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NIJINアカデミー京都金閣寺校 主体の約束「ぼく、イヤなんだ」~K君の心の声が聴けた日~

子どもが「嫌だ」と言ったとき、私たち大人はどう受け止めているでしょうか。
「頑張ってみよう」「大丈夫だよ」と励ますこともあれば、よかれと思って考え方を変えようとすることもあります。
でも、本当にその子に必要なのは、別のことなのかもしれません。

K君は6年生の男の子です。
繊細で周りの子に気を遣い、自分の言いたいことを言えなくなってしまっていました。また「きちんとしなきゃ」という思いが強く、ルールや「~ねばならない」にとてもこだわってしまっているように見える子でした。

目次

遠足の日に起きた小さな出来事

「先生、教室に帰れへんの?」
その一言に、私は立ち止まりました。
先日、子どもたちと遠足に出かけた日のことです。
昼食をとる予定だった場所に着くと、「ここは飲食禁止」と書かれていました。
管理人さんに確認すると、「今日は食べても大丈夫ですよ」と快く許可をしてくださいました。
ほっとしたのも束の間、一人だけお弁当を出そうとしない子がいました。
K君です。
「ぼく、ここでは食べたくない」
私は別の場所も探しました。
それでもK君は座ろうとせず、ほかの子どもたちが食べ始めても動きません。
そして私に尋ねました。
「先生、教室に帰れへんの?」
教室までは40分以上。
予定をどう組み直そうか頭の中はフル回転でしたが、私はこう伝えました。
「ごめんな。食べにくかったよな。食べる場所、ちゃんと探しておけばよかった。みんなが食べ終わったら帰ろうか。」

初めて聞くことができた本当の気持ち

しばらくすると、K君は静かに私の前へ座り、お弁当を広げました。
そして、ぽつりと話してくれました。
「ぼく、いくらいいって言われてもルールは破りたくないねん。
知らん人がたくさんいるところでご飯食べるのもイヤやってん。
でも、まじめやって言われるのもイヤやってん。」
私は、その言葉を忘れられません。
K君は普段、自分の気持ちをあまり口にしません。
相手の様子を見ながら、本当は嫌でも我慢してしまうことが多い子です。
だからこそ、この日初めて聞くことができた「嫌だ」という言葉が、本当にうれしかったのです。

子どもを変えようとしていないだろうか

私たちは大人として、つい「この方が生きやすいよ」と思ってしまいます。
「そんなに気にしなくていいよ。」
「肩の力を抜けばいいのに。」
そんな言葉も、きっと悪気はありません。
でも、それは無意識のうちに「変わった方がいい」と伝えてしまっているのかもしれません。
あの日、K君に必要だったのは、考え方を変えることではありませんでした。
「そう思っていたんだね。」
その気持ちを、そのまま受け止めてもらうことだったのだと思います。
だからこそ、自分の思いを伝えられた安心感の中で、自分自身で納得し、「ここで食べよう」と次の行動を選ぶことができたのでしょう。
お弁当を食べているK君の表情は、とてもすっきりして見えました。

私が大切にしたい「子どもの主体」

私は、「子どもの主体」を大切にしたいと考えています。
そのために、いつも心に置いていることがあります。
それは、
その子は何を大切にしているのだろう、と知ろうとすること。
・その思いを、まず受け止めること。
・そして、自分の価値観を押し付けていないかを、常に問い続けること。
子どもは、自分の思いが受け止められたと感じたとき、初めて自分で考え、納得し、自分の意思で次の一歩を踏み出せるのではないでしょうか。
大人が答えを与えるのではなく、子ども自身が答えを見つけていく。
そのために必要なのは、「変えること」ではなく、「理解しようとすること」。
遠足での小さな出来事は、そんな大切なことを、改めて私に教えてくれました。


京都金閣寺校は「自分」も「ひとも」も大切にする中で「大丈夫」を育てる教室です。
不登校の子供たちが安心して過ごせる居場所であると同時に、一人ひとりの「知りたい」「やってみたい」を大切にする学びの場です。
私たちが育てたいのは、知識や技術だけではありません。
「うれしい」「悔しい」「不安」「挑戦してみたい」
そんな一つひとつの気持ちを大切に受け止め、自分の気持ちに気づき、相手の気持ちにも思いを巡らせる力を育てたいと思っています。

安心できる場所だからこそ、人は挑戦できます。
失敗しても受け止めてもらえる安心感があるからこそ「もう一回やってみよう」と前を向くことができます。

教室では、科学実験やモノづくり、アート、歴史、社会とのつながりを感じられるプロジェクトなど、五感を使って夢中になれる活動を数多く取り入れています。
「どうしてこうなるんだろう」
「もっとやってみたい」
そんな小さな好奇心が、深い学びの入り口となり、「好き」という思いが子どもたちの未来を支えます。

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