2026年5月、東京ビッグサイトで開催された日本最大級の教育展示会「EDIX東京2026」。
NIJINアカデミーブースでは、企業・自治体・大学と共創しながら、“子どもたちの好きやアイデアが社会とつながる学び”をテーマに、さまざまな展示や発表を行いました。
その中でも、多くの来場者が足を止めたのが、花王株式会社さんとの共創企画「お手伝いクエスト」です。


花王さんとの共創から生まれた「こども家事名づけ親プログラム」
この取り組みは、我が子の行き渋りに悩んでいた花王社員の方の、「家で過ごす時間が長くなった子どもに、何ができるのだろうか」という想いから始まりました。
花王が長年培ってきた“家事を通して暮らしを支える知見”と、NIJINアカデミーが実践してきた“不登校の子どもたちの学び”が出会い、共創プロジェクトがスタート。
不登校の子どもたちは、自宅で過ごす時間が増える中で、
- 自己肯定感の低下
- 親子関係の難しさ
- 「自分には何ができるのか分からない」という不安
を抱えやすくなります。
そこで着目したのが、“家事”でした。
家事は、「誰かの役に立てた」を実感できる体験につながります。さらに、「ありがとう」という言葉が、親子関係を少しずつほぐしていくきっかけにもなっていきます。
こうして生まれたのが、
「こども家事名づけ親プログラム」です。


授業では、
- 「見えない家事ってなんだろう?」
- 「家事に名前をつけてみよう!」
- 「どうしたら楽しくできるかな?」
などをテーマに、子どもたち自身が家事を見つけ、名前をつけ、実際に挑戦していきました。

NIJINアカデミーで実施した「お手伝いプロジェクト」
家庭科授業で学んだことを、“授業だけ”で終わらせないために、NIJINアカデミーでは実際に家庭でお手伝いへ挑戦する「お手伝いプロジェクト」を実施しました。

子どもたちは、
- 食器洗い
- 洗濯物たたみ
- 床掃除
- 買い物
- ご飯づくり
など、自分でできる家事に挑戦。
お手伝いをするとポイントがもらえ、スタンプカードにためていく仕組みになっており、“ゲーム感覚”で楽しく続けられるよう工夫されていました。
プロジェクトを通して、
「家のおしごとはこんなに大変なんだ」
「ありがとうって言われてうれしかった」
「またやってみたい!」
という声も生まれ、子どもたちにとって“誰かの役に立てた”という実感につながっていきました。
また、保護者からも、
「親子の会話が増えた」
「子どもの成長を感じた」
「自分から動こうとする姿が見られた」
などの声が寄せられました。
そして、この「お手伝いプロジェクト」に参加していた小学3年生・まゆちゃんが、“もっとワクワクしながらお手伝いできるようにしたい!”という思いから考案したのが、今回EDIX東京2026で発表した「お手伝いクエスト」です。
「きっかけがあれば、私は頑張れる」
発表を行ったまゆちゃんは、ロブロックスやマインクラフトが好きな小学3年生です。学校へ行けなくなった経験もあり、2026年2月にNIJINアカデミーへ入学。そこで「お手伝いプロジェクト」に挑戦しました。
まゆちゃんは、
- 食器洗い
- 洗濯物たたみ
- 床掃除
- 買い物
- ご飯づくり
など、さまざまなお手伝いに挑戦。


お鍋は重たく、洗剤で滑る。野菜を切るのは怖い。買い物袋は思った以上に重たい。
実際にやってみたことで、「家のおしごとは、本当に大変なんだ」と感じたそうです。
それでも、お手伝いをした時にお母さんから言われた、
「ありがとう。とっても助かったよ」という言葉が、まゆちゃんの大きな自信になりました。
そして発表では、「きっかけがあれば、私は頑張れるとわかりました」と、自分の変化について語ってくれました。
小学3年生が考えた「お手伝いクエスト」


そんな経験から生まれたのが、EDIXで発表した「お手伝いクエスト」です。“ゲーム感覚でできたら、もっとワクワクするかも!”そんな発想から、まゆちゃん自身がストーリーを考えました。
企画名は、「アニマルモップとほこりモンスターの冒険」。
参加者はまず、
- うさぎ
- ねこ
- くま
など、自分だけの“アニマルモップ”を制作。耳や顔をつけながら、掃除道具ではなく、“一緒に冒険する相棒”として作っていきます。

そして会場には、小さな“ほこりモンスター”たちが登場。参加した子どもたちは、「アニマルモップ、出動!」の掛け声とともに、モンスター退治へ向かいました。
「掃除をする」のではなく、
- モンスターを探す
- 仲間と協力する
- 相棒と冒険する
という物語に変わることで、会場には自然と笑顔が生まれていました。
最後は「手あらいクエスト」へ
冒険の最後には、「モンスターのかけらが、手についているかもしれない…!」というストーリーから、“手あらいクエスト”へ。花王さんのハンドソープにもつながる流れになっており、生活習慣を“楽しい体験”として届ける企画になっていました。
当日は、
- 「これ家でもやりたい!」
- 「掃除のイメージが変わった」
- 「子どもの発想ってすごい」
という声も多く寄せられました。企業の方々も、小学3年生のアイデアを“子どもの遊び”としてではなく、一つの企画として真剣に見てくださっていました。
子どもの「やってみたい」が、社会とつながる
今回のEDIXでは、企業が子どもに教えるだけではなく、子どものアイデアを、企業が一緒に面白がり、形にしていく。そんな共創の時間が生まれていました。NIJINアカデミーはこれからも、子どもたちの「好き」や「やってみたい」が、社会とつながる学びをつくっていきます。

