想像以上に難しく、何度もやり直したそうです。

そこで気づいたこと。
それが、「アイディアを出す楽しさと、形にする難しさは別物」ということでした。

頭の中で思いつくことは簡単。
でも、“誰かが本当に使える製品”にするには、数え切れない試行錯誤と、地道な努力が必要になる。
その“ものづくりのリアル”を、なっつーは肌で感じていました。

「想像以上にアグレッシブだった」

宮島さんも、社会科見学を通して感じたことを話してくれました。

「想像以上にアグレッシブでした(笑)普段あまり出会わないタイプの子どもたちで、独特の感性やアイディアを持っていて、本当に面白いなと思いました。」

そして、「なっつーとは何年か前から知り合いでしたが、今日こうしてEDIXに呼んでくれるなんて思っていなかった。その行動力は本当にすごいと思います」と語っていました。

「どこで学ぶか」より、「誰と出会うか」

最後になっつーは、自分自身の経験と重ねながら、こう語りました。

「私は3年生の時、“学校に行かない”という選択をしました。今は学校とNIJINアカデミー、両方で学んでいます。でも、あの時“学校に行かない”という選択をしたからこそ、こうして宮島さんと出会い、“本気のものづくり”を肌で感じることができました。」

“不登校”。

世の中では、まだマイナスに捉えられることもあります。

けれど、なっつーはMagic Shieldsとの出会いを通して、「どこで学ぶか」よりも、「誰と出会い、何を形にするか」の方が、未来をつくる上で大切なのではないかと感じたそうです。

「学校の外には、こんなに熱くてかっこいい世界がある」

企業の大人たちは、“子どもだから”ではなく、ひとりの挑戦者として向き合ってくれました。

その経験が、「将来、浜松で起業したい」という夢を、“なんとなくの憧れ”から、“本気の目標”へ変えていったのです。

最後になっつーは、会場へ向かってこう話しました。

「学校の外には、こんなに熱くて、かっこいい世界が広がっています。この“地元企業×不登校”という新しい学びの形を、浜松から、そして世界へ届けていけるように、私はこれからも走り続けます!

会場には、大きな拍手が広がりました。

今回のEDIX東京2026での対談は、単なる企業見学でも、単なる発表でもありませんでした。
子どもと企業が対等に出会い、地域課題を一緒に考え、未来を語り合う。
そんな、“新しい学びの形”そのものだったのかもしれません。