子どもたちが
「駅」で
社会を学ぶ日。
不登校かもしれない。でも、この子に才能がないわけじゃない。
ただ、舞台が合っていなかっただけかもしれない。
「学校に行けない」ことは、終わりじゃない。
むしろ、それが本当の学びへの始まりだったとしたら?
NIJINアカデミーの子どもたちが、JR東日本のコワーキングスペースで毎週集まるようになって半年が過ぎた。はじめは緊張していた子も、いまでは「みなかみの地域を盛り上げるにはどうしたらいいか」と本気で議論している。地域の大人たちと対話し、動画を撮り、アンケートを設計し、舞台に立つ。それは「学校の勉強」とは似ても似つかない、でも確かに「学び」と呼べるものだった。
2026年5月13日、EDIX東京2026のNIJINアカデミーブース。子どもたちは、JR東日本スタートアップの澤田智広さんとともに、この半年間の共創の成果を世界に向けて発表した。会場は、教育関係者や企業人、保護者たちで埋まっていた。
背景と課題意識
「35万人の子ども」が、既存の学校から
溢れ出している。
全国の小中学校で不登校となる子どもの数は約35万人(2024年度、文部科学省調査)。過去最多を更新し続けるこの数字は、「学校制度が一部の子どもたちと合っていない」というシグナルでもある。
NIJINアカデミーは2023年9月の開校以来、メタバース本校舎と全国のリアル教室を組み合わせ、累計700名超の入学者を受け入れてきた。出席認定率97%という数字は、既存の学校制度の中でも「ここで学んでいることが認められている」ことを意味する。しかしそれだけでは足りない、とNIJINは考えていた。
「Be Happy Do Happy」——NIJINの理念は、単に「学校の代わり」をつくることではない。教育を社会に開き、子どもたちが本物の社会課題に触れながら、自らの力で問いを立てられるようにすること。それこそが、これからの日本を創っていく子どもたちへの本気の贈り物だと信じている。
そのパートナーとして手を挙げたのが、JR東日本スタートアップ株式会社だった。
連携のはじまり
「駅」が、教室になる日。
2025年11月、共創スタート。
2025年11月、JR東日本スタートアップが運営する「未来変革パートナーシッププログラム」にNIJINが採択された。JR東日本グループが持つ駅・商業施設・地域拠点というアセットと、NIJINの教育ノウハウが組み合わさることで、まったく新しい学びのインフラが生まれようとしていた。
駅は、多くの人々が行き交う社会の接点であり、地域の玄関口です。この鉄道インフラを移動の拠点から「くらしのプラットフォーム」へと転換し、地域全体が子どもたちの学び場となれば、日本の未来はもっと明るくなると信じています。
JR東日本スタートアップ 代表取締役社長 柴田 裕
共創テーマは「学び場を変えて、子どもも地域も丸ごと元気に」。まず拠点となったのは、東京都内にあるJR東日本スタートアップのコワーキングスペース。2025年11月から、地域課題に関心のある子どもたちが週1回ここに集まり、活動を開始した。
地域課題の企画会議
地域留学プランをゼロから考える。子どもたちが「問い」を立て、自分たちで企画書をつくる。
動画制作・YouTube発信
地域の魅力を発信するコンテンツを企画・制作。「見てもらう」ために本気で向き合う。
大人と「共に働く」空間
子どもが学び、大人が仕事する。同じ空間に居ることで、「働くこと」「学ぶこと」が自然に混ざり合う。
現地視察・地域留学
群馬・みなかみへ。
「地域の本物」に触れる体験。
2025年11月末、代表メンバーの子どもたちが群馬県・みなかみを訪れた。谷川岳の雄大な自然、温泉、アウトドアアクティビティ——東京のコワーキングスペースで「地域の魅力」について議論してきた子どもたちが、ついに自分の足で現地を歩いた。
地元でカフェを営む方、地ビールを手がける醸造家——地域で生き、働くリアルな声に触れる機会は、子どもたちにとって教科書では決して得られないものだった。「なぜここに住み続けるのか」「地域の課題はなんだと思うか」。子どもたちは恐る恐る、しかし真剣に問いを投げかけた。
みなかみは今後、「地域まるごと学びのキャンパス」の先行モデルとなる。駅を拠点に、メタバースとリアルを融合させた新しい学びの場をプロデュースする「リアル教室長」の育成・展開も、2026年2月から公式に募集が始まった。
子どもたちはアンケート調査を設計し、地域留学プログラムそのものを企画し、TOKYO DIGICONXでのプレゼンにも挑戦した。「親子関係人口を増やす」という、大人顔負けのテーマを掲げながら。
EDIX Tokyo 2026 — 2026.05.13
子どもたちが、教育の最前線で
発表した日。
EDIX東京2026は、国内最大級の教育総合展示会。全国から数万人の教育関係者・企業・行政が集う、まさに「教育の現在地と未来」が交差する場所だ。そのNIJINアカデミーブースに、子どもたちの姿があった。
JR東日本スタートアップの澤田智広さんとともに、壇上に立った子どもたち。「みなかみをどう盛り上げるか」「どんな人に来てほしいか」「地域のどんな魅力をどう伝えるか」——半年間の共創の全てを、自分たちの言葉で語った。緊張した声、少し誇らしげな表情。会場の空気が、少しだけ変わった瞬間があった。
JR東日本スタートアップ
澤田 智広
営業推進部 アソシエイト
実証実験を通じて、子どもたちが地域の大人(先生)や本物の社会課題に触れることで、自ら問いを立て行動し始める驚くべき主体性の変容を目の当たりにしています。
NIJINアカデミー
星野 達郎
株式会社NIJIN 代表取締役
不登校は「問題」ではなく、子どもたちが既存のシステムに合わないという「サイン」です。彼らが必要としているのは、新しい学びの選択肢です。
地域の事業者にとっても、教育という文脈が新たな関係人口創出の鍵となる——澤田さんはそう手応えを語る。教育は、子どものためだけじゃない。地域のためにも、企業のためにも、社会全体のためになりうる投資なのだ。
この共創が意味すること
「主体の約束」——
一人ひとりが輝ける社会へ。
NIJINアカデミーが大切にする理念のひとつに、「主体の約束」という言葉がある。子ども一人ひとりが、自分の意志で問いを立て、行動する。その主体性を信じ、守り、育てること。
今回の共創は、その約束を社会という舞台で実践したものだ。JR東日本スタートアップという、日本の鉄道インフラを担う企業が「教育」という領域に本気で向き合った。子どもたちは、企業の担当者と対等に議論した。地域の課題を、自分ごととして捉えた。
この連携事例を見て、「うちとも何かできるのではないか」と感じる企業・団体・個人が一つでも増えれば、その分だけ、輝ける子どもが増えていく。NIJINはそう確信している。
企業内にフリースクールをつくることで、不登校の子どもを抱える保護者の離職を防ぐこともできる。学ぶことも、働くことも、どちらも諦めない。そんな新しい教育・家族の在り方がもう始まっています。
連携のあゆみ
2025年11月
「未来変革パートナーシッププログラム」採択・共創発表
JR東日本スタートアップとNIJINの連携が正式にスタート。東京都内のコワーキングスペースを拠点に、週1回の活動を開始。
2025年11月末
群馬・みなかみ現地視察
代表メンバーが現地を訪問。地域の自然・観光資源を体感し、地域事業者との対話を通じて「地域で生きること」のリアルに触れた。
2025年12月〜2026年1月
地域留学プログラム設計・TOKYO DIGICONX発表
子どもたちがアンケートを設計・分析し、地域留学プログラムの骨格を企画。プレゼン発表にも挑戦。
2026年2月
「リアル教室長」募集開始
みなかみを先行モデルとした新しい学びの拠点づくりに向け、地域でNIJINアカデミーの教室を運営する「リアル教室長」の公募がスタート。
2026年5月13日
EDIX東京2026 — 子どもたちが発表
国内最大級の教育展示会のNIJINブースで、澤田さんとともに半年間の共創成果を発表。2026年度以降は全体から希望者を募る定期開催へ拡大予定。
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